令和2年(2020)第1節 検体検査料

目次

通則

検体検査の費用は、第1款及び第2款の各区分の所定点数を合算した点数により算定する。

第1款 検体検査実施料

検体検査実施料 通則

通則
1 入院中の患者以外の患者について、緊急のために、保険医療機関が表示する診療時間以外の時間、休日又は深夜において、当該保険医療機関内において検体検査を行った場合は、第1款の各区分の所定点数に1日につき200点を加算する。ただし、この場合において、同一日に第3号の加算は別に算定できない。

2 特定機能病院である保険医療機関においては、入院中の患者に係る検体検査実施料は、基本的検体検査実施料に掲げる所定点数及び当該所定点数に含まれない各項目の所定点数により算定する。

3 入院中の患者以外の患者に対して実施した検体検査であって、別に厚生労働大臣が定めるものの結果について、検査実施日のうちに説明した上で文書により情報を提供し、当該検査の結果に基づく診療が行われた場合に、5項目を限度として、第1節第1款の各区分に掲げる検体検査実施料の各項目の所定点数にそれぞれ10点を加算する。

通知
時間外緊急院内検査加算

(1) 時間外緊急院内検査加算については、保険医療機関において、当該保険医療機関が表示する診療時間以外の時間、休日又は深夜に入院中の患者以外の患者に対して診療を行った際、医師が緊急に検体検査の必要性を認め、当該保険医療機関において、当該保険医療機関の従事者が当該保険医療機関内に具備されている検査機器等を用いて当該検体検査を実施した場合に限り算定できる。
なお、当該加算の算定に当たっては、当該加算の対象たる検査の開始時間をもって算定する。

(2) 検査の開始時間が診療時間以外の時間、休日又は深夜に該当する場合に当該加算を算定する。なお時間外等の定義については、区分番号「A000」初診料の注7に規定する時間外加算等における定義と同様であること。

(3) 同一患者に対して、同一日に2回以上、時間外、休日又は深夜の診療を行い、その都度緊急の検体検査を行った場合(複数の区分にまたがる場合を含む。)も、1日につき1回のみ算定する。

(4) 現に入院中の患者については算定できない。ただし、時間外、休日又は深夜に外来を受診した患者に対し、検体検査の結果、入院の必要性を認めて、引き続き入院となった場合は、この限りではない。

(5) 時間外緊急院内検査加算を算定する場合においては、区分番号「A000」初診料の注9並びに区分番号「A001」再診料の注7に規定する夜間・早朝等加算は算定できない。

(6) 緊急の場合とは、直ちに何らかの処置・手術等が必要である重篤な患者について、通常の診察のみでは的確な診断が困難であり、かつ、通常の検査体制が整うまで検査の実施を見合わせることができないような場合をいう。

外来迅速検体検査加算

(1) 外来迅速検体検査加算については、当日当該保険医療機関で行われた検体検査について、当日中に結果を説明した上で文書により情報を提供し、結果に基づく診療が行われた場合に、5項目を限度として、検体検査実施料の各項目の所定点数にそれぞれ10 点を加算する。

(2) 以下の多項目包括規定に掲げる点数を算定する場合には、その規定にかかわらず、実施した検査項目数に相当する点数を加算する。
区分番号「D006」出血・凝固検査の注の場合
区分番号「D007」血液化学検査の注の場合
区分番号「D008」内分泌学的検査の注の場合
区分番号「D009」腫瘍マーカーの注2の場合
例 患者から1回に採取した血液等を用いて区分番号「D009」腫瘍マーカーの「2」の癌胎児性抗原(CEA)と「6」のCA19-9を行った場合、検体検査実施料の請求は区分番号「D009」腫瘍マーカーの「注2」の「イ」2項目となるが、外来迅速検体検査加算は、行った検査項目数が2項目であることから、20 点を加算する。

(3) 同一患者に対して、同一日に2回以上、その都度迅速に検体検査を行った場合も、1日につき5項目を限度に算定する。

(4) 区分番号「A002」外来診療料に含まれる検体検査とそれ以外の検体検査の双方について加算する場合も、併せて5項目を限度とする。

(5) 現に入院中の患者については算定できない。ただし、外来を受診した患者に対し、迅速に実施した検体検査の結果、入院の必要性を認めて、引き続き入院となった場合は、この限りではない。

(尿・糞便等検査)

D000 尿中一般物質定性半定量検査 26点


当該保険医療機関内で検査を行った場合に算定する。

通知
(1) 検体検査を行った場合は所定の判断料を算定できるものであるが、尿中一般物質定性半定量検査を実施した場合は、当該検査に係る判断料は算定できない。

(2) 尿中一般物質定性半定量検査
ア 尿中一般物質定性半定量検査とは、試験紙、アンプル若しくは錠剤を用いて検査する場合又は試験紙等を比色計等の機器を用いて判定する場合をいい、検査項目、方法にかかわらず、1回につき所定点数により算定する。
イ 尿中一般物質定性半定量検査に含まれる定性半定量の検査項目は、次のとおりである。
(イ) 比重
(ロ) pH
(ハ) 蛋白定性
(ニ) グルコース
(ホ) ウロビリノゲン
(へ) ウロビリン定性
(ト) ビリルビン
(チ) ケトン体
(リ) 潜血反応
(ヌ) 試験紙法による尿細菌検査(亜硝酸塩)
(ル) 食塩
(ヲ) 試験紙法による白血球検査(白血球エステラーゼ)
(ワ) アルブミン(BCP改良法・BCG法)

(3) 尿中一般物質定性半定量検査は当該検査の対象患者の診療を行っている保険医療機関内で実施した場合にのみ算定できるものであり、委託契約等に基づき当該保険医療機関外で実施された検査の結果報告を受けるのみの場合は算定できない。ただし、委託契約等に基づき当該保険医療機関内で実施された検査について、その結果が当該保険医療機関に対して速やかに報告されるような場合は、所定点数を算定できる。

D001 尿中特殊物質定性定量検査

1 尿蛋白 7点

2 VMA定性(尿)、Bence Jones蛋白定性(尿)、尿グルコース 9点

3 ウロビリノゲン(尿)、先天性代謝異常症スクリーニングテスト(尿)、尿浸透圧 16点

4 ポルフィリン症スクリーニングテスト(尿) 17点

5 N-アセチルグルコサミニダーゼ(NAG)(尿) 41点

6 アルブミン定性(尿) 49点

7 黄体形成ホルモン(LH)定性(尿)、フィブリン・フィブリノゲン分解産物(FDP)(尿) 72点

8 アルブミン定量(尿) 102点

9 トランスフェリン(尿) 104点

10 ウロポルフィリン(尿) 105点

11 δアミノレブリン酸(δ-ALA)(尿) 109点

12 ポリアミン(尿) 115点

13 ミオイノシトール(尿) 120点

14 コプロポルフィリン(尿) 135点

15 総ヨウ素(尿) 186点

16 Ⅳ型コラーゲン(尿 )189点

17 ポルフォビリノゲン(尿) 191点

18 シュウ酸(尿) 200点

19 L型脂肪酸結合蛋白(L-FABP)(尿)、好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(NGAL)(尿) 210点

20 尿の蛋白免疫学的検査区分番号D015に掲げる血漿蛋白免疫学的検査の例により算定した点数

21 その他検査の種類の別により区分番号D007に掲げる血液化学検査区分番号D008に掲げる内分泌学的検査、区分番号D009に掲げる腫瘍マーカー又は区分番号D010に掲げる特殊分析の例により算定した点数


区分番号D007に掲げる血液化学検査又は区分番号D008に掲げる内分泌学的検査、区分番号D009に掲げる腫瘍マーカー若しくは区分番号D010に掲げる特殊分析の所定点数を準用した場合は、当該区分の注についても同様に準用するものとする。

通知
(1) 「3」の先天性代謝異常症スクリーニングテスト(尿)とは、次に掲げる物質の定性半定量検査及び反応検査をいう。
ア 塩化鉄(Ⅲ)反応(フェニールケトン体及びアルカプトン体の検出を含む。)
イ 酸性ムコ多糖類
ウ システイン、シスチン等のSH化合物
エ ヒスチジン定性
オ メチルマロン酸
カ Millon 反応
キ イサチン反応
ク Benedict 反応

(2) 「4」のポルフィリン症スクリーニングテスト(尿)として、Watson-Schwartz 反応、Rimington 反応又はDeanand Barnes 反応を行った場合は、それぞれ所定点数を算定する。

(3) 「8」のアルブミン定量(尿)、「9」のトランスフェリン(尿)及び「16」のⅣ型コラーゲン(尿)は、糖尿病又は糖尿病性早期腎症患者であって微量アルブミン尿を疑うもの(糖尿病性腎症第1期又は第2期のものに限る。)に対して行った場合に、3月に1回に限り算定できる。なお、これらを同時に行った場合は、主たるもののみ算定する。

(4) 「13」のミオイノシトール(尿)は、空腹時血糖が110mg/dL 以上126mg/dL 未満の患者に対し、耐糖能診断の補助として、尿中のミオイノシトールを測定した場合に1年に1回に限り算定できる。ただし、既に糖尿病と診断されている場合は、算定できない。

(5) 「17」のシュウ酸(尿)は、再発性尿路結石症の患者に対して、キャピラリー電気泳動法により行った場合に、原則として1 年に1 回に限り算定する。

(6) 「18」のL型脂肪酸結合蛋白(L-FABP)(尿)は、原則として3月に1回に限り算定する。ただし、医学的な必要性からそれ以上算定する場合においては、その詳細な理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載する。

(7) 好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(NGAL)(尿)
ア 「18」の好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(NGAL)(尿)は、急性腎障害の診断時又はその治療中に、CLIA法により測定した場合に算定できる。ただし、診断時においては1回、その後は急性腎障害に対する一連の治療につき3回を限度として算定する。なお、医学的必要性からそれ以上算定する場合においては、その詳細な理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
イ 「18」の好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(NGAL)(尿)と「18」のL型脂肪酸結合蛋白(L-FABP)(尿)を併せて実施した場合には、主たるもののみ算定する。

(8) 同一日に尿、穿刺液・採取液及び血液を検体として生化学的検査(Ⅰ)又は生化学的検査(Ⅱ)に掲げる検査項目につきそれぞれを実施した場合の、多項目包括規定の適用については、尿、穿刺液・採取液及び血液のそれぞれについて算出した項目数により所定点数を算定するのではなく、血液、尿、穿刺液・採取液それぞれに係る項目数を合算した項目数により、所定点数を算定する。ただし、同一日に行う2回目以降の血液採取による検体を用いた検査項目については、当該項目数に合算せず、所定点数を別途算定する。

(9) 蛋白質とクレアチニンの比を測定する目的で試験紙により実施した場合は、「20」のその他によるクレアチニン(尿)として算定し、その判断料は、区分番号「D026」検体検査判断料の「1」尿・糞便等検査判断料を算定する。

D002 尿沈渣(鏡検法) 27点


1 同一検体について当該検査と区分番号D017に掲げる排泄物、滲出物又は分泌物の細菌顕微鏡検査を併せて行った場合は、主たる検査の所定点数のみ算定する。

2 当該保険医療機関内で検査を行った場合に算定する。

3 染色標本による検査を行った場合は、9点を加算する。

通知
(1) 尿沈渣(鏡検法)の所定点数は、赤血球、白血球、上皮細胞、各種円柱、類円柱、粘液系、リポイド、寄生虫等の無染色標本検査の全ての費用を含む。

(2) 尿沈渣(鏡検法)は、区分番号「D000」尿中一般物質定性半定量検査若しくは区分番号「D001」尿中特殊物質定性定量検査において何らかの所見が認められ、又は診察の結果からその実施が必要と認められて実施した場合に算定すること。

(3) 尿沈渣(鏡検法)は当該検査の対象患者の診療を行っている保険医療機関内で実施した場合にのみ算定できるものであり、委託契約等に基づき当該保険医療機関外で実施された検査の結果報告を受けるのみの場合は算定できない。ただし、委託契約等に基づき当該保険医療機関内で実施された検査について、その結果が当該保険医療機関に速やかに報告されるような場合は、所定点数により算定する。

(4) 尿路系疾患が強く疑われる患者について、診療所が尿沈渣(鏡検法)を衛生検査所等に委託する場合であって、当該衛生検査所等が採尿後4時間以内に検査を行い、検査結果が速やかに当該診療所に報告された場合は、所定点数を算定できる。

(5) 当該検査と区分番号「D002-2」尿沈渣(フローサイトメトリー法)を併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。

D002-2 尿沈渣(フローサイトメトリー法) 24点


1 同一検体について当該検査と区分番号D017に掲げる排泄物、滲出物又は分泌物の細菌顕微鏡検査を併せて行った場合は、主たる検査の所定点数のみ算定する。

2 当該保険医療機関内で検査を行った場合に算定する。

通知
(1) 本測定は区分番号「D000」尿中一般物質定性半定量検査若しくは区分番号「D001」尿中特殊物質定性定量検査において何らかの所見が認められ、又は診察の結果からその実施が必要と認められ、赤血球、白血球、上皮細胞、円柱及び細菌を同時に測定した場合に算定する。

(2) 本検査と区分番号「D002」尿沈渣(鏡検法)を併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。

D003 糞便検査

1 虫卵検出(集卵法)(糞便)、ウロビリン(糞便) 15点

2 糞便塗抹顕微鏡検査(虫卵、脂肪及び消化状況観察を含む。) 20点

3 虫体検出(糞便) 23点

4 糞便中脂質 25点

5 糞便中ヘモグロビン定性 37点

6 虫卵培養(糞便) 40点

7 糞便中ヘモグロビン 41点

8 糞便中ヘモグロビン及びトランスフェリン定性・定量 56点

9 カルプロテクチン(糞便) 276点

通知
(1) 糞便中の細菌、原虫検査は、区分番号「D017」排泄物、滲出物又は分泌物の細菌顕微鏡検査により算定する。

(2) ヘモグロビン検査を免疫クロマト法にて行った場合は、「5」の糞便中ヘモグロビン定性により算定する。

(3) ヘモグロビン検査を金コロイド凝集法による定量法にて行った場合は、「7」の糞便中ヘモグロビンにより算定する。

(4) カルプロテクチン(糞便)
ア 「9」の カルプロテクチン(糞便)を慢性的な炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病等)の診断補助を目的として測定する場合は、FEIA法により測定した場合に算定できる。ただし、腸管感染症が否定され、下痢、腹痛や体重減少などの症状が3月以上持続する患者であって、肉眼的血便が認められない患者において、慢性的な炎症性腸疾患が疑われる場合の内視鏡前の補助検査として実施すること。また、その要旨を診療録及び診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
イ 本検査を潰瘍性大腸炎の病態把握を目的として測定する場合は、ELISA法又はFEIA法により測定した場合に、3月に1回を限度として算定できる。ただし、医学的な必要性から、本検査を1月に1回行う場合には、その詳細な理由及び検査結果を診療録及び診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
ウ 慢性的な炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病等)の診断補助又は潰瘍性大腸炎の病態把握を目的として、本検査及び区分番号「D313」大腸内視鏡検査を同一月中に併せて行った場合は、主たるもののみ算定する。

D004 穿刺液・採取液検査

1 ヒューナー検査 20点

2 胃液又は十二指腸液一般検査 55点

3 髄液一般検査 62点

4 精液一般検査 70点

5 頸管粘液一般検査 75点

6 顆粒球エラスターゼ定性(子宮頸管粘液)、IgE定性(涙液) 100点

7 顆粒球エラスターゼ(子宮頸管粘液) 122点

8 マイクロバブルテスト 200点

9 IgGインデックス 414点

10 オリゴクローナルバンド 522点

11 ミエリン塩基性蛋白(MBP)(髄液) 577点

12 タウ蛋白(髄液) 622点

13 リン酸化タウ蛋白(髄液) 641点

14 髄液蛋白免疫学的検査区分番号D015に掲げる血漿蛋白免疫学的検査の例により算定した点数

15 髄液塗抹染色標本検査区分番号D017に掲げる排泄物、滲出物又は分泌物の細菌顕微鏡検査の例により算定した点数

16 その他検査の種類の別により区分番号D007に掲げる血液化学検査区分番号D008に掲げる内分泌学的検査、区分番号D009に掲げる腫瘍マーカー又は区分番号D010に掲げる特殊分析の例により算定した点数


区分番号D007に掲げる血液化学検査区分番号D008に掲げる内分泌学的検査、区分番号D009に掲げる腫瘍マーカー又は区分番号D010に掲げる特殊分析の所定点数を準用した場合は、当該区分の注についても同様に準用するものとする。

通知
(1) 「2」の胃液又は十二指腸液一般検査の所定点数には、量、色調、混濁、粘液量、臭気、酸度測定、ペプシン及び乳酸定量、ラブ酵素の証明、蛋白質の呈色反応(ニンヒドリン反応、ビウレット反応等)、毒物、潜血、虫卵、ウロビリン体の定性定量、コレステリン体の定量、液に含まれる物質の定性半定量の検査等の費用が含まれる。

(2) 「3」の髄液一般検査の所定点数には、外見、比重、ノンネアペルト、パンディ、ワイヒブロート等のグロブリン反応、トリプトファン反応、細胞数、細胞の種類判定及び蛋白、グルコース、ビリルビン、ケトン体等の定性半定量の検査等が含まれる。

(3) 「4」の精液一般検査の所定点数には、精液の量、顕微鏡による精子の数、奇形の有無、運動能等の検査の全ての費用が含まれる。

(4) 「5」の頸管粘液一般検査の所定点数には、量、粘稠度、色調、塗抹乾燥標本による顕微鏡検査(結晶、細菌、血球、腟上皮細胞等)等の費用が含まれる。

(5) 「6」の顆粒球エラスターゼ定性(子宮頸管粘液)は、フロースルー免疫測定法(赤色ラテックス着色法)により、絨毛羊膜炎の診断のために妊娠満22 週以上満37 週未満の妊婦で切迫早産の疑いがある者に対して測定した場合に算定する。

(6) 「6」のIgE定性(涙液)は、アレルギー性結膜炎の診断の補助を目的として判定した場合に月1回に限り算定できる。

(7) 「7」の顆粒球エラスターゼ(子宮頸管粘液)は、絨毛羊膜炎の診断のために妊娠満22週以上満37 週未満の妊婦で切迫早産の疑いがある者に対して行った場合に算定する。

(8) 「8」のマイクロバブルテストは妊娠中の患者又は新生児の患者に対して週に1回に限り算定できる。

(9) 「9」のIgG インデックス、「10」のオリゴクローナルバンド及び「11」のミエリン塩基性蛋白(MBP)(髄液)は、多発性硬化症の診断の目的で行った場合に算定する。

(10) 「12」のリン酸化タウ蛋白(髄液)は、認知症の診断を目的に、患者につき1回に限り算定する。

(11) 「13」のタウ蛋白(髄液)は、クロイツフェルト・ヤコブ病の診断を目的に、患者につき1回に限り算定する。

(12) 同一日に尿、穿刺液・採取液及び血液を検体として生化学的検査(Ⅰ)又は生化学的検査(Ⅱ)に掲げる検査項目につきそれぞれを実施した場合の、多項目包括規定の適用については、尿、穿刺液・採取液及び血液のそれぞれについて算出した項目数により所定点数を算定するのではなく、血液、尿、穿刺液・採取液それぞれに係る項目数を合算した項目数により、所定点数を算定する。ただし、同一日に行う2回目以降の血液採取による検体を用いた検査項目については、当該項目数に合算せず、所定点数を別途算定する。

D004-2 悪性腫瘍組織検査

1 悪性腫瘍遺伝子検査

イ 処理が容易なもの

(1) 医薬品の適応判定の補助等に用いるもの 2,500点
(2) その他のもの 2,100点

ロ 処理が複雑なもの 5,000点

注1 患者から1回に採取した組織等を用いて同一がん種に対してイに掲げる検査を実施した場合は、所定点数にかかわらず、検査の項目数に応じて次に掲げる点数により算定する。
イ 2項目 4,000点
ロ 3項目 6,000点
ハ 4項目以上 8,000点
2 患者から1回に採取した組織等を用いて同一がん種に対してロに掲げる検査を実施した場合は、所定点数にかかわらず、検査の項目数に応じて次に掲げる点数により算定する。
イ 2項目 8,000点
ロ 3項目以上 12,000点

2 抗悪性腫瘍剤感受性検査 2,500点

通知
(1) 「1」の悪性腫瘍遺伝子検査は、固形腫瘍の腫瘍細胞を検体とし、悪性腫瘍の詳細な診断及び治療法の選択を目的として悪性腫瘍患者本人に対して行った、(2)から(4)までに掲げる遺伝子検査について、患者1人につき1回に限り算定する。ただし、肺癌におけるEGFR遺伝子検査については、再発や増悪により、2次的遺伝子変異等が疑われ、再度治療法を選択する必要がある場合にも算定できることとし、マイクロサテライト不安定性検査については、リンチ症候群の診断の補助を目的とする場合又は局所進行若しくは転移が認められた標準的な治療が困難な固形癌の抗悪性腫瘍剤による治療法の選択を目的とする場合に、当該検査を実施した後に、もう一方の目的で当該検査を実施した場合にあっても、別に1回に限り算定できる。
早期大腸癌におけるリンチ症候群の除外を目的としてBRAF遺伝子検査を実施した場合にあっては、K-ras遺伝子検査又はRAS遺伝子検査を併せて算定できないこととし、マイクロサテライト不安定性検査を実施した年月日を、診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

(2) 「1」の「イ」の「(1)」医薬品の適応判定の補助等に用いるものとは、次に掲げる遺伝子検査のことをいい、使用目的又は効果として、医薬品の適応を判定するための補助等に用いるものとして薬事承認又は認証を得ている体外診断用医薬品又は医療機器を用いて、リアルタイムPCR法、PCR-rSSO法、マルチプレックスPCRフラグメント解析法又は次世代シーケンシングにより行う場合に算定できる。
なお、その他の方法により肺癌におけるEGFR遺伝子検査又は大腸癌におけるRAS遺伝子検査を行う場合は、令和4年3月 31 日までの間に限り、「1」の「イ」の「(2)」その他のものを算定できるものとする。
ア 肺癌におけるEGFR遺伝子検査、ROS1融合遺伝子検査、ALK融合遺伝子検査
イ 大腸癌におけるRAS遺伝子検査、BRAF遺伝子検査
ウ 乳癌におけるHER2遺伝子検査
エ 局所進行又は転移が認められた標準的な治療が困難な固形癌におけるマイクロサテライト不安定性検査

(3) 「1」の「イ」の「(2)」その他のものとは、次に掲げる遺伝子検査のことをいい、PCR法、SSCP法、RFLP法等により行う場合に算定できる。
ア 肺癌におけるK-ras遺伝子検査
イ 膵癌におけるK-ras遺伝子検査
ウ 悪性骨軟部組織腫瘍におけるEWS-Fli1遺伝子検査、TLS-CHOP遺伝子検査、SYT-SSX遺伝子検査
エ 消化管間葉系腫瘍におけるc-kit遺伝子検査
オ 悪性黒色腫におけるセンチネルリンパ節生検に係る遺伝子検査
カ 大腸癌におけるEGFR遺伝子検査、K-ras遺伝子検査、マイクロサテライト不安定性検査(リンチ症候群の診断の補助を目的とする場合に限る。)

(4) 「1」の「ロ」処理が複雑なものとは、次に掲げる遺伝子検査のことをいい、使用目的又は効果として、医薬品の適応を判定するための補助等に用いるものとして薬事承認又は認証を得ている体外診断用医薬品又は医療機器を用いて、次世代シーケンシング等により行う場合に算定できる。
なお、その他の方法により悪性黒色腫におけるBRAF遺伝子検査を行う場合は、令和4年3月 31 日までの間に限り、「1」の「イ」の「(2)」その他のものを算定できるものとする。
ア 肺癌におけるBRAF遺伝子検査
イ 悪性黒色腫におけるBRAF遺伝子検査(リアルタイムPCR法)
ウ 固形癌におけるNTRK融合遺伝子検査

(5) 患者から1回に採取した組織等を用いて同一がん種に対して「1」の「イ」処理が容易なものと「1」の「ロ」処理が複雑なものを実施した場合は、それぞれの所定点数を合算した点数により算定する。

(6) 「1」の悪性腫瘍遺伝子検査を算定するに当たっては、(2)から(4)までに掲げる遺伝子検査の中から該当するものを診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

(7) 「1」の悪性腫瘍遺伝子検査、区分番号「D006-2」造血器腫瘍遺伝子検査、区分番号「D006-6」免疫関連遺伝子再構成、区分番号「D006-14」FLT3遺伝子検査又は区分番号「D006-16」JAK2遺伝子検査のうちいずれかを同一月中に併せて行った場合には、主たるもののみ算定する。

(8) 肺癌において、「1」の「イ」の「(1)」医薬品の適応判定の補助等に用いるもののうち、(2)のアに規定する肺癌におけるEGFR遺伝子検査(「1」の「イ」の「(2)」その他のものにより算定する場合も含む。)と区分番号「D006-12」EGFR遺伝子検査(血漿)を同一月中に併せて行った場合には、主たるもののみ算定する。

(9) 肺癌において、「1」の「イ」の「(1)」医薬品の適応判定の補助等に用いるもののうち、(2)のアに規定する肺癌におけるALK融合遺伝子検査と区分番号「N002」の「6」ALK融合タンパク又は区分番号「N005-2」ALK融合遺伝子標本作製を併せて行った場合には、主たるもののみ算定する。

(10) 乳癌において、「1」の「イ」の「(1)」医薬品の適応判定の補助等に用いるもののうち、(2)のウに規定する乳癌におけるHER2遺伝子検査と区分番号「N005」HER2遺伝子標本作製を併せて行った場合には、主たるもののみ算定する。

(11) 卵巣癌において、「1」の「ロ」処理が複雑なもののうち、(4)のウに規定する固形癌におけるNTRK融合遺伝子検査と区分番号「D006-18」BRCA1/2遺伝子検査の「1」腫瘍細胞を検体とするものを併せて行った場合には、主たるもののみ算定する。

(12) 次世代シーケンシングを用いて、抗悪性腫瘍剤による治療法の選択を目的として特定の遺伝子の変異の評価を行う際に、包括的なゲノムプロファイルを併せて取得している場合には、包括的なゲノムプロファイルの結果ではなく、目的とする遺伝子変異の結果についてのみ患者に提供すること。また、その場合においては、目的以外の遺伝子の変異に係る検査結果については患者の治療方針の決定等には用いないこと。

(13) 「2」の抗悪性腫瘍剤感受性検査は、手術等によって採取された消化器癌、頭頸部癌、乳癌、肺癌、癌性胸膜・腹膜炎、子宮頸癌、子宮体癌又は卵巣癌の組織を検体とし、HDRA法又はCD-DST法を用いて、抗悪性腫瘍剤による治療法の選択を目的として行った場合に限り、患者1人につき1回に限り算定する。

(14) 当該検査の対象となる抗悪性腫瘍剤は、細胞毒性を有する薬剤に限る。また、当該検査に係る薬剤の費用は、所定点数に含まれる。

(血液学的検査)

D005 血液形態・機能検査

1 赤血球沈降速度(ESR) 9点 ※注 当該保険医療機関内で検査を行った場合に算定する。

2 網赤血球数 12点

3 血液浸透圧、好酸球(鼻汁・喀痰)、末梢血液像(自動機械法) 15点

4 好酸球数 17点

5 末梢血液一般検査 21点

6 末梢血液像(鏡検法) 25点 ※注 特殊染色を併せて行った場合は、特殊染色ごとにそれぞれ27点を加算する。

7 血中微生物検査 40点

8 赤血球抵抗試験 45点

9 ヘモグロビンA1C(HbA1C) 49点

10 自己溶血試験、血液粘稠度 50点

11 ヘモグロビンF(HbF) 60点

12 デオキシチミジンキナーゼ(TK)活性 233点

13 ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT) 250点

14 骨髄像 812点
※注 特殊染色を併せて行った場合は、特殊染色ごとにそれぞれ40点を加算する。

15 造血器腫瘍細胞抗原検査(一連につき) 1,942点

通知
(1) 「1」の赤血球沈降速度(ESR)は当該検査の対象患者の診療を行っている保険医療機関内で実施した場合にのみ算定できるものであり、委託契約等に基づき当該保険医療機関外で実施された検査の結果報告を受けるのみの場合は算定できない。ただし、委託契約等に基づき当該保険医療機関内で実施された検査について、その結果が当該保険医療機関に速やかに報告されるような場合は、所定点数により算定する。

(2) 同一検体について、「4」の好酸球数及び「3」の末梢血液像(自動機械法)又は「6」の末梢血液像(鏡検法)を行った場合は、主たる検査の所定点数のみを算定する。

(3) 「3」の末梢血液像(自動機械法)、「6」の末梢血液像(鏡検法)及び「14」の骨髄像の検査については、少なくともリンパ球、単球、好中球、好酸球、好塩基球の5分類以上の同定・比率計算を行った場合に算定する。

(4) 「6」の末梢血液像(鏡検法)及び「14」の骨髄像の検査に当たって、位相差顕微鏡又は蛍光顕微鏡を用いた場合であっても所定点数により算定する。また、末梢血液像(鏡検法)の検査の際に赤血球直径の測定を併せて行った場合であっても、所定点数により算定する。

(5) 「6」の「注」及び「14」の「注」にいう特殊染色は、次のとおりである。
ア オキシダーゼ染色
イ ペルオキシダーゼ染色
ウ アルカリホスファターゼ染色
エ パス染色
オ 鉄染色(ジデロブラスト検索を含む。)
カ 超生体染色
キ 脂肪染色
ク エステラーゼ染色

(6) 「5」の末梢血液一般検査は、赤血球数、白血球数、血色素測定(Hb)、ヘマトクリット値(Ht)、血小板数の全部又は一部を行った場合に算定する。

(7) 「8」の赤血球抵抗試験は、次のとおりである。
ア シュガーウォーターテスト
イ ハムテスト
ウ クロスビーテスト
エ パルパート法
オ サンフォード法

(8) 「9」のヘモグロビンA1C (HbA1C)、区分番号「D007」血液化学検査の「18」グリコアルブミン又は同区分「22」の1,5-アンヒドロ-D-グルシトール(1,5AG)のうちいずれかを同一月中に併せて2回以上実施した場合は、月1回に限り主たるもののみ算定する。ただし、妊娠中の患者、1型糖尿病患者、経口血糖降下薬の投与を開始して6月以内の患者、インスリン治療を開始して6月以内の患者等については、いずれか1項目を月1回に限り別に算定できる。また、クロザピンを投与中の患者については、「9」のヘモグロビンA1C (HbA1C)を月1回に限り別に算定できる。

(9) 「12」のデオキシチミジンキナーゼ(TK)活性は、造血器腫瘍の診断又は治療効果判定のために行った場合に算定する。

(10) 「13」のターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)は、白血病又は悪性リンパ腫の診断又は治療効果判定のために行った場合に算定する。

(11) 造血器腫瘍細胞抗原検査
ア 「15」の造血器腫瘍細胞抗原検査はモノクローナル抗体を用いて蛍光抗体法、酵素抗体法、免疫ロゼット法等により白血病細胞又は悪性リンパ腫細胞の表面抗原又は細胞内抗原の検索を実施して病型分類を行った場合に算定できる。
イ 対象疾病は白血病、悪性リンパ腫等である。
ウ 検査に用いられるモノクローナル抗体は、医薬品として承認されたものであり、検査に当たって用いたモノクローナル抗体の種類、回数にかかわらず、一連として所定点数を算定する。

D006 出血・凝固検査

1 出血時間 15点

2 プロトロンビン時間(PT)、全血凝固時間、トロンボテスト 18点

3 血餅収縮能、毛細血管抵抗試験 19点

4 フィブリノゲン半定量、フィブリノゲン定量、クリオフィブリノゲン 23点

5 トロンビン時間 25点

6 蛇毒試験、トロンボエラストグラフ、ヘパリン抵抗試験 28点

7 活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT) 29点

8 血小板凝集能 50点

9 血小板粘着能 64点

10 アンチトロンビン活性、アンチトロンビン抗原 70点

11 フィブリン・フィブリノゲン分解産物(FDP)定性、フィブリン・フィブリノゲン分解産物(FDP)半定量、フィブリン・フィブリノゲン分解産物(FDP)定量、プラスミン、プラスミン活性、α1-アンチトリプシン 80点

12 フィブリンモノマー複合体定性 93点

13 プラスミノゲン活性、プラスミノゲン抗原、凝固因子インヒビター定性(クロスミキシング試験) 100点

14 Dダイマー定性 125点

15 プラスミンインヒビター(アンチプラスミン)、Dダイマー半定量 128点

16 von Willebrand因子(VWF)活性 132点

17 Dダイマー 133点

18 α2-マクログロブリン 138点

19 PIVKA-Ⅱ 143点

20 凝固因子インヒビター 148点

21 von Willebrand因子(VWF)抗原 151点

22 プラスミン・プラスミンインヒビター複合体(PIC) 158点

23 プロテインS抗原 162点

24 プロテインS活性 168点

25 β-トロンボグロブリン(β-TG) 177点

26 血小板第4因子(PF4) 178点

27 トロンビン・アンチトロンビン複合体(TAT) 181点

28 プロトロンビンフラグメントF1+2 193点

29 トロンボモジュリン 204点

30 凝固因子(第Ⅱ因子、第Ⅴ因子、第Ⅶ因子、第Ⅷ因子、第Ⅸ因子、第Ⅹ因子、第ⅩⅠ因子、第ⅩⅡ因子、第ⅩⅢ因子) 229点

31 フィブリンモノマー複合体 227点

32 プロテインC抗原 239点

33 tPA・PAI-1複合体 240点

34 プロテインC活性 241点

35 ADAMTS13活性 400点

36 ADAMTS13インヒビター 1,000点 ※注 患者から1回に採取した血液を用いて本区分の14から33までに掲げる検査を3項目以上行った場合は、所定点数にかかわらず、検査の項目数に応じて次に掲げる点数により算定する。

イ 3項目又は4項目 530点

ロ 5項目以上 722点

通知
(1) 出血時間測定時の耳朶採血料は、「1」の出血時間の所定点数に含まれる。

(2) 「2」のプロトロンビン時間(PT)とトロンボテストを同時に施行した場合は、主たるもののみ算定する。

(3) 「8」の血小板凝集能を測定するに際しては、その過程で血小板数を測定することから、区分番号「D005」血液形態・機能検査の「5」末梢血液一般検査の所定点数を別に算定することはできない。

(4) 「13」の凝固因子インヒビター定性(クロスミキシング試験)は、原因不明のプロトロンビン時間延長又は活性化部分トロンボプラスチン時間延長がみられる患者に対して行った場合に限り算定できる。

(5) 「19」のPIVKA-Ⅱは、出血・凝固検査として行った場合に算定する。

(6) 「20」の凝固因子インヒビターは、第Ⅷ因子又は第Ⅸ因子の定量測定を行った場合に、それぞれの測定1回につきこの項で算定する。

(7) 「21」のvon Willebrand 因子(VWF)抗原は、SRID法、ロケット免疫電気泳動法等によるものである。

(8) 「28」のトロンボモジュリンは、膠原病の診断若しくは経過観察又はDIC若しくはそれに引き続いて起こるMOF観察のために測定した場合のみ算定できる。

(9) フィブリンモノマー複合体
ア 「30」のフィブリンモノマー複合体は、DIC、静脈血栓症又は肺動脈血栓塞栓症の診断及び治療経過の観察のために実施した場合に算定する。
イ 「30」のフィブリンモノマー複合体、「26」のトロンビン・アンチトロンビン複合体(TAT)及び「27」のプロトロンビンフラグメントF1+2のうちいずれか複数を同時に測定した場合は、主たるもののみ算定する。

(10) ADAMTS13 活性
ア 「34」のADAMTS13 活性は、他に原因を認めない血小板減少を示す患者に対して、血栓性血小板減少性紫斑病の診断補助を目的として測定した場合又はその再発を疑い測定した場合に算定できる。
イ 血栓性血小板減少性紫斑病と診断された患者またはその再発が認められた患者に対して、診断した日又は再発を確認した日から起算して1月以内の場合には、1週間に1回に限り別に算定できる。なお、血栓性血小板減少性紫斑病と診断した日付又はその再発を確認した日付を、診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

(11) ADAMTS13 インヒビター
ア 「35」のADAMTS13 インヒビターは、ADAMTS13 活性の著減を示す患者に対して、血栓性血小板減少性紫斑病の診断補助を目的として測定した場合又はその再発を疑い測定した場合に算定できる。
イ 後天性血栓性血小板減少性紫斑病と診断された患者又はその再発が認められた患者に対して、診断した日又は再発を確認した日から起算して1月以内の場合には、1週間に1回に限り別に算定できる。なお、後天性血栓性血小板減少性紫斑病と診断した日付又はその再発を確認した日付を、診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

D006-2 造血器腫瘍遺伝子検査 2,100点


別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関において行われる場合に算定する。

通知
(1) 造血器腫瘍遺伝子検査は、PCR法、LCR法又はサザンブロット法により行い、月1回を限度として算定できる。

(2) 区分番号「「D004-2」悪性腫瘍組織検査の「1」悪性腫瘍遺伝子検査、区分番号「D006-2」造血器腫瘍遺伝子検査、区分番号「D006-6」免疫関連遺伝子再構成、区分番号「D006-14」FLT3遺伝子検査又は区分番号「D006-16」JAK2遺伝子検査のうちいずれかを同一月中に併せて行った場合には、主たるもののみ算定する。

D006-3 Major BCR-ABL1 (mRNA定量(国際標準値))

イ 診断の補助に用いるもの 2,520点

ロ モニタリングに用いるもの 2,520点

通知
Major BCR-ABL1(mRNA定量(国際標準値))は、リアルタイムRT-PCR法により測定した場合に限り算定できる。

D006-4 遺伝学的検査

1 処理が容易なもの 3,880点

2 処理が複雑なもの 5,000点

3 処理が極めて複雑なもの 8,000点


別に厚生労働大臣が定める疾患の患者については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において行われる場合に限り算定する。

通知
(1) 遺伝学的検査は以下の遺伝子疾患が疑われる場合に行うものとし、原則として患者1人につき1回に限り算定できる。ただし、2回以上実施する場合は、その医療上の必要性について診療報酬明細書の摘要欄に記載する。
ア PCR法、DNAシーケンス法、FISH法又はサザンブロット法による場合に算定できるもの
① デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー及び家族性アミロイドーシス
② 福山型先天性筋ジストロフィー及び脊髄性筋萎縮症
③ 栄養障害型表皮水疱症及び先天性QT延長症候群
イ PCR法による場合に算定できるもの
① 球脊髄性筋萎縮症
② ハンチントン病、網膜芽細胞腫甲状腺髄様癌及び多発性内分泌腫瘍症1型
ウ ア、イ及びオ以外のもの
① 筋強直性ジストロフィー及び先天性難聴
② フェニルケトン尿症、ホモシスチン尿症、シトルリン血症(1型)、アルギノコハク酸血症、イソ吉草酸血症、HMG血症、複合カルボキシラーゼ欠損症、グルタル酸血症1型、MCAD欠損症、VLCAD欠損症、CPT1欠損症、隆起性皮膚線維肉腫及び先天性銅代謝異常症
③ メープルシロップ尿症、メチルマロン酸血症、プロピオン酸血症、メチルクロトニルグリシン尿症、MTP(LCHAD)欠損症、色素性乾皮症、ロイスディーツ症候群及び家族性大動脈瘤・解離
エ 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関において検査が行われる場合に算定できるもの
① ライソゾーム病(ムコ多糖症Ⅰ型、ムコ多糖症Ⅱ型、ゴーシェ病、ファブリ病及びポンペ病を含む。)及び脆弱X症候群
② プリオン病、クリオピリン関連周期熱症候群、神経フェリチン症、先天性大脳白質形成不全症(中枢神経白質形成異常症を含む。)、環状 20 番染色体症候群、PCDH 19 関連症候群、低ホスファターゼ症、ウィリアムズ症候群、アペール症候群、ロスムンド・トムソン症候群、プラダー・ウィリ症候群、1p36 欠失症候群、4p欠失症候群、5p欠失症候群、第 14 番染色体父親性ダイソミー症候群、アンジェルマン症候群、スミス・マギニス症候群、22q11.2 欠失症候群、エマヌエル症候群、脆弱X症候群関連疾患、ウォルフラム症候群、高IgD症候群、化膿性無菌性関節炎・壊疽性膿皮症・アクネ症候群先天異常症候群、副腎皮質刺激ホルモン不応症、DYT1ジストニア、DYT6ジストニア/PTD、DYT8ジストニア/PNKD1、DYT11 ジストニア/MDS、DYT12/RDP/AHC/CAPOS及びパントテン酸キナーゼ関連神経変性症/NBIA1
③ 神経有棘赤血球症、先天性筋無力症候群、原発性免疫不全症候群、ペリー症候群、クルーゾン症候群、ファイファー症候群、アントレー・ビクスラー症候群、タンジール病、先天性赤血球形成異常性貧血、若年発症型両側性感音難聴、尿素サイクル異常症、マルファン症候群、血管型エーラスダンロス症候群、遺伝性自己炎症疾患及びエプスタイン症候群
オ 臨床症状や他の検査等では診断がつかない場合に、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関において検査が行われる場合に算定できるもの
① TNF受容体関連周期性症候群、中條-西村症候群及び家族性地中海熱
② ソトス症候群、CPT2欠損症、CACT欠損症、OCTN-2異常症、シトリン欠損症、非ケトーシス型高グリシン血症、β-ケトチオラーゼ欠損症、メチルグルタコン酸血症、グルタル酸血症2型、先天性副腎低形成症、ATR-X症候群、ハッチンソン・ギルフォード症候群、軟骨無形成症、ウンフェルリヒト・ルンドボルグ病、ラフォラ病、セピアプテリン還元酵素欠損症、芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素欠損症、オスラー病、CFC症候群、コステロ症候群、チャージ症候群、リジン尿性蛋白不耐症、副腎白質ジストロフィー、ブラウ症候群、瀬川病、鰓耳腎症候群、ヤング・シンプソン症候群、先天性腎性尿崩症、ビタミンD依存性くる病/骨軟化症、ネイルパテラ症候群(爪膝蓋症候群)/LMX1B関連腎症、グルコーストランスポーター1欠損症、甲状腺ホルモン不応症、ウィーバー症候群、コフィン・ローリー症候群、モワット・ウィルソン症候群、肝型糖原病(糖原病Ⅰ型、Ⅲ型、Ⅵ型、Ⅸa 型、Ⅸb 型、Ⅸc 型、Ⅳ型)、筋型糖原病(糖原病Ⅲ型、Ⅳ型、Ⅸd 型)、先天性プロテインC欠乏症、先天性プロテインS欠乏症及び先天性アンチトロンビン欠乏症
③ ドラベ症候群、コフィン・シリス症候群、歌舞伎症候群、肺胞蛋白症(自己免疫性又は先天性)、ヌーナン症候群、骨形成不全症、脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く)、古典型エーラス・ダンロス症候群、非典型溶血性尿毒症症候群、アルポート症候群、ファンコニ貧血、遺伝性鉄芽球性貧血、アラジール症候群及びルビンシュタイン・テイビ症候群

(2) 検査の実施に当たっては、個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」(平成 29 年4月)及び関係学会による「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」(平成 23 年2月)を遵守すること。

(3) (1)のエ及びオに掲げる遺伝子疾患に対する検査については、(2)に掲げるガイダンス及びガイドラインに加え、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関において行われる場合に限り算定する。

(4) (1)のオに掲げる遺伝子疾患に対する検査を実施する場合には、臨床症状や他の検査等では当該疾患の診断がつかないこと及びその医学的な必要性を診療報酬明細書の摘要欄に記載する。

(5) 「1」の「処理が容易なもの」とは、(1)のアからオまでの①に掲げる遺伝子疾患の検査のことをいう。

(6) 「2」の「処理が複雑なもの」とは、(1)のアからオまでの②に掲げる遺伝子疾患の検査のことをいう。

(7) 「3」の「処理が極めて複雑なもの」とは、(1)のア及びからオまでの③に掲げる遺伝子疾患の検査のことをいう。

D006-5 染色体検査(すべての費用を含む。) 2,631点


分染法を行った場合は、分染法加算として、397点を所定点数に加算する。

通知
(1) 染色体検査の所定点数には、フィルム代、現像代、引伸印画作製代を含む。

(2) 染色体検査の「注」の分染法加算については、その種類、方法にかかわらず、1回の算定とする。

D006-6 免疫関連遺伝子再構成 2,429点

通知
(1) 免疫関連遺伝子再構成は、PCR法、LCR法又はサザンブロット法により、悪性リンパ腫、急性リンパ性白血病又は慢性リンパ性白血病の診断の目的で検査を行った場合に、6月に1回を限度として算定できる。

(2) 区分番号「D004-2」悪性腫瘍組織検査の「1」悪性腫瘍遺伝子検査、区分番号「D006-2」造血器腫瘍遺伝子検査、区分番号「D006-6」免疫関連遺伝子再構成、区分番号「D006-14」FLT3遺伝子検査又は区分番号「D006-16」JAK2遺伝子検査のうちいずれかを同一月中に併せて行った場合には、主たるもののみ算定する。

D006-7 UDPグルクロン酸転移酵素遺伝子多型 2,037点

通知
UDPグルクロン酸転移酵素遺伝子多型は、塩酸イリノテカンの投与対象となる患者に対して、その投与量等を判断することを目的として、インベーダー法又はPCR法により測定を行った場合、当該抗悪性腫瘍剤の投与方針の決定までの間に1回を限度として算定する。

D006-8 サイトケラチン19(KRT19) mRNA検出 2,400点

通知
サイトケラチン 19(KRT19)mRNA検出は、視触診等による診断又は術前の画像診断でリンパ節転移陽性が明らかでない乳癌、胃癌、大腸癌又は非小細胞肺癌に対して、摘出された乳癌、胃癌、大腸癌又は非小細胞肺癌所属リンパ節中のサイトケラチン 19(KRT19)mRNAの検出によるリンパ節転移診断及び術式の選択等の治療方針の決定の補助を目的として、OSNA(One-Step Nucleic Acid Amplification)法により測定を行った場合に、一連につき1回に限り算定する。

D006-9 WT1 mRNA 2,520点

通知
WT1mRNAは、リアルタイムRT-PCR法により、急性骨髄性白血病又は骨髄異形成症候群の診断の補助又は経過観察時に行った場合に月1回を限度として算定できる。

D006-10 CCR4タンパク(フローサイトメトリー法) 10,000点

通知
CCR4タンパク(フローサイトメトリー法)及び区分番号「N002」免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製の「5」CCR4タンパクを同一の目的で行った場合には、原則としていずれか一方のみを算定する。ただし、医学的な必要性がある場合には、併せて実施した場合であっても、いずれの点数も算定できる。なお、この場合においては、診療報酬明細書の摘要欄にその理由及び医学的な必要性を記載すること。

D006-11 FIP1L1-PDGFRα融合遺伝子検査 3,201点

通知
(1) FIP1L1-PDGFRα融合遺伝子検査は、二次性好酸球増加症を除外した上で、慢性好酸球性白血病又は好酸球増多症候群と診断した患者において、治療方針の決定を目的としてFISH法により行った場合に、原則として1回に限り算定できる。ただし、臨床症状・検査所見等の変化を踏まえ、治療法を選択する必要があり、本検査を再度実施した場合にも算定できる。

(2) FIP1L1-PDGFRα融合遺伝子検査を算定するに当たっては、本検査を必要と判断した理由又は本検査を再度実施した場合にはその理由を診療録及び診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

D006-12 EGFR遺伝子検査(血漿) 2,100点


同一の患者につき同一月において検査を2回以上実施した場合における2回目以降の当該検査の費用は、所定点数の100分の90に相当する点数により算定する。

通知
(1) EGFR遺伝子検査(血漿)は、血漿を用いてリアルタイムPCR法により行った場合に算定できる。

(2) 肺癌の詳細な診断及び治療法を選択する場合、又は肺癌の再発や増悪により、EGFR遺伝子変異の2次的遺伝子変異等が疑われ、再度治療法を選択する場合に、患者1人につき、診断及び治療法を選択する場合には1回、再度治療法を選択する場合には2回に限り算定できる。ただし、本検査の実施は、医学的な理由により、肺癌の組織を検体として、区分番号「D004-2」悪性腫瘍組織検査の「1」悪性腫瘍遺伝子検査の「イ」処理が容易なものの「(1)」医薬品の適応判定の補助等に用いるもののうち、肺癌におけるEGFR遺伝子検査を行うことが困難な場合に限る。

(3) EGFR遺伝子検査(血漿)を実施した場合には、肺癌の組織を検体とした検査が実施困難である医学的な理由を診療録及び診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

(4) EGFR遺伝子検査(血漿)と、肺癌の組織を検体とした区分番号「D004-2」悪性腫瘍組織検査の「1」悪性腫瘍遺伝子検査の「イ」処理が容易なものの「(1)」医薬品の適応判定の補助等に用いるもののうち、肺癌におけるEGFR遺伝子検査(「1」悪性腫瘍遺伝子検査の「イ」処理が容易なものの「(2)」その他のものにより算定する場合も含む。)を同一月中に併せて行った場合には、主たるもののみ算定する。

D006-13 骨髄微小残存病変量測定

1 遺伝子再構成の同定に用いるもの3,500点

2 モニタリングに用いるもの2,100点


別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において実施した場合に限り算定する。

通知
(1) 骨髄微小残存病変量測定は、PCR法により、急性リンパ性白血病の診断補助又は経過観察を目的に行った場合に算定できる。

(2) 「1」の遺伝子再構成の同定に用いるものについては、急性リンパ性白血病と診断された患者又は再発が認められた患者に対して、遺伝子再構成の同定及び当該遺伝子のプライマー作成を行った場合に、それぞれ1回に限り算定できる。

(3) 「2」のモニタリングに用いるものについては、「1」の遺伝子再構成に用いるものを行った患者に対して、PCR法により急性リンパ性白血病の経過観察を目的として行った場合に、初発時と再発時にそれぞれ2回を限度として算定できる。

D006-14 FLT3遺伝子検査 4,200点

通知
(1) FLT3遺伝子検査は、再発又は難治性の急性骨髄性白血病(急性前骨髄性白血病を除く。)の骨髄液又は末梢血を検体とし、PCR法及びキャピラリー電気泳動法により、抗悪性腫瘍剤による治療法の選択を目的として、FLT3遺伝子の縦列重複(ITD)変異及びチロシンキナーゼ(TKD)変異の評価を行った場合に、患者1人につき1回に限り算定する。

(2) 区分番号「D004-2」悪性腫瘍組織検査の「1」悪性腫瘍遺伝子検査、区分番号「D006-2」造血器腫瘍遺伝子検査、区分番号「D006-6」免疫関連遺伝子再構成又は区分番号「D006-16」JAK2遺伝子検査のうちいずれかを同一月中に併せて行った場合には、主たるもののみ算定する。

D006-15 膀胱がん関連遺伝子検査 1,597点

通知
(1) 膀胱がん関連遺伝子検査は、膀胱がんの患者であって、上皮内癌(CIS)と診断され、過去に区分番号「K803」膀胱悪性腫瘍手術の「6」経尿道的手術を行った者に対して、FISH法により、再発の診断の補助を目的として実施した場合に、経尿道的手術後2年以内に限り、2回を限度として算定する。ただし、同時に膀胱鏡により、膀胱がん再発の所見が認められないことを確認した患者に対して実施した場合に限る。

(2) 本検査を実施した場合には、上皮内癌(CIS)と診断された病理所見、区分番号「K803」膀胱悪性腫瘍手術の「6」経尿道的手術の実施日及び本検査を過去に算定している場合にはその算定日を診療報酬明細書の摘要欄に記載する。

(3) 本検査と同時に区分番号「N004」細胞診(1部位につき)の「2」穿刺吸引細胞診、体腔洗浄等によるものを実施した場合は、主たるもののみ算定する。

D006-16 JAK2遺伝子検査 2,504点

通知
(1) JAK2遺伝子検査は、骨髄液又は末梢血を検体とし、アレル特異的定量PCR法により、真性赤血球増加症、本態性血小板血症及び原発性骨髄線維症の診断補助を目的として、JAK2V617F遺伝子変異割合を測定した場合に、患者1人につき1回に限り算定する。

(2) 区分番号「D004-2」悪性腫瘍組織検査の「1」悪性腫瘍遺伝子検査、区分番号「D006-2」造血器腫瘍遺伝子検査、区分番号「D006-6」免疫関連遺伝子再構成又は区分番号「D006-14」FLT3遺伝子検査のうちいずれかを同一月中に併せて行った場合には、主たるもののみ算定する。

D006-17 Nudix hydrolase 15(NUDT15)遺伝子多型 2,100点

通知
NUDT15 遺伝子多型は、難治性の炎症性腸疾患、急性リンパ性白血病及び治療抵抗性のリウマチ性疾患(全身性血管炎(顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症、結節性多発動脈炎、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、高安動脈炎等)、全身性エリテマトーデス(SLE)、多発性筋炎、皮膚筋炎、強皮症、混合性結合組織病及び難治性リウマチ性疾患)、自己免疫性肝炎の患者であって、チオプリン製剤の投与対象となる患者に対して、その投与の可否、投与量等を判断することを目的として、リアルタイムPCR法により測定を行った場合に、当該薬剤の投与を開始するまでの間に1回を限度として算定する。

D006-18 BRCA1/2遺伝子検査

1 腫瘍細胞を検体とするもの 20,200点

2 血液を検体とするもの 20,200点

注 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において実施した場合に限り算定する。

通知
(1) 「1」腫瘍細胞を検体とするものについては、初発の進行卵巣癌患者の腫瘍細胞を検体とし、次世代シーケンシングにより、抗悪性腫瘍剤による治療法の選択を目的として、BRCA1遺伝子及びBRCA2遺伝子の変異の評価を行った場合に限り算定する。

(2) 「2」血液を検体とするものについては、転移性若しくは再発乳癌患者、初発の進行卵巣癌患者又は遺伝性乳癌卵巣癌症候群が疑われる乳癌若しくは卵巣癌患者の血液を検体とし、PCR法等により、抗悪性腫瘍剤による治療法の選択又は遺伝性乳癌卵巣癌症候群の診断を目的として、BRCA1遺伝子及びBRCA2遺伝子の変異の評価を行った場合に限り算定する。

(3) 「2」血液を検体とするものについて、遺伝性乳癌卵巣癌症候群の診断を目的として当該検査を実施するに当たっては、厚生労働省がん対策推進総合研究事業研究班作成の「遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)診療の手引き2017年版」を参照すること。なお、その医療上の必要性について診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

D006-19 がんゲノムプロファイリング検査

1 検体提出時 8,000点

2 結果説明時 48,000点

注 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において実施した場合に限り算定する。
通知
(1) 「1」検体提出時については、固形腫瘍の腫瘍細胞を検体とし、100 以上のがん関連遺伝子の変異等を検出するがんゲノムプロファイリング検査に用いる医療機器等として薬事承認又は認証を得ている次世代シーケンシングを用いて、包括的なゲノムプロファイルの取得を行う場合に、患者1人につき1回に限り算定できる。

(2) 「2」結果説明時については、「1」検体提出時で得た包括的なゲノムプロファイルの結果について、当該検査結果を医学的に解釈するための多職種(がん薬物療法に関する専門的な知識及び技能を有する医師、遺伝医学に関する専門的な知識及び技能を有する医師、遺伝カウンセリング技術を有する者等)による検討会(エキスパートパネル)での検討を経た上で患者に提供し、治療方針等について文書を用いて患者に説明する場合に、患者1人につき1回に限り算定できる。

(3) 標準治療がない固形がん患者又は局所進行若しくは転移が認められ標準治療が終了となった固形がん患者(終了が見込まれる者を含む。)であって、関連学会の化学療法に関するガイドライン等に基づき、全身状態及び臓器機能等から、当該検査施行後に化学療法の適応となる可能性が高いと主治医が判断した者に対して実施する場合に限り算定できる。

(4) がんゲノムプロファイルの解析により得られた遺伝子のシークエンスデータ(FASTQ又はBAM)、解析データ(VCF又はXML)及び臨床情報等を、患者の同意に基づき、医療機関又は検査会社等からがんゲノム情報管理センター(C-CAT)に提出すること。この際、患者に対して書面を用いて説明し、同意の有無について診療録及び管理簿等に記載すること。また、当該データの二次利用に関しても同様に説明し、及び同意の有無について管理簿等に記載すること。なお、これらの手続きに当たっては、個人情報の保護に係る諸法令を遵守すること。

(5) C-CATへのデータ提出又はデータの二次利用に係る同意が得られない場合であっても、当該検査を実施し、算定することができる。その際には同意が得られなかった旨を診療録及び管理簿に記載すること。

(6) 医療関係団体が定める「インフォームド・コンセント手順書」を遵守し、患者からの同意取得について適切な手続きを確保すること。

(7) 臨床情報等の提出に当たっては、医療関連団体が定める「がんゲノム情報レポジトリー臨床情報収集項目一覧表」に則って提出すること。

(8) エキスパートパネルの開催に係る費用は、「2」結果説明時の所定点数に含まれる。

(9) エキスパートパネルの開催に際しては、以下の点を遵守すること。
① エキスパートパネルは、「がんゲノム医療中核拠点病院等の整備について」(令和元年7月 19 日一部改正健発 0719 第3号)に基づき、がんゲノム医療中核拠点病院及びがんゲノム医療拠点病院として指定を受けている保険医療機関で開催すること。
② エキスパートパネルの構成員については、以下の要件を満たしていること。
(イ) 構成員の中に、がん薬物療法に関する専門的な知識及び技能を有する診療領域の異なる常勤の医師が、複数名含まれていること。
(ロ) 構成員の中に、遺伝医学に関する専門的な知識及び技能を有する医師が、1名以上含まれていること。
(ハ) 構成員の中に、遺伝医学に関する専門的な遺伝カウンセリング技術を有する者が、1名以上含まれていること。
(ニ) 構成員の中に、病理学に関する専門的な知識及び技能を有する常勤の医師が、複数名含まれていること。
(ホ) 構成員の中に、分子遺伝学及びがんゲノム医療に関する十分な知識を有する者が、1名以上含まれていること。
(へ) 自施設内で検査を行う場合は、バイオインフォマティクスに関する十分な知識を有する者が、1名以上含まれていること。
(ト) 小児がん症例を検討する場合には、小児がんに専門的な知識を有する医師が1名以上含まれていること。
(チ) エキスパートパネルにおいて検討を行う対象患者の主治医又は当該主治医に代わる医師は、エキスパートパネルに参加すること。
③ エキスパートパネルの構成員については、②の(イ)から(チ)に該当する者がいずれも1名以上出席すること。ただし、やむを得ない場合は、リアルタイムでの画像を介したコミュニケーションが可能な情報通信機器を用いて参加することで出席とみなすことができる。
④ C-CATへのデータの提出の同意を得た患者について検討する際には、C-CATが作成した当該患者に係る調査結果を用いてエキスパートパネルを開催すること。

(10) 「2」結果説明時については、抗悪性腫瘍剤による治療法の選択を目的として、特定の遺伝子の変異の評価を行った際に併せて取得している包括的なゲノムプロファイルの結果を標準治療の終了後にエキスパートパネルでの検討を経た上で患者に提供し、治療方針等について文書を用いて患者に説明する場合にも算定できる。なお、この場合には(2)から(9)までを満たすこと。

(11) 「1」検体提出時と「2」結果説明時は一連であるため、「1」検体提出時については区分番号「D026」の検体検査判断料及び区分番号「D027」の基本的検体検査判断料は算定できない。

D006-20 角膜ジストロフィー遺伝子検査 1,200点

注 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において行われる場合に、患者1人につき1回に限り算定する。

通知
(1) 角膜ジストロフィー遺伝子検査は、角膜混濁等の前眼部病変を有する患者であって、臨床症状、検査所見、家族歴等から角膜ジストロフィーと診断又は疑われる者に対して、治療方針の決定を目的として行った場合に算定する。本検査を実施した場合には、その医学的な必要性を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

(2) 検査の実施に当たっては、個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」(平成 29 年4月)及び関係学会による「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」(平成 23 年2月)を遵守すること。

D006-21 血液粘弾性検査(一連につき) 600点

通知
(1) 血液粘弾性検査は、開心術(人工心肺を用いたものに限る。)を行う患者に対して、血液製剤等の投与の必要性の判断又は血液製剤等の投与後の評価を目的として行った場合に算定できる。

(2) 術前、術中又は術後に実施した場合に、それぞれ1回ずつ算定できる。なお、所期の目的を達するために複数回実施した場合であっても、一連として算定する。

(3) 検査の実施に当たっては、日本心臓血管麻酔学会の定める指針を遵守し、適切な輸血管理を行うこと。

(生化学的検査(I))

D007 血液化学検査

1 総ビリルビン、直接ビリルビン又は抱合型ビリルビン、総蛋白、アルブミン(BCP改良法・BCG法)、尿素窒素、クレアチニン、尿酸、アルカリホスファターゼ(ALP)、コリンエステラーゼ(ChE)、γ-グルタミルトランスフェラーゼ(γ-GT)、中性脂肪、ナトリウム及びクロール、カリウム、カルシウム、マグネシウム、膠質反応、クレアチン、グルコース、乳酸デヒドロゲナーゼ(LD)、アミラーゼ、ロイシンアミノペプチダーゼ(LAP)、クレアチンキナーゼ(CK)、アルドラーゼ、遊離コレステロール、鉄(Fe)、血中ケトン体・糖・クロール検査(試験紙法・アンプル法・固定化酵素電極によるもの)、不飽和鉄結合能(UIBC)(比色法)、総鉄結合能(TIBC)(比色法) 11点

2 リン脂質15点

3 HDL-コレステロール、無機リン及びリン酸、総コレステロール、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT) 17点

4 LDL-コレステロール、蛋白分画 18点

5 銅(Cu) 23点

6 リパーゼ 24点

7 イオン化カルシウム 26点

8 マンガン(Mn) 27点

9 ケトン体 30点

10 アポリポ蛋白

イ 1項目の場合 31点

ロ 2項目の場合 62点

ハ 3項目以上の場合 94点

11 アデノシンデアミナーゼ(ADA) 32点

12 グアナーゼ 35点

13 有機モノカルボン酸、胆汁酸 47点

14 ALPアイソザイム、アミラーゼアイソザイム、γ-GTアイソザイム、LDアイソザイム、重炭酸塩 48点

15 ASTアイソザイム、リポ蛋白分画 49点

16 アンモニア 50点

17 CKアイソザイム、グリコアルブミン 55点

18 コレステロール分画 57点

19 ケトン体分画 59点

20 レシチン・コレステロール・アシルトランスフェラーゼ(L-CAT) 70点

21 グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ(G-6-PD)、リポ蛋白分画(PAGディスク電気泳動法)、1,5-アンヒドロ-D-グルシトール(1,5AG)、グリココール酸 80点

22 CK-MB 90点

23 膵分泌性トリプシンインヒビター(PSTI)、LDアイソザイム1型、総カルニチン、遊離カルニチン 95点

24 ALPアイソザイム及び骨型アルカリホスファターゼ(BAP) 96点

25 リポ蛋白(a) 107点

26 ヘパリン、フェリチン半定量、フェリチン定量 108点

27 エタノール 111点

28 KL-6 114点

29 心筋トロポニンI、心筋トロポニンT(TnT)定性・定量アルミニウム(Al) 115点

30 25-ヒドロキシビタミンD 117点

31 ペントシジン、シスタチンC 118点

32 イヌリン 120点

33 リポ蛋白分画(HPLC法) 129点

34 肺サーファクタント蛋白-A(SP-A)、ガラクトース 130点

35 肺サーファクタント蛋白-D(SP-D) 136点

36 血液ガス分析、Ⅳ型コラーゲン、ミオグロビン定性、ミオグロビン定量、心臓由来脂肪酸結合蛋白(H-FABP)定性、心臓由来脂肪酸結合蛋白(H-FABP)定量、アルブミン非結合型ビリルビン 139点

注 血液ガス分析については、当該保険医療機関内で行った場合に算定する。

37 プロコラーゲン-Ⅲ-ペプチド(P-Ⅲ-P)、亜鉛(Zn) 140点

38 セレン、アンギオテンシンⅠ転換酵素(ACE)、ビタミンB12 144点

39 Ⅳ型コラーゲン・7S 148点

40 ピルビン酸キナーゼ(PK) 150点

41 葉酸 154点

42 ALPアイソザイム(PAG電気泳動法) 180点

43 ヒアルロン酸、心室筋ミオシン軽鎖Ⅰ、レムナント様リポ蛋白コレステロール(RLP-C) 184点

44 アセトアミノフェン 185点

45 トリプシン 189点

46 Mac-2結合蛋白糖鎖修飾異性体、マロンジアルデヒド修飾LDL(MDA-LDL)、オートタキシン 194点

47 ホスフォリパーゼA2(PLA2) 204点

48 赤血球コプロポルフィリン 210点

49 リポ蛋白リパーゼ(LPL) 223点

50 肝細胞増殖因子(HGF) 227点

51 ビタミンB1 246点

52 ビタミンB2 249点

53 2,5-オリゴアデニル酸合成酵素活性 250点

54 赤血球プロトポルフィリン 272点

55 プロカルシトニン(PCT)定量、プロカルシトニン(PCT)半定量 292点

56 プレセプシン定量 301点

57 インフリキシマブ定性 310点

58 ビタミンC 314点

59 1,25-ジヒドロキシビタミンD3 388点

60 FGF23 788点

注 患者から1回に採取した血液を用いて本区分の1から8までに掲げる検査を5項目以上行った場合は、所定点数にかかわらず、検査の項目数に応じて次に掲げる点数により算定する。

イ 5項目以上7項目以下 93点

ロ 8項目又は9項目 99点

ハ 10項目以上 109点

注 入院中の患者について算定した場合は、入院時初回加算として、初回に限り20点を所定点数に加算する。

通知
(1) 「1」のナトリウム及びクロールについては、両方を測定した場合も、いずれか一方のみを測定した場合も、同一の所定点数により算定する。

(2) 「1」のカルシウム及び「7」のイオン化カルシウムを同時に測定した場合には、いずれか一方についてのみ所定点数を算定する。

(3) 「1」の総鉄結合能(TIBC)(比色法)と不飽和鉄結合能(UIBC)(比色法)を同時に実施した場合は、「1」の不飽和鉄結合能(UIBC)(比色法)又は総鉄結合能(TIBC)(比色法)の所定点数を算定する。

(4) 「1」のクレアチニンについて、ヤッフェ法を用いて実施した場合は算定できない。

(5) 「3」のHDL―コレステロール、「3」の総コレステロール及び「4」のLDL―コレステロールを併せて測定した場合は、主たるもの2つの所定点数を算定する。

(6) 「3」の無機リン及びリン酸については、両方を測定した場合も、いずれか一方のみを測定した場合も、同一の所定点数により算定する。

(7) 「4」の蛋白分画、「1」の総蛋白及びアルブミン(BCP改良法・BCG法)を併せて測定した場合は、主たるもの2つの所定点数を算定する。。

(8) 「8」のマンガン(Mn)は、1月以上(胆汁排泄能の低下している患者については2週間以上)高カロリー静脈栄養法が行われている患者に対して、3月に1回に限り算定することができる。

(9) 「9」のケトン体及び「19」のケトン体分画の検査を併せて実施した場合は、ケトン体分画の所定点数のみ算定する。

(10) 「10」のアポリポ蛋白は、AⅠ、AⅡ、B、CⅡ、CⅢ及びEのうち、測定した項目数に応じて、所定点数を算定する。

(11) 「13」の有機モノカルボン酸については、グルタチオン、乳酸、ピルビン酸及びα-ケトグルタール酸の各物質の測定を行った場合に、それぞれの測定ごとに所定点数を算定する。

(12) 同一検体について「14」の重炭酸塩及び「36」の血液ガス分析の検査を併せて行った場合は、血液ガス分析の所定点数のみ算定する。

(13) 「17」のグリコアルブミンは、HPLC(2カラム)、HPLC(1カラム)-発色法、アフィニティークロマトグラフィー・免疫比濁法によるグリコアルブミン測定装置を用いて測定した場合、EIA法又は酵素法により測定した場合に所定点数を算定する。

(14) 区分番号「D005」血液形態・機能検査の「9」のヘモグロビンA1c(HbA1c)、本区分「17」のグリコアルブミン又は「21」の 1,5-アンヒドロ-D-グルシトール(1,5AG)のうちいずれかを同一月中に合わせて2回以上実施した場合は、月1回に限り主たるもののみ算定する。ただし、妊娠中の患者、1型糖尿病患者、経口血糖降下薬の投与を開始して6月以内の患者、インスリン治療を開始して6月以内の患者等については、いずれか1項目を月1回に限り別に算定できる。

(15) 肝胆道疾患の診断の目的で尿中硫酸抱合型胆汁酸測定を酵素法により実施した場合は、「18」のコレステロール分画に準じて算定する。ただし、「13」の胆汁酸を同時に測定した場合には、いずれか一方の所定点数のみを算定する。

(16) 「23」のLDアイソザイム1型は酵素学的阻害法による。

(17) 総カルニチン及び遊離カルニチン
ア 「23」の総カルニチン及び遊離カルニチンは、関係学会の定める診療に関する指針を遵守し、酵素サイクリング法により測定した場合に算定する。
イ 本検査を先天性代謝異常症の診断補助又は経過観察のために実施する場合は、月に1回を限度として算定する。
ウ 静脈栄養管理若しくは経腸栄養管理を長期に受けている筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症若しくは小児の患者、人工乳若しくは特殊治療用ミルクを使用している小児患者、バルプロ酸ナトリウム製剤投与中の患者、Fanconi症候群の患者又は慢性維持透析の患者におけるカルニチン欠乏症の診断補助若しくは経過観察のために、本検査を実施する場合は、6月に1回を限度として算定する。
エ 同一検体について、本検査と区分番号「D010」特殊分析の「8」先天性代謝異常症検査を併せて行った場合は、主たるもののみ算定する。

(18) 「24」のALPアイソザイム及び骨型アルカリホスファターゼ(BAP)は、アガロース電気泳動法によって、一連の検査によって同時に行った場合に算定する。また、区分番号「D008」内分泌学的検査の「27」の骨型アルカリホスファターゼ(BAP)と併せて実施した場合には、いずれか主たるもののみ算定する。

(19) 「25」のリポ蛋白(a)は、3月に1回を限度として算定できる。

(20) 「26」のヘパリンの血中濃度測定においては、同一の患者につき1月以内に当該検査を2回以上行った場合においては、算定は1回とし、1回目の測定を行ったときに算定する。

(21) 「28」のKL-6、「34」の肺サーファクタント蛋白―A(SP-A)及び「35」の肺サーファクタント蛋白-D(SP-D)のうちいずれかを併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。KL-6は、EIA法、ECLIA法又はラテックス凝集比濁法により、肺サーファクタント蛋白-A(SP-A)及び肺サーファクタント蛋白-D(SP-D)は、EIA法による。

(22) 「29」の心筋トロポニンIと「29」の心筋トロポニンT(TnT)定性・定量を同一月に併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。

(23) 25-ヒドロキシビタミンD
ア 「30」の 25-ヒドロキシビタミンDは、原発性骨粗鬆症の患者に対して、ECLIA法、CLIA法又はCLEIA法により測定した場合は、骨粗鬆症の薬剤治療方針の選択時に1回に限り算定できる。なお、本検査を実施する場合は関連学会が定める実施方針を遵守すること。
イ 「30」の 25-ヒドロキシビタミンDは、ビタミンD欠乏性くる病若しくはビタミンD欠乏性骨軟化症の診断時又はそれらの疾患に対する治療中にECLIA法、CLIA法又はCLEIA法により測定した場合は、診断時においては1回を限度とし、その後は3月に1回を限度として算定できる。

(24) 「31」のペントシジンは、「1」の尿素窒素又は「1」のクレアチニンにより腎機能低下(糖尿病性腎症によるものを除く。)が疑われた場合に、3月に1回に限り算定できる。ただし、「31」のシスタチンCを併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。

(25) シスタチンC
ア 「31」のシスタチンCは、EIA法、ラテックス凝集比濁法、金コロイド凝集法又はネフェロメトリー法により実施した場合に限り算定できる。
イ シスタチンCは、「1」の尿素窒素又は「1」のクレアチニンにより腎機能低下が疑われた場合に、3月に1回に限り算定できる。ただし、「31」のペントシジンを併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。

(26) 「32」のイヌリンは、「1」の尿素窒素又は「1」のクレアチニンにより腎機能低下が疑われた場合に、6月に1回に限り算定できる。ただし、「1」のクレアチニン(腎クリアランス測定の目的で行い、血清及び尿を同時に測定する場合に限る。)を併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。

(27) 「36」の血液ガス分析の所定点数には、ナトリウム、カリウム、クロール、pH、PO2、PCO2及びHCO3-の各測定を含むものであり、測定項目数にかかわらず、所定点数により算定する。なお、同時に行ったヘモグロビンについては算定しない。

(28) 「36」の血液ガス分析は当該検査の対象患者の診療を行っている保険医療機関内で実施した場合にのみ算定できるものであり、委託契約等に基づき当該保険医療機関外で実施された検査の結果報告を受けるのみの場合は算定できない。ただし、委託契約等に基づき当該保険医療機関内で実施された検査について、その結果が当該保険医療機関に速やかに報告されるような場合は、所定点数により算定する。なお、在宅酸素療法を実施している入院施設を有しない診療所が、緊急時に必要、かつ、密接な連携を取り得る入院施設を有する他の保険医療機関において血液ガス分析を行う場合であって、採血後、速やかに検査を実施し、検査結果が速やかに当該診療所に報告された場合にあっては算定できるものとする。

(29) 「36」のⅣ型コラーゲン又は「39」のⅣ型コラーゲン・7Sは、「37」のプロコラーゲン-Ⅲ-ペプチド(P-Ⅲ-P)又は「46」のMac-2結合蛋白糖鎖修飾異性体と併せて行った場合には、主たるもののみ算定する。

(30) 「36」の心臓由来脂肪酸結合蛋白(H-FABP)定性及び定量は、ELISA法、免疫クロマト法、ラテックス免疫比濁法又はラテックス凝集法により、急性心筋梗塞の診断を目的に用いた場合に限り算定する。ただし、心臓由来脂肪酸結合蛋白(H-FABP)定性又は定量と「36」のミオグロビン定性又は定量を併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。

(31) 「36」のアルブミン非結合型ビリルビンは、診察及び他の検査の結果から、核黄疸に進展するおそれがある新生児である患者に対して、生後2週間以内に経過観察を行う場合に算定する。

(32) 「38」のセレンは、長期静脈栄養管理若しくは長期成分栄養剤を用いた経腸栄養管理を受けている患者、人工乳若しくは特殊治療用ミルクを使用している小児患者又は重症心身障害児(者)に対して、診察及び他の検査の結果からセレン欠乏症が疑われる場合の診断及び診断後の経過観察を目的として実施した場合に限り算定する。

(33) 「42」のALPアイソザイム(PAG電気泳動法)、「24」のALPアイソザイム及び骨型アルカリホスファターゼ(BAP)及び区分番号「D008」内分泌学的検査の「27」の骨型アルカリホスファターゼ(BAP)を併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。

(34) 腟分泌液中インスリン様成長因子結合蛋白1型(IGFBP-1)定性
ア 「42」の腟分泌液中インスリン様成長因子結合蛋白1型(IGFBP-1)定性は、免疫クロマト法により、破水の診断のために妊娠満 22 週以上満 37 週未満の者を対象として測定した場合に限り算定する。
イ 「42」の腟分泌液中インスリン様成長因子結合蛋白1型(IGFBP-1)定性及び区分番号「D015」血漿蛋白免疫学的検査の「22」癌胎児性フィブロネクチン定性(頸管腟分泌液)を併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。

(35) 「43」の心室筋ミオシン軽鎖Iは、同一の患者につき同一日に当該検査を2回以上行った場合は、1回のみ算定する。

(36) 「43」のヒアルロン酸は、サンドイッチ バインディング プロテイン アッセイ法、125I による競合法を用いたバインディング プロテイン アッセイ法、LA法(測定機器を用いるもの)又はLBA法による。ただし、本検査は慢性肝炎の患者に対して、慢性肝炎の経過観察及び肝生検の適応の確認を行う場合に算定できる。

(37) 「43」のレムナント様リポ蛋白コレステロール(RLP-C)は免疫吸着法-酵素法又は酵素法により実施し、3月に1回を限度として算定できる。

(38) 「44」のアセトアミノフェンは、同一の患者につき1月以内に2回以上行った場合は、第1回目の測定を行ったときに1回に限り算定する。

(39) 「46」のマロンジアルデヒド修飾LDL(MDA-LDL)は、冠動脈疾患既往歴のある糖尿病患者で、冠動脈疾患発症に関する予後予測の補助の目的で測定する場合に3月に1回に限り算定できる。ただし、糖尿病患者の経皮的冠動脈形成術治療時に、治療後の再狭窄に関する予後予測の目的で測定する場合、上記と別に術前1回に限り算定できる。

(40) Mac-2結合蛋白糖鎖修飾異性体
ア 「46」のMac-2結合蛋白糖鎖修飾異性体は、2ステップサンドイッチ法を用いた化学発光酵素免疫測定法により、慢性肝炎又は肝硬変の患者(疑われる患者を含む。)に対して、肝臓の線維化進展の診断補助を目的に実施した場合に算定する。
イ 本検査と「37」のプロコラーゲン-Ⅲ-ペプチド(P-Ⅲ-P)、「36」のⅣ型コラーゲン、「39」のⅣ型コラーゲン・7S又は「43」のヒアルロン酸を併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。

(41) オートタキシン
ア 「46」のオートタキシンは、サンドイッチ法を用いた蛍光酵素免疫測定法により、慢性肝炎又は肝硬変の患者(疑われる患者を含む。)に対して、肝臓の線維化進展の診断補助を目的に実施した場合に算定する。
イ 本検査と「37」のプロコラーゲン-Ⅲ-ペプチド(P-Ⅲ-P)、「36」のⅣ型コラーゲン、「39」のⅣ型コラーゲン・7S、「43」のヒアルロン酸又は「46」のMac-2結合蛋白糖鎖修飾異性体を併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。

(42) 「49」のリポ蛋白リパーゼ(LPL)は、高トリグリセライド血症及びLPL欠損症が疑われる場合の鑑別のために測定した場合に限り算定できる。また、ヘパリン負荷が行われた場合、投与したへパリンは区分番号「D500」の薬剤として算定できるが、注射料は算定できない。

(43) 「50」の肝細胞増殖因子(HGF)はELISA法により、肝炎にて劇症化が疑われる場合又は劇症肝炎の経過観察に用いた場合に限り算定する。

(44) 「53」の 2,5-オリゴアデニル酸合成酵素活性は、ウイルス血症を伴う慢性活動性肝炎患者のインターフェロン製剤の投与量及び治療効果の判定に用いた場合に算定する。

(45) 「55」のプロカルシトニン(PCT)定量又は同半定量は、敗血症(細菌性)を疑う患者を対象として測定した場合に算定できる。ただし、区分番号「D012」感染症免疫学的検査の「44」のエンドトキシンを併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。

(46) プレセプシン定量
ア 「56」のプレセプシン定量は、敗血症(細菌性)を疑う患者を対象として測定した場合に算定できる。
イ 「56」のプレセプシン定量と「55」のプロカルシトニン(PCT)定量、同半定量又は区分番号「D012」感染症免疫学的検査の「44」エンドトキシンを併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。

(47) 「57」のインフリキシマブ定性は、関節リウマチの患者に対して、インフリキシマブ投与量の増量等の判断のために、イムノクロマト法により測定した場合に、患者1人につき3回を限度として算定できる。

(48) 「59」の 1,25-ジヒドロキシビタミンD3は、ラジオレセプターアッセイ法、RIA法又はELISA法により、慢性腎不全、特発性副甲状腺機能低下症、偽性副甲状腺機能低下症、ビタミンD依存症Ⅰ型若しくは低リン血症性ビタミンD抵抗性くる病の診断時又はそれらの疾患に対する活性型ビタミンD3剤による治療中に測定した場合に限り算定できる。ただし、活性型ビタミンD3剤による治療開始後1月以内においては2回を限度- 270 -とし、その後は3月に1回を限度として算定する。

(49) FGF23「60」のFGF23 は、CLEIA法により、FGF23 関連低リン血症性くる病・骨軟化症の診断時又は治療効果判定時に測定した場合に限り算定できる。ただし、診断時においては1回を限度とし、その後は腫瘍性骨軟化症の場合には腫瘍摘出後に1回、薬剤性の場合には被疑薬中止後に1回を限度として算定する。

(50) 血液化学検査の注に掲げる検査と併せて、血液化学検査の注に掲げる検査を準用することが認められている検査を行った場合は、当該検査も注に掲げる項目数の算定に含める。

(51) 血液化学検査の注のハの注に規定する 10 項目以上の包括点数を算定する場合の入院時初回加算は、入院時に初めて行われる検査は項目数が多くなることに鑑み、血液化学検査の注に掲げる検査を 10 項目以上行った場合に、入院時初回検査に限り 20 点を加算するものであり、入院後初回の検査以外の検査において 10 項目以上となった場合にあっては、当該加算は算定できない。また、基本的検体検査実施料を算定している場合にあっても、当該加算は算定できない。

(生化学的検査(II))

D008 内分泌学的検査

1 ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)定性 55点

2 11-ハイドロキシコルチコステロイド(11-OHCS) 60点

3 ホモバニリン酸(HVA) 69点

4 バニールマンデル酸(VMA) 90点

5 5-ハイドロキシインドール酢酸(5-HIAA) 95点

6 プロラクチン(PRL) 98点

7 レニン活性 100点

8 トリヨードサイロニン(T3) 102点

9 甲状腺刺激ホルモン(TSH)、ガストリン 104点

10 インスリン(IRI) 106点

11 レニン定量 108点

12 サイロキシン(T4) 111点

13 成長ホルモン(GH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、C-ペプチド(CPR)、黄体形成ホルモン(LH) 111点

14 アルドステロン、テストステロン 125点

15 遊離サイロキシン(FT4)、遊離トリヨードサイロニン(FT3)、コルチゾー ル 127点

16 サイロキシン結合グロブリン(TBG) 130点

17 サイログロブリン 133点

18 抗グルタミン酸デカルボキシラーゼ抗体(抗GAD抗体) 134点

19 脳性Na利尿ペプチド(BNP)、脳性Na利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT-proBNP)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン-βサブユニット(HCG-β) 136点

20 カルシトニン 137点

21 ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)定量、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)半定量 138点

22 サイロキシン結合能(TBC)、ヒト胎盤性ラクトーゲン(HPL) 140点

23 グルカゴン 150点

24 プロゲステロン 151点

25 Ⅰ型コラーゲン架橋N-テロペプチド(NTX)、酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ(TRACP-5b) 156点

26 低カルボキシル化オステオカルシン(ucOC) 158点

27 骨型アルカリホスファターゼ(BAP)、オステオカルシン(OC) 161点

28 遊離テストステロン、インタクトⅠ型プロコラーゲン-N-プロペプチド(In tact PⅠNP) 163点

29 低単位ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)半定量 165点

30 Ⅰ型コラーゲン架橋C-テロペプチド-β異性体(β-CTX)(尿)、Ⅰ型プロコラーゲン-N-プロペプチド(PⅠNP) 169点

31 セクレチン、Ⅰ型コラーゲン架橋C-テロペプチド-β異性体(β-CTX)、副甲状腺ホルモン(PTH)、カテコールアミン分画 170点

32 デヒドロエピアンドロステロン硫酸抱合体(DHEA-S) 174点

33 サイクリックAMP(cAMP) 175点

34 エストラジオール(E2) 177点

35 エストリオール(E3)、エストロゲン半定量、エストロゲン定量、副甲状腺ホルモン関連蛋白C端フラグメント(C-PTHrP) 180点

36 デオキシピリジノリン(DPD)(尿) 191点

37 副甲状腺ホルモン関連蛋白(PTHrP)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、カテコールアミン 194点

38 17-ケトジェニックステロイド(17-KGS) 200点

39 エリスロポエチン 209点

40 17-ケトステロイド分画(17-KS分画)、17α-ヒドロキシプロゲステロン(17α-OHP)、抗IA-2抗体、プレグナンジオール 213点

41 メタネフリン 217点

42 ソマトメジンC 218点

43 17-ケトジェニックステロイド分画(17-KGS分画) 220点

44 メタネフリン・ノルメタネフリン分画 221点

45 心房性Na利尿ペプチド(ANP) 227点

46 プレグナントリオール 234点

47 抗利尿ホルモン(ADH) 235点

48 ノルメタネフリン 250点

49 インスリン様成長因子結合蛋白3型(IGFBP-3) 280点

50 遊離メタネフリン・遊離ノルメタネフリン分画 320点

注 患者から1回に採取した血液を用いて本区分の13から50までに掲げる検査を3項目以上行った場合は、所定点数にかかわらず、検査の項目数に応じて次に掲げる点数により算定する。
イ 3項目以上5項目以下410点
ロ 6項目又は7項目623点
ハ 8項目以上900点

通知
(1) 各種ホルモンの日内変動検査は、内分泌学的検査の該当する項目の測定回数により算定するが、その回数については妥当適切な範囲であること。
(2) 「1」のヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)定性及び「19」のヒト絨毛性ゴナドトロピン-βサブユニット(HCG-β)は、免疫学的妊娠試験に該当するものである。
(3) 「7」のレニン活性と「11」のレニン定量を併せて行った場合は、一方の所定点数のみ算定する。
(4) 「13」のC-ペプチド(CPR)を同時に血液及び尿の両方の検体について測定した場合は、血液の場合の所定点数のみを算定する。
(5) 「13」の黄体形成ホルモン(LH)はLA法等による。
(6) 「18」の抗グルタミン酸デカルボキシラーゼ抗体(抗GAD抗体)は、すでに糖尿病の診断が確定した患者に対して1型糖尿病の診断に用いた場合又は自己免疫介在性脳炎・脳症の診断に用いた場合に算定できる。
(7) 脳性Na利尿ペプチド(BNP)
ア 「19」の脳性Na利尿ペプチド(BNP)は、心不全の診断又は病態把握のために実施した場合に月1回に限り算定する。
イ 「19」の脳性Na利尿ペプチド(BNP)、「19」の脳性Na利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT-proBNP)及び「45」の心房性Na利尿ペプチド(ANP)のうち2項目以上をいずれかの検査を行った日から起算して1週間以内に併せて実施した場合は、主たるもの1つに限り算定する。
ウ 「19」の脳性Na利尿ペプチド(BNP)、「19」の脳性Na利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT-proBNP)及び「45」の心房性Na利尿ペプチド(ANP)のうち2項目以上を実施した場合は、各々の検査の実施日を診療報酬明細書の摘要欄に記載する。
(8) 脳性Na利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT-proBNP)
ア 「19」の脳性Na利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT-proBNP)は、心不全の診断又は病態把握のために実施した場合に月1回に限り算定する。
イ 「19」の脳性Na利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT-proBNP)、「19」の脳性Na利尿ペプチド(BNP)及び「45」の心房性Na利尿ペプチド(ANP)のうち2項目以上をいずれかの検査を行った日から起算して1週間以内に併せて実施した場合は、主たるもの1つに限り算定する。
ウ 「19」の脳性Na利尿ペプチド(BNP)、「19」の脳性Na利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT-proBNP)又は「45」の心房性Na利尿ペプチド(ANP)のうち2項目以上を実施した場合は、各々の検査の実施日を診療報酬明細書の摘要欄に記載する。
(9) ヒト絨毛性ゴナドトロピン-βサブユニット(HCG-β)
ア 「19」のヒト絨毛性ゴナドトロピン-βサブユニット(HCG-β)は、HCG産生腫瘍患者に対して測定した場合に限り算定できる。
イ 「19」のヒト絨毛性ゴナドトロピン-βサブユニット(HCG-β)、「1」のヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)定性、「21」のヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)定量又は同半定量を併せて実施した場合は、主たるもの1つに限り算定する。
(10) 「21」のヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)定量及び同半定量は、HCG・LH検査(試験管法)を含むものである。
(11) 「25」のI型コラーゲン架橋N-テロペプチド(NTX)及び「36」のデオキシピリジノリン(DPD)(尿)は、原発性副甲状腺機能亢進症の手術適応の決定、副甲状腺機能亢進症手術後の治療効果判定又は骨粗鬆症の薬剤治療方針の選択に際して実施された場合に算定する。なお、骨粗鬆症の薬剤治療方針の選択時に1回、その後6月以内の薬剤効果判定時に1回に限り、また薬剤治療方針を変更したときは変更後6月以内に1回に限り算定できる。
(12) 「25」のI型コラーゲン架橋N-テロペプチド(NTX)、「27」のオステオカルシン(OC)又は「36」のデオキシピリジノリン(DPD)(尿)を併せて実施した場合は、いずれか1つのみ算定する。
(13) 「25」の酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ(TRACP-5b)は、代謝性骨疾患及び骨転移(代謝性骨疾患や骨折の併発がない肺癌、乳癌、前立腺癌に限る)の診断補助として実施した場合に1回、その後6月以内の治療経過観察時の補助的指標として実施した場合に1回に限り算定できる。また治療方針を変更した際には変更後6月以内に1回に限り算定できる。本検査と「25」のⅠ型コラーゲン架橋N―テロペプチド(NTX)、「27」のオステオカルシン(OC)又は「36」のデオキシピリジノリン(DPD)(尿)を併せて実施した場合は、いずれか一つのみ算定する。なお、乳癌、肺癌又は前立腺癌であると既に確定診断された患者について骨転移の診断のために当該検査を行い、当該検査に基づいて計画的な治療管理を行った場合は、区分番号「B001」特定疾患治療管理料の「3」悪性腫瘍特異物質治療管理料の「ロ」を算定する。
(14) 「26」の低カルボキシル化オステオカルシン(ucOC)は、骨粗鬆症におけるビタミンK2剤の治療選択目的で行った場合又は治療経過観察を行った場合に算定できる。ただし、治療開始前においては1回、その後は6月以内に1回に限り算定できる。
(15) 「27」の骨型アルカリホスファターゼ(BAP)、「28」のインタクトI型プロコラーゲン-N-プロペプチド(IntactPINP)、「30」のI型プロコラーゲン-N-プロペプチド(PINP)及び区分番号「D007」血液化学検査の「42」ALPアイソザイム(PAG電気泳動法)のうち2項目以上を併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。
(16) 「27」のオステオカルシン(OC)は、続発性副甲状腺機能亢進症の手術適応の決定及び原発性又は続発性の副甲状腺機能亢進症による副甲状腺(上皮小体)腺腫過形成手術後の治療効果判定に際して実施した場合に限り算定できる。
(17) 「30」のⅠ型コラーゲン架橋C-テロペプチド-β異性体(β-CTX)(尿)は、骨粗鬆症におけるホルモン補充療法及びビスフォスフォネート療法等、骨吸収抑制能を有する薬物療法の治療効果判定又は治療経過観察を行った場合に算定できる。ただし、治療開始前においては1回、その後は6月以内に1回に限り算定できる。
(18) 「31」のⅠ型コラーゲン架橋C-テロペプチド-β異性体(β-CTX)は、骨粗鬆症におけるホルモン補充療法及びビスフォスフォネート療法等、骨吸収抑制能を有する薬物療法の治療効果判定又は治療経過観察を行った場合に算定できる。ただし、治療開始前においては1回、その後は6月以内に1回に限り算定できる。また、「30」のⅠ型コラーゲン架橋C-テロペプチド-β異性体(β-CTX)(尿)と併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。
(19) 「35」のエストロゲン半定量又は定量については、「35」のエストリオール(E3)又は「34」のエストラジオール(E2)と同時に実施した場合は算定できない。
(20) 「35」の副甲状腺ホルモン関連蛋白C端フラグメント(C-PTHrP)又は「37」の副甲状腺ホルモン関連蛋白(PTHrP)は、高カルシウム血症の鑑別並びに悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症に対する治療効果の判定のために測定した場合に限り算定する。
(21) 「39」のエリスロポエチンは、以下のいずれかの目的で行った場合に算定する。
ア 赤血球増加症の鑑別診断
イ 重度の慢性腎不全患者又はエリスロポエチンダルベポエチン、エポエチンベータペゴル若しくはHIF-PH阻害薬投与前の透析患者における腎性貧血の診断
ウ 骨髄異形成症候群に伴う貧血の治療方針の決定
(22) 「40」の抗IA-2抗体は、すでに糖尿病の診断が確定し、かつ、「18」の抗グルタミン酸デカルボキシラーゼ抗体(抗GAD抗体)の結果、陰性が確認された患者に対し、1型糖尿病の診断に用いた場合に算定する。なお、当該検査を算定するに当たっては、抗グルタミン酸デカルボキシラーゼ抗体(抗GAD抗体)の結果、陰性が確認された年月日を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
(23) 「40」の 17α-ヒドロキシプロゲステロン(17α-OHP)は、先天性副腎皮質過形成症の診断又は治療効果判定のために行った場合に算定する。
(24) 「45」の心房性Na利尿ペプチド(ANP)、「19」の脳性Na利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT-proBNP)及び「19」の脳性Na利尿ペプチド(BNP)のうち2項目以上をいずれかの検査を行った日から起算して1週間以内に併せて実施した場合は、主たるもの1つに限り算定する。
(25) 「48」のノルメタネフリンは、褐色細胞腫の診断又は術後の効果判定のため行った場合に算定し、「41」のメタネフリンを併せて行った場合は、主たるもののみ算定する。
(26) インスリン様成長因子結合蛋白3型(IGFBP-3)
ア 「49」のインスリン様成長因子結合蛋白3型(IGFBP-3)は、成長ホルモン分泌不全症の診断と治療開始時の適応判定のために実施した場合に算定できる。なお、成長ホルモン分泌不全症の診断については、厚生労働省間脳下垂体機能障害に関する調査研究班「成長ホルモン分泌不全性低身長症診断の手引き」を、治療開始時の適応判定については(財)成長科学協会「ヒト成長ホルモン治療開始時の適応基準」を参照すること。
イ 「49」のインスリン様成長因子結合蛋白3型(IGFBP-3)を「42」のソマトメジンCと併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。
(27) 遊離メタネフリン・遊離ノルメタネフリン分画
ア 「50」の遊離メタネフリン・遊離ノルメタネフリン分画は、褐色細胞腫の鑑別診断を行った場合に1回に限り算定する。本検査を実施するに当たっては、関連学会が定める指針を遵守し、褐色細胞腫を疑う医学的な理由を診療録に記載すること。
イ 「41」メタネフリン、「44」メタネフリン・ノルメタネフリン分画、「48」ノルメタネフリン又は「50」遊離メタネフリン・遊離ノルメタネフリン分画のうちいずれかを併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。

D009 腫瘍マーカー

1 尿中BTA 80点

2 癌胎児性抗原(CEA) 102点

3 α-フェトプロテイン(AFP) 104点

4 扁平上皮癌関連抗原(SCC抗原) 107点

5 組織ポリペプタイド抗原(TPA) 110点

6 DUPAN-2、NCC-ST-439、CA15-3 118点

7 エラスターゼ1 126点

8 前立腺特異抗原(PSA)、CA19-9 127点

9 PIVKA-Ⅱ半定量、PIVKA-Ⅱ定量 139点

10 CA125 144点

11 CA72-4、SPan-1、シアリルTn抗原(STN)、神経特異エノラーゼ(NSE) 146点

12 核マトリックスプロテイン22(NMP22)定量(尿)、核マトリックスプロテイン22(NMP22)定性(尿) 147点

13 シアリルLex-i抗原(SLX) 148点

14 塩基性フェトプロテイン(BFP) 150点

15 遊離型PSA比(PSA F/T比) 154点

16 サイトケラチン8・18(尿) 160点

17 BCA225、サイトケラチン19フラグメント(シフラ) 162点

18 抗p53抗体 163点

19 シアリルLex抗原(CSLEX) 164点

20 Ⅰ型コラーゲン-C-テロペプチド(ⅠCTP) 170点

21 ガストリン放出ペプチド前駆体(ProGRP) 175点

22 CA54/61、癌関連ガラクトース転移酵素(GAT) 184点

23 CA602、α-フェトプロテインレクチン分画(AFP-L3%) 190点

24 γ-セミノプロテイン(γ-Sm) 194点

25 ヒト精巣上体蛋白4(HE4) 200点

26 可溶性メソテリン関連ペプチド 220点

27 癌胎児性抗原(CEA)定性(乳頭分泌液)、癌胎児性抗原(CEA)半定量(乳頭分泌液) 305点

28 HER2蛋白 320点

29 可溶性インターロイキン-2レセプター(sIL-2R) 438点

注1 診療及び腫瘍マーカー以外の検査の結果から悪性腫瘍の患者であることが強く疑われる者に対して、腫瘍マーカーの検査を行った場合に、1回に限り算定する。ただし、区分番号B001の3に掲げる悪性腫瘍特異物質治療管理料を算定している患者については算定しない。

2 患者から1回に採取した血液等を用いて本区分の2から29までに掲げる検査を2項目以上行った場合は、所定点数にかかわらず、検査の項目数に応じて次に掲げる点数により算定する。
イ 2項目 230点
ロ 3項目 290点
ハ 4項目以上 408点

通知
(1) 腫瘍マーカーは、悪性腫瘍の患者であることが強く疑われる者に対して検査を行った場合に、悪性腫瘍の診断の確定又は転帰の決定までの間に1回を限度として算定する。悪性腫瘍の診断が確定し、計画的な治療管理を開始した場合、当該治療管理中に行った腫瘍マーカーの検査の費用は区分番号「B001」特定疾患治療管理料の「3」悪性腫瘍特異物質治療管理料に含まれ、腫瘍マーカーは、原則として、区分番号「B001」特定疾患治療管理料の「3」悪性腫瘍特異物質治療管理料と同一月に併せて算定できない。ただし、悪性腫瘍の診断が確定した場合であっても、次に掲げる場合においては、区分番号「B001」特定疾患治療管理料の「3」悪性腫瘍特異物質治療管理料とは別に腫瘍マーカーの検査料を算定できる。
ア 急性及び慢性膵炎の診断及び経過観察のために「7」のエラスターゼ1を行った場合
イ 肝硬変、HBs抗原陽性の慢性肝炎又はHCV抗体陽性の慢性肝炎の患者について、「3」のα-フェトプロテイン(AFP)、「9」のPIVKA-Ⅱ半定量又は定量を行った場合(月1回に限る。)
ウ 子宮内膜症の診断又は治療効果判定を目的として「10」のCA125 又は「23」のCA602 を行った場合(診断又は治療前及び治療後の各1回に限る。)
エ 家族性大腸腺腫症の患者に対して「2」の癌胎児性抗原(CEA)を行った場合

(2) 「1」の尿中BTAは、膀胱癌であると既に確定診断がされた患者に対して、膀胱癌再発の診断のために行い、当該検査の結果に基づいて計画的な治療管理を行った場合に- 274 -限り、区分番号「B001」特定疾患治療管理料の「3」悪性腫瘍特異物質治療管理料の「イ」を算定する。

(3) 「2」の癌胎児性抗原(CEA)と「6」のDUPAN-2を併せて測定した場合は主たるもののみ算定する。

(4) 「8」の前立腺特異抗原(PSA)は、診察、腫瘍マーカー以外の検査、画像診断等の結果から、前立腺癌の患者であることを強く疑われる者に対して検査を行った場合に、前立腺癌の診断の確定又は転帰の決定までの間に原則として、1回を限度として算定する。ただし、前立腺特異抗原(PSA)の検査結果が 4.0ng/mL以上であって前立腺癌の確定診断がつかない場合においては、3月に1回に限り、3回を限度として算定できる。なお、当該検査を2回以上算定するに当たっては、検査値を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

(5) 「10」のCA125 及び「23」のCA602 を併せて測定した場合は、主たるもののみ算定する。

(6) 上記(1)にかかわらず、(5)に掲げる項目について、1つを区分番号「B001」特定疾患治療管理料の「3」悪性腫瘍特異物質治療管理料の項目とし、他の1つの検査を腫瘍マーカーの項目として算定することはできず、いずれか一方のみ算定する。

(7) 核マトリックスプロテイン 22(NMP22)定性(尿)又は定量(尿)
ア 「12」の核マトリックスプロテイン 22(NMP22)定量(尿)及び「12」の核マトリックスプロテイン 22(NMP22)定性(尿)は、区分番号「D002」尿沈渣(鏡検法)により赤血球が認められ、尿路上皮癌の患者であることが強く疑われる者に対して行った場合に限り算定する。
イ 「12」の核マトリックスプロテイン 22(NMP22)定量(尿)及び「12」の核マトリックスプロテイン 22(NMP22)定性(尿)については、尿路上皮癌の診断が確定した後に行った場合であっても、区分番号「B001」特定疾患治療管理料の「3」悪性腫瘍特異物質治療管理料は算定できない。

(8) 「12」の核マトリックスプロテイン 22(NMP22)定量(尿)又は「12」の核マトリックスプロテイン 22(NMP22)定性(尿)及び「16」のサイトケラチン8・18(尿)を同時に実施した場合は、いずれか一方の所定点数を算定する。

(9) 「15」の遊離型PSA比(PSA F/T比)は、診療及び他の検査(前立腺特異抗原(PSA)等)の結果から前立腺癌の患者であることが強く疑われる者に対して行った場合に限り算定する。

(10) サイトケラチン8・18(尿)
ア 「16」のサイトケラチン8・18(尿)は、区分番号「D002」尿沈渣(鏡検法)により赤血球が認められ、尿路上皮癌の患者であることが強く疑われる者に対して行った場合に限り算定する。
イ 「16」のサイトケラチン8・18(尿)は、尿路上皮癌の診断が確定した後に行った場合であっても、区分番号「B001」特定疾患治療管理料の「3」悪性腫瘍特異物質治療管理料は算定できない。

(11) 「17」のサイトケラチン 19 フラグメント(シフラ)は、悪性腫瘍であることが既に確定診断された患者については、小細胞癌を除く肺癌の場合に限り、区分番号「B001」特定疾患治療管理料の「3」悪性腫瘍特異物質治療管理料を算定できる。

(12) 「18」の抗 p53 抗体は、食道癌、大腸癌又は乳癌が強く疑われる患者に対して行った場合に月1回に限り算定できる。

(13) シアリルLeX抗原(CSLEX)
ア 「19」のシアリルLeX抗原(CSLEX)は、診療及び他の検査の結果から乳癌の患者であることが強く疑われる者に対して検査を行った場合に算定する。
イ 「19」のシアリルLeX抗原(CSLEX)と「6」のCA15-3 を併せて測定した場合は、主たるもののみ算定する。

(14) 「20」のⅠ型コラーゲン-C-テロペプチド(ICTP)、区分番号「D008」内分泌学的検査の「25」のI型コラーゲン架橋N-テロペプチド(NTX)又は同区分「36」のデオキシピリジノリン(DPD)(尿)は、乳癌、肺癌又は前立腺癌であると既に確定診断された患者について骨転移の診断のために当該検査を行い、当該検査の結果に基づいて計画的な治療管理を行った場合に限り、区分番号「B001」特定疾患治療管理料の「3」悪性腫瘍特異物質治療管理料の「ロ」を算定する。

(15) 「21」のガストリン放出ペプチド前駆体(ProGRP)を「11」の神経特異エノラーゼ(NSE)と併せて実施した場合には、主たるもののみ算定する。

(16) 「22」の癌関連ガラクトース転移酵素(GAT)は、内膜症性嚢胞を有する患者又は内膜症性嚢胞が疑われる患者について、卵巣癌が疑われる場合に限り算定できる。

(17) 「23」のα-フェトプロテインレクチン分画(AFP-L3%)は、電気泳動法及び抗体親和性転写法又はLBA法による。

(18) 「25」のヒト精巣上体蛋白4(HE4)は、CLIA法又はECLIA法により測定した場合に算定できる。

(19) 可溶性メソテリン関連ペプチド
ア 「26」の可溶性メソテリン関連ペプチドは、悪性中皮腫の診断の補助又は悪性中皮腫であると既に確定診断された患者に対して治療効果の判定若しくは経過観察を目的として実施した場合に算定する。
イ 本検査を悪性中皮腫の診断の補助を目的として実施する場合は、以下のいずれかに該当する患者に対して使用した場合に限り算定する。この場合、本検査が必要である理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。(イ) 石綿曝露歴があり、胸水、腹水等の貯留が認められる患者(ロ) 体腔液細胞診で悪性中皮腫が疑われる患者(ハ) 画像診断で胸膜腫瘍、腹膜腫瘍等の漿膜腫瘍が認められる患者
ウ 本検査を悪性中皮腫の治療効果の判定又は経過観察を目的として実施する場合は、悪性中皮腫であると既に確定診断された患者に対して、本検査の結果に基づいて計画的な治療管理を行った場合に限り、区分番号「B001」特定疾患治療管理料の「3」悪性腫瘍特異物質治療管理料の「ロ」を算定する。

(20) 「27」の癌胎児性抗原(CEA)定性(乳頭分泌液)又は同半定量(乳頭分泌液)は、乳頭異常分泌患者に対して非腫瘤性乳癌を強く疑って、乳頭分泌液中の癌胎児性抗原(CEA)を測定した場合に算定する。

(21) 「28」のHER2蛋白は、悪性腫瘍が既に確定診断され、かつ、HER2蛋白過剰発現- 276 -が認められている患者又は他の測定法により、HER2蛋白過剰発現の有無が確認されていない再発癌患者に対して、当該検査の結果に基づいて計画的な治療管理を行った場合に限り、区分番号「B001」特定疾患治療管理料の「3」悪性腫瘍特異物質治療管理料の「ロ」を算定する。

(22) 「29」の可溶性インターロイキン-2レセプター(sIL-2R)は、非ホジキンリンパ腫、ATL又はメトトレキサート使用中のリンパ増殖性疾患の診断の目的で測定した場合に算定できる。また、非ホジキンリンパ腫又はATLであることが既に確定診断された患者に対して、経過観察のために測定した場合は、区分番号「B001」特定疾患治療管理料の「3」悪性腫瘍特異物質治療管理料の「ロ」により算定する。

(23) 「注2」に係る規定は、本区分に掲げる血液を検体とする検査と「27」の癌胎児性抗原(CEA)定性(乳頭分泌液)又は同半定量(乳頭分泌液)を同一日に行った場合にも、適用する。

D010 特殊分析

1 糖分析(尿) 38点

2 結石分析 120点

3 チロシン 200点

4 アミノ酸

イ 1種類につき 287点

ロ 5種類以上 1,176点

5 総分岐鎖アミノ酸/チロシンモル比(BTR) 288点

6 アミノ酸定性 350点

7 脂肪酸分画 417点

8 先天性代謝異常症検査

イ 尿中有機酸分析 1,141点

ロ 血中極長鎖脂肪酸 1,141点

ハ タンデムマス分析 1,141点

ニ その他 1,141点

注1 イ、ロ及びハについては、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において行われる場合に、患者1人につき月1回に限り算定する。

2 ニについては、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、当該保険医療機関内で検査を行った場合に、患者1人につき月1回に限り算定する。

通知
(1) フェニール・アラニン又はヒスチジンを服用させ血清又は尿中のフェニール・アラニン又はヒスチジンの定量検査を行った場合は、それぞれ1回の測定につき「4」により算定し、使用した薬剤は、区分番号「D500」薬剤により算定する。

(2) 「3」のチロシンは、酵素法による。

(3) 「5」の総分岐鎖アミノ酸/チロシンモル比(BTR)は、酵素法による。

(4) 「8」の先天性代謝異常症検査は、臨床症状・検査所見・家族歴等から先天性代謝異常症等が強く疑われた患者に対し、疾患の診断又は経過観察を目的に行った場合に算定する。
ア 「イ」の尿中有機酸分析は、有機酸代謝異常症が疑われる患者に対して、ガスクロマトグラフ質量分析装置を用いて尿中有機酸の分析を行った場合に算定する。
イ 「ロ」の血中極長鎖脂肪酸は、副腎白質ジストロフィーやペルオキシソーム形成異常症、ペルオキシソームβ酸化系酵素欠損症が疑われる患者に対して、ガスクロマトグラフ質量分析装置を用いて血中極長鎖脂肪酸の測定を行った場合に算定する。
ウ 「ハ」のタンデムマス分析は、有機酸代謝異常症、脂肪酸代謝異常症が疑われる患者に対して、タンデム質量分析装置を用いて遊離カルニチン及びアシルカルニチンの分析を行った場合に算定する。
エ 「ニ」のその他は、ムコ多糖症、ムコリピドーシスが疑われる患者に対して、セルロースアセテート膜電気泳動を用いてムコ多糖体分画の定量検査等を行った場合に算定する。

(免疫学的検査)

D011 免疫血液学的検査

1 ABO血液型、Rh(D)血液型 24点

2 Coombs試験

イ 直接 34点

ロ 間接 47点

3 Rh(その他の因子)血液型 152点

4 不規則抗体 159点

注 第10部手術第7款の各区分に掲げる胸部手術、同部第8款の各区分に掲げる心・脈管手術、同部第9款の各区分に掲げる腹部手術又は同部第11款の各区分に掲げる性器手術のうち区分番号K898に掲げる帝王切開術等を行った場合に算定する。

5 ABO血液型関連糖転移酵素活性 186点

6 血小板関連IgG(PA-IgG) 198点

7 ABO血液型亜型 260点

8 抗血小板抗体 262点

9 血小板第4因子-ヘパリン複合体抗体(IgG抗体) 378点

10 血小板第4因子-ヘパリン複合体抗体(IgG、IgM及びIgA抗体) 390点

通知
(1) 「3」のRh(その他の因子)血液型については、同一検体による検査の場合は因子の種類及び数にかかわらず、所定点数を算定する。

(2) 「4」の不規則抗体は、輸血歴又は妊娠歴のある患者に対し、第2章第10 部手術第7款の各区分に掲げる胸部手術、同部第8款の各区分に掲げる心・脈管手術、同部第9款の各区分に掲げる腹部手術又は区分番号「K877」子宮全摘術、「K879」子宮悪性腫瘍手術、「K889」子宮附属器悪性腫瘍手術(両側)、「K898」帝王切開術又は「K912」異所性妊娠手術が行われた場合に、手術の当日に算定する。
また、手術に際して輸血が行われた場合は、本検査又は区分番号K920輸血の「注6」に定める不規則抗体検査加算のいずれかを算定する。
この場合、診療報酬明細書の摘要欄に輸血歴がある患者又は妊娠歴がある患者のいずれに該当するかを記載する。

(3) 「6」の血小板関連IgG(PA-IgG)は、特発性血小板減少性紫斑病の診断又は経過判定の目的で行った場合に算定する。

(4) 血小板第4因子-ヘパリン複合体抗体(IgG、IgM及びIgA抗体)、血小板第4因子-ヘパリン複合体抗体(IgG抗体)
ア 「10」の血小板第4因子-ヘパリン複合体抗体(IgG、IgM及びIgA抗体)及び「9」の血小板第4因子-ヘパリン複合体抗体(IgG抗体)は、ヘパリン起因性血小板減少症の診断を目的として行った場合に算定する。
イ 一連の検査で、「10」の血小板第4因子-ヘパリン複合体抗体(IgG、IgM及びIgA抗体)及び「9」の血小板第4因子-ヘパリン複合体抗体(IgG抗体)を測定した場合は、主たるもののみ算定する。

D012 感染症免疫学的検査

1 梅毒血清反応(STS)定性、抗ストレプトリジンO(ASO)定性、抗ストレプトリジンO(ASO)半定量、抗ストレプトリジンO(ASO)定量 15点

2 トキソプラズマ抗体定性、トキソプラズマ抗体半定量 26点

3 抗ストレプトキナーゼ(ASK)定性、抗ストレプトキナーゼ(ASK)半定量 29点

4 梅毒トレポネーマ抗体定性、マイコプラズマ抗体定性、マイコプラズマ抗体半定量 32点

5 梅毒血清反応(STS)半定量、梅毒血清反応(STS)定量 34点

6 梅毒トレポネーマ抗体半定量、梅毒トレポネーマ抗体定量 53点

7 アデノウイルス抗原定性(糞便)、迅速ウレアーゼ試験定性 60点

8 ロタウイルス抗原定性(糞便)、ロタウイルス抗原定量(糞便) 65点

9 ヘリコバクター・ピロリ抗体定性・半定量、クラミドフィラ・ニューモニエIgG抗体 70点

10 クラミドフィラ・ニューモニエIgA抗体 75点

11 ウイルス抗体価(定性・半定量・定量)(1項目当たり) 79点

注 同一検体についてウイルス抗体価(定性・半定量・定量)の測定を行った場合は、8項目を限度として算定する。

12 クロストリジオイデス・ディフィシル抗原定性、ヘリコバクター・ピロリ抗体、百日咳菌抗体定性、百日咳菌抗体半定量 80点

13 HTLV-Ⅰ抗体定性、HTLV-Ⅰ抗体半定量 85点

14 トキソプラズマ抗体 93点

15 トキソプラズマIgM抗体 95点

16 HIV-1,2抗体定性、HIV-1,2抗体半定量、HIV-1,2抗原・抗 体同時測定定性 115点

17 抗酸菌抗体定量、HIV-1抗体、抗酸菌抗体定性 116点

18 HIV-1,2抗体定量、HIV-1,2抗原・抗体同時測定定量、A群β溶連菌迅速試験定性 127点

19 カンジダ抗原定性、カンジダ抗原半定量、カンジダ抗原定量 134点

20 ヘモフィルス・インフルエンザb型(Hib)抗原定性(尿・髄液) 136点

21 RSウイルス抗原定性、梅毒トレポネーマ抗体(FTA-ABS試験)定性、梅毒トレポネーマ抗体(FTA-ABS試験)半定量 138点

22 インフルエンザウイルス抗原定性 139点

23 ヘリコバクター・ピロリ抗原定性 142点

24 肺炎球菌抗原定性(尿・髄液)、ヒトメタニューモウイルス抗原定性 146点

25 ノロウイルス抗原定性、インフルエンザ菌(無莢膜型)抗原定性、マイコプラズマ抗原定性(免疫クロマト法) 150点

26 クラミドフィラ・ニューモニエIgM抗体 156点

27 D-アラビニトール、クラミジア・トラコマチス抗原定性 160点

28 アスペルギルス抗原 161点

29 大腸菌O157抗原定性 165点

30 大腸菌O157抗体定性、HTLV-Ⅰ抗体 168点

31 マイコプラズマ抗原定性(FA法) 170点

32 クリプトコックス抗原半定量、クリプトコックス抗原定性 174点

33 大腸菌血清型別 175点

34 淋菌抗原定性、単純ヘルペスウイルス抗原定性 180点

35 アデノウイルス抗原定性(糞便を除く。)、肺炎球菌細胞壁抗原定性 189点

36 肺炎球菌莢膜抗原定性(尿・髄液) 198点

37 ブルセラ抗体定性、ブルセラ抗体半定量、グロブリンクラス別クラミジア・トラコマチス抗体 200点

38 ツツガムシ抗体定性、ツツガムシ抗体半定量、(1→3)-β-D-グルカン 207点

39 単純ヘルペスウイルス抗原定性(角膜)、単純ヘルペスウイルス抗原定性(性器)、アニサキスIgG・IgA抗体 210点

40 グロブリンクラス別ウイルス抗体価(1項目当たり) 212点

注 同一検体について、グロブリンクラス別ウイルス抗体価の測定を行った場合は、2項目を限度として算定する。

41 レジオネラ抗原定性(尿) 217点

42 赤痢アメーバ抗体半定量 223点

43 デングウイルス抗原定性、デングウイルス抗原・抗体同時測定定性、水痘ウイルス抗原定性(上皮細胞) 233点

注 デングウイルス抗原定性及びデングウイルス抗原・抗体同時測定定性については、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関において実施した場合に算定する。

44 エンドトキシン 243点

45 百日咳菌抗体 264点

46 HIV-1抗体(ウエスタンブロット法) 280点

47 結核菌群抗原定性 291点

48 サイトメガロウイルスpp65抗原定性 377点

49 HIV-2抗体(ウエスタンブロット法) 380点

50 HTLV-Ⅰ抗体(ウエスタンブロット法及びラインブロット法) 425点

51 HIV抗原 600点

52 抗トリコスポロン・アサヒ抗体 873点

通知
(1) 「1」及び「5」における梅毒血清反応(STS)定性、梅毒血清反応(STS)半定量及び梅毒血清反応(STS)定量は、従来の梅毒沈降反応(ガラス板法、VDRL法、RPR法、凝集法等)をいい、梅毒血清反応(STS)定性、梅毒血清反応(STS)半定量及び梅毒血清反応(STS)定量ごとに梅毒沈降反応を併せて2種類以上ずつ行った場合でも、それぞれ主たるもののみ算定する。

(2) 「4」のマイコプラズマ抗体定性、マイコプラズマ抗体半定量、「25」のマイコプラズマ抗原定性(免疫クロマト法)又は「31」のマイコプラズマ抗原定性(FA法)を併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。

(3) 「7」の迅速ウレアーゼ試験定性を含むヘリコバクター・ピロリ感染診断の保険診療上の取扱いについては「ヘリコバクター・ピロリ感染の診断及び治療に関する取扱いについて」(平成 12 年 10 月 31 日保険発第 180 号)に即して行うこと。

(4) 「7」のアデノウイルス抗原定性(糞便)と「8」のロタウイルス抗原定性(糞便)又は定量(糞便)を同時に行った場合は、主たる検査のみ算定する。

(5) ヘリコバクター・ピロリ抗体定性・半定量
ア 「9」のヘリコバクター・ピロリ抗体定性・半定量は、LA法、免疫クロマト法、金コロイド免疫測定法又はEIA法(簡易法)により実施した場合に算定する。
イ 当該検査を含むヘリコバクター・ピロリ感染診断の保険診療上の取扱いについては「ヘリコバクター・ピロリ感染の診断及び治療に関する取扱いについて」(平成 12 年10 月 31 日保険発第 180 号)に即して行うこと。

(6) ウイルス抗体価(定性・半定量・定量)
ア 「11」のウイルス抗体価(定性・半定量・定量)は、治療上必要な場合に行うものとし、次に掲げるものを当該検査の対象とする。
(イ) アデノウイルス
(ロ) コクサッキーウイルス
(ハ) サイトメガロウイルス
(ニ) EBウイルス
(ホ) エコーウイルス
(ヘ) ヘルペスウイルス
(ト) インフルエンザウイルスA型
(チ) インフルエンザウイルスB型
(リ) ムンプスウイルス
(ヌ) パラインフルエンザウイルスⅠ型
(ル) パラインフルエンザウイルスⅡ型
(ヲ) パラインフルエンザウイルスⅢ型
(ワ) ポリオウイルスⅠ型
(カ) ポリオウイルスⅡ型
(ヨ) ポリオウイルスⅢ型
(タ) RSウイルス
(レ) 風疹ウイルス
(ソ) 麻疹ウイルス
(ツ) 日本脳炎ウイルス
(ネ) オーム病クラミジア
(ナ) 水痘・帯状疱疹ウイルス
イ ウイルス抗体価(定性・半定量・定量)に当たって、同一検体について同一ウイルスに対する複数の測定方法を行った場合であっても、所定点数のみを算定する。

(7) 「12」のヘリコバクター・ピロリ抗体を含むヘリコバクター・ピロリ感染診断の保険診療上の取扱いについては「ヘリコバクター・ピロリ感染の診断及び治療に関する取扱いについて」(平成 12 年 10 月 31 日保険発第 180 号)に即して行うこと。

(8) 「13」のHTLV-Ⅰ抗体定性又は半定量は、粒子凝集法により実施した場合に算定する。

(9) 「17」の抗酸菌抗体定量又は同定性は、金コロイド免疫測定法又はEIA法により実施した場合に算定する。

(10) 診療録等から非加熱血液凝固因子製剤の投与歴が明らかな者及び診療録等が確認できないため血液凝固因子製剤の投与歴は不明であるが、昭和 53 年から昭和 63 年の間に入院し、かつ、次のいずれかに該当する者に対して、「17」のHIV-1抗体、「16」のHIV-1,2抗体定性、同半定量、「18」のHIV-1,2抗体定量、「16」のHIV-1,2抗原・抗体同時測定定性又は「18」のHIV-1,2抗原・抗体同時測定定量を実施した場合は、HIV感染症を疑わせる自他覚症状の有無に関わらず所定点数を算定する。ただし、保険医療機関において採血した検体の検査を保健所に委託した場合は、算定しない。
ア 新生児出血症(新生児メレナ、ビタミンK欠乏症等)等の病気で「血が止まりにくい」との指摘を受けた者
イ 肝硬変や劇症肝炎で入院し、出血の著しかった者
ウ 食道静脈瘤の破裂、消化器系疾患により大量の吐下血があった者
エ 大量に出血するような手術を受けた者(出産時の大量出血も含む。)なお、間質性肺炎等後天性免疫不全症候群の疾病と鑑別が難しい疾病が認められる場合やHIVの感染に関連しやすい性感染症が認められる場合、既往がある場合又は疑われる場合でHIV感染症を疑う場合は、本検査を算定できる。

(11) HIV-1抗体及びHIV-1,2抗体定性、同半定量又は同定量、HIV-1,2抗原・抗体同時測定定性又は同定量
ア 区分番号「K920」輸血(「4」の自己血輸血を除く。以下この項において同じ。)を算定した患者又は血漿成分製剤(新鮮液状血漿、新鮮凍結人血漿等)の輸注を行った患者に対して、一連として行われた当該輸血又は輸注の最終日から起算して、概ね2か月後に「17」のHIV-1抗体、「16」のHIV-1,2抗体定性、同半定量、「18」のHIV-1,2抗体定量、「16」のHIV-1,2抗原・抗体同時測定定性又は「18」のHIV-1,2抗原・抗体同時測定定量の測定が行われた場合は、HIV感染症を疑わせる自他覚症状の有無に関わらず、当該輸血又は輸注につき1回に限り、所定点数を算定できる。
イ 他の保険医療機関において輸血料の算定又は血漿成分製剤の輸注を行った場合であってもアと同様とする。
ウ ア又はイの場合においては、診療報酬明細書の摘要欄に当該輸血又は輸注が行われた最終日を記載する。

(12) 「16」のHIV-1,2抗体定性、同半定量、及び「18」のHIV-1,2抗体定量は、LA法、EIA法、PA法又は免疫クロマト法による。

(13) 「18」のA群β溶連菌迅速試験定性と区分番号「D018」細菌培養同定検査を同時に実施した場合は、A群β溶連菌迅速試験定性の所定点数のみを算定する。この場合において、A群β溶連菌迅速試験定性の結果が陰性のため、引き続いて細菌培養同定検査を実施した場合であっても、A群β溶連菌迅速試験定性の所定点数のみ算定する。

(14) 「19」のカンジダ抗原定性、半定量又は定量は、カンジダ血症又はカンジダ肺炎の診断の目的で行った場合に算定する。

(15) 「21」のRSウイルス抗原定性は、以下のいずれかに該当する患者について、当該ウイルス感染症が疑われる場合に適用する。
ア 入院中の患者
イ 1歳未満の乳児
ウ パリビズマブ製剤の適応となる患者

(16) インフルエンザウイルス抗原定性
ア 「22」のインフルエンザウイルス抗原定性は、発症後 48 時間以内に実施した場合に限り算定することができる。
イ 本検査と「11」のウイルス抗体価(定性・半定量・定量)のインフルエンザウイルスA型若しくはインフルエンザウイルスB型を併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。
ウ 本検査は光学的抗原抗体反応(OIA法)により実施した場合にも算定できる。

(17) ヘリコバクター・ピロリ抗原定性
ア 「23」のヘリコバクター・ピロリ抗原定性は、EIA法又は免疫クロマト法により測定した場合に限り算定できる。
イ 当該検査を含むヘリコバクター・ピロリ感染診断の保険診療上の取扱いについては「ヘリコバクター・ピロリ感染の診断及び治療に関する取扱いについて」(平成 12 年10 月 31 日保険発第 180 号)に即して行うこと。

(18) ヒトメタニューモウイルス抗原定性
ア 「24」のヒトメタニューモウイルス抗原定性と「11」のウイルス抗体価(定性・半定量・定量)のインフルエンザウイルスA型若しくはインフルエンザウイルスB型、「22」のインフルエンザウイルス抗原定性又は「21」のRSウイルス抗原定性のうち3項目を併せて実施した場合には、主たるもの2つに限り算定する。ただし、「11」のウイルス抗体価(定性・半定量・定量)のインフルエンザウイルスA型若しくはインフルエンザウイルスB型又は「22」のインフルエンザウイルス抗原定性を併せて実施した場合は1項目として数える。
イ 本検査は、当該ウイルス感染症が疑われる6歳未満の患者であって、画像診断又は胸部聴診所見により肺炎が強く疑われる患者を対象として測定した場合に算定する。

(19) 「25」のインフルエンザ菌(無莢膜型)抗原定性は、ELISA法により、インフルエンザ菌感染が疑われる中耳炎又は副鼻腔炎患者に対して、インフルエンザ菌(無莢膜型)感染の診断の目的で実施した場合に算定する。

(20) 「25」のマイコプラズマ抗原定性(免疫クロマト法)、「4」のマイコプラズマ抗体定性若しくは同半定量又は「31」のマイコプラズマ抗原定性(FA法)を併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。

(21) 「25」のノロウイルス抗原定性は、以下のいずれかに該当する患者について、当該ウイルス感染症が疑われる場合に算定する。
ア 3歳未満の患者
イ 65 歳以上の患者
ウ 悪性腫瘍の診断が確定している患者
エ 臓器移植後の患者
オ 抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤、又は免疫抑制効果のある薬剤を投与中の患者

(22) 「26」のクラミドフィラ・ニューモニエIgM抗体を、「9」のクラミドフィラ・ニューモニエIgG抗体又は「10」のクラミドフィラ・ニューモニエIgA抗体と併せて実施した場合は、主たるもの1つに限り算定する。

(23) 「27」のD-アラビニトールは、カンジダ血症又はカンジダ肺炎の診断の目的で行った場合に算定する。

(24) 「27」のクラミジア・トラコマチス抗原定性は、泌尿器、生殖器、結膜又は鼻咽腔内からの検体によるものであり、本検査に係る検体採取料は所定点数に含まれる。

(25) 「27」のクラミジア・トラコマチス抗原定性について、結膜又は鼻咽腔内からの検体による場合は、封入体結膜炎若しくはトラコーマ又は乳児クラミジア・トラコマチス肺炎の診断のために実施した場合に算定できる。

(26) 「28」のアスペルギルス抗原はLA法又はELISA法により、侵襲性肺アスペルギルス症の診断のために実施した場合にのみ算定できる。

(27) 「29」の大腸菌O157 抗原定性、「30」の大腸菌O157 抗体定性及び区分番号「D018」細菌培養同定検査の「2」消化管からの検体によるもののうちいずれかを複数測定した場合は、主たるもののみ算定する。なお、「30」の大腸菌O157 抗体定性はLA法による。

(28) 「31」のマイコプラズマ抗原定性(FA法)、「4」のマイコプラズマ抗体定性、同半定量又は「25」のマイコプラズマ抗原定性(免疫クロマト法)を併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。

(29) 「33」の大腸菌血清型別は、区分番号「D018」細菌培養同定検査により大腸菌が確認され、及び区分番号「D023-2」の「3」大腸菌ベロトキシン定性により毒素が確認又は腸管出血性大腸菌用の選択培地に菌の発育が確認され、並びに血清抗体法により大腸菌のO抗原又はH抗原の同定を行った場合に、使用した血清の数、菌種等に関わらず算定する。この場合において区分番号「D018」細菌培養同定検査の費用は別に算定できない。

(30) 「34」の淋菌抗原定性は、区分番号「D018」細菌培養同定検査を同時に実施した場合は、別に算定できない。

(31) 「34」の単純ヘルペスウイルス抗原定性は、ヘルペスウイルスの型別確認を行った場合に算定できる。

(32) 肺炎球菌細胞壁抗原定性
ア 「35」の肺炎球菌細胞壁抗原定性は、次のいずれかの場合に算定する。(イ) 喀痰又は上咽頭ぬぐいを検体として、イムノクロマト法により、肺炎又は下気道感染症の診断に用いた場合(ロ) イムノクロマト法により、中耳炎及び副鼻腔炎の診断に用いた場合
イ 当該検査と「36」の肺炎球菌莢膜抗原定性(尿・髄液)を併せて実施した場合には、主たるもののみ算定する。

(33) 「36」の肺炎球菌莢膜抗原定性(尿・髄液)は、免疫クロマト法により実施した場合に限り算定できる。

(34) グロブリンクラス別クラミジア・トラコマチス抗体
ア 「37」のグロブリンクラス別クラミジア・トラコマチス抗体は、クラミジア・トラコマチス抗原検出不能又は検体採取の困難な疾患(骨盤内感染症、卵管炎、副睾丸炎、新生児・乳児肺炎等)の診断に際し、IgG抗体価又はIgA抗体価を測定した場合又は新生児・乳幼児肺炎の診断に際し、IgM抗体価を測定した場合に算定する。
イ IgG抗体価、IgA抗体価及びIgM抗体価のうち2項目以上を同時に測定した場合は、主たるもののみ算定する。

(35) 「38」のツツガムシ抗体半定量又は同定性は、各株ごとに算定する。

(36) 「38」の(1→3)-β-D-グルカンは、発色合成基質法、比濁時間分析法又はELISA法により、深在性真菌感染症が疑われる患者に対する治療法の選択又は深在性真菌感染症に対する治療効果の判定に使用した場合に算定する。なお、本検査を「19」のカンジダ抗原定性、同半定量、同定量、「27」のD-アラビニトール、「28」のアスペルギルス抗原、「32」のクリプトコックス抗原半定量又は同定性と併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。

(37) 「39」のアニサキスIgG・IgA抗体は、腸アニサキス症、肉芽腫を伴う慢性胃アニサキス症又はアニサキス異所迷入例(肺アニサキス症等)における診断のために実施した場合に限り算定できる。

(38) 「39」の単純ヘルペスウイルス抗原定性(角膜)は、角膜ヘルペスが疑われる角膜上皮病変を認めた患者に対し、イムノクロマト法により行った場合に算定する。

(39) グロブリンクラス別ウイルス抗体価
ア 「40」のグロブリンクラス別ウイルス抗体価は、下記の項目のウイルスのIgG型ウイルス抗体価又はIgM型ウイルス抗体価を測定した場合に算定する。ただし、(ト)のヒトパルボウイルスB19 は、紅斑が出現している 15 歳以上の成人について、このウイルスによる感染症が強く疑われ、IgM型ウイルス抗体価を測定した場合に算定する。(イ) ヘルペスウイルス(ロ) 風疹ウイルス(ハ) サイトメガロウイルス(ニ) EBウイルス(ホ) 麻疹ウイルス(ヘ) ムンプスウイルス(ト) ヒトパルボウイルスB19(チ) 水痘・帯状疱疹ウイルス
イ 同一ウイルスについてIgG型ウイルス抗体価及びIgM型ウイルス抗体価を測定した場合にあっては、いずれか一方の点数を算定する。
ウ 「11」のウイルス抗体価(定性・半定量・定量)と併せて測定した場合にあっては、いずれか一方の点数を算定する。

(40) 「41」のレジオネラ抗原定性(尿)は、症状や所見からレジオネラ症が疑われる患者に対して、ELISA法又は免疫クロマト法により実施した場合に限り1回を限度として算定する。

(41) デングウイルス抗原定性又は同抗原・抗体同時測定定性
ア 「43」のデングウイルス抗原・抗体同時測定定性は、デングウイルスNS1抗原、IgG抗体及びIgM抗体を、イムノクロマト法を用いて同時に測定した場合に算定できる。
イ 「43」のデングウイルス抗原定性及び同抗原・抗体同時測定定性は、国立感染症研究所が作成した「蚊媒介感染症の診療ガイドライン」に基づきデング熱を疑う患者が、入院を要する場合に限り算定できる。
ウ 「43」のデングウイルス抗原定性及び同抗原・抗体同時測定定性は、感染症の発生の状況、動向及び原因を明らかにするための積極的疫学調査を目的として実施された場合は算定できない。
エ 「43」のデングウイルス抗原定性及び同抗原・抗体同時測定定性を併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。

(42) 「46」のHIV-1抗体(ウエスタンブロット法)又は「49」のHIV-2抗体(ウエスタンブロット法)は、スクリーニング検査としての「16」のHIV-1,2抗体定性若しくは同半定量、「16」のHIV-1,2抗原・抗体同時測定定性、「17」のHIV-1抗体、「18」のHIV-1,2抗体定量又は「18」のHIV-1,2抗原・抗体同時測定定量が陽性の場合の確認診断用の検査である。

(43) 「48」のサイトメガロウイルス pp65 抗原定性は免疫染色法により、臓器移植後若しくは造血幹細胞移植後の患者又はHIV感染者又は高度細胞性免疫不全の患者に対して行った場合に限り算定できる。ただし、高度細胞性免疫不全の患者については、当該検査が必要であった理由について、診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

(44) 「50」のHTLV-Ⅰ抗体(ウエスタンブロット法及びラインブロット法)は、「13」のHTLV-Ⅰ抗体定性、半定量又は「30」のHTLV-Ⅰ抗体によって陽性が確認された症例について、確定診断を目的としてウエスタンブロット法又はラインブロット法により行った場合に算定する。

(45) 「51」のHIV抗原は、HIV感染者の経過観察又はHIV感染ハイリスク群が急性感染症状を呈した場合の確定診断に際して測定した場合に算定する。

(46) 「52」の抗トリコスポロン・アサヒ抗体は、ELISA法により、夏型過敏性肺炎の鑑別診断を目的として測定した場合に算定できる。なお、鑑別診断目的の対象患者は、厚生省特定疾患びまん性肺疾患調査研究班による「過敏性肺炎の診断の手引と診断基準」により、夏型過敏性肺炎が疑われる患者とする。

D013 肝炎ウイルス関連検査

1 HBs抗原定性・半定量 29点

2 HBs抗体定性、HBs抗体半定量 32点

3 HBs抗原、HBs抗体 88点

4 HBe抗原、HBe抗体 104点

5 HCV抗体定性・定量、HCVコア蛋白 108点

6 HBc抗体半定量・定量 137点

7 HCVコア抗体 143点

8 HA-IgM抗体、HA抗体、HBc-IgM抗体 146点

9 HCV構造蛋白及び非構造蛋白抗体定性、HCV構造蛋白及び非構造蛋白抗体半定量 160点

10 HE-IgA抗体定性 210点

11 HCV血清群別判定 227点

12 HBVコア関連抗原(HBcrAg) 266点

13 デルタ肝炎ウイルス抗体 330点

14 HCV特異抗体価、HBVジェノタイプ判定 340点

注 患者から1回に採取した血液を用いて本区分の3から14までに掲げる検査を3項目以上行った場合は、所定点数にかかわらず、検査の項目数に応じて次に掲げる点数により算定する。
イ 3項目 290点
ロ 4項目 360点
ハ 5項目以上 438点

通知
(1) 「1」のHBs抗原定性・半定量は、免疫クロマト法、赤血球凝集法、粒子凝集法、EIA法(簡易法)、金コロイド凝集法による。

(2) 「2」のHBs抗体半定量は、赤血球凝集法、粒子凝集法、EIA法(簡易法)、金コロイド凝集法による。

(3) 免疫抑制剤の投与や化学療法を行う患者に対して、B型肝炎の再活性化を考慮し、当該治療開始前に「3」のHBs抗原、HBs抗体及び「6」のHBc抗体半定量・定量を同時に測定した場合は、患者1人につきそれぞれ1回に限り算定できる。

(4) 「5」のHCVコア蛋白は、EIA法又はIRMA法による。

(5) 「6」のHBc 抗体半定量・定量と「8」のHBc-IgM抗体を同時に測定した場合は、一方の所定点数を算定する。

(6) 「8」のHA抗体とHA-IgM抗体を同時に測定した場合は、一方の所定点数のみを算定する。

(7) 「11」のHCV血清群別判定は、EIA法により、C型肝炎の診断が確定した患者に対して、C型肝炎の治療法の選択の目的で実施した場合に、患者1人につき1回に限り算定できる。

(8) 「12」のHBVコア関連抗原(HBcrAg)は、HBV感染の診断の補助及び治療効果の判定の目的で、血清又は血漿中のHBVコア関連抗原(HBcrAg)を測定した場合に1月に1回に限り算定する。なお、区分番号「D023」微生物核酸同定・定量検査の「4」のHBV核酸定量を同時に測定した場合は、主たるもののみ算定する。

(9) 「14」のHBVジェノタイプ判定は、B型肝炎の診断が確定した患者に対して、B型肝炎の治療法の選択の目的で実施した場合に、患者1人につき1回に限り算定できる。

D014 自己抗体検査

1 寒冷凝集反応 11点

2 リウマトイド因子(RF)定量 30点

3 抗サイログロブリン抗体半定量、抗甲状腺マイクロゾーム抗体半定量 37点

4 Donath-Landsteiner試験 55点

5 抗核抗体(蛍光抗体法)定性、抗核抗体(蛍光抗体法)半定量、抗核抗体(蛍光抗体法)定量 105点

6 抗核抗体(蛍光抗体法を除く。)、抗インスリン抗体 110点

7 マトリックスメタロプロテイナーゼ-3(MMP-3) 116点

8 抗ガラクトース欠損IgG抗体定性、抗ガラクトース欠損IgG抗体定量 117点

9 抗Jo-1抗体定性、抗Jo-1抗体半定量、抗Jo-1抗体定量 140点

10 抗サイログロブリン抗体、抗RNP抗体定性、抗RNP抗体半定量、抗RNP抗 体定量 144点

11 抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体 146点

12 抗Sm抗体定性、抗Sm抗体半定量、抗Sm抗体定量 151点

13 C1q結合免疫複合体 157点

14 抗SS-B/La抗体定性、抗SS-B/La抗体半定量、抗SS-B/La抗体定量、抗Scl-70抗体定性、抗Scl-70抗体半定量、抗Scl-70抗体定量 161点

15 抗SS-A/Ro抗体定性、抗SS-A/Ro抗体半定量、抗SS-A/Ro抗体定量 163点

16 抗DNA抗体定量、抗DNA抗体定性 168点

17 抗RNAポリメラーゼⅢ抗体 170点

18 抗セントロメア抗体定量、抗セントロメア抗体定性 179点

19 抗ミトコンドリア抗体定性、抗ミトコンドリア抗体半定量 186点

20 抗ARS抗体 190点

21 モノクローナルRF結合免疫複合体、抗ミトコンドリア抗体定量 194点

22 IgG型リウマトイド因子 203点

23 抗シトルリン化ペプチド抗体定性、抗シトルリン化ペプチド抗体定量 204点

24 抗LKM-1抗体 221点

25 抗カルジオリピンβ2グリコプロテインⅠ複合体抗体 223点

26 抗TSHレセプター抗体(TRAb) 226点

27 抗カルジオリピン抗体 232点

28 IgG2(TIA法によるもの) 239点

29 抗好中球細胞質ミエロペルオキシダーゼ抗体(MPO-ANCA) 265点

30 抗好中球細胞質プロテイナーゼ3抗体(PR3-ANCA) 267点

31 抗デスモグレイン3抗体、抗BP180-NC16a抗体、抗糸球体基底膜抗体(抗G BM抗体) 270点

32 抗MDA5抗体、抗TIF1-γ抗体、抗Mi-2抗体 270点

33 ループスアンチコアグラント定量、ループスアンチコアグラント定性 281点

34 抗好中球細胞質抗体(ANCA)定性 290点

35 抗デスモグレイン1抗体 300点

36 甲状腺刺激抗体(TSAb) 340点

37 IgG4 377点

38 IgG2(ネフェロメトリー法によるもの) 388点

39 抗GM1IgG抗体、抗GQ1bIgG抗体 460点

40 抗デスモグレイン1抗体、抗デスモグレイン3抗体及び抗BP180-NC16a抗体同時測定 490点

41 抗アセチルコリンレセプター抗体(抗AChR抗体) 822点

42 抗グルタミン酸レセプター抗体 970点

43 抗アクアポリン4抗体、抗筋特異的チロシンキナーゼ抗体 1,000点

44 抗HLA抗体(スクリーニング検査) 1,000点

45 抗HLA抗体(抗体特異性同定検査) 4,850点

注1 本区分の9から15まで、17、20及び32に掲げる検査を2項目又は3項目以上行った場合は、所定点数にかかわらず、それぞれ320点又は490点を算定する。

2 本区分の44及び45に掲げる検査については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において実施した場合に算定する。

通知
(1) 「2」のリウマトイド因子(RF)定量、「7」のマトリックスメタロプロテイナーゼ-3(MMP-3)、「8」の抗ガラクトース欠損IgG抗体定性、同定量、「13」のC1q結合免疫複合体、「21」のモノクローナルRF結合免疫複合体及び「22」のIgG型リウマトイド因子のうち3項目以上を併せて実施した場合には、主たるもの2つに限り算定する。

(2) 「8」の抗ガラクトース欠損IgG抗体定性、同定量は、ECLIA法又はレクチン酵素免疫測定法による。なお、「2」のリウマトイド因子(RF)定量を併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。

(3) 「11」の抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体を、「3」の抗甲状腺マイクロゾーム抗体半定量と併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。

(4) 「17」の抗RNAポリメラーゼⅢ抗体は、びまん性型強皮症の確定診断を目的として行った場合に、1回を限度として算定できる。また、その際陽性と認められた患者に関し、腎クリーゼのリスクが高い者については治療方針の決定を目的として行った場合に、また、腎クリーゼ発症後の者については病勢の指標として測定した場合に、それぞれ3月に1回を限度として算定できる。

(5) 「18」の抗セントロメア抗体定量又は同定性は、原発性胆汁性肝硬変又は強皮症の診断又は治療方針の決定を目的に用いた場合に限り算定できる。

(6) 「20」の抗ARS抗体と「9」の抗Jo-1抗体定性、同半定量又は同定量を併せて実施した場合は主たるもののみ算定する。

(7) 抗シトルリン化ペプチド抗体定性又は同定量
ア 「23」の抗シトルリン化ペプチド抗体定性又は同定量は、以下のいずれかの場合に算定できる。
(イ) 関節リウマチと確定診断できない者に対して診断の補助として検査を行った場合に、原則として1回を限度として算定できる。ただし、当該検査結果が陰性の場合においては、3月に1回に限り算定できる。なお、当該検査を2回以上算定するに当たっては、検査値を診療報酬明細書の摘要欄に記載する。
(ロ) (イ)とは別に、関節リウマチに対する治療薬の選択のために行う場合においては、患者1人につき原則として1回に限り算定する。ただし、当該検査結果は陰性であったが、臨床症状・検査所見等の変化を踏まえ、再度治療薬を選択する必要がある場合においては、3月に1回に限り算定できる。なお、当該検査を2回以上算定するに当たっては、その医学的な必要性を診療報酬明細書の摘要欄に記載する。
イ 「23」の抗シトルリン化ペプチド抗体定性、同定量、「7」のマトリックスメタロプロテイナーゼ-3(MMP-3)、「8」の抗ガラクトース欠損IgG抗体定性、同定量、「13」のC1q結合免疫複合体、「21」のモノクローナルRF結合免疫複合体及び「22」のIgG型リウマトイド因子のうち2項目以上を併せて実施した場合には、主たるもの1つに限り算定する。

(8) 抗LKM-1抗体
ア 「24」の抗LKM-1抗体は、ウイルス肝炎、アルコール性肝障害及び薬剤性肝障害のいずれでもないことが確認され、かつ、抗核抗体陰性の自己免疫性肝炎が強く疑われる患者を対象として測定した場合に限り算定できる。
イ 本検査を実施した場合は、診療報酬明細書の摘要欄に抗核抗体陰性を確認した年月日を記載すること。

(9) 「25」の抗カルジオリピンβ2グリコプロテインⅠ複合体抗体と「27」の抗カルジオリピン抗体を併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。

(10) 「26」の抗TSHレセプター抗体(TRAb)及び「36」の甲状腺刺激抗体(TSAb)を同時に行った場合は、いずれか一方のみ算定する。

(11) 「28」のIgG2(TIA法によるもの)及び「38」のIgG2(ネフェロメトリー法によるもの)は、原発性免疫不全等を疑う場合に算定する。これらを併せて実施した場合は、「28」のIgG2(TIA法によるもの)により算定する。

(12) 「29」の抗好中球細胞質ミエロペルオキシダーゼ抗体(MPO-ANCA)は、ELISA法、CLEIA法又はラテックス免疫比濁法により、急速進行性糸球体腎炎の診断又は経過観察のために測定した場合に算定する。

(13) 抗デスモグレイン3抗体
ア 「31」の抗デスモグレイン3抗体は、ELISA法又はCLEIA法により、天疱瘡の鑑別診断又は経過観察中の治療効果判定を目的として測定した場合に算定できる。なお、鑑別診断目的の対象患者は、厚生労働省 難治性疾患政策研究事業研究班による「天疱瘡診断基準」により、天疱瘡が強く疑われる患者とする。
イ 尋常性天疱瘡の患者に対し、経過観察中の治療効果判定の目的で、本検査と「35」の抗デスモグレイン1抗体を併せて測定した場合は、主たるもののみ算定する。

(14) 「31」の抗BP180-NC16a抗体は、ELISA法又はCLEIA法により、水疱性類天疱瘡の鑑別診断又は経過観察中の治療効果判定を目的として測定した場合に算定できる。

(15) 「31」の抗糸球体基底膜抗体(抗GBM抗体)は、抗糸球体基底膜抗体腎炎及びグッドパスチャー症候群の診断又は治療方針の決定を目的として行った場合に限り算定する。

(16) 「32」の抗MDA5抗体、抗TIF1-γ抗体及び抗Mi-2抗体は、厚生労働省難治性疾患克服研究事業自己免疫疾患に関する調査研究班による「皮膚筋炎診断基準」を満たす患者において、ELISA法により測定した場合に算定できる。

(17) 「33」のループスアンチコアグラント定量及び同定性は、希釈ラッセル蛇毒試験法又はリン脂質中和法により、抗リン脂質抗体症候群の診断を目的として行った場合に限り算定する。

(18) 抗デスモグレイン1抗体
ア 「35」の抗デスモグレイン1抗体は、ELISA法又はCLEIA法により、天疱瘡の鑑別診断又は経過観察中の治療効果判定を目的として測定した場合に算定できる。なお、鑑別診断目的の対象患者は、厚生労働省 難治性疾患政策研究事業研究班による「天疱瘡診断基準」により、天疱瘡が強く疑われる患者とする。
イ 落葉状天疱瘡の患者に対し、経過観察中の治療効果判定の目的で、本検査と「31」の抗デスモグレイン3抗体を併せて測定した場合は、主たるもののみ算定する。

(19) 「37」のIgG4は、ネフェロメトリー法又はTIA法による。

(20) 「39」の抗GM1IgG抗体は、ELISA法により、進行性筋力低下又は深部腱反射低下等のギラン・バレー症候群が疑われる所見が見られる場合において、診断時に1回に限り算定でき、経過観察時は算定できない。

(21) 「39」の抗GQ1bIgG抗体は、ELISA法により、眼筋麻痺又は小脳性運動失調等のフィッシャー症候群が疑われる場合において、診断時に1回に限り算定でき、経過観察時は算定できない。

(22) 抗デスモグレイン1抗体、抗デスモグレイン3抗体及び抗BP180-NC16a抗体同時測定
ア 「40」の抗デスモグレイン1抗体、抗デスモグレイン3抗体及び抗BP180-NC16a抗体同時測定は、天疱瘡又は水疱性類天疱瘡が疑われる患者に対して、間接蛍光抗体法(IF法)により、鑑別診断を目的として測定した場合に算定できる。なお、天疱瘡についての鑑別診断目的の対象患者は、厚生労働省 難治性疾患政策研究事業研究班による「天疱瘡診断基準」により、天疱瘡が強く疑われる患者とする。
イ 天疱瘡又は水疱性類天疱瘡の鑑別診断の目的で、本検査と「31」の抗デスモグレイン3抗体若しくは抗BP180-NC16a抗体又は「35」の抗デスモグレイン1抗体を併せて測定した場合は、主たるもののみ算定する。

(23) 抗アセチルコリンレセプター抗体(抗AChR抗体)
ア 「41」の抗アセチルコリンレセプター抗体(抗AChR抗体)は、重症筋無力症の診断又は診断後の経過観察の目的で行った場合に算定できる。
イ 本検査と「43」の抗筋特異的チロシンキナーゼ抗体を併せて測定した場合は、主たるもののみ算定する。

(24) 「42」の抗グルタミン酸レセプター抗体は、ラスムッセン脳炎、小児の慢性進行性持続性部分てんかん又はオプソクローヌス・ミオクローヌス症候群の診断の補助として行った場合に、月1回を限度として算定できる。

(25) 「43」の抗アクアポリン4抗体は、ELISA法により視神経脊髄炎の診断(治療効果判定を除く。)を目的として測定した場合に算定できる。なお、当該検査の結果は陰性であったが、臨床症状・検査所見等の変化を踏まえ、視神経脊髄炎が強く疑われる患者に対して、疾患の診断を行う必要があり、当該検査を再度実施した場合においても算定できる。ただし、この場合、前回の検査実施日及び検査を再度実施する医学的な必要性について診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

(26) 抗筋特異的チロシンキナーゼ抗体
ア 「43」の抗筋特異的チロシンキナーゼ抗体は、RIA法により重症筋無力症の診断又は診断後の経過観察を目的として測定した場合に算定できる。
イ 本検査と「41」抗アセチルコリンレセプター抗体(抗AChR抗体)を併せて測定した場合は、主たるもののみ算定する。

(27) 「44」の抗HLA抗体(スクリーニング検査)は、肺移植、心移植、肝移植、膵移植、小腸移植又は腎移植後の患者に対して実施した場合に、原則として1年に1回に限り算定する。ただし、抗体関連拒絶反応を強く疑う場合等、医学的必要性がある場合には、1年に1回に限り更に算定できる。なお、この場合においては、診療録及び診療報酬明細書の摘要欄にその理由及び医学的な必要性を記載すること。

(28) 「45」の抗HLA抗体(抗体特異性同定検査)は、「44」の抗HLA抗体(スクリーニング検査)によって陽性が確認された症例について、抗体関連拒絶反応の確定診断を目的に行われた場合に算定する。ただし、抗体関連拒絶反応と診断された患者の経過観察時に行った場合には、1年に2回に限り更に算定できる。なお、この場合においては、診療録及び診療報酬明細書の摘要欄にその理由及び医学的な必要性を記載すること。

D015 血漿蛋白免疫学的検査

1 C反応性蛋白(CRP)定性、C反応性蛋白(CRP) 16点

2 赤血球コプロポルフィリン定性、グルコース-6-ホスファターゼ(G-6-Pase) 30点

3 グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ(G-6-PD)定性、赤血球プロトポルフィリン定性 34点

4 血清補体価(CH50)、免疫グロブリン 38点

5 クリオグロブリン定性、クリオグロブリン定量 42点

6 血清アミロイドA蛋白(SAA) 47点

7 トランスフェリン(Tf) 60点

8 C3、C4 70点

9 セルロプラスミン 90点

10 非特異的IgE半定量、非特異的IgE定量 100点

11 β2-マイクログロブリン 104点

12 トランスサイレチン(プレアルブミン) 107点

13 特異的IgE半定量・定量 110点

注 特異的IgE半定量・定量検査は、特異抗原の種類ごとに所定点数を算定する。ただし、患者から1回に採取した血液を用いて検査を行った場合は、1,430点を限度として算定する。

14 レチノール結合蛋白(RBP)、α1-マイクログロブリン、ハプトグロビン(型補正を含む。) 136点

15 C3プロアクチベータ 160点

16 免疫電気泳動法(抗ヒト全血清) 170点

17 ヘモペキシン 180点

18 TARC 184点

19 APRスコア定性 191点

20 アトピー鑑別試験定性 194点

21 Bence Jones蛋白同定(尿) 201点

22 癌胎児性フィブロネクチン定性(頸管腟分泌液) 204点

23 免疫電気泳動法(特異抗血清) 224点

24 C1インアクチベータ 268点

25 免疫グロブリンL鎖κ/λ比 330点

26 免疫グロブリン遊離L鎖κ/λ比 388点

27 結核菌特異的インターフェロン-γ産生能 612点

通知
(1) 「4」の免疫グロブリンは、IgG、IgA、IgM及びIgDを測定した場合に、それぞれ所定点数を算定する。

(2) 「6」の血清アミロイドA蛋白(SAA)を「1」のC反応性蛋白(CRP)定性又は「1」のC反応性蛋白(CRP)と併せて測定した場合は、主たるもののみ算定する。

(3) 「7」のトランスフェリン(Tf)、「8」のC3及びC4は、SRID法等による。

(4) 免疫電気泳動法(抗ヒト全血清)及び免疫電気泳動法(特異抗血清)
ア 「16」の免疫電気泳動法(抗ヒト全血清)及び「23」の免疫電気泳動法(特異抗血清)については、同一検体につき一回に限り算定する。
イ 同一検体について「16」の免疫電気泳動法(抗ヒト全血清)及び「23」の免疫電気泳動法(特異抗血清)を併せて行った場合は、主たる検査の所定点数のみを算定する。
ウ 「23」の免疫電気泳動法(特異抗血清)は、免疫固定法により実施した場合にも算定できる。

(5) 「18」のTARCは、血清中のTARC量を測定する場合に月1回を限度として算定できる。

(6) 「19」のAPRスコア定性は、α1-酸性糖蛋白、ハプトグロビン及びC反応性蛋白(CRP)定性の3つを測定した場合に算定する。

(7) 「20」のアトピー鑑別試験定性は、12 種類の吸入性アレルゲン(ヤケヒョウヒダニ、コナヒョウヒダニ、ネコ皮屑、イヌ皮屑、ギョウギシバ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギ、シラカンバ(属)、スギ、カンジダ、アルテルナリア)に対する特異的IgEを測定した場合に算定する。

(8) 「22」の癌胎児性フィブロネクチン定性(頸管膣分泌液)は、破水の診断のために妊娠満 22 週以上満 37 週未満の者を対象として測定した場合又は切迫早産の診断のために妊娠満 22 週以上満 33 週未満の者を対象として測定した場合のみ算定する。

(9) 「22」の癌胎児性フィブロネクチン定性(頸管膣分泌液)及び区分番号「D007」血液化学検査の「42」腟分泌液中インスリン様成長因子結合蛋白1型(IGFBP-1)定性を併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。

(10) 免疫グロブリンL鎖κ/λ比
ア 「25」の免疫グロブリンL鎖κ/λ比はネフェロメトリー法により、高免疫グロブリン血症の鑑別のために測定した場合に算定できる。
イ 「25」の免疫グロブリンL鎖κ/λ比と「16」の免疫電気泳動法(抗ヒト全血清)又は「23」の免疫電気泳動法(特異抗血清)を同時に実施した場合は、主たるもののみ算定する。

(11) 「27」の結核菌特異的インターフェロン-γ産生能は、診察又は画像診断等により結核感染が強く疑われる患者を対象として測定した場合のみ算定できる。

D016 細胞機能検査

1 B細胞表面免疫グロブリン 157点

2 T細胞サブセット検査(一連につき) 190点

3T細胞・B細胞百分率 198点

4顆粒球機能検査(種目数にかかわらず一連につき) 200点

5 顆粒球スクリーニング検査(種目数にかかわらず一連につき) 220点

赤血球・好中球表面抗原検査 320点

7 リンパ球刺激試験(LST)

イ 1薬剤 345点

ロ 2薬剤 425点

ハ 3薬剤以上 515点

通知
(1) 「5」の顆粒球スクリーニング検査は、白血球墨粒貪食試験、NBT還元能検査を、「4」の顆粒球機能検査は、化学遊走物質、細菌、光化学反応を用いた検査を、「2」のT細胞サブセット検査は、免疫不全の診断目的に行う検査をいい、いずれも検査方法にかかわらず、一連として算定する。

(2) 「6」の赤血球・好中球表面抗原検査は、発作性夜間血色素尿症(PNH)の鑑別診断のため、2種類のモノクローナル抗体を用いて赤血球及び好中球の表面抗原の検索を行った場合に算定できる。

(3) 「7」のリンパ球刺激試験(LST)は、Con-A、PHA又は薬疹の被疑医薬品によるものである。

(微生物学的検査)

D017 排泄物、滲出物又は分泌物の細菌顕微鏡検査

1 蛍光顕微鏡、位相差顕微鏡、暗視野装置等を使用するもの 50点

注 集菌塗抹法を行った場合には、集菌塗抹法加算として、32点を所定点数に加算する。

2 保温装置使用アメーバ検査 45点

3 その他のもの 61点

注 同一検体について当該検査と区分番号D002に掲げる尿沈渣(鏡検法)又は区分番号D002-2に掲げる尿沈渣(フローサイトメトリー法)を併せて行った場合は、主たる検査の所定点数のみ算定する。
通知
(1) 排泄物、滲出物又は分泌物の細菌顕微鏡検査は、尿、糞便、喀痰、穿刺液、胃液、十二指腸液、胆汁、膿、眼分泌液、鼻腔液、咽喉液、口腔液、その他の滲出物等について細菌、原虫等の検査を行った場合に該当する。

(2) 染色の有無及び方法の如何にかかわらず、また、これら各種の方法を2以上用いた場合であっても、1回として算定する。

(3) 当該検査と区分番号「D002」の尿沈渣(鏡検法)又は区分番号「D002-2」の尿沈渣(フローサイトメトリー法)を同一日に併せて算定する場合は、当該検査に用いた検体の種類を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

(4) 症状等から同一起因菌によると判断される場合であって、当該起因菌を検索する目的で異なる複数の部位又は同一部位の複数の箇所から検体を採取した場合は、主たる部位又は1箇所のみの所定点数を算定する。

D018 細菌培養同定検査

1 口腔、気道又は呼吸器からの検体 160点

2 消化管からの検体 180点

3 血液又は穿刺液 215点

4 泌尿器又は生殖器からの検体 170点

5 その他の部位からの検体 160点

6 簡易培養 60点

注 1 1から6までについては、同一検体について一般培養と併せて嫌気性培養を行った場合は、嫌気性培養加算として、112点を所定点数に加算する。
2 入院中の患者に対して、質量分析装置を用いて細菌の同定を行った場合は、質量分析装置加算として、40点を所定点数に加算する。
通知
(1) 細菌培養同定検査
ア 細菌培養同定検査は、抗酸菌を除く一般細菌、真菌、原虫等を対象として培養を行い、同定検査を行うことを原則とする。
イ 同定検査を予定して培養したものであれば、菌が陰性の場合であっても「1」から「5」までの項により算定するが、あらかじめ培養により菌の有無のみを検索する場合は、検体の種類にかかわらず、「6」の簡易培養により算定する。
ウ 細菌培養同定検査は、検体ごとに「1」から「5」までの所定点数を算定できるが、同一検体を用いて簡易培養を併せて行った場合は、「6」の簡易培養は算定できない。
エ 症状等から同一起因菌によると判断される場合であって、当該起因菌を検索する目的で異なった部位から、又は同一部位の数か所から検体を採取した場合は、主たる部位又は1か所のみの所定点数を算定する。ただし、血液を2か所以上から採取した場合に限り、「3」の血液又は穿刺液を2回算定できる。この場合、「注1」及び「注2」の加算は2回算定できる。
オ 各検体別の所定点数には、定量培養を行った場合を含む。

(2) 「3」における穿刺液とは、胸水、腹水、髄液及び関節液をいい、「5」の「その他の部位からの検体」とは、「1」から「4」までに掲げる部位に含まれない全ての部位からの検体をいい、例えば、皮下からの検体をいう。

(3) 簡易培養
ア 「6」の簡易培養は、 Dip-Slide 法、簡易培地等を用いて簡単な培養を行うものである。
イ ウロトレース、ウリグロックスペーパー等の尿中細菌検査用試験紙による検査は、区分番号「D000」尿中一般物質定性半定量検査に含まれるものであり、別に算定できない。

(4) 嫌気性培養のみを行った場合は、「1」から「6」までの所定点数のみ算定し、「注1」の加算は算定できない。

(5) 「注2」に規定する質量分析装置加算については、入院中の患者に対して細菌培養同定検査を当該保険医療機関内で実施する際に、質量分析装置を用いて細菌の同定を行った場合に、所定点数に加算する。

D019 細菌薬剤感受性検査

1 1菌種 170点

2 2菌種 220点

3 3菌種以上 280点

4 薬剤耐性菌検出 50点

5 抗菌薬併用効果スクリーニング 150点

通知
(1) 細菌薬剤感受性検査は、結果として菌が検出できず実施できなかった場合においては算定しない。

(2) 「4」の薬剤耐性菌検出は、基質特異性拡張型β-ラクタメーゼ産生、メタロ β-ラクタマーゼ産生、AmpC産生等の薬剤耐性因子の有無の確認を行った場合に算定する。

(3) 「5」の抗菌薬併用効果スクリーニングは、多剤耐性グラム陰性桿菌が検出された際に、チェッカーボード法により、抗菌薬の併用効果の確認を行った場合に算定する。

D019-2 酵母様真菌薬剤感受性検査 150点

通知
酵母様真菌薬剤感受性検査は、深在性真菌症(カンジダ、クリプトコックスに限る。)であり、原因菌が分離できた患者に対して行った場合に限り算定する。

D020 抗酸菌分離培養検査

1 抗酸菌分離培養(液体培地法) 280点

2 抗酸菌分離培養(それ以外のもの) 204点

通知
(1) 抗酸菌分離培養検査は、検体の採取部位が異なる場合であっても、同時に又は一連として検体を採取した場合は、1回のみ所定点数を算定する。

(2) 「1」の抗酸菌分離培養(液体培地法)は、液体培地を用いて培養を行い、酸素感受性蛍光センサー、二酸化炭素センサー又は酸化還元呈色色素を用いて検出を行った場合に算定する。

(3) 「2」の抗酸菌分離培養(それ以外のもの)は、(2)に掲げるもの以外について算定する。

(4) 抗酸菌分離培養検査は、結核患者の退院の可否を判断する目的で、患者の病状を踏まえ頻回に行われる場合においても算定できる。

D021 抗酸菌同定(種目数にかかわらず一連につき) 361点

通知
抗酸菌同定は、検査方法、培地数にかかわらず、1回のみ所定点数を算定する。

D022 抗酸菌薬剤感受性検査(培地数に関係なく) 380点


4薬剤以上使用した場合に限り算定する。

通知
(1) 抗酸菌薬剤感受性検査は、直接法、間接法等の方法及び培地数にかかわらず、感受性検査を行った薬剤が4種類以上の場合に限り算定する。

(2) 混合薬剤耐性検査においても、使われた薬剤が4種類以上の場合に限り算定する。

D023 微生物核酸同定・定量検査

1 細菌核酸検出(白血球)(1菌種あたり) 130点

2 淋菌核酸検出、クラミジア・トラコマチス核酸検出 198点

3 HBV核酸定量 271点

4 淋菌及びクラミジア・トラコマチス同時核酸検出 286点

5 レジオネラ核酸検出 292点

6 マイコプラズマ核酸検出 300点

7 EBウイルス核酸定量 310点

8 EBウイルス核酸定量 310点

9 HCV核酸検出、HPV核酸検出 350点

注 HPV核酸検出については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、細胞診によりベセスダ分類がASC-USと判定された患者又は過去に区分番号K867に掲げる子宮頸部(腟部)切除術区分番号K867-3に掲げる子宮頸部摘出術(腟部切断術を含む。)若しくは区分番号K867-4に掲げる子宮頸部異形成上皮又は上皮内癌レーザー照射治療を行った患者に対して行った場合に限り算定する。

10 HPV核酸検出(簡易ジェノタイプ判定)、百日咳菌核酸検出 360点

注 HPV核酸検出(簡易ジェノタイプ判定)については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、細胞診によりベセスダ分類がASC-USと判定された患者又は過去に区分番号K867に掲げる子宮頸部(腟部)切除術区分番号K867-3に掲げる子宮頸部摘出術(腟部切断術を含む。)若しくは区分番号K867-4に掲げる子宮頸部異形成上皮又は上皮内癌レーザー照射治療を行った患者に対して行った場合に限り算定する。

11 インフルエンザ核酸検出、抗酸菌核酸同定、結核菌群核酸検出 410点

12 マイコバクテリウム・アビウム及びイントラセルラー(MAC)核酸検出 421点

13 HCV核酸定量 437点

14 HBV核酸プレコア変異及びコアプロモーター変異検出、ブドウ球菌メチシリン耐性遺伝子検出、SARSコロナウイルス核酸検出、HTLV-1核酸検出、単純疱疹ウイルス・水痘帯状疱疹ウイルス核酸定量 450点

15 HIV-1核酸定量 520点

注 検体の超遠心による濃縮前処理を加えて行った場合は、濃縮前処理加算として、130点を所定点数に加算する。

16 結核菌群リファンピシン耐性遺伝子検出、結核菌群ピラジナミド耐性遺伝子検出、結核菌群イソニアジド耐性遺伝子検出、サイトメガロウイルス核酸検出 850点

17 ウイルス・細菌核酸多項目同時検出 963点

注 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、別に厚生労働大臣が定める患者に対して実施した場合に限り算定する。

18 細菌核酸・薬剤耐性遺伝子同時検出 1,700点

注 別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関において実施した場合に算定する。

19 HPVジェノタイプ判定 2,000点

20 HIVジェノタイプ薬剤耐性 6,000点

注 6、7、10(百日咳菌核酸検出に限る。)又は11(結核菌群核酸検出に限る。)に掲げる検査の結果について、検査実施日のうちに説明した上で文書により情報を提供した場合は、迅速微生物核酸同定・定量検査加算として、100点を所定点数に加算する。

通知
(1) クラミジア・トラコマチス核酸検出
ア 「2」のクラミジア・トラコマチス核酸検出と区分番号「D012」感染症免疫学的検査の「27」クラミジア・トラコマチス抗原定性を併用した場合は、主なもののみ算定する。
イ クラミジア・トラコマチス核酸検出は、PCR法、LCR法、ハイブリッドキャプチャー法若しくはTMA法による同時増幅法並びにHPA法及びDKA法若しくは核酸ハイブリダイゼーション法による同時検出法、SDA法又はTRC法により、泌尿器、生殖器又は咽頭からの検体により実施した場合に限り算定できる。

(2) 淋菌核酸検出
ア 「3」の淋菌核酸検出、区分番号「D012」感染症免疫学的検査の「34」淋菌抗原定性又は区分番号「D018」細菌培養同定検査(淋菌感染を疑って実施するもの)を併せて実施した場合は、主なもののみ算定する。
イ 淋菌核酸検出は、DNAプローブ法、LCR法による増幅とEIA法による検出を組み合わせた方法、PCR法による増幅と核酸ハイブリダイゼーション法による検出を組み合わせた方法、SDA法、TMA法による同時増幅法並びにHPA法及びDKA法による同時検出法又はTRC法による。淋菌核酸検出は、泌尿器、生殖器又は咽頭からの検体(尿検体を含む。)によるものである。なお、SDA法、PCR法による増幅と核酸ハイブリダイゼーション法による検出を組み合わせた方法、TMA法による同時増幅法並びにHPA法及びDKA法による同時検出法又はTRC法においては咽頭からの検体も算定できる。

(3) 「4」のHBV核酸定量は、分岐DNAプローブ法、TMA法又はPCR法による。また、B型肝炎ウイルス既感染者であって、免疫抑制剤の投与や化学療法を行っている悪性リンパ腫等の患者に対して、B型肝炎の再活性化を考慮し、「4」のHBV核酸定量を行った場合は、当該治療中及び治療終了後1年以内に限り、月 1 回を限度として算定できる。

(4) 淋菌及びクラミジア・トラコマチス同時核酸検出
ア 「5」の淋菌及びクラミジア・トラコマチス同時核酸検出は、クラミジア・トラコマチス感染症若しくは淋菌感染症が疑われる患者又はクラミジア・トラコマチスと淋菌による重複感染が疑われる患者であって、臨床所見、問診又はその他の検査によっては感染因子の鑑別が困難なものに対して治療法選択のために実施した場合及びクラミジア・トラコマチスと淋菌の重複感染者に対して治療効果判定に実施した場合に算定できる。ただし、区分番号「D012」感染症免疫学的検査の「34」淋菌抗原定性、同区分「27」のクラミジア・トラコマチス抗原定性、区分番号「D018」細菌培養同定検査(淋菌及びクラミジアによる感染を疑って実施するもの)、本区分「3」の淋菌核酸検出又は「2」のクラミジア・トラコマチス核酸検出を併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。
イ 「5」の淋菌及びクラミジア・トラコマチス同時核酸検出は、TMA法による同時増幅法並びにHPA法及びDKA法による同時検出法、PCR法による同時増幅法及び核酸ハイブリダイゼーション法による同時検出法、SDA法又はTRC法による。淋菌及びクラミジア・トラコマチス同時核酸検出は、泌尿器、生殖器又は咽頭からの検体(尿検体を含む。)によるものである。なお、TMA法による同時増幅法並びにHPA法及びDKA法による同時検出法、SDA法、PCR法による同時増幅法及び核酸ハイブリダイゼーション法による同時検出法又はTRC法においては咽頭からの検体も算定できる。

(5) 「8」のEBウイルス核酸定量は、以下のいずれかに該当する患者に対して、リアルタイムPCR法により実施した場合に算定する。
ア 臓器移植後の患者については、移植後3月以内の場合は1週に1回、移植後1年以内の場合は1月に1回に限り算定する。ただし、移植後1年以内にEBウイルス核酸定量の測定を行い、核酸量の高値が認められた患者については、移植後1年以上経過した場合も、3月に1回に限り算定できる。
イ 造血幹細胞移植後の患者であって、HLA型不一致の移植が行われた患者又は移植に伴い抗胸腺細胞グロブリンが投与された患者については、移植後3月以内の場合は1週に1回、移植後1年以内の場合は1月に1回に限り算定する。
ウ 臓器移植後の急性拒絶反応又は造血幹細胞移植後の急性移植片対宿主病に対して抗胸腺細胞グロブリンが投与された患者については、抗胸腺細胞グロブリンの投与開始日から起算して2月以内の場合は1週に1回、6月以内の場合は1月に1回に限り算定する。
エ 移植後リンパ増殖性疾患を疑う患者に対して、当該疾患の診断の補助又は診断された後の経過観察を目的として実施する場合に算定する。ただし、経過観察を目的とする場合は、当該疾患と診断された日から起算して1月以内の場合は1週に1回、6月以内の場合は1月に1回に限り算定する。
オ 悪性リンパ腫又は白血病の患者に対して、EBウイルス陽性の確認又は確認された後の経過観察を目的として実施する場合に算定する。ただし、経過観察を目的とする場合は、悪性リンパ腫又は白血病と診断された日から1年以内に限り、1月に1回に限り算定する。
カ 再生不良性貧血の患者であって、抗胸腺細胞グロブリンが投与された患者については、抗胸腺細胞グロブリンの投与開始日から起算して2月以内の場合は1週に1回、6月以内の場合は1月に1回に限り算定する。
キ 慢性活動性EBウイルス感染症を疑う患者に対して、当該疾患の診断の補助又は診断された後の経過観察を目的に実施された場合は、1月に1回に限り算定する。

(6) HCV核酸検出
ア 「9」のHCV核酸検出は、PCR法又はTMA法により、C型肝炎の治療方法の選択及び治療経過の観察に用いた場合にのみ算定できる。
イ 治療方法の選択の場合においては、抗体陽性であり、かつ、「13」のHCV核酸定量で検出限界を下回る者について実施した場合に算定できるものとし、治療経過の観察の場合においては、本検査と「13」のHCV核酸定量を併せて実施した場合には、いずれか一方に限り算定する。

(7) HPV核酸検出、HPV核酸検出(簡易ジェノタイプ判定)
ア 「9」のHPV核酸検出及び「10」のHPV核酸検出(簡易ジェノタイプ判定)は、予め行われた細胞診の結果、ベセスダ分類上ASC-US(意義不明異型扁平上皮)と判定された患者又は過去に子宮頸部円錐切除若しくはレーザー照射治療を行った患者に対して行った場合に限り算定できる。なお、過去に子宮頸部円錐切除又はレーザー照射治療を行った患者以外の患者については、細胞診と同時に実施した場合は算定できない。
イ 「9」のHPV核酸検出と「10」のHPV核酸検出(簡易ジェノタイプ判定)を併せて実施した場合は、主たるもの1つに限り算定する。

(8) 「10」の百日咳菌核酸検出は、関連学会が定めるガイドラインの百日咳診断基準における臨床判断例の定義を満たす患者に対して、LAMP法により測定した場合に算定できる。

(9) 「11」のインフルエンザ核酸検出は、インフルエンザの感染が疑われる重症患者のみに算定し、その場合には、当該検査が必要な理由について診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

(10) 抗酸菌核酸同定
ア 「11」の抗酸菌核酸同定は、マイクロプレート・ハイブリダイゼーション法によるものをいう。
イ 当該検査は、結核患者の退院の可否を判断する目的で、患者の病状を踏まえ頻回に行われる場合においても算定できる。

(11) 「11」の結核菌群核酸検出は、核酸増幅と液相ハイブリダイゼーション法による検出を組み合わせた方法、LCR法による核酸増幅とEIA法による検出を組み合わせた方法、LAMP法又は核酸増幅とキャピラリ電気泳動分離による検出を組み合わせた方法による。なお、結核患者の退院の可否を判断する目的で、患者の病状を踏まえ頻回に行われる場合においても算定できる。

(12) マイコバクテリウム・アビウム及びイントラセルラー(MAC)核酸検出
ア 「12」のマイコバクテリウム・アビウム及びイントラセルラー(MAC)核酸検出は、他の検査により結核菌が陰性であることが確認された場合のみに算定できる。
イ 区分番号「D021」抗酸菌同定と併せて実施された場合にあっては、主なもののみ算定する。

(13) HCV核酸定量
ア 「13」のHCV核酸定量は、分岐DNAプローブ法又はPCR法により、急性C型肝炎の診断、C型肝炎の治療法の選択及び治療経過の観察に用いた場合にのみ算定できる。
イ 治療経過の観察の場合において、「13」のHCV核酸定量及び「9」のHCV核酸検出を併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。

(14) HBV核酸プレコア変異及びコアプロモーター変異検出
ア 「14」のHBV核酸プレコア変異及びコアプロモーター変異検出は、下記イ又はウに掲げる患者に対し、PCR法により測定した場合に限り算定できる。
イ B型急性肝炎患者に対しては、劇症肝炎が疑われる場合に限り、患者1人につき1回算定できる。
ウ B型慢性肝炎患者に対しては、経過観察中にALT異常値などにより肝炎増悪が疑われ、かつ、抗ウイルス薬等のB型肝炎治療薬の投与対象患者の選択のために行われた場合に限り算定できる。なお、本検査実施以降は、区分番号「D013」肝炎ウイルス関連検査のうちB型肝炎に関する検査(ただし、抗ウイルス薬等のB型肝炎治療薬の治療効果判定に用いる検査を除く。)は、算定できない。

(15) 「14」のブドウ球菌メチシリン耐性遺伝子検出は、ED-PCR法又はPCR法により、血液培養により黄色ブドウ球菌が検出された患者を対象として測定した場合又は免疫不全状態であって、MRSA感染症が強く疑われる患者を対象として測定した場合のみ算定できる。

(16) SARSコロナウイルス核酸検出
ア 「14」のSARSコロナウイルス核酸検出は、LAMP法により測定した場合に限り算定できる。
イ 本検査は、糞便又は鼻腔咽頭拭い液からの検体により行うものである。
ウ 本検査は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第 12 条第1項及び第 14 条第2項に基づく届出の基準等について」(平成 18 年3月8日健感発第 0308001 号)による臨床的特徴、届出基準によりSARS感染症の患者であることが強く疑われる者に対して行った場合に、診断の確定までの間に1回を限度として算定する。ただし、発症後 10 日以内に他疾患であるとの診断がつかない場合は、さらに1回に限り算定できる。

(17) SARS-CoV-2(新型コロナウイルスをいう。以下同じ。)核酸検出は、喀痰、気道吸引液、肺胞洗浄液、咽頭拭い液、鼻腔吸引液又は鼻腔拭い液からの検体を用いて、国立感染症研究所が作成した「病原体検出マニュアル 2019-nCoV」に記載されたもの若しくはそれに準じたもの又は体外診断用医薬品のうち、使用目的又は効果として、SARS-CoV-2の検出(COVID-19 の診断又は診断の補助)を目的として薬事承認又は認証を得ているものにより、COVID-19(新型コロナウイルス感染症をいう。以下同じ。)の患者であることが疑われる者に対し COVID-19 の診断を目的として行った場合又は COVID-19 の治療を目的として入院している者に対し退院可能かどうかの判断を目的として実施した場合に限り算定できる。ただし、感染症の発生の状況、動向及び原因を明らかにするための積極的疫学調査を目的として実施した場合は算定できない。採取した検体を、国立感染症研究所が作成した「感染性物質の輸送規則に関するガイダンス 2013-2014 版」に記載されたカテゴリーB の感染性物質の規定に従って、検体採取を行った保険医療機関以外の施設へ輸送し検査を委託して実施した場合は、本区分の「12」SARSコロナウイルス核酸検出の所定点数4回分を合算した点数を準用して算定し、それ以外の場合は、同点数3回分を合算した点数を準用して算定する。なお、検体採取を行った保険医療機関以外の施設へ輸送し検査を委託して実施した場合は、検査を実施した施設名を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。COVID-19 の患者であることが疑われる者に対し、診断を目的として本検査を実施した場合は、診断の確定までの間に、上記のように合算した点数を 1 回に限り算定する。ただし、発症後、本検査の結果が陰性であったものの、COVID-19 以外の診断がつかない場合は、上記のように合算した点数をさらに1回に限り算定できる。なお、本検査が必要と判断した医学的根拠を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。COVID-19 の治療を目的として入院している者に対し、退院可能かどうかの判断を目的として実施した場合は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律における新型コロナウイルス感染症患者の退院及び就業制限の取扱いについて(一部改正)」(令和2年2月 18 日健感発 0218 第3号)の「第1 退院に関する基準」に基づいて実施した場合に限り、1回の検査つき上記のように合算した点数を算定する。なお、検査を実施した日時及びその結果を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

(18) HTLV-1核酸検出「14」のHTLV-1核酸検出は、区分番号「D012」感染症免疫学的検査の「50」のHTLV-Ⅰ抗体(ウエスタンブロット法及びラインブロット法)によって判定保留となった妊婦を対象として測定した場合にのみ算定する。本検査を実施した場合は、HTLV-Ⅰ抗体(ウエスタンブロット法及びラインブロット法)の判定保留を確認した年月日を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

(19) 「14」の単純疱疹ウイルス・水痘帯状疱疹ウイルス核酸定量は、免疫不全状態であって、単純疱疹ウイルス感染症又は水痘帯状疱疹ウイルス感染症が強く疑われる患者を対象としてリアルタイムPCR法により測定した場合に、一連として1回のみ算定できる。

(20) HIV-1核酸定量
ア 「15」のHIV-1核酸定量は、PCR法と核酸ハイブリダイゼーション法を組み合わせた方法により、HIV感染者の経過観察に用いた場合又は区分番号「D012」感染症免疫学的検査の「17」HIV-1抗体、「16」のHIV-1,2抗体定性、同半定量、HIV-1,2抗原・抗体同時測定定性、「18」のHIV-1,2抗原・抗体同時測定定量、又は「18」のHIV-1,2抗体定量が陽性の場合の確認診断に用いた場合にのみ算定する。
イ 当該検査と区分番号「D012」感染症免疫学的検査の「46」HIV-1抗体(ウエスタンブロット法)を併せて実施した場合は、それぞれを算定することができる。

(21) 結核菌群リファンピシン耐性遺伝子検出、結核菌群ピラジナミド耐性遺伝子検出、結核菌群イソニアジド耐性遺伝子検出
ア 「16」の結核菌群リファンピシン耐性遺伝子検出、結核菌群ピラジナミド耐性遺伝子検出及び結核菌群イソニアジド耐性遺伝子検出は、同時に結核菌を検出した場合に限り算定する。
イ 「16」の結核菌群リファンピシン耐性遺伝子検出、結核菌群ピラジナミド耐性遺伝子検出及び結核菌群イソニアジド耐性遺伝子検出と「11」の結核菌群核酸検出を併用した場合は、主たるもののみ算定する。
ウ 当該検査は、薬剤耐性結核菌感染が疑われる患者を対象として測定した場合のみ算定できる。

(22) サイトメガロウイルス核酸検出
ア 「16」のサイトメガロウイルス核酸検出は、先天性サイトメガロウイルス感染の診断を目的として、尿を検体として等温核酸増幅法により測定した場合に、1回に限り算定できる。
イ 先天性サイトメガロウイルス感染の診断を目的として、「16」のサイトメガロウイルス核酸検出と区分番号「D012」感染症免疫学的検査の「11」ウイルス抗体価(定性・半定量・定量)又は「40」グロブリンクラス別ウイルス抗体価におけるサイトメガロウイルスを対象とした検査を併せて実施した場合には、主たるもののみ算定する。

(23) ウイルス・細菌核酸多項目同時検出
ア 「17」のウイルス・細菌核酸多項目同時検出は、重症呼吸器感染症と診断された又は疑われる場合に、病原微生物の検索を目的として、マイクロアレイ法(定性)により、鼻腔咽頭拭い液中のインフルエンザウイルス、コロナウイルス、パラインフルエンザウイルス、ヒトメタニューモウイルス、アデノウイルス、RSウイルス、ヒトライノウイルス、エンテロウイルス、マイコプラズマ・ニューモニエ、クラミジア・ニューモニエ及び百日咳菌の核酸検出を同時に行った場合に、一連の治療につき 1 回に限り算定する。なお、検査を実施した年月日を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
イ 本検査は、以下のいずれかに該当する場合に算定できる。
(イ) 区分番号「A300」救命救急入院料、区分番号「A301」 特定集中治療室管理料、区分番号「A301-4」小児特定集中治療室管理料、区分番号「A302」新生児特定集中治療室管理料又は区分番号「A303」総合周産期特定集中治療室管理料の「2」新生児集中治療室管理料を算定する病床で集中治療が行われた場合。
(ロ) (イ)に掲げる病床以外の病床で、(イ)に掲げる病床で行われる集中治療に準じた治療が行われた場合。なお、この場合においては、治療内容を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
ウ 一連の治療期間において別に実施した以下の検査については別に算定できない。
(イ) 区分番号「D012」感染症免疫学的検査「4」のマイコプラズマ抗体定性
(ロ) 区分番号「D012」感染症免疫学的検査「4」のマイコプラズマ抗体半定量
(ハ) 区分番号「D012」感染症免疫学的検査「9」のクラミドフィラ・ニューモニエIgG抗体
(ニ) 区分番号「D012」感染症免疫学的検査「10」のクラミドフィラ・ニューモニエIgA抗体
(ホ) 区分番号「D012」感染症免疫学的検査「11」のウイルス抗体価(定性・半定量・定量)(1項目当たり)において算定対象として掲げられているもののうち、インフルエンザウイルスA型、インフルエンザウイルスB型、パラインフルエンザウイルスⅠ型、パラインフルエンザウイルスⅡ型、パラインフルエンザウイルスⅢ型又はRSウイルスに関する検査
(ヘ) 区分番号「D012」感染症免疫学的検査「12」の百日咳菌抗体定性
(ト) 区分番号「D012」感染症免疫学的検査「12」の百日咳菌抗体半定量
(チ) 区分番号「D012」感染症免疫学的検査「21」のRSウイルス抗原定性
(リ) 区分番号「D012」感染症免疫学的検査「22」のインフルエンザウイルス抗原定性
(ヌ) 区分番号「D012」感染症免疫学的検査「24」のヒトメタニューモウイルス抗原定性
(ル) 区分番号「D012」感染症免疫学的検査「25」のマイコプラズマ抗原定性(免疫クロマト法)
(ヲ) 区分番号「D012」感染症免疫学的検査「26」のクラミドフィラ・ニューモニエIgM抗体
(ワ) 区分番号「D012」感染症免疫学的検査「31」のマイコプラズマ抗原定性(FA法)
(カ) 区分番号「D012」感染症免疫学的検査「35」のアデノウイルス抗原定性(糞便を除く。)
(ヨ) 区分番号「D012」感染症免疫学的検査「45」の百日咳菌抗体
(タ) 区分番号「D023」微生物核酸同定・定量検査「7」のマイコプラズマ核酸検出
(レ) 区分番号「D023」微生物核酸同定・定量検査「10」の百日咳菌核酸検出
(ソ) 区分番号「D023」微生物核酸同定・定量検査「11」のインフルエンザ核酸検出

(24) 細菌核酸・薬剤耐性遺伝子同時検出
ア 「18」の細菌核酸・薬剤耐性遺伝子同時検出は、敗血症が疑われる患者に対して、細菌核酸及び関連する薬剤耐性遺伝子(計 15 項目以上)をマイクロアレイ法により同時測定した場合に、当該疾患に対する一連の治療につき1回に限り算定できる。なお、本検査を行う場合には、関連学会が定める実施指針を遵守すること。
イ 「18」の細菌核酸・薬剤耐性遺伝子同時検出と「1」の細菌核酸検出(白血球)、「14」のブドウ球菌メチシリン耐性遺伝子検出又は区分番号「D023-2」その他の微生物学的検査「1」の黄色ブドウ球菌ペニシリン結合蛋白2’(PBP2’)定性を併せて測定した場合には、主たるもののみ算定する。
ウ 本検査を実施した場合には、関連学会が定める敗血症診断基準に基づいて、敗血症を疑う根拠を診療録及び診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

(25) HPVジェノタイプ判定
ア 「19」のHPVジェノタイプ判定は、あらかじめ行われた組織診断の結果、CIN1又はCIN2と判定された患者に対し、治療方針の決定を目的として、ハイリスク型HPVのそれぞれの有無を確認した場合に算定する。
イ 当該検査は、「9」のHPV核酸検出及び「10」のHPV核酸検出(簡易ジェノタイプ判定)の施設基準を届け出ている保険医療機関のみ算定できる。
ウ 当該検査を算定するに当たっては、あらかじめ行われた組織診断の実施日及び組織診断の結果、CIN1又はCIN2のいずれに該当するかを診療報酬明細書の摘要欄に記載する。
エ 同一の患者について、当該検査を2回目以降行う場合は、当該検査の前回実施日を上記に併せて記載する。

(26) 「20」のHIVジェノタイプ薬剤耐性は、抗HIV治療の選択及び再選択の目的で行った場合に、3月に1回を限度として算定できる。

D023-2 その他の微生物学的検査

1 黄色ブドウ球菌ペニシリン結合蛋白2’(PBP2’)定性 55点

2 尿素呼気試験(UBT) 70点

3 大腸菌ベロトキシン定性 194点

4 クロストリジオイデス・ディフィシルのトキシンB遺伝子検出 450点

注 別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関において実施した場合に算定する。

通知
(1) 黄色ブドウ球菌ペニシリン結合蛋白2’(PBP2’)定性
ア 「1」の黄色ブドウ球菌ペニシリン結合蛋白2’(PBP2’)定性は、LA法により実施した場合に算定する。
イ 当該検査は、血液培養により黄色ブドウ球菌が検出された患者を対象として測定した場合又は免疫不全状態であって、MRSA感染症が強く疑われる患者を対象として測定した場合のみ算定できる。
ウ 当該検査と区分番号「D023」微生物核酸同定・定量検査の「14」ブドウ球菌メチシリン耐性遺伝子検出を併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。

(2) 「2」の尿素呼気試験(UBT)を含むヘリコバクター・ピロリ感染診断の保険診療上の取扱いについては「ヘリコバクター・ピロリ感染の診断及び治療に関する取扱いについて」(平成 12 年 10 月 31 日保険発第 180 号)に即して行うこと。

(3) 大腸菌ベロトキシン定性
ア 「3」の大腸菌ベロトキシン定性は、区分番号「D018」細菌培養同定検査により大腸菌が確認され、病原性大腸菌が疑われる患者に対して行った場合に算定する。
イ 「3」の大腸菌ベロトキシン定性のうち、細菌培養を行うことなく糞便から直接検出する方法であってELISA法によるものについては、臨床症状や流行状況から腸管出血性大腸菌感染症が強く疑われる場合に限り、区分番号「D018」細菌培養同定検査を踏まえることなく行った場合にも算定できる。

(4) クロストリジオイデス・ディフィシルのトキシンB遺伝子検出
ア 「4」のクロストリジオイデス・ディフィシルのトキシンB遺伝子検出は、以下の(イ)から(ハ)をいずれも満たす入院中の患者に対して実施した場合に限り算定する。
(イ) クロストリジオイデス・ディフィシル感染症を疑う場合であって、区分番号「D012」の「12」クロストリジオイデス・ディフィシル抗原定性において、クロストリジオイデス・ディフィシル抗原陽性かつクロストリジオイデス・ディフィシルトキシン陰性であること。
(ロ) 2歳以上で Bristol Stool Scale 5以上の下痢症状があること。
(ハ) 24 時間以内に3回以上、又は平常時より多い便回数があること。
イ 本検査は、関連学会の定める指針に沿って実施した場合に限り算定できる。なお、下痢症状並びに本検査を行う前のクロストリジオイデス・ディフィシル抗原及びクロストリジオイデス・ディフィシルトキシンの検査結果について診療録に記載すること。

D024 動物使用検査 170点


使用した動物の費用として動物の購入価格を10円で除して得た点数を加算する。

通知
従前、細菌動物検査、妊娠動物検査、トキソプラズマ症におけるマウス使用検査等動物を用いて行う検査として認められていたものについては、本区分により算定する。

(基本的検体検査実施料)

D025 基本的検体検査実施料(1日につき)

1 入院の日から起算して4週間以内の期間140点

2 入院の日から起算して4週間を超えた期間110点

注 1 特定機能病院である保険医療機関において、入院中の患者に対して行った検体検査について算定する。

2 次に掲げる検体検査の費用は所定点数に含まれるものとする。

イ 尿中一般物質定性半定量検査
ロ 尿中特殊物質定性定量検査
ハ 尿沈渣(鏡検法)
ニ 糞便検査
ホ 穿刺液・採取液検査
ヘ 血液形態・機能検査
ト 出血・凝固検査
チ 造血器腫瘍遺伝子検査
リ 血液化学検査
ヌ 免疫血液学的検査
ABO血液型及びRh(D)血液型
ル 感染症免疫学的検査
梅毒血清反応(STS)定性、抗ストレプトリジンO(ASO)定性、抗ストレプトリジンO(ASO)半定量、抗ストレプトリジンO(ASO)定量、トキソプラズマ抗体定性、トキソプラズマ抗体半定量、梅毒トレポネーマ抗体定性、梅毒血清反応(STS)半定量、梅毒血清反応(STS)定量、梅毒トレポネーマ抗体半定量、梅毒トレポネーマ抗体定量及びHIV-1抗体
ヲ 肝炎ウイルス関連検査
HBs抗原定性・半定量、HBs抗体定性、HBs抗体半定量、HBs抗原、HBs抗体、HCV抗体定性・定量、HCV構造蛋白及び非構造蛋白抗体定性及びHCV構造蛋白及び非構造蛋白抗体半定量
ワ 自己抗体検査寒冷凝集反応及びリウマトイド因子(RF)定量
カ 血漿蛋白免疫学的検査C反応性蛋白(CRP)定性、C反応性蛋白(CRP)、血清補体価(CH50)及び免疫グロブリン
ヨ 微生物学的検査

3 療養病棟、結核病棟又は精神病棟に入院している患者及び第1章第2部第2節に規定するHIV感染者療養環境特別加算、二類感染症患者療養環境特別加算若しくは重症者等療養環境特別加算又は同部第3節に規定する特定入院料を算定している患者については適用しない。

通知
(1) 基本的検体検査実施料は、特定機能病院である保険医療機関の入院医療において通常行われる基本的な検査について、請求の簡素化の観点から包括化して入院日数に応じた請求方法を導入したものである。

(2) 基本的検体検査実施料に含まれない検査を行った場合は、別途当該検査に係る所定点数を算定でき、当該検査が基本的検体検査判断料の対象に含まれないものであるときは、当該検査に係る検体検査判断料も併せて別途算定できる。

(3) 入院日数については、入院の都度当該入院の初日から起算し、また、退院日も算定対象とする。

(4) 外泊期間中は、入院日数に含まれない。

(5) 療養病棟、結核病棟若しくは精神病棟に入院している患者及び第1章第2部第2節に規定するHIV感染者療養環境特別加算、二類感染症患者療養環境特別加算若しくは重症者等療養環境特別加算又は同部第3節に規定する特定入院料を算定している患者については、基本的検体検査実施料は別に算定しないが、入院日数は入院の初日から数える。

(6) 1月を通じて、基本的検体検査実施料に包括されている検査項目のいずれも行われなかった場合は、当該月は本実施料は算定できない。

第2款 検体検査判断料

D026 検体検査判断料

1 尿・糞便等検査判断料 34点

2 遺伝子関連・染色体検査判断料 100点

3 血液学的検査判断料 125点

4 生化学的検査(Ⅰ)判断料 144点

5 生化学的検査(Ⅱ)判断料 144点

6 免疫学的検査判断料 144点

7 微生物学的検査判断料 150点

注1 検体検査判断料は該当する検体検査の種類又は回数にかかわらずそれぞれ月1回に限り算定できるものとする。ただし、区分番号D027に掲げる基本的検体検査判断料を算定する患者については、尿・糞便等検査判断料、遺伝子関連・染色体検査判断料、血液学的検査判断料、生化学的検査(Ⅰ)判断料、免疫学的検査判断料及び微生物学的検査判断料は別に算定しない。

2 注1の規定にかかわらず、区分番号D000に掲げる尿中一般物質定性半定量検査の所定点数を算定した場合にあっては、当該検査については尿・糞便等検査判断料は算定しない。

3 区分番号D004―2の1、区分番号D006-2からD006-9まで及び区分番号D006-11からD006-20までに掲げる検査は、遺伝子関連・染色体検査判断料により算定するものとし、尿・糞便等検査判断料又は血液学的検査判断料は算定しない。

4 検体検査管理に関する別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において検体検査を行った場合には、当該基準に係る区分に従い、患者(検体検査管理加算(Ⅱ)、検体検査管理加算(Ⅲ)及び検体検査管理加算(Ⅳ)については入院中の患者に限る。)1人につき月1回に限り、次に掲げる点数を所定点数に加算する。ただし、いずれかの検体検査管理加算を算定した場合には、同一月において他の検体検査管理加算は、算定しない。
イ 検体検査管理加算(Ⅰ) 40点
ロ 検体検査管理加算(Ⅱ) 100点
ハ 検体検査管理加算(Ⅲ) 300点
ニ 検体検査管理加算(Ⅳ) 500点

5 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、検体検査管理加算(Ⅱ)、検体検査管理加算(Ⅲ)又は検体検査管理加算(Ⅳ)を算定した場合は、国際標準検査管理加算として、40点を所定点数に加算する。

6 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、区分番号D006-4に掲げる遺伝学的検査、区分番号D006-20に掲げる角膜ジストロフィー遺伝子検査又は遺伝性腫瘍に関する検査(区分番号D006-19に掲げるがんゲノムプロファイリング検査を除く。)を実施し、その結果について患者又はその家族等に対し遺伝カウンセリングを行った場合には、遺伝カウンセリング加算として、患者1人につき月1回に限り、1,000点を所定点数に加算する。

7 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、区分番号D006-19に掲げるがんゲノムプロファイリング検査を実施し、その結果について患者又はその家族等に対し遺伝カウンセリングを行った場合には、遺伝性腫瘍カウンセリング加算として、患者1人につき月1回に限り、1,000点を所定点数に加算する。

8 区分番号D005の14に掲げる骨髄像を行った場合に、血液疾患に関する専門の知識を有する医師が、その結果を文書により報告した場合は、骨髄像診断加算として、240点を所定点数に加算する。

9 区分番号D015の16に掲げる免疫電気泳動法(抗ヒト全血清)又は23に掲げる免疫電気泳動法(特異抗血清)を行った場合に、当該検査に関する専門の知識を有する医師が、その結果を文書により報告した場合は、免疫電気泳動法診断加算として、50点を所定点数に加算する。

通知
(1) 検体検査については、実施した検査に係る検体検査実施料及び当該検査が属する区分(尿・糞便等検査判断料から微生物学的検査判断料までの7区分)に係る検体検査判断料を合算した点数を算定する。

(2) 各区分の検体検査判断料については、その区分に属する検体検査の種類及び回数にかかわらず、月1回に限り、初回検査の実施日に算定する。

(3) 実施した検査が属する区分が2以上にわたる場合は、該当する区分の判断料を合算した点数を算定できる。

(4) 同一月内において、同一患者に対して、入院及び外来の両方又は入院中に複数の診療科において検体検査を実施した場合においても、同一区分の判断料は、入院・外来又は診療科の別にかかわらず、月1回に限る。

(5) 上記の規定にかかわらず、区分番号「D000」尿中一般物質定性半定量検査を実施した場合は、当該検査に係る検体検査判断料は算定しない。区分番号「B001」特定疾患治療管理料の「15」の慢性維持透析患者外来医学管理料又は区分番号「D025」基本的検体検査実施料を算定した月と同一月に検体検査を行った場合は、それぞれの区分に包括されている検体検査に係る判断料は別に算定できない。

(6) 区分番号「D004-2」の「1」、区分番号「D006-2」から区分番号「D006-9」まで及び区分番号「D006-11」から区分番号「D006-20」までに掲げる検査に係る判断料は、遺伝子関連・染色体検査判断料により算定するものとし、尿・糞便等検査判断料又は血液学的検査判断料は算定しない。

(7) 「注4」に規定する検体検査管理加算(Ⅰ)は入院中の患者及び入院中の患者以外の患者に対し、検体検査管理加算(Ⅱ)、検体検査管理加算(Ⅲ)及び検体検査管理加算(Ⅳ)は入院中の患者に対して、検体検査を実施し検体検査判断料のいずれかを算定した場合に、患者1人につき月1回に限り加算するものであり、検体検査判断料を算定しない場合に本加算は算定できない。また、区分番号「D027」基本的検体検査判断料の「注2」に掲げる加算を算定した場合には、本加算は算定できない。

(8) 入院中の患者について「注4」に規定する検体検査管理加算(Ⅱ)、検体検査管理加算(Ⅲ)又は検体検査管理加算(Ⅳ)を算定している保険医療機関であっても、入院中の患者以外の患者について検体検査管理加算(Ⅰ)を算定することができる。

(9) 「注6」に規定する遺伝カウンセリング加算は、臨床遺伝学に関する十分な知識を有する医師が、区分番号「D004-2」の「1」のうち、マイクロサテライト不安定性検査(リンチ症候群の診断の補助に用いる場合に限る。)、区分番号「D006-4」遺伝学的検査、区分番号「D006-18」BRCA1/2遺伝子検査又は区分番号「D006-20」角膜ジストロフィー遺伝子検査を実施する際、以下のいずれも満たした場合に算定できる。
ア 当該検査の実施前に、患者又はその家族等に対し、当該検査の目的並びに当該検査の実施によって生じうる利益及び不利益についての説明等を含めたカウンセリングを行っていること。
イ 患者又はその家族等に対し、当該検査の結果に基づいて療養上の指導を行っていること。なお、遺伝カウンセリングの実施に当たっては、厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取り扱いのためのガイダンス」(平成 29 年4月)及び関係学会による「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」(平成 23 年2月)を遵守すること。区分番号「D006-18」BRCA1/2遺伝子検査を実施する際、BRCA1/2遺伝子検査を行った保険医療機関と遺伝カウンセリングを行った保険医療機関とが異なる場合の当該区分に係る診療報酬の請求は、BRCA1/2遺伝子検査を行った保険医療機関で行い、診療報酬の分配は相互の合議に委ねる。その際、遺伝カウンセリングを行った保険医療機関名と当該医療機関を受診した日付を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。また、遺伝カウンセリング加算を算定する患者については、区分番号「B001」特定疾患治療管理料の「23」がん患者指導管理料の「ニ」の所定点数は算定できない。

(10) 「注7」に規定する遺伝性腫瘍カウンセリング加算は、臨床遺伝学に関する十分な知識を有する医師が、区分番号「D006-19」がんゲノムプロファイリング検査を実施する際、(9)のア及びイのいずれも満たした場合に算定できる。なお、遺伝カウンセリングの実施に当たっては、厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取り扱いのためのガイダンス」(平成 29 年4月)及び関係学会による「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」(平成 23 年2月)を遵守すること。

(11) 「注8」に規定する骨髄像診断加算は、血液疾患に関する専門の知識及び少なくとも5年以上の経験を有する医師が、当該保険医療機関内で採取された骨髄液に係る検査結果の報告書を作成した場合に、月1回に限り算定する。

(12) 「注9」に規定する免疫電気泳動法診断加算は、免疫電気泳動法の判定について少なくとも5年以上の経験を有する医師が、免疫電気泳動像を判定し、M蛋白血症等の診断に係る検査結果の報告書を作成した場合に算定する。

D027 基本的検体検査判断料 604点


1 特定機能病院である保険医療機関において、尿・糞便等検査、血液学的検査、生化学的検査(Ⅰ)、免疫学的検査又は微生物学的検査の各項に掲げる検体検査を入院中の患者に対して行った場合に、当該検体検査の種類又は回数にかかわらず月1回に限り算定できるものとする。

2 区分番号D026に掲げる検体検査判断料の注4本文及び注5に規定する施設基準に適合しているものとして届出を行った保険医療機関(特定機能病院に限る。)において、検体検査を行った場合には、当該基準に係る区分に従い、患者1人につき月1回に限り、同注に掲げる点数を所定点数に加算する。ただし、同注に掲げる点数のうちいずれかの点数を算定した場合には、同一月において同注に掲げる他の点数は、算定しない。

通知
(1) 基本的検体検査判断料は、特定機能病院である保険医療機関の入院医療において通常行われる基本的な検査について、請求の簡素化の観点から、月1回の包括的な判断料を設定したものである。

(2) 基本的検体検査実施料に含まれない検査を行った場合は、当該検査が基本的検体検査判断料の対象に含まれないものであるときは、当該検査に係る検体検査判断料も併せて別途算定できる。

(3) 療養病棟、結核病棟若しくは精神病棟に入院している患者及び第1章第2部第2節に規定するHIV感染者療養環境特別加算、二類感染症患者療養環境特別加算若しくは重症者等療養環境特別加算を算定している患者については、基本的検体検査判断料は、別に算定しない。

(4) 1月を通じて、基本的検体検査実施料に包括されている検査項目のいずれも行われなかった場合は、当該月は本判断料は算定できない。

(5) 特定機能病院において、(3)に掲げる場合以外で基本的検体検査判断料を算定すべき場合は、尿・糞便等検査判断料、遺伝子関連・染色体検査判断料、血液学的検査判断料、生化学的検査(Ⅰ)判断料、免疫学的検査判断料及び微生物学的検査判断料を算定することはできず、本判断料を算定するものとする。