M000 放射線治療管理料(分布図の作成1回につき)
1 1門照射、対向2門照射又は外部照射を行った場合 2,700点
2 非対向2門照射、3門照射又は腔内照射を行った場合 3,100点
3 4門以上の照射、運動照射、原体照射又は組織内照射を行った場合 4,000点
4 強度変調放射線治療(IMRT)による体外照射を行った場合 5,000点
注
1 線量分布図を作成し、区分番号M001に掲げる体外照射、区分番号M004の1に掲げる外部照射、区分番号M004の2に掲げる腔内照射又は区分番号M004の3に掲げる組織内照射による治療を行った場合に、分布図の作成1回につき1回、一連につき2回に限り算定する。
2 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、患者に対して、放射線治療を専ら担当する常勤の医師が策定した照射計画に基づく医学的管理(区分番号M001の2に掲げる高エネルギー放射線治療及び区分番号M001の3に掲げる強度変調放射線治療(IMRT)に係るものに限る。)を行った場合は、放射線治療専任加算として、330点を所定点数に加算する。
3 注2に規定する別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、放射線治療を必要とする悪性腫瘍の患者であって、入院中の患者以外のもの等に対して、放射線治療(区分番号M001の2に掲げる高エネルギー放射線治療及び区分番号M001の3に掲げる強度変調放射線治療(IMRT)に係るものに限る。)を実施した場合に、外来放射線治療加算として、患者1人1日につき1回に限り100点を所定点数に加算する。
4 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、緊急時の放射線治療の治療計画を、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た別の保険医療機関と共同して策定した場合に、遠隔放射線治療計画加算として、一連の治療につき1回に限り2,000点を所定点数に加算する。
通知
(1) 放射線治療管理料は、区分番号「M001」体外照射又は区分番号「M004」密封小線源治療の「1」に掲げる外部照射、「2」に掲げる腔内照射若しくは「3」に掲げる組織内照射による治療を行うに際して、あらかじめ作成した線量分布図に基づいた照射計画(三次元線量分布図を用いるものを含む。以下同じ。)により放射線照射を行った場合に、分布図の作成1回につき1回、所期の目的を達するまでに行う一連の治療過程において2回に限り算定する。ただし、子宮頸癌に対して行う場合は、一連の治療過程において4回まで算定できる。
(2) 画像診断を実施し、その結果に基づき、線量分布図に基づいた照射計画を作成した場合には、画像診断の所定点数は算定できるが、照射計画の作成に係る費用は当該治療管理料に含まれ、別に算定できない。
(3) 「注2」に掲げる放射線治療専任加算は、区分番号「M001」体外照射の「2」に掲げる高エネルギー放射線治療又は区分番号「M001」体外照射の「3」に掲げる強度変調放射線治療(IMRT)の際に、放射線治療を専ら担当する医師により、照射計画の作成、照射中の患者の管理及び照射後の副作用管理を含めた放射線科的管理が行われた場合に限り算定する。
(4) 「注3」に掲げる外来放射線治療加算の対象となる患者は、放射線治療を必要とする悪性腫瘍の患者であり、以下のいずれかに該当する場合に、1日につき1回に限り算定する。
ア 入院中の患者以外の患者に対して、区分番号「M001」体外照射の「2」に掲げる高エネルギー放射線治療又は区分番号「M001」体外照射の「3」に掲げる強度変調放射線治療(IMRT)の際に、あらかじめ作成した線量分布図に基づいた照射計画により放射線照射を行った場合
イ 他医療機関に入院中の患者に対して、区分番号「M001」体外照射の「3」に掲げる強度変調放射線治療(IMRT)の際に、あらかじめ作成した線量分布図に基づいた照射計画により放射線照射を行った場合
(5) 「注4」に掲げる遠隔放射線治療計画加算は、放射線治療を専ら担当する常勤の医師が配置されていない施設における放射線治療において、緊急時の放射線治療における業務の一部(照射計画の立案等)を、情報通信技術を用いたシステムを利用し、放射線治療を行う施設と連携した放射線治療を支援する施設の医師等による支援を受けて実施した場合に、一連の治療につき1回に限り算定する。なお、緊急時とは急激な病態の変化により速やかに放射線治療の開始が必要な切迫した病態や、臨時的な放射線治療計画変更が必要とされる状態をいう。
M000-2 放射性同位元素内用療法管理料
1 甲状腺癌に対するもの 1,390点
2 甲状腺機能亢進症に対するもの 1,390点
3 固形癌骨転移による疼痛に対するもの 1,700点
4 B細胞性非ホジキンリンパ腫に対するもの 3,000点
5 骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌に対するもの 2,630点
注
1 1及び2については、甲状腺疾患(甲状腺癌及び甲状腺機能亢進症)を有する患者に対して、放射性同位元素内用療法を行い、かつ、計画的な治療管理を行った場合に、月1回に限り算定する。
2 3については、固形癌骨転移による疼痛を有する患者に対して、放射性同位元素内用療法を行い、かつ、計画的な治療管理を行った場合に、月1回に限り算定する。
3 4については、B細胞性非ホジキンリンパ腫の患者に対して、放射性同位元素内用療法を行い、かつ、計画的な治療管理を行った場合に、月1回に限り算定する。
4 5については、骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌の患者に対して、放射性同位元素内用療法を行い、かつ、計画的な治療管理を行った場合に、放射性同位元素を投与した日に限り算定する。
通知
(1) 放射性同位元素内用療法管理料は、非密封放射線源による治療で、放射性同位元素を生体に投与し、その放射能による病巣内照射を行う放射線治療に当たり、当該治療を受けている患者の継続的な管理を評価するものである。
(2) 放射性同位元素内用療法管理料は入院・入院外を問わず、患者に対して放射性同位元素内用療法に関する内容について説明・指導した場合に限り算定できる。また、説明・指導した内容等を診療録に記載又は添付すること。
(3) 放射性同位元素の内用後4月間は、内用の有無にかかわらず算定できる。ただし、診療報酬明細書には、管理の開始の日付を記載すること。
(4) 「1」の「甲状腺癌に対するもの」は、甲状腺分化癌の患者(甲状腺分化癌であって、甲状腺組織の破壊、又は甲状腺癌の転移の治療(甲状腺全摘術、亜全摘術後及び手術により摘出できない症例等))に対して行った場合に算定する。
(5) 「3」の「固形癌骨転移による疼痛に対するもの」は、固形癌骨転移の患者(骨シンチグラフィで陽性像を呈する骨転移があって、骨転移部位の疼痛緩和目的(他の治療法(手術、化学療法、内分泌療法、鎮痛剤、外部放射線照射等)で疼痛コントロールが不十分である症例))に対して行った場合に算定する。
(6) 「4」の「B細胞性非ホジキンリンパ腫に対するもの」は、CD20 陽性の再発又は難治性である、低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫又はマントル細胞リンパ腫の患者に対して行った場合に算定する。
(7) 「5」の「骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌に対するもの」は、去勢抵抗性前立腺癌であって、骨シンチグラフィ等で骨転移を認める患者に対して行った場合に、1月あたりの回数によらず、放射性同位元素を内用した日に限り算定する。
(8) 放射性同位元素内用療法管理に当たっては、退出基準等、放射線管理の基準に沿って行われるものであること。
M001 体外照射
1 エックス線表在治療
イ 1回目 110点
ロ 2回目 33点
2 高エネルギー放射線治療
イ 1回目
( 1 ) 1門照射又は対向2門照射を行った場合 840点
( 2 ) 非対向2門照射又は3門照射を行った場合 1,320点
( 3 ) 4門以上の照射、運動照射又は原体照射を行った場合 1,800点
ロ 2回目
( 1 ) 1門照射又は対向2門照射を行った場合 420点
( 2 ) 非対向2門照射又は3門照射を行った場合 660点
( 3 ) 4門以上の照射、運動照射又は原体照射を行った場合 900点
注 1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関以外の保険医療機関において行われる場合は、所定点数の100分の70に相当する点数により算定する。
注 2 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、1回の線量が2.5Gy以上の全乳房照射を行った場合は、1回線量増加加算として、460点を所定点数に加算する。
3 強度変調放射線治療(IMRT) 3,000点
注 1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、別に厚生労働大臣が定める患者に対して、放射線治療を実施した場合に算定する。
注 2 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、1回の線量が2.5Gy以上の前立腺照射を行った場合は、1回線量増加加算として、1,000点を所定点数に加算する。
注
1 疾病、部位又は部位数にかかわらず、1回につき算定する。
2 術中照射療法を行った場合は、術中照射療法加算として、患者1人につき1日を限度として、5,000点を所定点数に加算する。
3 体外照射用固定器具を使用した場合は、体外照射用固定器具加算として、1,000点を所定点数に加算する。
4 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、放射線治療を専ら担当する常勤の医師が画像誘導放射線治療(IGRT)による体外照射を行った場合(イの場合は、乳房照射に係るもの、ロ及びハの場合は、2のイの( 3 )若しくはロの( 3 )又は3に係るものに限る。)には、画像誘導放射線治療加算として、患者1人1日につき1回に限り、次に掲げる区分に従い、いずれかを所定点数に加算する。
イ 体表面の位置情報によるもの 150点
ロ 骨構造の位置情報によるもの 300点
ハ 腫瘍の位置情報によるもの 450点
5 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、呼吸性移動対策を行った場合は、体外照射呼吸性移動対策加算として、150点を所定点数に加算する。
通知
(1) 体外照射の具体的な定義は次のとおりである。
ア エックス線表在治療とは、管電圧 10 万ボルト未満による照射療法をいう。
イ 高エネルギー放射線治療とは、100 万電子ボルト以上のエックス線又は電子線の応用で、直線加速装置又はマイクロトロン治療装置使用による照射療法をいう。
ウ 強度変調放射線治療(IMRT)とは、多分割絞り(マルチリーフコリメータ)などを用いて、空間的又は時間的な放射線強度の調整を同一部位に対する複数方向からの照射について行うことで、三次元での線量分布を最適なものとする照射療法をいう。ただし、診療報酬の算定については、関連学会のガイドラインに準拠し、3方向以上の照射角度から各門につき3種以上の線束強度変化を持つビームによる治療計画を逆方向治療計画法にて立案したものについて照射した場合に限る。
(2) 体外照射の治療料は、疾病の種類、部位の違い、部位数、同一患部に対する照射方法にかかわらず、1回につき所定点数を算定する。また、2方向以上の照射であっても当該所定点数のみにより算定する。
(3) 「1」エックス線表在治療及び「2」高エネルギー放射線治療は、1日に複数部位の照射を行う場合においては、1回目とは異なる部位に係る2回目の照射に限り、「ロ」の2回目の所定点数を算定する。1日に同一部位に対する複数回の照射を行う場合は、1回目の照射と2回目の照射の間隔が2時間を超える場合に限り、「イ」の1回目の所定点数を1日に2回分算定できる。
(4) 1回線量増加加算
ア 日本放射線腫瘍学会が作成した最新の「放射線治療計画ガイドライン」を遵守して実施した場合に限り算定できる。
イ 患者に対して、当該治療の内容、合併症及び予後等を照射線量と回数の違いによる差異が分かるように文書を用いて詳しく説明を行い、患者の同意を得るとともに、患者から要望のあった場合、その都度治療に関して十分な情報を提供すること。
なお、患者への説明は、図、画像、映像、模型等を用いて行うことも可能であるが、説明した内容については文書(書式様式は自由)で交付、診療録に添付すること。また、患者への説明が困難な状況にあっては、事後の説明又は家族等関係者に説明を行っても差し支えない。ただし、その旨を診療録に記載すること。
ウ 「3」強度変調放射線治療(IMRT)の「注2」の1回線量増加加算は、強度変調放射線治療(IMRT)を行う場合であって、「注4」の「ハ」(画像誘導放射線治療加算(腫瘍の位置情報によるもの))を算定する場合に限り算定する。
(5) 「注3」の体外照射用固定器具加算は、悪性腫瘍に対して体外照射を行う際に身体を精密に固定する器具を使用した場合に限り、一連の治療につき1回に限り算定できる。
(6) 「注4」の画像誘導放射線治療(IGRT)とは、毎回の照射時に治療計画時と照射時の照射中心位置の三次元的な空間的再現性が5ミリメートル以内であることを照射室内で画像的に確認・記録して照射する治療のことである。
(7) 「注4」の画像誘導放射線治療加算は、「2」高エネルギー放射線治療の所定点数を1日に2回分算定できる場合であっても、1日に1回の算定を限度とする。
(8) 「注5」の呼吸性移動対策とは、呼吸による移動長が 10 ミリメートルを超える肺がん、食道がん、胃がん、肝がん、胆道がん、膵がん、腎がん若しくは副腎がん又は深吸気位において心臓の線量低減が可能な左乳がんに対し、治療計画時及び毎回の照射時に呼吸運動(量)を計測する装置又は実時間位置画像装置等を用いて、呼吸性移動による照射範囲の拡大を低減する対策のことをいい、呼吸性移動のために必要な照射野の拡大が三次元的な各方向に対しそれぞれ5ミリメートル以下となることが、治療前に計画され、照射時に確認されるものをいう。なお、治療前の治療計画の際に、照射範囲計画について記録し、毎回照射時に実際の照射範囲について記録の上、検証すること。
M001-2 ガンマナイフによる定位放射線治療 50,000点
通知
(1) ガンマナイフによる定位放射線治療とは、半球状に配置された多数のコバルト60の微小線源から出るガンマ線を集束させ、病巣部を照射する治療法をいう。
(2) 数か月間の一連の治療過程に複数回の治療を行った場合であっても、所定点数は1回のみ算定する。
(3) 定位型手術枠(フレーム)を取り付ける際等の麻酔、位置決め等に係る画像診断、検査、放射線治療管理等の当該治療に伴う一連の費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。
M001-3 直線加速器による放射線治療(一連につき)
1 定位放射線治療の場合 63,000点
2 1以外の場合 8,000点
注
1 定位放射線治療のうち、患者の体幹部に対して行われるものについては、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において行われる場合に限り算定する。
2 定位放射線治療について、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、呼吸性移動対策を行った場合は、定位放射線治療呼吸性移動対策加算として、所定点数に次の点数を加算する。
イ 動体追尾法 10,000点
ロ その他 5,000点
通知
(1) 直線加速器による放射線治療は、実施された直線加速器による体外照射を一連で評価したものであり、「M001」体外照射を算定する場合は、当該点数は算定できない。
(2) 定位放射線治療とは、直線加速器(マイクロトロンを含む。)により極小照射野で線量を集中的に照射する治療法であり、頭頸部に対する治療については、照射中心の固定精度が2ミリメートル以内であるものをいい、体幹部に対する治療については、照射中心の固定精度が5ミリメートル以内であるものをいう。
(3) 定位放射線治療における頭頸部に対する治療については、頭頸部腫瘍(頭蓋内腫瘍を含む。)及び脳動静脈奇形に対して行った場合にのみ算定し、体幹部に対する治療については、原発病巣が直径5センチメートル以下であり転移病巣のない原発性肺癌、原発性肝癌又は原発性腎癌、3個以内で他病巣のない転移性肺癌又は転移性肝癌、転移病巣のない限局性の前立腺癌又は膵癌、直径5センチメートル以下の転移性脊椎腫瘍、5個以内のオリゴ転移及び脊髄動静脈奇形(頸部脊髄動静脈奇形を含む。)に対して行った場合にのみ算定し、数か月間の一連の治療過程に複数回の治療を行った場合であっても、所定点数は1回のみ算定する。
(4) 定位放射線治療については、定位型手術枠又はこれと同等の固定精度を持つ固定装置を取り付ける際等の麻酔、位置決め等に係る画像診断、検査、放射線治療管理等の当該治療に伴う一連の費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。
(5) 「注2」の呼吸性移動対策とは、呼吸による移動長が 10 ミリメートルを超える肺がん、肝がん又は腎がんに対し、治療計画時及び毎回の照射時に呼吸運動(量)を計測する装置又は実時間位置画像装置等を用いて、呼吸性移動による照射範囲の拡大を低減する対策のことをいい、呼吸性移動のために必要な照射野の拡大が三次元的な各方向に対しそれぞれ5ミリメートル以下となることが、治療前に計画され、照射時に確認されるものをいう。なお、治療前の治療計画の際に、照射範囲計画について記録し、毎回照射時に実際の照射範囲について記録の上、検証すること。
(6) 「注2」の「イ」動体追尾法は、自由呼吸の下で、呼吸運動と腫瘍位置との関係を分析し、呼吸運動に合わせて照射野を移動して照射する方法、又は呼吸運動に合わせて腫瘍の近傍のマーカー等をエックス線透視し、決められた位置を通過する時に照射する方法のいずれかの場合に算定する。
M001-4 粒子線治療(一連につき)
1 希少な疾病に対して実施した場合
イ 重粒子線治療の場合 187,500点
ロ 陽子線治療の場合 187,500点
2 1以外の特定の疾病に対して実施した場合
イ 重粒子線治療の場合 110,000点
ロ 陽子線治療の場合 110,000点
注
1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、別に厚生労働大臣が定める患者に対して行われる場合に限り算定する。
2 粒子線治療の適応判定体制に関する別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、粒子線治療の適応判定に係る検討が実施された場合には、粒子線治療適応判定加算として、40,000点を所定点数に加算する。
3 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、放射線治療を担当する専従の医師が策定した照射計画に基づく医学的管理を行った場合には、粒子線治療医学管理加算として、10,000点を所定点数に加算する。
通知
(1) 重粒子線治療とは、炭素原子核を加速することにより得られた重粒子線を集中的に照射する治療法であるものをいう。
(2) 陽子線治療とは、水素原子核を加速することにより得られた陽子線を集中的に照射する治療法であるものをいう。
(3) 重粒子線治療は、手術による根治的な治療法が困難である限局性の骨軟部腫瘍、頭頸部悪性腫瘍(口腔・咽喉頭の扁平上皮癌を除く。)又は限局性及び局所進行性前立腺癌(転移を有するものを除く。)に対して根治的な治療法として行った場合にのみ算定し、数か月間の一連の治療過程に複数回の治療を行った場合であっても、所定点数は1回のみ算定する。
(4) 陽子線治療は、小児腫瘍(限局性の固形悪性腫瘍に限る。)、手術による根治的な治療法が困難である限局性の骨軟部腫瘍、頭頸部悪性腫瘍(口腔・咽喉頭の扁平上皮癌を除く。)又は限局性及び局所進行性前立腺癌(転移を有するものを除く。)に対して根治的な治療法として行った場合にのみ算定し、数か月間の一連の治療過程に複数回の治療を行った場合であっても、所定点数は1回のみ算定する。
(5) 「1」に規定する希少な疾病とは、小児腫瘍(限局性の固形悪性腫瘍に限る。)、手術による根治的な治療法が困難である限局性の骨軟部腫瘍及び頭頸部悪性腫瘍(口腔・咽喉頭の扁平上皮癌を除く。)のことを指し、「2」に規定する「1」以外の特定の疾病とは、限局性及び局所進行性前立腺癌(転移を有するものを除く。)のことを指す。
(6) 粒子線治療について、位置決めなどに係る画像診断、検査等の当該治療に伴う一連の費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。
(7) 「注2」の粒子線治療適応判定加算は、当該治療の実施に当たって、治療適応判定に関する体制が整備された保険医療機関において、適応判定が実施された場合に算定できるものであり、当該治療を受ける全ての患者に対して、当該治療の内容、合併症及び予後等を文書を用いて詳しく説明を行い、併せて、患者から要望のあった場合、その都度治療に関して十分な情報を提供すること。なお、患者への説明内容については文書(書式様式は自由)で交付し、診療録に添付するものであること。
(8) 「注3」の粒子線治療医学管理加算は、粒子線治療に係る照射に際して、画像診断に基づきあらかじめ作成した線量分布図に基づいた照射計画と照射時の照射中心位置を、三次元的な空間的再現性により照射室内で画像的に確認・記録するなどの医学的管理を行った場合に限り算定する。
(9) 粒子線治療の実施に当たっては、薬事承認された粒子線治療装置を用いた場合に限り算定する。
M002 全身照射(一連につき) 30,000点
注
造血幹細胞移植を目的として行われるものに限る。
通知
全身照射は、1回の造血幹細胞移植について、一連として1回に限り算定できる。
M003 電磁波温熱療法(一連につき)
1 深在性悪性腫瘍に対するもの 9,000点
2 浅在性悪性腫瘍に対するもの 6,000点
通知
(1) 「1」の深在性悪性腫瘍に対するものは、頭蓋内又は体腔内に存在する腫瘍であって、腫瘍の大半が概ね皮下6センチメートル以上の深部に所在するものに対して、高出力の機器(100 メガヘルツ以下の低周波数のもの)を用いて電磁波温熱療法を行う場合に算定できる。
(2) 四肢若しくは頸部の悪性腫瘍に対して行う場合又はアプリケーターを用いて腔内加温を行う場合は、腫瘍の存在する部位及び使用する機器の如何を問わず、「2」の浅在性悪性腫瘍に対するものにより算定する。
(3) 電磁波温熱療法は、放射線治療と併用しない場合(化学療法と併用する場合又は単独で行う場合)においても算定できる。
(4) 「一連」とは、治療の対象となる疾患に対して所期の目的を達するまでに行う一連の治療過程をいう。数か月間の一連の治療過程に複数回の電磁波温熱療法を行う場合は、1回のみ所定点数を算定し、その他数回の療法の費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。なお、医学的な必要性から、一連の治療過程後に再度、当該療法を行う場合は、2月に1回、2回を限度として算定する。
(5) 電磁波温熱療法の実施に当たっては、治療部分の温度を測定し、十分な加温を確認する等の必要な措置を講ずる。
(6) 電磁波温熱療法を行うに当たって使用するセンサー等の消耗品の費用は、所定点数に含まれ、別に算定できない。
M004 密封小線源治療(一連につき)
1 外部照射 80点
2 腔内照射
イ 高線量率イリジウム照射を行った場合又は新型コバルト小線源治療装置を用いた場合 12,000点
ロ その他の場合 5,000点
3 組織内照射
イ 前立腺癌に対する永久挿入療法 48,600点
ロ 高線量率イリジウム照射を行った場合又は新型コバルト小線源治療装置を用いた場合 23,000点
ハ その他の場合 19,000点
4 放射性粒子照射(本数に関係なく) 8,000点
注
1 疾病、部位又は部位数にかかわらず、一連につき算定する。
2 使用した高線量率イリジウムの費用として、購入価格を50円で除して得た点数を加算する。
3 使用した低線量率イリジウムの費用として、購入価格を10円で除して得た点数を加算する。
4 前立腺癌に対する永久挿入療法を行った場合は、線源使用加算として、使用した線源の費用として1個につき630点を所定点数に加算する。ただし、この場合において、注6の加算は算定できない。
5 食道用アプリケーター又は気管、気管支用アプリケーターを使用した場合は、食道用アプリケーター加算又は気管、気管支用アプリケーター加算として、それぞれ6,700点又は4,500点を所定点数に加算する。
6 使用した放射性粒子の費用として、購入価格を10円で除して得た点数を加算する。
7 使用したコバルトの費用として、購入価格を1,000円で除して得た点数を加算する。
8 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、放射線治療を専ら担当する常勤の医師が画像誘導密封小線源治療(IGBT)(2のイに係るものに限る。)を行った場合には、画像誘導密封小線源治療加算として、一連につき1,200点を所定点数に加算する。
通知
(1) 密封小線源治療の治療料は疾病の種類、部位の違い、部位数の多寡にかかわらず、一連として所定点数を算定する。
(2) 外部照射とは、コバルト60、セシウム137等のガンマ線又はストロンチウム90等のベーター線による4センチメートル以下の近距離照射又は直接貼布する療法をいう。
(3) 腔内照射
ア 高線量率イリジウム照射を行った場合とは、子宮腔、腟腔、口腔、直腸等の腔内にイリジウム192管を挿入し照射する場合であり、アプリケーターの挿入から抜去までを一連として算定する。なお、挿入及び抜去に係る手技料は当該所定点数に含まれ、別に算定できない。
イ 新型コバルト小線源治療装置とは、高線量率イリジウム照射で用いられる線源と概ね同じ大きさの径の線源を用いるものをいう。
ウ その他の場合とは、子宮腔、腟腔、口腔、直腸等の腔内にセシウム137管等を挿入して照射する場合や眼窩内等にストロンチウム容器を挿入して照射する場合であり、アプリケーターの挿入から抜去までを一連として算定するものとし、新型コバルト小線源治療装置を用いた場合には、「イ」により算定し、旧型コバルト腔内照射装置を用いた場合は算定できない。なお、挿入及び抜去に係る手技料は当該所定点数に含まれ、別に算定できない。
(4) 組織内照射
ア 前立腺癌に対する永久挿入療法とは、前立腺組織内にヨウ素125粒子を挿入する療法をいい、当該療法の実施に当たっては、関係法令及び関係学会のガイドラインを踏まえ、適切に行われるよう十分留意すること。
イ 高線量率イリジウム照射を行った場合とは、イリジウム192 線源を挿入する場合であり、外套針の刺入から抜去までの全期間を一連として算定する。なお、外套針の刺入及び抜去に係る手技料は当該所定点数に含まれ、別に算定できない。
ウ 新型コバルト小線源治療装置とは、高線量率イリジウム照射で用いられる線源と概ね同じ大きさの径の線源を用いるものであり、それよりも大きな径の線源である従前のコバルト線源を用いるものは該当しない。
エ その他の場合とは、舌その他の口腔癌、皮膚癌、乳癌等の癌組織内にコバルト針、セシウム針等を刺入する場合であり、刺入から抜去までの全期間を一連として算定する。なお、刺入及び抜去に係る手技料は当該所定点数に含まれ、別に算定できない。
(5) 放射性粒子照射とは、組織内に放射性金粒子等の放射性粒子を刺入するものであって、その使用本数等に関係なく一連につき所定点数を算定する。また、この場合「注6」により放射性粒子の費用は別に算定できる。なお、刺入に係る手技料は当該所定点数に含まれ、別に算定できない。
(6) 同一の高線量率イリジウムを使用し、1人又は複数の患者に対して1回又は複数回の密封小線源治療を行った場合は、使用した高線量率イリジウムの費用として、患者1人につき1回に限り加算する。
(7) 同一の低線量率イリジウムを使用し、1人の患者に対して複数回の密封小線源治療を行った場合は、使用した低線量率イリジウムの費用として、患者1人につき1回に限り加算する。
(8) 同一のコバルトを使用し、1人の患者に対して複数回の密封小線源治療を行った場合は、使用したコバルトの費用として、患者1人につき1回に限り加算する。
(9) 「注8」の画像誘導密封小線源治療加算は、治療用のアプリケーターを挿入した状態で撮影したCT又はMRIの画像所見を用いて治療計画を行い、腫瘍と周囲臓器への最適な照射線量を計算して、子宮頸癌に対して照射した場合に限り、一連につき1回に限り算定する。
(10) 「注8」の画像誘導密封小線源治療加算は、日本放射線腫瘍学会が作成した最新の「密封小線源治療の診療・物理QAガイドライン」を遵守して実施した場合に限り算定できる。
M005 血液照射 110点
通知
(1) 血液照射は、輸血後移植片対宿主病予防のために輸血用血液に対して放射線照射を行った場合に算定する。
(2) 血液照射料は、血液照射を行った血液量が 400 ミリリットル以下の場合には 110 点、これ以降 400 ミリリットル又はその端数を増すごとに 110 点を加えて計算する。なお、血液照射を行った血液のうち、実際に輸血を行った1日当たりの血液量についてのみ算定する。
(3) 血液量は、実際に照射を行った総量又は原材料として用いた血液の総量のうちいずれか少ない量により算定する。例えば、200 ミリリットルの血液から製造された 30 ミリリットルの血液成分製剤については 30 ミリリットルとして算定し、200 ミリリットルの血液から製造された 230 ミリリットルの保存血及び血液成分製剤は、200 ミリリットルとして算定する。
(4) 放射線を照射した血液製剤を使用した場合は、当該血液照射は別に算定できない。
(5) 血液照射に当たっては、「血液製剤の使用指針及び輸血療法の実施に関する指針について」(平成 11 年6月 10 日付け医薬発第 715 号厚生省医薬安全局長通知)及び「血小板製剤の使用適正化の推進について」(平成6年7月 11 日付け薬発第 638 号厚生省薬務局長通知)による、両通知別添(「血液製剤の使用指針」、「輸血療法の実施に関する指針」及び「血小板製剤の適正使用について」)その他の関係通知及び関係学会から示されている血液照射についてのガイドラインを遵守するよう努めるものとする。