令和4年(2022)第3節 特定入院料

こちらは中央社会保険医療協議会 総会(第516回)議事次第の告示案に基づいて作成しています。令和4年の診療報酬改定の正式な告示は2022年3月上旬になります。
目次

A300 救命救急入院料(1日につき)

1 救命救急入院料1

イ 3日以内の期間 10,223点

ロ 4日以上7日以内の期間 9,250点

ハ 8日以上の期間 7,897点

2 救命救急入院料2

イ 3日以内の期間 11,802点

ロ 4日以上7日以内の期間 10,686点

ハ 8日以上の期間 9,371点

3 救命救急入院料3

イ 救命救急入院料

(1) 3日以内の期間 10,223点
(2) 4日以上7日以内の期間 9,250点
(3) 8日以上の期間 7,897点

ロ 広範囲熱傷特定集中治療管理料

(1) 3日以内の期間 10,223点
(2) 4日以上7日以内の期間 9,250点
(3) 8日以上60日以内の期間 8,318点

4 救命救急入院料4

イ 救命救急入院料

(1) 3日以内の期間 11,802点
(2) 4日以上7日以内の期間 10,686点
(3) 8日以上の期間 9,371点

ロ 広範囲熱傷特定集中治療管理料

(1) 3日以内の期間 11,802点
(2) 4日以上7日以内の期間 10,686点
(3) 8日以上14日以内の期間 9,371点
(4) 15日以上60日以内の期間 8,318点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、重篤な患者に対して救命救急医療が行われた場合に、当該基準に係る区分及び当該患者の状態について別に厚生労働大臣が定める区分(救命救急入院料3及び救命救急入院料4に限る。)に従い、14日(別に厚生労働大臣が定める状態の患者(救命救急入院料3又は救命救急入院料4に係る届出を行った保険医療機関に入院した患者に限る。)にあっては60日、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関に入院している患者であって、急性血液浄化(腹膜透析を除く。)又は体外式心肺補助(ECMO)を必要とするものにあっては25日、臓器移植を行ったものにあっては 30日)を限度として、それぞれ所定点数を算定する。

2 当該保険医療機関において、自殺企図等による重篤な患者であって精神疾患を有するもの又はその家族等からの情報等に基づいて、当該保険医療機関の精神保健指定医又は精神科の医師が、当該患者の精神疾患にかかわる診断治療等を行った場合は、精神疾患診断治療初回加算として、当該精神保健指定医等による最初の診療時に限り、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。この場合において、区分番号A248に掲げる精神疾患診療体制加算は別に算定できない。

イ 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において行った場合7,000点

ロ イ以外の場合 3,000点

3 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において救命救急医療が行われた場合には、当該基準に係る区分に従い、1日につき次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。

イ 救急体制充実加算1 1,500点

ロ 救急体制充実加算2 1,000点

ハ 救急体制充実加算3 500点

4 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において救命救急医療が行われた場合には、1日につき100点を所定点数に加算する。

5 当該保険医療機関において、急性薬毒物中毒の患者に対して救命救急医療が行われた場合には、入院初日に限り、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。

イ 急性薬毒物中毒加算1(機器分析) 5,000点

ロ 急性薬毒物中毒加算2(その他のもの) 350点

6 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、15歳未満の重篤な患者に対して救命救急医療が行われた場合には、小児加算として、入院初日に限り5,000点を所定点数に加算する。

7 第1章基本診療料並びに第2章第3部検査、第6部注射、第9部処置及び第13部病理診断のうち次に掲げるものは、救命救急入院料に含まれるものとする。

イ 入院基本料

ロ 入院基本料等加算(臨床研修病院入院診療加算、超急性期脳卒中加算、妊産婦緊急搬送入院加算、医師事務作業補助体制加算、地域加算、離島加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、重症患者初期支援充実加算、報告書管理体制加算、褥瘡ハイリスク患者ケア加算、術後疼痛管理チーム加算、病棟薬剤業務実施加算2、データ提出加算、入退院支援加算(1のイ及び3に限る。)、認知症ケア加算、せん妄ハイリスク患者ケア加算、精神疾患診療体制加算、排尿自立支援加算及び地域医療体制確保加算を除く。)

ハ 第2章第3部の各区分の検査(同部第1節第2款の検体検査判断料を除く。)

ニ 点滴注射

ホ 中心静脈注射

ヘ 酸素吸入(使用した酸素及び窒素の費用を除く。)

ト 留置カテーテル設置

チ 第13部第1節の病理標本作製料

8 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病室に入院している患者に対して、入室後早期から離床等に必要な治療を行った場合に、早期離床・リハビリテーション加算として、入室した日から起算して14日を限度として500点を所定点数に加算する。この場合において、同一日に区分番号H000に掲げる心大血管疾患リハビリテーション料、H001に掲げる脳血管疾患等リハビリテーション料、H001-2に掲げる廃用症候群リハビリテーション料、H002に掲げる運動器リハビリテーション料、H003に掲げる呼吸器リハビリテーション料、H007に掲げる障害児(者)リハビリテーション料及びH007-2に掲げるがん患者リハビリテーション料は、算定できない。

9 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病室に入院している患者に対して、入室後早期から必要な栄養管理を行った場合に、早期栄養介入管理加算として、入室した日から起算して7日を限度として250点(入室後早期から経腸栄養を開始した場合は、当該開始日以降は400点)を所定点数に加算する。ただし、区分番号B001の10に掲げる入院栄養食事指導料は別に算定できない。

10 注2のイに該当する場合であって、当該患者に対し、生活上の課題又は精神疾患の治療継続上の課題を確認し、助言又は指導を行った場合は、当該患者の退院時に1回に限り、2,500点を更に所定点数に加算する。この場合において、区分番号I002-3に掲げる救急患者精神科継続支援料は別に算定できない。

11 重症患者の対応に係る体制につき別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病室に入院している患者(救命救急入院料2又は救命救急入院料4に係る届出を行った保険医療機関の病室に入院した患者に限る。)について、重症患者対応体制強化加算として、当該患者の入院期間に応じ、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。

イ 3日以内の期間 750点

ロ 4日以上7日以内の期間 500点

ハ 8日以上14日以内の期間 300点

 通知
(1) 救命救急入院料の算定対象となる重篤な救急患者とは、次に掲げる状態にあって、医師が救命救急入院が必要であると認めた者であること。

ア 意識障害又は昏睡

イ 急性呼吸不全又は慢性呼吸不全の急性増悪

ウ 急性心不全(心筋梗塞を含む。)

エ 急性薬物中毒

オ ショック

カ 重篤な代謝障害(肝不全、腎不全、重症糖尿病等)キ広範囲熱傷

ク 大手術を必要とする状態

ケ 救急蘇生後

コ その他外傷、破傷風等で重篤な状態

(2) 広範囲熱傷特定集中治療管理料の算定対象となる患者とは、第2度熱傷30%程度以上の重症広範囲熱傷患者であって、医師が広範囲熱傷特定集中治療が必要であると認めた者であること。なお、熱傷には電撃傷、薬傷及び凍傷が含まれる。

(3) 救命救急入院料は、救命救急医療に係る入院初期の医療を重点的に評価したものであり、救命救急入院後症状の安定等により他病棟に転棟した患者又は他病棟に入院中の患者が症状の増悪等をきたしたことにより当該救命救急センターに転棟した場合にあっては、救命救急入院料は算定できない。

(4) 「注1」に掲げる臓器移植を行った患者とは、当該入院期間中に心臓、肺又は肝臓の移植を行った患者のことをいう。

(5) 「注2」に規定する精神疾患診断治療初回加算については、自殺企図及び自傷又はそれが疑われる行為により医師が救命救急入院が必要であると認めた重篤な患者であって、統合失調症、躁うつ病、神経症、中毒性精神障害(アルコール依存症等をいう。)、心因反応、児童・思春期精神疾患、パーソナリティ障害又は精神症状を伴う脳器質性障害等(以下この節において「精神疾患」という。)を有する患者又はその家族等に対して、精神保健指定医又は当該保険医療機関の精神科の常勤医師が、患者又は家族等からの情報を得て、精神疾患に対する診断治療等を行った場合に、救命救急入院料の算定期間中における当該精神保健指定医又は当該精神科の常勤医師の最初の診察時に算定する。この場合の精神保健指定医は当該保険医療機関を主たる勤務先とする精神保健指定医以外の者であっても算定できる。ただし、当該加算を算定する場合には、区分番号「A248」精神疾患診療体制加算は算定できない。

(6) 「注5」に規定する急性薬毒物中毒加算1については、急性薬毒物中毒(催眠鎮静剤、抗不安剤による中毒を除く。)が疑われる患者(以下「急性薬毒物中毒患者」という。)の原因物質について、日本中毒学会が作成する「急性中毒標準診療ガイド」における機器分析法に基づく機器分析を当該保険医療機関において行い、必要な救命救急管理を実施した場合に算定する。

(7) 「注5」に規定する急性薬毒物中毒加算2については、急性薬毒物中毒患者の原因物質等について、(5)の機器分析以外の検査を当該保険医療機関において行い、必要な救命救急管理を実施した場合に算定する。

(8) 「注5」に規定する急性薬毒物中毒加算1又は2については、入院初日にいずれか一方のみを算定することができる。

(9) 「注5」に規定する急性薬毒物中毒加算については、薬毒物中毒を疑って検査を実施した結果、実際には薬毒物中毒ではなかった場合には、算定できない。

(10) 「注6」に規定する小児加算については、専任の小児科の医師が常時配置されている保険医療機関において、15歳未満の重篤な救急患者に対して救命救急医療が行われた場合に入院初日に限り算定する。なお、ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。

(11) 「注8」に規定する早期離床・リハビリテーション加算は、救命救急入院料を算定する病室に入室した患者に対する、患者に関わる医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士又は臨床工学技士等の多職種と早期離床・リハビリテーションに係るチーム(以下「早期離床・リハビリテーションチーム」という。)による総合的な離床の取組を評価したものであり、当該加算を算定する場合の取扱いは、区分番号「A301」の特定集中治療室管理料の(5)と同様であること。

(12) 「注9」に掲げる早期栄養介入管理加算は、重症患者の救命救急入院料を算定する病室への入室後、早期に管理栄養士が当該治療室の医師、看護師、薬剤師等と連携し、早期の経口移行・維持及び低栄養の改善等につながる栄養管理を評価したものであり、当該加算を算定する場合の取扱いは、区分番号「A301」の特定集中治療室管理料の(6)から(8)までと同様であること。

(13) 「注10」については、「注2」の「イ」に掲げる別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において精神科医又は精神科医の指示を受けた看護師、作業療法士、精神保健福祉士、公認心理師若しくは社会福祉士が、自殺企図や精神状態悪化の背景にある生活上の課題の状況を確認した上で、解決に資する社会資源について情報提供する等の援助を行う他、かかりつけ医への受診や定期的な服薬等、継続して精神疾患の治療を受けるための指導や助言を行った場合に、退院時に1回に限り算定する。この場合、区分番号「I002-3」救急患者精神科継続支援料は別に算定できない。なお、指導等を行う精神科医又は精神科医の指示を受けた看護師等は、適切な研修を受講している必要があること。

(14) 「注11」に規定する重症患者対応体制強化加算は、重症患者対応に係る体制について、集中治療領域における重症患者対応の強化及び人材育成に係る体制を評価したものである。

(15) 「注11」に規定する重症患者対応体制強化加算は、救命救急入院料2又は4を算定している患者について、当該患者の入院期間に応じて算定する。

(16) 救命救急入院料に係る算定要件に該当しない患者が、当該治療室に入院した場合には、入院基本料等を算定する。

この際、区分番号「A100」の一般病棟入院基本料を算定する場合の費用の請求については、区分番号「A101」療養病棟入院基本料の(13)に準ずるものとする。

また、区分番号「A104」の特定機能病院入院基本料を算定する場合の費用の請求については、区分番号「A104」の「注5」に規定する看護必要度加算及び同「注10」に規定するADL維持向上等体制加算は算定できず、同「注8」に規定する加算は、当該病棟において要件を満たしている場合に算定できる。その他、区分番号「A105」の専門病院入院基本料を算定する場合の費用の請求については、区分番号「A105」の「注3」に規定する看護必要度加算、同「注4」に規定する一般病棟看護必要度評価加算及び同「注9」に規定するADL維持向上等体制加算は算定できず、同「注7」に規定する加算は、当該病棟において要件を満たしている場合に算定できる。

A301特定集中治療室管理料(1日につき)

1 特定集中治療室管理料1

イ 7日以内の期間 14,211点

ロ 8日以上の期間 12,633点

2 特定集中治療室管理料2

イ 特定集中治療室管理料

(1) 7日以内の期間 14,211点
(2) 8日以上の期間 12,633点

ロ 広範囲熱傷特定集中治療管理料

3 特定集中治療室管理料3

イ 7日以内の期間 9,697点

ロ 8日以上の期間 8,118点

4 特定集中治療室管理料4

イ 特定集中治療室管理料

(1) 7日以内の期間 9,697点
(2) 8日以上の期間 8,118点

ロ 広範囲熱傷特定集中治療管理料

(1) 7日以内の期間 9,697点
(2) 8日以上60日以内の期間 8,318点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、必要があって特定集中治療室管理が行われた場合に、当該基準に係る区分及び当該患者の状態について別に厚生労働大臣が定める区分(特定集中治療室管理料2及び4に限る。)に従い、14日(別に厚生労働大臣が定める状態の患者(特定集中治療室管理料2及び4に係る届出を行った保険医療機関に入院した患者に限る。)にあっては60日、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関に入院している患者であって、急性血液浄化(腹膜透析を除く。)又は体外式心肺補助(EC MO)を必要とするものにあっては25日、臓器移植を行ったものにあっては30日)を限度として、それぞれ所定点数を算定する。

2 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、15歳未満の重篤な患者に対して特定集中治療室管理が行われた場合には、小児加算として、当該患者の入院期間に応じ、次に掲げる点数をそれぞれ1日につき所定点数に加算する。

イ 7日以内の期間 2,000点

ロ 8日以上14日以内の期間 1,500点

3 第1章基本診療料並びに第2章第3部検査、第6部注射、第9部処置及び第13部病理診断のうち次に掲げるものは、特定集中治療室管理料に含まれるものとする。

イ 入院基本料

ロ 入院基本料等加算(臨床研修病院入院診療加算、超急性期脳卒中加算、妊産婦緊急搬送入院加算、医師事務作業補助体制加算、地域加算、離島加算、精神科リエゾンチーム加算、がん拠点病院加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、重症患者初期支援充実加算、報告書管理体制加算、褥瘡ハイリスク患者ケア加算、術後疼痛管理チーム加算、病棟薬剤業務実施加算2、データ提出加算、入退院支援加算(1のイ及び3に限る。)、認知症ケア加算、せん妄ハイリスク患者ケア加算、精神疾患診療体制加算、排尿自立支援加算及び地域医療体制確保加算を除く。)

ハ 第2章第3部の各区分の検査(同部第1節第2款の検体検査判断料を除く。)

ニ 点滴注射

ホ 中心静脈注射

ヘ 酸素吸入(使用した酸素及び窒素の費用を除く。)

ト 留置カテーテル設置

チ 第13部第1節の病理標本作製料

4 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病室に入院している患者に対して、入室後早期から離床等に必要な治療を行った場合に、早期離床・リハビリテーション加算として、入室した日から起算して14日を限度として500点を所定点数に加算する。この場合において、同一日に区分番号H000に掲げる心大血管疾患リハビリテーション料、H001に掲げる脳血管疾患等リハビリテーション料、H001-2に掲げる廃用症候群リハビリテーション料、H002に掲げる運動器リハビリテーション料、H003に掲げる呼吸器リハビリテーション料、H007に掲げる障害児(者)リハビリテーション料及びH007-2に掲げるがん患者リハビリテーション料は、算定できない。

5 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病室に入院している患者に対して、入室後早期から必要な栄養管理を行った場合に、早期栄養介入管理加算として、入室した日から起算して7日を限度として250点(入室後早期から経腸栄養を開始した場合は、当該開始日以降は400点)を所定点数に加算する。ただし、区分番号B001の10に掲げる入院栄養食事指導料は別に算定できない。

6 重症患者の対応に係る体制につき別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病室に入院している患者について、重症患者対応体制強化加算として、当該患者の入院期間に応じ、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。

イ 3日以内の期間750点

ロ 4日以上7日以内の期間500点

ハ 8日以上14日以内の期間300点

 通知
(1) 特定集中治療室管理料の算定対象となる患者は、次に掲げる状態にあって、医師が特定集中治療室管理が必要であると認めた者であること。

ア 意識障害又は昏睡

イ 急性呼吸不全又は慢性呼吸不全の急性増悪

ウ 急性心不全(心筋梗塞を含む。)

エ 急性薬物中毒

オ ショック

カ 重篤な代謝障害(肝不全、腎不全、重症糖尿病等)キ広範囲熱傷

ク 大手術後

ケ 救急蘇生後

コ その他外傷、破傷風等で重篤な状態

(2) 広範囲熱傷特定集中治療管理料の算定対象となる広範囲熱傷特定集中治療管理が必要な患者とは、区分番号「A300」の救命救急入院料の(2)と同様であること。

(3) 「注1」に掲げる臓器移植を行った患者とは、当該入院期間中に心臓、肺又は肝臓の移植を行った患者のことをいう。

(4) 「注2」に規定する小児加算については、専任の小児科の医師が常時配置されている保険医療機関において、15歳未満の重篤な患者に対して特定集中治療室管理が行われた場合に14日を限度として算定する。

(5) 「注4」に規定する早期離床・リハビリテーション加算は、特定集中治療室に入室した患者に対し、患者に関わる医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士又は臨床工学技士等の多職種と早期離床・リハビリテーションチームによる以下のような総合的な離床の取組を行った場合の評価である。

ア 早期離床・リハビリテーションチームは、当該患者の状況を把握・評価した上で、当該患者の運動機能、呼吸機能、摂食嚥下機能、消化吸収機能及び排泄機能等の各種機能の維持、改善又は再獲得に向けた具体的な支援方策について、関係学会の指針等に基づき患者が入室する治療室の職員とともに計画を作成する。

イ 当該患者を診療する医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士又は臨床工学技士等が、早期離床・リハビリテーションチームと連携し、当該患者が特定集中治療室に入室後48時間以内に、当該計画に基づく早期離床の取組を開始する。

ウ 早期離床・リハビリテーションチームは、当該計画に基づき行われた取組を定期的に評価する。

エ アからウまでの取組等の内容及び実施時間について診療録等に記載すること。

(6) 「注5」に掲げる早期栄養介入管理加算は、重症患者の特定集中治療室への入室後、早期に管理栄養士が当該治療室の医師、看護師、薬剤師等と連携し、早期の経口移行・維持及び低栄養の改善等につながる栄養管理を実施した場合の評価である。

(7) 「注5」に規定する加算を算定する場合には、日本集中治療医学会の「日本版重症患者の栄養療法ガイドライン」に沿った栄養管理を実施すること。また、入室患者全員に栄養スクリーニングを実施し、抽出された患者に対し、次の項目を実施すること。なお、ア及びイ(「注5」に規定する「入室後早期から経腸栄養を開始した場合」の所定点数を算定する場合にあっては、アからウまで)は入室後48時間以内に実施すること。

ア 栄養アセスメント

イ 栄養管理に係る早期介入の計画の作成及び計画に基づく栄養管理の実施

ウ 腸管機能評価を実施し、入室後48時間以内に経腸栄養等を開始

エ 経腸栄養開始後は、1日に3回以上のモニタリングを行い、その結果を踏まえ、必要に応じて計画を見直すとともに栄養管理を実施

オ 再アセスメントを実施し、胃管からの胃内容物の逆流の有無等を確認

カ アからオまでの内容を診療録等に記載すること。なお、ウに関しては、入室時刻及び経腸栄養の開始時刻を記載すること

加えて、上記項目を実施する場合、特定集中治療室の医師、看護師、薬剤師等とのカンファレンス及び回診等を実施するとともに、早期離床・リハビリテーションチームが設置されている場合は、適切に連携して栄養管理を実施すること。

(8) 「注5」に規定する加算の1日当たりの算定患者数は、管理栄養士1名につき、10人以内とする。また、当該加算及び区分番号「A233-2」栄養サポートチーム加算を算定する患者数は、管理栄養士1名につき、合わせて15人以内とする。

(9) 「注6」に規定する重症患者対応体制強化加算は、重症患者対応に係る体制について、集中治療領域における重症患者対応の強化及び人材育成に係る体制を評価したものである。

(10) 「注6」に規定する重症患者対応体制強化加算は、特定集中治療室管理料を算定している患者について、当該患者の入院期間に応じて算定する。

(11) 特定集中治療室管理料に係る算定要件に該当しない患者が、当該治療室に入院した場合には、入院基本料等を算定する。

この際、入院基本料等を算定する場合の費用の請求については、区分番号「A300」の救命救急入院料の(16)と同様であること。

A301-2 ハイケアユニット入院医療管理料(1日につき)

1 ハイケアユニット入院医療管理料1 6,855点

2 ハイケアユニット入院医療管理料2 4,224点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、必要があってハイケアユニット入院医療管理が行われた場合に、当該基準に係る区分に従い、21日を限度として算定する。

2 第1章基本診療料並びに第2章第3部検査、第6部注射、第9部処置及び第13部病理診断のうち次に掲げるものは、ハイケアユニット入院医療管理料に含まれるものとする。

イ 入院基本料

ロ 入院基本料等加算(臨床研修病院入院診療加算、超急性期脳卒中加算、妊産婦緊急搬送入院加算、医師事務作業補助体制加算、地域加算、離島加算、精神科リエゾンチーム加算、がん拠点病院加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、重症患者初期支援充実加算、報告書管理体制加算、褥瘡ハイリスク患者ケア加算、術後疼痛管理チーム加算、病棟薬剤業務実施加算2、データ提出加算、入退院支援加算(1のイ及び3に限る。)、認知症ケア加算、せん妄ハイリスク患者ケア加算、精神疾患診療体制加算、排尿自立支援加算及び地域医療体制確保加算を除く。)

ハ 第2章第3部の各区分の検査(同部第1節第2款の検体検査判断料を除く。)

ニ 点滴注射

ホ 中心静脈注射

ヘ 酸素吸入(使用した酸素及び窒素の費用を除く。)

ト 留置カテーテル設置

チ 第13部第1節の病理標本作製料

3 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病室に入院している患者に対して、入室後早期から離床等に必要な治療を行った場合に、早期離床・リハビリテーション加算として、入室した日から起算して14日を限度として500点を所定点数に加算する。この場合において、同一日に区分番号H000に掲げる心大血管疾患リハビリテーション料、H001に掲げる脳血管疾患等リハビリテーション料、H001-2に掲げる廃用症候群リハビリテーション料、H002に掲げる運動器リハビリテーション料、H003に掲げる呼吸器リハビリテーション料、H007に掲げる障害児(者)リハビリテーション料及びH007-2に掲げるがん患者リハビリテーション料は、算定できない。

4 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病室に入院している患者に対して、入室後早期から必要な栄養管理を行った場合に、早期栄養介入管理加算として、入室した日から起算して7日を限度として250点(入室後早期から経腸栄養を開始した場合は、当該開始日以降は400点)を所定点数に加算する。ただし、区分番号B001の10に掲げる入院栄養食事指導料は別に算定できない。

 通知
(1) ハイケアユニット入院医療管理料の算定対象となる患者は、次に掲げる状態に準じる状態にあって、医師がハイケアユニット入院医療管理が必要であると認めた者であること。

ア 意識障害又は昏睡

イ 急性呼吸不全又は慢性呼吸不全の急性増悪

ウ 急性心不全(心筋梗塞を含む。)

エ 急性薬物中毒

オ ショック

カ 重篤な代謝障害(肝不全、腎不全、重症糖尿病等)

キ 広範囲熱傷

ク 大手術後

ケ 救急蘇生後

コ その他外傷、破傷風等で重篤な状態

(2) 「注3」に規定する早期離床・リハビリテーション加算は、ハイケアユニット入院医療管理料を算定する病室に入室した患者に対する、早期離床・リハビリテーションチームによる総合的な離床の取組を評価したものであり、当該加算を算定する場合の取扱いは、区分番号「A301」の特定集中治療室管理料の(5)と同様であること。

(3) 「注4」に規定する早期栄養介入管理加算は、重症患者のハイケアユニット入院医療管理料を算定する病室への入室後、早期に管理栄養士が当該治療室の医師、看護師、薬剤師等と連携し、早期の経口移行・維持及び低栄養の改善等につながる栄養管理を評価したものであり、当該加算を算定する場合の取扱いは、区分番号「A301」の特定集中治療室管理料の(6)から(8)までと同様であること。

(4) ハイケアユニット入院医療管理料に係る算定要件に該当しない患者が、当該治療室に入院した場合には、入院基本料等を算定する。

この際、入院基本料等を算定する場合の費用の請求については、区分番号「A300」の救命救急入院料の(16)と同様であること。

A301-3 脳卒中ケアユニット入院医療管理料(1日につき) 6,013点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、脳梗塞、脳出血又はくも膜下出血の患者に対して、専門の医師等により組織的、計画的に脳卒中ケアユニット入院医療管理が行われた場合に、発症後14日を限度として算定する。

2 第1章基本診療料並びに第2章第3部検査、第6部注射、第9部処置及び第13部病理診断のうち次に掲げるものは、脳卒中ケアユニット入院医療管理料に含まれるものとする。

イ 入院基本料

ロ 入院基本料等加算(臨床研修病院入院診療加算、超急性期脳卒中加算、妊産婦緊急搬送入院加算、医師事務作業補助体制加算、地域加算、離島加算、精神科リエゾンチーム加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、重症患者初期支援充実加算、報告書管理体制加算、褥瘡ハイリスク患者ケア加算、病棟薬剤業務実施加算2、データ提出加算、入退院支援加算(1のイ及び3に限る。)、認知症ケア加算、せん妄ハイリスク患者ケア加算、精神疾患診療体制加算、排尿自立支援加算及び地域医療体制確保加算を除く。)

ハ 第2章第3部の各区分の検査(同部第1節第2款の検体検査判断料を除く。)

ニ 点滴注射

ホ 中心静脈注射

ヘ 酸素吸入(使用した酸素及び窒素の費用を除く。)

ト 留置カテーテル設置

チ 第13部第1節の病理標本作製料

3 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病室に入院している患者に対して、入室後早期から離床等に必要な治療を行った場合に、早期離床・リハビリテーション加算として、入室した日から起算して14日を限度として500点を所定点数に加算する。この場合において、同一日に区分番号H000に掲げる心大血管疾患リハビリテーション料、H001に掲げる脳血管疾患等リハビリテーション料、H001-2に掲げる廃用症候群リハビリテーション料、H002に掲げる運動器リハビリテーション料、H003に掲げる呼吸器リハビリテーション料、H007に掲げる障害児(者)リハビリテーション料及びH007-2に掲げるがん患者リハビリテーション料は、算定できない。

4 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病室に入院している患者に対して、入室後早期から必要な栄養管理を行った場合に、早期栄養介入管理加算として、入室した日から起算して7日を限度として250点(入室後早期から経腸栄養を開始した場合は、当該開始日以降は400点

 通知
(1) 脳卒中ケアユニット入院医療管理料の算定対象となる患者は、次に掲げる疾患であって、医師が脳卒中ケアユニット入院医療管理が必要であると認めた者であること。

ア 脳梗塞

イ 脳出血

ウ くも膜下出血

(2) 「注3」に規定する早期離床・リハビリテーション加算は、脳卒中ケアユニット入院医療管理料を算定する病室に入室した患者に対する、早期離床・リハビリテーションチームによる総合的な離床の取組を評価したものであり、当該加算を算定する場合の取扱いは、区分番号「A301」の特定集中治療室管理料の(5)と同様であること。

(3) 「注4」に規定する早期栄養介入管理加算は、重症患者の脳卒中ケアユニット入院医療管理料を算定する病室への入室後、早期に管理栄養士が当該治療室の医師、看護師、薬剤師等と連携し、早期の経口移行・維持及び低栄養の改善等につながる栄養管理を評価したものであり、あり、当該加算を算定する場合の取扱いは、区分番号「A301」の特定集中治療室管理料の(6)から(8)までと同様であること。

(4) 脳卒中ケアユニット入院医療管理料に係る算定要件に該当しない患者が、当該治療室に入院した場合には、入院基本料等を算定する。

この際、入院基本料等を算定する場合の費用の請求については、区分番号「A300」の救命救急入院料の(16)と同様であること。

A301-4 小児特定集中治療室管理料(1日につき)

1 7日以内の期間 16,317点

2 8日以上の期間 14,211点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、15歳未満の小児(児童福祉法第6条の2第3項に規定する小児慢性特定疾病医療支援の対象である場合は、20歳未満の者)に対し、必要があって小児特定集中治療室管理が行われた場合に、14日(急性血液浄化(腹膜透析を除く。)を必要とする状態、心臓手術ハイリスク群、左心低形成症候群、急性呼吸窮迫症候群又は心筋炎・心筋症のいずれかに該当する小児にあっては21日、体外式心肺補助( ECMO)を必要とする状態の小児にあっては 35日、手術を必要とする先天性心疾患の新生児にあっては55日)を限度として算定する。

2 第1章基本診療料並びに第2章第3部検査、第6部注射、第9部処置及び第13部病理診断のうち次に掲げるものは、小児特定集中治療室管理料に含まれるものとする。

イ 入院基本料

ロ 入院基本料等加算(臨床研修病院入院診療加算、超急性期脳卒中加算、医師事務作業補助体制加算、地域加算、離島加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、重症患者初期支援充実加算、報告書管理体制加算、褥瘡ハイリスク患者ケア加算、術後疼痛管理チーム加算、病棟薬剤業務実施加算2、データ提出加算、入退院支援加算(1のイ及び3に限る。)、精神疾患診療体制加算、排尿自立支援加算及び地域医療体制確保加算を除く。)

ハ 第2章第3部の各区分の検査(同部第1節第2款の検体検査判断料を除く。)

ニ 点滴注射

ホ 中心静脈注射

ヘ 酸素吸入(使用した酸素及び窒素の費用を除く。)

ト 留置カテーテル設置

チ 第13部第1節の病理標本作製料

3 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病 室に入院している患者に対して、入室後早期から離床等に必要な治療を行った場合に、早期離床・リハビリテーション加算として、入室した日から起算して14日を限度として500点を所定点数に加算する。この場合において、同一日に区分番号H000に掲げる心大血管疾患リハビリテーション料、H001に掲げる脳血管疾患等リハビリテーション料、H001-2に掲げる廃用症候群リハビリテーション料、H002に掲げる運動器リハビリテーション料、H003に掲げる呼吸器リハビリテーション料、H007に掲げる障害児(者)リハビリテーション料及びH007-2に掲げるがん患者リハビリテーション料は、算定できない。

4 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病室に入院している患者に対して、入室後早期から必要な栄養管理を行った場合に、早期栄養介入管理加算として、入室した日から起算して7日を限度として250点(入室後早期から経腸栄養を開始した場合は、当該開始日以降は400点)を所定点数に加算する。ただし、区分番号B001の10に掲げる入院栄養食事指導料は別に算定できない。

 通知
(1) 小児特定集中治療室管理料の算定対象となる患者は、15歳未満(児童福祉法第6条の2第2項に規定する小児慢性特定疾病医療支援の対象である場合は、20歳未満)であって、次に掲げる状態にあり、医師が特定集中治療室管理が必要であると認めた者であること。

ア 意識障害又は昏睡

イ 急性呼吸不全又は慢性呼吸不全の急性増悪

ウ 急性心不全(心筋梗塞を含む。)

エ 急性薬物中毒

オ ショック

カ 重篤な代謝障害(肝不全、腎不全、重症糖尿病等)

キ 広範囲熱傷

ク 大手術後

ケ 救急蘇生後

コ その他外傷、破傷風等で重篤な状態

なお、小児慢性特定疾病医療支援の対象患者については、当該病棟の対象となる年齢以降を見据えた診療体制の構築や診療計画の策定等に留意すること。

(3) 「注1」に掲げる手術を必要とする先天性心疾患の新生児とは、当該入院期間中に新生児であったものを含むものとする。

(4) 「注3」に規定する早期離床・リハビリテーション加算は、小児特定集中治療室管理料を算定する病室に入室した患者に対する早期離床・リハビリテーションチームによる総合的な離床の取組を評価したものであり、当該加算を算定する場合の取扱いは、区分番号「A301」の特定集中治療室管理料の(5)と同様であること。

(5) 「注4」に規定する早期栄養介入管理加算は、重症患者の小児特定集中治療室管理料を算定する病室への入室後、早期に管理栄養士が当該集中治療室の医師、看護師、薬剤師等と連携し、早期の経口移行・維持及び低栄養の改善等につながる栄養管理を評価したものであり、当該加算を算定する場合の取扱いは、区分番号「A301」の特定集中治療室管理料の(6)から(8)までと同様であること。

(6) 小児特定集中治療室管理料に係る算定要件に該当しない患者が、当該治療室に入院した場合には、入院基本料等を算定する。

この際、入院基本料等を算定する場合の費用の請求については、区分番号「A300」の救命救急入院料の(16)と同様であること。

A302 新生児特定集中治療室管理料(1日につき)

1 新生児特定集中治療室管理料1 10,539点

2 新生児特定集中治療室管理料2 8,434点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、必要があって新生児特定集中治療室管理が行われた場合に、当該基準に係る区分に従い、区分番号A303の2に掲げる新生児集中治療室管理料及び区分番号A303-2に掲げる新生児治療回復室入院医療管理料を算定した期間と通算して21日(出生時体重が1,500グラム以上であって、別に厚生労働大臣が定める疾患を主病として入院している新生児にあっては35日、出生時体重が1,000グラム未満の新生児にあっては90日(出生時体重が50 0グラム以上750グラム未満であって慢性肺疾患の新生児にあっては105日、出生時体重が500グラム未満であって慢性肺疾患の新生児にあっては110日)、出生時体重が1,000グラム以上1,50 0グラム未満の新生児にあっては60日)を限度として、それぞれ所定点数を算定する。

2 第1章基本診療料並びに第2章第3部検査、第6部注射、第9部処置及び第13部病理診断のうち次に掲げるものは、新生児特定集中治療室管理料に含まれるものとする。

イ 入院基本料

ロ 入院基本料等加算(臨床研修病院入院診療加算、超急性期脳卒中加算、医師事務作業補助体制加算、地域加算、離島加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、重症患者初期支援充実加算、報告書管理体制加算、褥瘡ハイリスク患者ケア加算、病棟薬剤業務実施加算2、データ提出加算、入退院支援加算(1のイ及び3に限る。)、排尿自立支援加算及び地域医療体制確保加算を除く。)

ハ 第2章第3部の各区分の検査(同部第1節第2款の検体検査判断料を除く。)

ニ 点滴注射

ホ 中心静脈注射

ヘ 酸素吸入(使用した酸素及び窒素の費用を除く。)

ト インキュベーター(使用した酸素及び窒素の費用を除く。)

チ 第13部第1節の病理標本作製料

 通知
(1) 新生児特定集中治療室管理料の算定対象となる新生児は、次に掲げる状態にあって、医師が新生児特定集中治療室管理が必要であると認めた者であること。

ア 高度の先天奇形

イ 低体温

ウ 重症黄疸

エ 未熟児

オ 意識障害又は昏睡

カ 急性呼吸不全又は慢性呼吸不全の急性増悪

キ 急性心不全(心筋梗塞を含む。)

ク 急性薬物中毒

ケ ショック

コ 重篤な代謝障害(肝不全、腎不全、重症糖尿病等)

サ 大手術後

シ 救急蘇生後

ス その他外傷、破傷風等で重篤な状態

(2) 新生児特定集中治療室管理料に係る算定要件に該当しない患者が、当該治療室に入院した場合には、入院基本料等を算定する。

この際、入院基本料等を算定する場合の費用の請求については、区分番号「A300」の救命救急入院料の(16)と同様であること。

(3) 新生児特定集中治療室管理料を算定する場合は、(1)のアからスまでのいずれに該当するかを診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

A303 総合周産期特定集中治療室管理料(1日につき)

1 母体・胎児集中治療室管理料 7,381点

2 新生児集中治療室管理料 10,539点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、必要があって総合周産期特定集中治療室管理が行われた場合に、1については妊産婦である患者に対して14日を限度として、2については新生児である患者に対して区分番号A302に掲げる新生児特定集中治療室管理料及び区分番号A303-2に掲げる新生児治療回復室入院医療管理料を算定した期間と通算して21日(出生時体重が1,500グラム以上であって、別に厚生労働大臣が定める疾患を主病として入院している新生児にあっては35日、出生時体重が1,000グラム未満の新生児にあっては90日(出生時体重が500グラム以上750グラム未満であって慢性肺疾患の新生児にあっては105日、出生時体重が500グラム未満であって慢性肺疾患の新生児にあっては110日)、出生時体重が1,000グラム以上1,500グラム未満の新生児にあっては60日)を限度として、それぞれ所定点数を算定する。

2 第1章基本診療料並びに第2章第3部検査、第6部注射、第9部処置及び第13部病理診断のうち次に掲げるものは、総合周産期特定集中治療室管理料(ロに掲げる術後疼痛管理チーム加算及びトにあっては母体・胎児集中治療室管理料に限り、チにあっては新生児集中治療室管理料に限る。)に含まれるものとする。

イ 入院基本料

ロ 入院基本料等加算(臨床研修病院入院診療加算、超急性期脳卒中加算、妊産婦緊急搬送入院加算、医師事務作業補助体制加算、地域加算、離島加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、重症患者初期支援充実加算、報告書管理体制加算、褥瘡ハイリスク患者ケア加算、術後疼痛管理チーム加算、病棟薬剤業務実施加算2、データ提出加算、入退院支援加算(1のイ及び3に限る。)、精神疾患診療体制加算、排尿自立支援加算及び地域医療体制確保加算を除く。)

ハ 第2章第3部の各区分の検査(同部第1節第2款の検体検査判断料を除く。)

ニ 点滴注射

ホ 中心静脈注射

ヘ 酸素吸入(使用した酸素及び窒素の費用を除く。)

ト 留置カテーテル設置

チ インキュベーター(使用した酸素及び窒素の費用を除く。)

リ 第13部第1節の病理標本作製料

3 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、胎児が重篤な状態であると診断された、又は疑われる妊婦に対して、当該保険医療機関の医師、助産師、看護師、社会福祉士、公認心理師等が共同して必要な支援を行った場合に、成育連携支援加算として、入院中1回に限り、1,200点を所定点数に加算する。

 通知
(1) 総合周産期特定集中治療室管理料は、出産前後の母体及び胎児並びに新生児の一貫した管理を行うため、都道府県知事が適当であると認めた病院であって、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合していると地方厚生(支)局長に届出を行った病院である保険医療機関に限って算定できる。

(2) 「1」の母体・胎児集中治療室管理料の算定対象となる妊産婦は、次に掲げる疾患等のため母体又は胎児に対するリスクの高い妊娠と認められる妊産婦であって、医師が、常時十分な監視のもとに適時適切な治療を行うために母体・胎児集中治療室管理が必要であると認めたものであること。なお、妊産婦とは、産褥婦を含むものであること。

ア 合併症妊娠

イ 妊娠高血圧症候群

ウ 多胎妊娠

エ 胎盤位置異常

オ 切迫流早産

カ 胎児発育遅延や胎児奇形などの胎児異常を伴うもの

(3) 「2」の新生児集中治療室管理料の算定対象となる新生児は、区分番号「A302」新生児特定集中治療室管理料の(1)に掲げる状態にあって、医師が新生児集中治療室管理が必要であると認めたものであること。

(4) 「注3」の成育連携支援加算については、胎児が重篤な状態であると診断された、又は疑われる妊婦が入院している場合に、当該保険医療機関の医師、助産師、看護師、社会福祉士及び公認心理師等が共同して、胎児の疾患に係る十分な情報提供その他必要な支援を行った場合に、入院中1回に限り算定する。なお、ここでいう胎児が重篤な状態とは、以下のものである。

ア 先天奇形

イ 染色体異常

ウ 出生体重1,500g未満

(5) 「注3」の成育連携支援加算について、対象となる妊婦とその家族等に対し、分娩方針、母胎の病状、胎児の予後、出生後必要となる治療及び出生後利用可能な福祉サービス等について、十分な説明を行うこと。また、当該説明内容は、成育連携チーム及び必要に応じ関係職種が共同してカンファレンスを行った上で決定するものとし、妊婦又はその家族等に対し、文書により行うとともに、その写しを診療録に添付すること。なお、妊婦とその家族等の求めがあった場合には、懇切丁寧に対応すること。

(6) 平成31年4月1日から当分の間、以下のいずれかの要件に該当する者は、公認心理師とみなす。

ア 平成31年3月31日時点で、臨床心理技術者として保険医療機関に従事していた者

イ 公認心理師に係る国家試験の受験資格を有する者

(7) 総合周産期特定集中治療室管理料に係る算定要件に該当しない患者が、当該治療室に入院した場合には、入院基本料等を算定する。

この際、入院基本料等を算定する場合の費用の請求については、区分番号「A300」の救命救急入院料の(16)と同様であること。

(8) 「1」の母体・胎児集中治療室管理料を算定する場合は、(2)のアからカまでのいずれに該当するかを診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

「2」の新生児集中治療室管理料を算定する場合は、区分番号「A302」新生児特定集中治療室管理料の(1)のアからスまでのいずれに該当するかを診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

A303-2 新生児治療回復室入院医療管理料(1日につき)5,697点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、必要があって新生児治療回復室入院医療管理が行われた場合に、区分番号A302に掲げる新生児特定集中治療室管理料及び区分番号A303の2に掲げる新生児集中治療室管理料を算定した期間と通算して30日(出生時体重が1,500グラム以上であって、別に厚生労働大臣が定める疾患を主病として入院している新生児にあっては50日、出生時体重が 1,000グラム未満の新生児にあっては120日(出生時体重が500グラム以上750グラム未満であって慢性肺疾患の新生児にあっては135日、出生時体重が500グラム未満であって慢性肺疾患の新生児にあっては140日)、出生時体重が1,000グラム以上1,500グラム未満の新生児にあっては90日)を限度として算定する。

2 第1章基本診療料並びに第2章第3部検査、第6部注射、第9部処置及び第13部病理診断のうち次に掲げるものは、新生児治療回復室入院医療管理料に含まれるものとする。

イ 入院基本料

ロ 入院基本料等加算(臨床研修病院入院診療加算、超急性期脳卒中加算、医師事務作業補助体制加算、地域加算、離島加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、重症患者初期支援充実加算、報告書管理体制加算、褥瘡ハイリスク患者ケア加算、データ提出加算、入退院支援加算(1のイ及び3に限る。)、排尿自立支援加算及び地域医療体制確保加算を除く。)

ハ 第2章第3部の各区分の検査(同部第1節第2款の検体検査判断料を除く。)

ニ 点滴注射

ホ 中心静脈注射

ヘ 酸素吸入(使用した酸素及び窒素の費用を除く。)

ト インキュベーター(使用した酸素及び窒素の費用を除く。)

チ 第13部第1節の病理標本作製料

 通知
(1) 新生児治療回復室入院医療管理料は、集中的な医療を必要とする新生児に対して十分な体制を整えた治療室において医療管理を行った場合に算定する。

(2) 新生児治療回復室入院医療管理料の算定対象となる新生児は、次に掲げる状態にあって、医師が入院医療管理が必要であると認めた者である。

ア 高度の先天奇形

イ 低体温

ウ 重症黄疸

エ 未熟児

オ 意識障害又は昏睡

カ 急性呼吸不全又は慢性呼吸不全の急性増悪

キ 急性心不全(心筋梗塞を含む。)

ク 急性薬物中毒

ケ ショック

コ 重篤な代謝障害(肝不全、腎不全、重症糖尿病等)

サ 大手術後

シ 救急蘇生後

ス その他外傷、破傷風等で重篤な状態

(3) 新生児治療回復室入院医療管理料に係る算定要件に該当しない患者が、当該治療室に入院した場合には、入院基本料等を算定する。

この際、入院基本料等を算定する場合の費用の請求については、区分番号「A300」の救命救急入院料の(16)と同様であること。

(4) 新生児治療回復室入院医療管理料を算定する場合は、(2)のアからスまでのいずれに該当するかを診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

A304 削除

A305 一類感染症患者入院医療管理料(1日につき)

1 14日以内の期間 9,371点

2 15日以上の期間 8,108点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た感染症法第6条第13項に規定する特定感染症指定医療機関又は同条第 14項に規定する第一種感染症指定医療機関である保険医療機関において、別に厚生労働大臣が定める感染症患者に対して入院医療管理が行われた場合に算定する。なお、同法第19条及び第20条の規定に係る入院の期間を超えた期間は算定しない。

2 第1章基本診療料並びに第2章第9部処置及び第13部病理診断のうち次に掲げるものは、一類感染症患者入院医療管理料に含まれるものとする。

イ 入院基本料

ロ 入院基本料等加算(臨床研修病院入院診療加算、超急性期脳卒中加算、妊産婦緊急搬送入院加算、医師事務作業補助体制加算、地域加算、離島加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、報告書管理体制加算、褥瘡ハイリスク患者ケア加算、データ提出加算、入退院支援加算(1のイに限る。)、排尿自立支援加算及び地域医療体制確保加算を除く。)

ハ 酸素吸入(使用した酸素及び窒素の費用を除く。)

ニ 留置カテーテル設置

ホ 第13部第1節の病理標本作製料

 通知
(1) 一類感染症患者入院医療管理料の算定対象となる患者は、次に掲げる患者であって、医師が一類感染症患者入院医療管理が必要と認めた者であること。

ア 感染症法第6条第9項に規定する新感染症又は同法第6条第2項に規定する一類感染症に罹患している患者

イ アの感染症の疑似症患者又は無症状病原体保有者

(2) 一類感染症患者入院医療管理料に係る算定要件に該当しない患者が、当該治療室に入院した場合には、入院基本料等を算定する。

この際、入院基本料等を算定する場合の費用の請求については、区分番号「A300」の救命救急入院料の(16)と同様であること。

A306 特殊疾患入院医療管理料(1日につき) 2,070点

注1 重度の障害者(重度の意識障害者を含む。)、筋ジストロフィー患者又は難病患者等を主として入院させる病室に関する別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして、地方厚生局長等に届け出た保険医療機関(療養病棟入院基本料、障害者施設等入院基本料、特殊疾患入院施設管理加算又は特殊疾患病棟入院料を算定する病棟を有しないものに限る。)に入院している患者について、所定点数を算定する。

2 当該病室に入院している患者が人工呼吸器を使用している場合は、1日につき所定点数に600点を加算する。

3 当該患者が、他の保険医療機関から転院してきた者であって、当該他の保険医療機関において区分番号A246に掲げる入退院支援加算3を算定したものである場合には、重症児(者)受入連携加算として、入院初日に限り2,000点を所定点数に加算する。

4 当該病室に入院する重度の意識障害(脳卒中の後遺症であるものに限る。)の患者であって、基本診療料の施設基準等第5の3(1)のロに規定する医療区分2の患者又は第5の3(2)のトに規定する医療区分1の患者に相当するものについては、注1の規定にかかわらず、次に掲げる点数をそれぞれ算定する。

イ 医療区分2の患者に相当するもの 1,909点

ロ 医療区分1の患者に相当するもの 1,743点

5 診療に係る費用(注2及び注3に規定する加算、第2節に規定する臨床研修病院入院診療加算、超急性期脳卒中加算、医師事務作業補助体制加算、超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算、地域加算、離島加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、報告書管理体制加算、データ提出加算、入退院支援加算(1のロ及び2のロに限る。)、認知症ケア加算、排尿自立支援加算並びに除外薬剤・注射薬の費用を除く。)は、特殊疾患入院医療管理料に含まれるものとする。

6 当該病室に入院する脳卒中又は脳卒中の後遺症の患者(重度の意識障害者、筋ジストロフィー患者及び難病患者等を除く。)であって、基本診療料の施設基準等第5の3(1)のロに規定する医療区分2の患者又は第5の3(2)のトに規定する医療区分1の患者に相当するものについては、注1の規定にかかわらず、次に掲げる点数をそれぞれ算定する。

イ 医療区分2の患者に相当するもの1,717点

ロ 医療区分1の患者に相当するもの1,569点

 通知
(1) 特殊疾患入院医療管理料を算定する病室は、主として長期にわたり療養の必要な患者が入院する病室であり、医療上特に必要がある場合に限り他の病室への患者の移動は認められるが、その医療上の必要性について診療報酬明細書の摘要欄に詳細に記載する。

(2) 特殊疾患入院医療管理料を算定する日に使用するものとされた投薬に係る薬剤料は、特殊疾患入院医療管理料に含まれ、別に算定できない。

(3) 特殊疾患入院医療管理料を算定している患者に対して、1日5時間を超えて体外式陰圧人工呼吸器を使用した場合は、「注2」の加算を算定できる。

(4) 「注2」に掲げる加算を算定する際に使用した酸素及び窒素の費用は、「酸素及び窒素の価格」(平成2年厚生省告示第41号)に定めるところによる。

(5) 「注3」に掲げる重症児(者)受入連携加算は、集中治療を経た新生児等を急性期の保険医療機関から受け入れ、病態の安定化のために密度の高い医療を提供することを評価したものであり、入院前の保険医療機関において入退院支援加算3が算定された患者を、特殊疾患入院医療管理料を算定する病床において受け入れた場合に入院初日に算定する。なお、ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。

(6) 「注4」に定める脳卒中を原因とする重度の意識障害によって当該病室に入院するもの及び「注6」に定める脳卒中又は脳卒中の後遺症の患者(重度の意識障害者、筋ジストロフィー患者及び難病患者等を除く。)については、区分番号「A101」の療養病棟入院基本料における医療区分(1日に2つ以上の区分に該当する場合には、該当するもののうち最も高い点数の区分)に従い、当該患者ごとに各医療区分に相当する所定点数を算定する。その際、当該患者の疾患及び状態の該当する医療区分の項目について、保険医療機関において診療録等に記録する。

(7) 平成28年3月31日時点で、継続して6か月以上脳卒中を原因とする重度の意識障害によって特殊疾患入院医療管理料を算定する病室に入院している患者であって、引き続き同病室に入院しているもの及び令和4年3月31日時点で脳卒中又は脳卒中の後遺症により特殊疾患入院医療管理料を算定する病棟に入院している患者(重度の意識障害者、筋ジストロフィー患者及び難病患者等を除く。)であって、引き続き同病棟に入院しているものについては、医療区分3に相当するものとみなす。なお、脳卒中を原因とする重度の意識障害によって特殊疾患入院医療管理料を算定する病室に入院している患者であって、その疾患及び状態等が医療区分3に規定する疾患及び状態等に相当するものについては、注4によらず、特殊疾患入院医療管理料に規定する所定点数を算定すること。

A307 小児入院医療管理料(1日につき)

1 小児入院医療管理料1 4,750点

2 小児入院医療管理料2 4,224点

3 小児入院医療管理料3 3,803点

4 小児入院医療管理料4 3,171点

5 小児入院医療管理料5 2,206点

注1 別に厚生労働大臣の定める小児を入院させる病棟又は施設に関する基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た小児科を標榜する保険医療機関の病棟(療養病棟を除く。)に入院している15歳未満の小児(児童福祉法第6条の2第3項に規定する小児慢性特定疾病医療支援の対象である場合は、20歳未満の者)について、当該基準に係る区分に従い、所定点数を算定する。ただし、小児入院医療管理料5を算定する病棟において、当該入院医療管理料に係る算定要件に該当しない患者が当該病棟(精神病棟に限る。)に入院した場合は、区分番号 A103に掲げる精神病棟入院基本料の15対1入院基本料の例により算定する。

2 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関の病棟において小児入院医療管理が行われた場合は、1日につき100点を所定点数に加算する。

3 当該病棟に入院している患者が人工呼吸器を使用している場合は、人工呼吸器使用加算として、1日につき600点を所定点数に加算する。

4 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関に入院している患者(小児入院医療管理料3、小児入院医療管理料4又は小児入院医療管理料5を算定している患者に限る。)について、重症児受入体制加算として、1日につき200点を所定点数に加算する。

5 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関の病室において、造血幹細胞移植を実施する患者に対して、治療上の必要があって無菌治療室管理が行われた場合は、当該基準に係る区分に従い、90日を限度として、1日につき次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。ただし、区分番号A221-2小児療養環境特別加算を算定する場合は算定しない。

イ無菌治療管理加算12,000点

ロ無菌治療管理加算21,500点

6 当該病棟に入院している児童福祉法第6条の2第3項に規定する小児慢性特定疾病医療支援の対象である患者又は同法第56条の6第2項に規定する障害児である患者について、当該保険医療機関の医師又は当該医師の指示に基づき薬剤師が、退院に際して当該患者又はその家族等に対して、退院後の薬剤の服用等に関する必要な指導を行った上で、保険薬局に対して、当該患者又はその家族等の同意を得て、当該患者に係る調剤に際して必要な情報等を文書により提供した場合は、退院時薬剤情報管理指導連携加算として、退院の日に1回に限り、150点を所定点数に加算する。

7 患者に対する支援体制につき別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関の病棟に入院している患者について、養育支援体制加算として、入院初日に限り300点を所定点数に加算する。

8 当該保険医療機関が表示する診療時間以外の時間、休日又は深夜において、緊急に入院を必要とする小児患者を受け入れる体制の確保につき別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関の病棟に入院している患者(小児入院医療管理料1又は小児入院医療管理料2を現に算定している患者に限る。)について、当該基準に係る区分に従い、入院初日に限り、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。

イ時間外受入体制強化加算1300点

ロ時間外受入体制強化加算2180点

9 診療に係る費用(注2、注3及び注5から注8までに規定する加算並びに当該患者に対して行った第2章第2部第2節在宅療養指導管理料、第3節薬剤料、第4節特定保険医療材料料、第5部投薬、第6部注射、第10部手術、第11部麻酔、第12部放射線治療及び第13部第2節病理診断・判断料の費用並びに第2節に規定する臨床研修病院入院診療加算、超急性期脳卒中加算、在宅患者緊急入院診療加算、医師事務作業補助体制加算、超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算、地域加算、離島加算、小児療養環境特別加算、緩和ケア診療加算、がん拠点病院加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、報告書管理体制加算、褥瘡ハイリスク患者ケア加算、術後疼痛管理チーム加算、病棟薬剤業務実施加算1、データ提出加算、入退院支援加算(1のイ及び3に限る。)、精神疾患診療体制加算、排尿自立支援加算及び地域医療体制確保加算を除く。)は、小児入院医療管理料1及び小児入院医療管理料2に含まれるものとする。

10 診療に係る費用(注2から注7までに規定する加算並びに当該患者に対して行った第2章第2部第2節在宅療養指導管理料、第3節薬剤料、第4節特定保険医療材料料、第5部投薬、第6部注射、第10部手術、第11部麻酔、第12部放射線治療及び第13部第2節病理診断・判断料の費用並びに第2節に規定する臨床研修病院入院診療加算、超急性期脳卒中加算、在宅患者緊急入院診療加算、医師事務作業補助体制加算、超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算、地域加算、離島加算、小児療養環境特別加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、報告書管理体制加算、褥瘡ハイリスク患者ケア加算、術後疼痛管理チーム加算、病棟薬剤業務実施加算1、データ提出加算、入退院支援加算(1のイ及び3に限る。)、精神疾患診療体制加算、排尿自立支援加算及び地域医療体制確保加算を除く。)は、小児入院医療管理料3及び小児入院医療管理料4に含まれるものとする。

11 診療に係る費用(注2から注7までに規定する加算並びに当該患者に対して行った第2章第2部第2節在宅療養指導管理料、第3節薬剤料、第4節特定保険医療材料料、第5部投薬、第6部注射、第10部手術、第11部麻酔、第12部放射線治療及び第13部第2節病理診断・判断料の費用並びに第2節に規定する臨床研修病院入院診療加算、超急性期脳卒中加算、在宅患者緊急入院診療加算、医師事務作業補助体制加算、超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算、地域加算、離島加算、小児療養環境特別加算、強度行動障害入院医療管理加算、摂食障害入院医療管理加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、報告書管理体制加算、褥瘡ハイリスク患者ケア加算、術後疼痛管理チーム加算、病棟薬剤業務実施加算1、データ提出加算、入退院支援加算(1のイ及び3に限る。)、精神疾患診療体制加算(精神病棟を除く。)及び排尿自立支援加算を除く。)は、小児入院医療管理料5に含まれるものとする。

 通知
(1) 小児入院医療管理料は、届け出た保険医療機関における入院中の15歳未満の患者(児童福祉法第6条の2第3項に規定する小児慢性特定疾病医療支援の対象である場合は、20歳未満の患者)を対象とする。ただし、当該患者が他の特定入院料を算定できる場合は、小児入院医療管理料は算定しない。

なお、小児慢性特定疾病医療支援の対象患者については、当該病棟の対象となる年齢以降を見据えた診療体制の構築や診療計画の策定等に留意すること。

(2) 「注2」に掲げる加算については、当該入院医療管理料を算定する病棟において算定するものであるが、小児入院医療管理料5を算定する医療機関にあっては、院内の当該入院医療管理料を算定する患者の全てについて算定できる。

(3) 「注3」に掲げる加算を算定する際に使用した酸素及び窒素の費用は、「酸素及び窒素の価格」に定めるところによる。

(4) 「注4」に規定する重症児受入体制加算は、高度急性期の医療機関から集中治療を経た新生児の受入れを行う等、重症児の受入機能が高い病棟を評価したものである。

(5) 小児入院医療管理料を算定している患者に対して、1日5時間を超えて体外式陰圧人工呼吸器を使用した場合は、「注3」の加算を算定できる。

(6) 小児入院医療管理料1から4までにおいて、当該入院医療管理料に係る算定要件に該当しない患者が当該病棟に入院した場合には、当該医療機関が算定している入院基本料等を算定する。この際、入院基本料等を算定する場合の費用の請求については、区分番号「A300」の救命救急入院料の(16)と同様であること。

(7) 小児入院医療管理料5において、当該入院医療管理料に係る算定要件に該当しない患者が当該病棟(精神病棟に限る。)に入院した場合は、精神病棟入院基本料の15対1入院基本料を算定する。

(8) (7)により、区分番号「A103」の精神病棟入院基本料の例により算定する場合の費用の請求については、当該保険医療機関に入院した日を入院初日として、以下のとおりとする。

ア 区分番号「A103」精神病棟入院基本料の「注4」に規定する重度認知症加算は算定することができない。

イ 区分番号「A103」精神病棟入院基本料の「注5」に規定する救急支援精神病棟初期加算は算定することができない。

ウ 区分番号「A103」精神病棟入院基本料の「注6」に規定する加算について、当該病棟において各加算の要件を満たしている場合に算定できる。

エ 区分番号「A103」精神病棟入院基本料の「注7」に規定する精神保健福祉士配置加算は算定することができない。

(9) 「注5」に規定する無菌治療管理加算1及び2については、保険医療機関において、造血幹細胞移植を実施する患者に対して、必要があって無菌治療室管理を行った場合に、一連の治療につき、90日を限度として算定する。

なお、無菌治療室管理とは、当該治療室において、医師等の立入等の際にも無菌状態が保たれるよう必要な管理をいう。

(10) 「注6」に規定する退院時薬剤情報管理指導連携加算は、当該保険医療機関の医師又は医師の指示に基づき薬剤師が、小児慢性特定疾病の児童等又は医療的ケア児の退院時に、当該患者又はその家族等に対し退院後の薬剤の服用等に関する必要な指導を行い、当該患者又はその家族等の同意を得て、患者又はその家族等が選択する保険薬局に対して当該患者の調剤に関して必要な情報等を文書により提供した場合に、退院の日に1回に限り算定する。保険薬局への情報提供に当たっては、「薬剤管理サマリー(小児版)」(日本病院薬剤師会)等の様式を参照して、以下の事項を記載した情報提供文書を作成し、作成した文書の写しを診療録等に添付すること。

ア 患者の状態に応じた調剤方法

イ 服用状況に合わせた剤形変更に関する情報

ウ 服用上の工夫

エ 入院前の処方薬の変更又は中止に関する情報や変更又は中止後の患者の状態等に関する情報

(11) 当該文書の交付方法は、患者又はその家族等が選択する保険薬局に直接送付することに代えて、患者又はその家族等に交付し、患者又はその家族等が保険薬局に持参することでも差し支えない。

(12) 患者1人につき複数の保険薬局に対し情報提供を行った場合においても、1回のみの算定とする。また、死亡退院の場合は算定できない。

(13) 「注7」に規定する養育支援体制加算は、虐待等不適切な養育が行われていることが疑われる小児患者に対する必要な支援体制を評価するものであり、当該病棟に入院している患者について、入院初日に算定する。なお、ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。

(14) 「注8」に規定する時間外受入体制強化加算は、保険医療機関において、当該保険医療機関が表示する診療時間以外の時間、休日又は深夜において、緊急に入院を必要とする小児患者を受け入れる体制を確保していることを評価するものであり、当該病棟に入院している患者について、入院初日に算定する。なお、ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。

A308 回復期リハビリテーション病棟入院料(1日につき)

1 回復期リハビリテーション病棟入院料1 2,129点(生活療養を受ける場合にあっては、2,115点)

2 回復期リハビリテーション病棟入院料2 2,066点(生活療養を受ける場合にあっては、2,051点)

3 回復期リハビリテーション病棟入院料3 1,899点(生活療養を受ける場合にあっては、1,884点)

4 回復期リハビリテーション病棟入院料4 1,841点(生活療養を受ける場合にあっては、1,827点)

5 回復期リハビリテーション病棟入院料 51,678点(生活療養を受ける場合にあっては、1,664点)

注1 主として回復期リハビリテーションを行う病棟に関する別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして保険医療機関が地方厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者であって、別に厚生労働大臣が定める回復期リハビリテーションを要する状態にあるものについて、当該基準に係る区分に従い、当該病棟に入院した日から起算して、それぞれの状態に応じて別に厚生労働大臣が定める日数を限度として所定点数を算定する。ただし、当該病棟に入院した患者が当該入院料に係る算定要件に該当しない場合は、当該病棟が一般病棟であるときには区分番号A100に掲げる一般病棟入院基本料の注2に規定する特別入院基本料の例により、当該病棟が療養病棟であるときには区分番号A101に掲げる療養病棟入院料1の入院料I又は療養病棟入院料2の入院料Iの例により、それぞれ算定する。

2 回復期リハビリテーション病棟入院料を算定する患者(回復期リハビリテーション病棟入院料3、回復期リハビリテーション病棟入院料4又は回復期リハビリテーション病棟入院料5を現に算定している患者に限る。)が入院する保険医療機関について、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす場合(注1のただし書に規定する場合を除く。)は、休日リハビリテーション提供体制加算として、患者1人につき1日につき60点を所定点数に加算する。

3 診療に係る費用(注2及び注4に規定する加算、当該患者に対して行った第2章第1部医学管理等の区分番号B001の10に掲げる入院栄養食事指導料(回復期リハビリテーション病棟入院料1を算定するものに限る。)、第2部在宅医療、第7部リハビリテーションの費用(別に厚生労働大臣が定める費用を除く。)、第2節に規定する臨床研修病院入院診療加算、医師事務作業補助体制加算、地域加算、離島加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、報告書管理体制加算、データ提出加算、入退院支援加算(1のイに限る。)、認知症ケア加算、薬剤総合評価調整加算、排尿自立支援加算、区分番号J038に掲げかんる人工腎臓、区分番号J042に掲げる腹膜灌流、区分番号J400に掲げる特定保険医療材料(区分番号J038に掲げる人工腎臓又は区かん分番号J042に掲げる腹膜灌流に係るものに限る。)並びに除外薬剤・注射薬の費用を除く。)は、回復期リハビリテーション病棟入院料に含まれるものとする。

4 回復期リハビリテーション病棟入院料を算定する患者(回復期リハビリテーション病棟入院料1又は回復期リハビリテーション病棟入院料2を現に算定している患者に限る。)が入院する病棟について、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす場合(注1のただし書に規定する場合を除く。)は、当該基準に係る区分に従い、患者1人につき1日につき次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。

5 5については、算定を開始した日から起算して2年(回復期リハビリテーション病棟入院料1、回復期リハビリテーション病棟入院料2、回復期リハビリテーション病棟入院料3又は回復期リハビリテーション病棟入院料4を算定していた病棟にあっては、1年)を限度として算定する。

 通知

A308-2  削除

(1) 回復期リハビリテーション病棟は、脳血管疾患又は大腿骨頸部骨折等の患者に対して、ADLの向上による寝たきりの防止と家庭復帰を目的としたリハビリテーションを集中的に行うための病棟であり、回復期リハビリテーションを要する状態の患者が常時8割以上入院している病棟をいう。なお、リハビリテーションの実施に当たっては、医師は定期的な機能検査等をもとに、その効果判定を行いリハビリテーション実施計画書を作成する必要がある。

(2) 医療上特に必要がある場合に限り回復期リハビリテーション病棟から他の病棟への患者の移動は認められるが、その医療上の必要性について診療報酬明細書の摘要欄に詳細に記載する。

(3) 回復期リハビリテーション病棟入院料を算定する日に使用するものとされた投薬に係る薬剤料は、回復期リハビリテーション病棟入院料に含まれ、別に算定できない。

(4) 回復期リハビリテーション病棟入院料に係る算定要件に該当しない患者が、当該病棟に入院した場合には、当該病棟が一般病棟である場合は特別入院基本料を、当該病棟が療養病棟である場合は療養病棟入院基本料の入院料Iを算定する。

この場合において、当該病棟が回復期リハビリテーション病棟入院料1から4までを算定する病棟である場合は、療養病棟入院料1の入院料Ⅰにより、回復期リハビリテーション病棟入院料5を算定する病棟である場合は、療養病棟入院料2の入院料Iにより算定する。

この際、区分番号「A100」の注2に規定する特別入院基本料を算定する場合の費用の請求については、同「注4」に規定する重症児(者)受入連携加算、同「注5」に規定する救急・在宅等支援病床初期加算、同「注12」に規定するADL維持向上等体制加算は算定できず、同「注10」に規定する加算(特別入院基本料において算定できるものに限る。)は、当該病棟において要件を満たしている場合に算定できる。また、区分番号「A101」の療養病棟入院基本料を算定する場合の費用の請求については、区分番号「A100」一般病棟入院基本料の(9)に準ずるものとする。

(5) 必要に応じて病棟等における早期歩行、ADLの自立等を目的とした理学療法又は作業療法が行われることとする。

(6) 回復期リハビリテーション病棟入院料を算定している患者は、転院してきた場合においても、転院先の保険医療機関で当該入院料を継続して算定できることとする。ただし、その場合にあっては、当該入院料の算定期間を通算する。なお、診療報酬明細書の摘要欄に転院前の保険医療機関における当該入院料の算定日数を記載すること。

(7) 回復期リハビリテーション病棟入院料を算定するに当たっては、当該回復期リハビリテーション病棟への入院時又は転院時及び退院時に日常生活機能評価又はFIMの測定を行い、その結果について診療録等に記載すること。なお、区分番号「A246」入退院支援加算の注4に規定する地域連携診療計画加算を算定する患者が当該回復期リハビリテーション病棟入院料を算定する病棟に転院してきた場合には、原則として当該患者に対して作成された地域連携診療計画に記載された日常生活機能評価又はFIMの結果を入院時に測定された日常生活機能評価又はFIMとみなす。

(8) 回復期リハビリテーション病棟入院料を算定するに当たっては、当該入院料を算定する患者に対し、入棟後2週間以内に入棟時のFIM運動項目の得点について、また退棟(死亡の場合を除く。)に際して退棟時のFIM運動項目の得点について、その合計及び項目別内訳を記載したリハビリテーション実施計画書を作成し、説明すること。なお、患者の求めがあった場合には、作成したリハビリテーション実施計画書を交付すること。

(9) 医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士等の多職種が共同してリハビリテーション総合実施計画書を作成し、これに基づいて行ったリハビリテーションの効果、実施方法等について共同して評価を行った場合は、区分番号「H003-2」リハビリテーション総合計画評価料を算定できる。

(10) 「注2」に掲げる休日リハビリテーション提供体制加算は、患者が入院当初から集中的なリハビリテーションを継続して受けられるよう、休日であっても平日と同様のリハビリテーションの提供が可能な体制をとる保険医療機関を評価したものである。

(11) 「注3」に規定する「別に厚生労働大臣が定める費用」に係る取扱いについては、以下のとおりとする。

ア 基本診療料の施設基準等別表第九の三に規定する「当該保険医療機関における回復期リハビリテーション病棟においてリハビリテーションの提供実績を相当程度有する」場合とは、①及び②を各年度4月、7月、10月及び1月において算出し、①が10名以上かつ②が6単位以上である状態が2回連続した場合をいう。②の算出には、「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」別添4第11の1(8)に示した式において「直近1か月間」とあるものを「直近6か月間」と読み替えた計算式を用いる。

① 前月までの6か月間に回復期リハビリテーション病棟から退棟した患者数(ウ及びエの規定により計算対象から除外するものを除く。)

② 直近6か月間の回復期リハビリテーションを要する状態の患者(在棟中に死亡した患者、入棟日においてウの①から④までのいずれかに該当した患者及びエの規定によりリハビリテーション実績指数の計算対象から除外した患者を含む。)に対する1日当たりのリハビリテーション提供単位数の平均値

イ 基本診療料の施設基準等別表第九の三に規定する「効果に係る相当程度の実績が認められない場合」とは、前月までの6か月間に当該医療機関の回復期リハビリテーション病棟から退棟した患者(ウ及びエの規定によって計算対象から除外する患者を除く。)について、以下の①の総和を②の総和で除したもの(以下「リハビリテーション実績指数」という。)を各年度4月、7月、10月及び1月において算出し、リハビリテーション実績指数が2回連続して27を下回った場合をいう。

① 退棟時のFIM運動項目の得点から、入棟時のFIM運動項目の得点を控除したもの。

② 各患者の入棟から退棟までの日数を、「注1」に規定する厚生労働大臣が定める日数の上限のうち当該患者の入棟時の状態に応じたもので除したもの
[計算例] ① 前月までの6か月間に50人退棟し、入棟時にFIM運動項目が50点、退棟時に80点だったものが30人、入棟時にFIM運動項目が40点、退棟時に65点だったものが20人とすると、(80-50)×30+(65-40)×20=1,400
② 前月までの6か月間に50人退棟し、そのうち30人が大腿骨骨折手術後(回復期リハビリテーション病棟入院料の算定日数上限が90日)で実際には72日で退棟、残り20人が脳卒中(回復期リハビリテーション病棟入院料の算定日数上限が150日)で実際には135日で退棟したとすると、(72/90)×30+(135/150)×20=42
従って、この例ではリハビリテーション実績指数は①/②=33.3となる。

ウ 在棟中に一度も回復期リハビリテーション病棟入院料を算定しなかった患者及び在棟中に死亡した患者はリハビリテーション実績指数の算出対象から除外する。また、入棟日において次に該当する患者については、当該月の入棟患者数(入棟時に回復期リハビリテーションを要する状態であったものに限る。)の100分の30を超えない範囲で、リハビリテーション実績指数の算出対象から除外できる。ただし、次の⑤に該当する患者について算出対象から除外する場合であっても、当該患者に係るFIMの測定を行うこと。

① FIM運動項目の得点が20点以下のもの

② FIM運動項目の得点が76点以上のもの

③ FIM認知項目の得点が24点以下のもの

④ 年齢が80歳以上のもの

⑤ 基本診療料の施設基準等別表第九に掲げる「急性心筋梗塞、狭心症発作その他急性発症した心大血管疾患又は手術後の状態」に該当するもの

エ 前月までの6か月間に回復期リハビリテーション病棟を退棟した患者(在棟中に回復期リハビリテーション病棟入院料を算定した患者に限る。)の数に対する高次脳機能障害の患者(基本診療料の施設基準等別表第九に掲げる「高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害、重度の頸髄損傷及び頭部外傷を含む多部位外傷の場合」に該当し、回復期リハビリテーション病棟入院料を算定開始日から起算して180日まで算定できるものに限る。)の数の割合が4割以上である保険医療機関においては、当該月に入棟した高次脳機能障害の患者をリハビリテーション実績指数の算出から全て除外することができる。除外する場合、ウについては、「当該月の入棟患者数(入棟時に回復期リハビリテーションを要する状態であったものに限る。)の100分の30」を、「当該月の入棟患者数(入棟時に回復期リハビリテーションを要する状態であったものに限る。)のうち高次脳機能障害の患者を除いた患者数の100分の30」と読み替えるものとする。

オ ウ及びエの除外の判断に当たっては、除外した患者の氏名と除外の理由を一覧性のある台帳に順に記入するとともに、当該患者の入棟月の診療報酬明細書の摘要欄に、リハビリテーション実績指数の算出から除外する旨とその理由を記載する。

カ 在棟中にFIM運動項目の得点が1週間で10点以上低下したものについては、リハビリテーション実績指数の算出においては、当該低下の直前の時点をもって退棟したものとみなすことができる。

キ ア及びイによって算出した実績等から、「当該保険医療機関における回復期リハビリテーション病棟においてリハビリテーションの提供実績を相当程度有するとともに、効果に係る相当程度の実績が認められない場合」に該当した場合、当該月以降、1日につき6単位を超える疾患別リハビリテーション料(脳血管疾患等の患者であって発症後60日以内のものに対して行ったものを除く。)は回復期リハビリテーション病棟入院料に包括される。なお、その後、別の月(4月、7月、10月又は1月以外の月を含む。)において、アの①が10名未満、アの②が6単位未満、又はイのリハビリテーション実績指数が27以上となった場合、当該月以降、再び1日につき6単位を超える疾患別リハビリテーション料を出来高により算定することができる。

ク 回復期リハビリテーション病棟入院料を算定する保険医療機関は、各年度4月、7月、10月及び1月においてア及びイで算出した内容等について、毎年7月に別紙様式45を用いて地方厚生(支)局長に報告する。また、各年度4月、7月、10月及び1月において「当該保険医療機関における回復期リハビリテーション病棟においてリハビリテーションの提供実績を相当程度有するとともに、効果に係る相当程度の実績が認められない場合」に該当した場合及びキの規定によりその後、別の月(4月、7月、10月又は1月以外の月を含む。)にア及びイの算出を行った場合には、その都度同様に報告する。

(12) 「注4」に規定する体制強化加算1及び2は、患者の早期機能回復及び早期退院を促進するために、専従の医師及び専従の社会福祉士の配置を評価したものである。

(13) 回復期リハビリテーション病棟入院料1を算定するに当たっては、栄養管理に関するものとして、次に掲げる内容を行うこと。

ア 当該入院料を算定する全ての患者について、患者ごとに行うリハビリテーション実施計画又はリハビリテーション総合実施計画の作成に当たっては、管理栄養士も参画し、患者の栄養状態を十分に踏まえて行うこと。なお、リハビリテーション実施計画書又はリハビリテーション総合実施計画書における栄養関連項目については、必ず記載すること。

イ 当該入院料を算定する全ての患者について、管理栄養士を含む医師、看護師その他医療従事者が、入棟時の患者の栄養状態の確認、当該患者の栄養状態の定期的な評価及び栄養管理に係る計画の見直しを共同して行うこと。

ウ 当該入院料を算定する患者のうち、栄養障害の状態にあるもの又は栄養管理をしなければ栄養障害の状態になることが見込まれるものその他の重点的な栄養管理が必要なものについては、栄養状態に関する再評価を週1回以上行うとともに、再評価の結果も踏まえた適切な栄養管理を行い、栄養状態の改善等を図ること。

(14) 回復期リハビリテーション病棟入院料2から5を算定するに当たっては、専任の常勤管理栄養士を配置し、栄養管理に関するものとして、次に掲げる内容を行うことが望ましい。

ア 当該入院料を算定する全ての患者について、患者ごとに行うリハビリテーション実施計画書又はリハビリテーション総合実施計画書の作成に当たっては、管理栄養士も参画し、患者の栄養状態を十分に踏まえて行うとともに、リハビリテーション実施計画書又はリハビリテーション総合実施計画書における栄養関連項目に記載すること。

イ 当該入院料を算定する全ての患者について、管理栄養士を含む医師、看護師その他医療従事者が、入棟時の患者の栄養状態の確認、当該患者の栄養状態の定期的な評価及び計画の見直しを共同して行うこと。

ウ 当該入院料を算定する患者のうち、栄養障害の状態にあるもの又は栄養管理をしなければ栄養障害の状態になることが見込まれるものその他の重点的な栄養管理が必要なものについては、栄養状態に関する再評価を週1回以上行うとともに、再評価の結果も踏まえた適切な栄養管理を行い、栄養状態の改善等を図ること。

(15) 回復期リハビリテーション病棟入院料1を算定している患者については、区分番号「B001」の「10」入院栄養食事指導料を別に算定できる。

(16) 急性心筋梗塞等の患者(基本診療料の施設基準等別表第九に掲げる「急性心筋梗塞、狭心症発作その他急性発症した心大血管疾患又は手術後の状態」に該当する患者であって、回復期リハビリテーション病棟入院料を算定開始日から起算して90日まで算定できるものに限る。)については、「心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン」(日本循環器学会、日本心臓リハビリテーション学会合同ガイドライン)の内容を踏まえ、心肺運動負荷試験(CPX(cardiopulmonaryexercisetesting))を入棟時及び入棟後月に1回以上実施することが望ましい。

(17) 令和4年3月31日時点において、それぞれ回復期リハビリテーション病棟入院料5又は6を算定する病棟については、令和5年3月31日までの間に限り、改定前の算定方法の例により、それぞれ回復期リハビリテーション病棟入院料5又は6を算定できるものとする。なお、この場合において、翌日以降に当該病棟において改定後の回復期リハビリテーション病棟入院料5を算定する場合にあっては、令和6年3月31日までの間に限り、算定できるものとする。

(18) 令和4年4月1日以降に、新たに回復期リハビリテーション病棟入院料5を算定する病棟については、当該算定を行った日から起算して、2年の間に限り、また、回復期リハビリテーション病棟入院料1、2、3又は4を算定する病棟について、新たに回復期リハビリテーション病棟入院料5を算定しようとする場合にあっては、当該算定の日から起算して、1年の間に限り、当該入院料を算定できるものとする。

A308-3 地域包括ケア病棟入院料(1日につき)

1 地域包括ケア病棟入院料1 2,809点(生活療養を受ける場合にあっては、2,794点)

2 地域包括ケア入院医療管理料1 2,809点(生活療養を受ける場合にあっては、2,794点)

3 地域包括ケア病棟入院料2 2,620点(生活療養を受ける場合にあっては、2,605点)

4 地域包括ケア入院医療管理料2 2,620点(生活療養を受ける場合にあっては、2,605点)

5 地域包括ケア病棟入院料3 2,285点(生活療養を受ける場合にあっては、2,270点)

6 地域包括ケア入院医療管理料3 2,285点(生活療養を受ける場合にあっては、2,270点)

7 地域包括ケア病棟入院料4 2,076点(生活療養を受ける場合にあっては、2,060点)

8 地域包括ケア入院医療管理料4 2,076点(生活療養を受ける場合にあっては、2,060点)

注1 1、3、5及び7については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病棟を有する保険医療機関において、当該届出に係る病棟に入院している患者について、2、4、6及び8については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病室を有する保険医療機関において、当該届出に係る病室に入院している患者について、当該病棟又は病室に入院した日から起算して60日を限度としてそれぞれ所定点数(当該病棟又は病室に係る病床が療養病床である場合にあっては、別に厚生労働大臣が定める場合を除き、所定点数の100分の95に相当する点数)を算定する。ただし、当該病棟又は病室に入院した患者が地域包括ケア病棟入院料又は地域包括ケア入院医療管理料に係る算定要件に該当しない場合は、当該病棟又は病室を有する病棟が一般病棟であるときには区分番号A100に掲げる一般病棟入院基本料の注2に規定する特別入院基本料の例により、当該病棟又は病室を有する病棟が療養病棟であるときには区分番号A101に掲げる療養病棟入院料1の入院料I又は療養病棟入院料2の入院料Iの例により、それぞれ算定する。

2 医療提供体制の確保の状況に鑑み別に厚生労働大臣が定める地域に所在する保険医療機関であって、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病棟又は病室を有するものについては、注1に規定する届出の有無にかかわらず、地域包括ケア病棟入院料1(特定地域)、地域包括ケア入院医療管理料1(特定地域)、地域包括ケア病棟入院料2(特定地域)、地域包括ケア入院医療管理料2(特定地域)、地域包括ケア病棟入院料3(特定地域)、地域包括ケア入院医療管理料3(特定地域)、地域包括ケア病棟入院料4(特定地域)又は地域包括ケア入院医療管理料4(特定地域)について、所定点数に代えて、当該病棟又は病室に入院した日から起算して60日を限度として、1日につき、それぞれ2,433点、2,433点、2,244点、2,244点、1,984点、 1,984点、1,774点又は1,774点(生活療養を受ける場合にあっては、それぞれ2,418点、2,418点、2,230点、2,230点、1,970点、1,970点、1,760点又は1,760点)を算定することができる。ただし、当該病棟又は病室に入院した患者が地域包括ケア病棟入院料(特定地域)又は地域包括ケア入院医療管理料(特定地域)に係る算定要件に該当しない場合は、当該病棟又は病室を有する病棟が一般病棟であるときには区分番号A100に掲げる一般病棟入院基本料の注2に規定する特別入院基本料の例により、当該病棟又は病室を有する病棟が療養病棟であるときには区分番号A101に掲げる療養病棟入院料1の入院料I又は療養病棟入院料2の入院料Iの例により、それぞれ算定する。

3 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病棟又は病室に入院している患者については、看護職員配置加算として、1日につき150点を所定点数に加算する。

4 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病棟又は病室に入院している患者については、当該基準に係る区分に従い、次に掲げる点数をそれぞれ1日につき所定点数に加算する。

イ 看護補助者配置加算 160点

ロ 看護補助体制充実加算 165点

5 当該病棟又は病室に入院している患者のうち、急性期医療を担う他の保険医療機関の一般病棟から転院した患者又は当該保険医療機関(急性期医療を担う保険医療機関に限る。)の一般病棟から転棟した患者については、急性期患者支援病床初期加算として、介護老人保健施設、介護医療院、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム等又は自宅から入院した患者については、治療方針に関する患者又はその家族の意思決定に対する支援を行った場合に、在宅患者支援病床初期加算として、転棟若しくは転院又は入院した日から起算して14日を限度として、次に掲げる点数をそれぞれ1日につき所定点数に加算する。

イ 急性期患者支援病床初期加算

(1) 許可病床数が400床以上の保険医療機関の場合

① 他の保険医療機関(当該保険医療機関と特別の関係にあるものを除く。)の一般病棟から転棟した患者の場合150点

② ①の患者以外の患者の場合 50点

(2) 許可病床数が400床未満の保険医療機関の場合

① 他の保険医療機関(当該保険医療機関と特別の関係にあるものを除く。)の一般病棟から転棟した患者の場合 250点

② ①の患者以外の患者の場合 125点

ロ 在宅患者支援病床初期加算

(1) 介護老人保健施設から入院した患者の場合 500点

(2) 介護医療院、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム等又は自宅から入院した患者の場合 400点

6 診療に係る費用(注3から注5まで及び注7に規定する加算、第2節に規定する臨床研修病院入院診療加算、在宅患者緊急入院診療加算、医師事務作業補助体制加算、地域加算、離島加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、報告書管理体制加算、データ提出加算、入退院支援加算(1のイに限る。)、認知症ケア加算、薬剤総合評価調整加算並びに排尿自立支援加算、第2章第2部在宅医療、区分番号H004に掲げる摂食機能療法、区分番号J038に掲げる人工腎臓、区分かん番号J042に掲げる腹膜灌流、区分番号J400に掲げる特定保険医療材料(区分番号J038に掲げる人工腎臓又は区分番号J042にかん掲げる腹膜灌流に係るものに限る。)、第10部手術、第11部麻酔並びに除外薬剤・注射薬の費用を除く。)は、地域包括ケア病棟入院料1、地域包括ケア入院医療管理料1、地域包括ケア病棟入院料2、地域包括ケア入院医療管理料2、地域包括ケア病棟入院料3、地域包括ケア入院医療管理料3、地域包括ケア病棟入院料4及び地域包括ケア入院医療管理料4に含まれるものとする。

7 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病棟又は病室に入院している患者については、看護職員夜間配置加算として、1日(別に厚生労働大臣が定める日を除く。)につき70点を所定点数に加算する。

8 別に厚生労働大臣が定める保険医療機関においては、別に厚生労働大臣が定める日の特定入院料は、夜間看護体制特定日減算として、次のいずれにも該当する場合に限り、所定点数の100分の5に相当する点数を減算する。

イ 年6日以内であること。

ロ 当該日が属する月が連続する2月以内であること。

9 注1に規定する地域包括ケア病棟入院料2又は地域包括ケア病棟入院料4の施設基準のうち 別に厚生労働大臣が定めるもののみに適合しなくなったものとして地方厚生局長等に届け出た場合に限り、当該病棟に入院している患者については、それぞれの所定点数の100分の85に相当する点数を算定する。

10 注1に規定する地域包括ケア病棟入院料3、地域包括ケア入院医療管理料3、地域包括ケア病棟入院料4又は地域包括ケア入院医療管理料4の施設基準のうち別に厚生労働大臣が定めるもののみに適合しなくなったものとして地方厚生局長等に届け出た場合に限り、当該病棟又は病室に入院している患者については、それぞれの所定点数の100分の90に相当する点数を算定する。

11 注1に規定する地域包括ケア病棟入院料2、地域包括ケア入院医療管理料2、地域包括ケア病棟入院料4又は地域包括ケア入院医療管理料4の施設基準のうち別に厚生労働大臣の定めるもののみに適合しなくなったものとして地方厚生局長等に届け出た場合に限り、当該病棟又は病室に入院している患者については、それぞれの所定点数の100分の90に相当する点数を算定する。

12 別に厚生労働大臣が定める保険医療機関において、地域包括ケア病棟入院料1、地域包括ケア入院医療管理料1、地域包括ケア病棟入院料2又は地域包括ケア入院医療管理料2を算定する病棟又は病室に入院している患者については、それぞれの所定点数の100分の90に相当する点数を算定する。

 通知
(1) 地域包括ケア病棟入院料及び地域包括ケア入院医療管理料(以下「地域包括ケア病棟入院料等」という。)を算定する病棟又は病室は、急性期治療を経過した患者及び在宅において療養を行っている患者等の受入れ並びに患者の在宅復帰支援等を行う機能を有し、地域包括ケアシステムを支える役割を担うものである。

(2) リハビリテーションに係る費用(区分番号「H004」摂食機能療法を除く。)及び薬剤料(基本診療料の施設基準等別表第五の一の三に掲げる薬剤及び注射薬に係る薬剤料を除く。)等は、地域包括ケア病棟入院料等に含まれ、別に算定できない。

(3) 地域包括ケア病棟入院料等を算定する患者が当該病室に入院してから7日以内(当該病室に直接入院した患者を含む。)に、医師、看護師、在宅復帰支援を担当する者、その他必要に応じ関係職種が共同して新たに診療計画(退院に向けた指導・計画等を含む。)を作成し、「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」の別添6の別紙2を参考として、文書により病状、症状、治療計画、検査内容及び日程、手術内容及び日程、推定される入院期間等について、患者に対して説明を行い、交付するとともに、その写しを診療録等に添付するものとする。(ただし、同一保険医療機関の他の病室から地域包括ケア病棟入院料等を算定する病室へ移動した場合、すでに交付されている入院診療計画書に記載した診療計画に変更がなければ別紙様式7を参考に在宅復帰支援に係る文書のみを交付するとともに、その写しを診療録等に添付することでも可とする。)

(4) 地域包括ケア病棟入院料等を算定した患者が退室した場合、退室した先について診療録に記載すること。

(5) 「注2」に規定する地域の保険医療機関であって、「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」別添2「入院基本料等の施設基準等」第5の6の規定により看護配置の異なる病棟毎に一般病棟入院基本料を算定しているものについては、各病棟の施設基準に応じて、「注1」に規定する点数又は「注2」に規定する点数を算定する。

(6) 「注3」及び「注4」に規定する看護職員配置加算及び看護補助者配置加算又は看護補助体制充実加算は、看護職員及び看護補助者の配置について、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た病棟又は病室において算定する。

(7) 「注4」に規定する看護補助者配置加算又は看護補助体制充実加算を算定する病棟は、身体的拘束を最小化する取組を実施した上で算定する。取組内容については、区分番号「A101」療養病棟入院基本料の(19)の例による。

(8) 「注5」に規定する急性期患者支援病床初期加算は、急性期医療の後方病床を確保し、在宅患者支援病床初期加算は介護老人保健施設等の入居者等の状態が軽度悪化した際に入院医療を提供できる病床を確保することにより、急性期医療及び在宅での療養を支えることを目的として、地域包括ケア病棟入院料等を届け出た病棟又は病室が有する以下のような機能を評価したものであり、転院、入院又は転棟した日から起算して14日を限度に算定できる。当該加算を算定するに当たっては、入院前の患者の居場所(転院の場合は入院前の医療機関名)、自院の入院歴の有無、入院までの経過等を診療録に記載すること。

ア 急性期患者支援病床初期加算については、急性期医療を担う病院に入院し、急性期治療を終えて一定程度状態が安定した患者を速やかに当該病棟又は病室が受け入れることにより、急性期医療を担う病院の後方支援を評価するものである。急性期医療を担う病院の一般病棟とは、具体的には、急性期一般入院基本料、7対1入院基本料若しくは10対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)又は専門病院入院基本料に限る。)、救命救急入院料、特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料、脳卒中ケアユニット入院医療管理料、小児特定集中治療室管理料、新生児特定集中治療室管理料、総合周産期特定集中治療室管理料、新生児治療回復室入院医療管理料、一類感染症患者入院医療管理料、特殊疾患入院医療管理料又は小児入院医療管理料を算定する病棟であること。

イ 在宅患者支援病床初期加算については、介護老人保健施設等又は自宅で療養を継続している患者が、軽微な発熱や下痢等の症状をきたしたために入院医療を要する状態になった際に、当該病棟又は病室が速やかに当該患者を受け入れる体制を有していること及び厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等の内容を踏まえ、入院時に治療方針に関する患者又はその家族等の意思決定に対する支援を行うことにより、自宅や介護老人保健施設等における療養の継続に係る後方支援を評価するものである。なお、当該加算を算定する病棟又は病室を有する病院に介護老人保健施設等が併設されている場合は、当該併設介護老人保健施設等から受け入れた患者については算定できないものとする。

(9) 「注7」に規定する看護職員夜間配置加算は、看護職員の手厚い夜間配置を評価したものであるため、当該基準を満たしていても、各病棟における夜勤を行う看護職員の数は、「基本診療料の施設基準等」の第九の十一の二の(1)のイに定める夜間の看護職員の最小必要数を超えた看護職員3人以上でなければ算定できない。

(10) 診断群分類点数表に従って診療報酬を算定していた患者が同一保険医療機関内の地域包括ケア病棟入院料を算定する病棟に転棟した場合については、診断群分類点数表に定められた入院日Ⅱまでの間、地域包括ケア入院医療管理料を算定する病室に転室した場合については、診断群分類点数表に定められた入院日Ⅲまでの間、診断群分類点数表に従って診療報酬を算定する。なお、入院日Ⅱ又はⅢを超えた日以降は、医科点数表に従って当該入院料又は管理料を算定することとするが、その算定期間は診療報酬の算定方法にかかわらず、当該病棟又は病室に最初に入棟又は入室した日から起算して60日間とする。

(11) 地域包括ケア病棟入院料等に係る算定要件に該当しない患者が、当該病棟等に入院した場合には、当該病棟が一般病棟等である場合は特別入院基本料を、当該病棟が療養病棟等である場合は療養病棟入院基本料の入院料Iを算定する。その際、地域包括ケア病棟入院料1、地域包括ケア入院医療管理料1、地域包括ケア病棟入院料2又は地域包括ケア入院医療管理料2の場合は療養病棟入院料1のIを、地域包括ケア病棟入院料3、地域包括ケア入院医療管理料3、地域包括ケア病棟入院料4又は地域包括ケア入院医療管理料4の場合は療養病棟入院料2のIを算定する。この際、区分番号「A100」の注2に規定する特別入院基本料又は区分番号「A101」療養病棟入院基本料を算定する場合の費用の請求については、区分番号「A308」の回復期リハビリテーション病棟の(4)と同様であること。

(12) 地域包括ケア病棟入院料及び地域包括ケア病棟入院医療管理料の「注1」及び「注9」から「注12」までの減算に係る算定方法について、これらのうち複数に該当する場合は、最初に所定点数に「注1」(100分の95)、「注9」(100分の85)、「注10」(100分の90)、「注11」(100分の90)、「注12」(100分の90)のうち該当するものを乗じ、次に該当するものの加算等を行い、最後に小数点以下第一位を四捨五入した点数を算定する。

A309 特殊疾患病棟入院料(1日につき)

1 特殊疾患病棟入院料1 2,070点

2 特殊疾患病棟入院料2 1,675点

注1 別に厚生労働大臣が定める重度の障害者(重度の意識障害者を含む。)、筋ジストロフィー患者又は難病患者等を主として入院させる病棟に関する施設基準に適合しているものとして、保険医療機関が地方厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者について、当該基準に係る区分に従い、それぞれ所定点数を算定する。

2 当該病棟に入院している患者が人工呼吸器を使用している場合は、1日につき600点を所定点数に加算する。

3 当該患者が、他の保険医療機関から転院してきた者であって、当該他の保険医療機関において区分番号A246に掲げる入退院支援加算3を算定したものである場合には、重症児(者)受入連携加算として、入院初日に限り2,000点を所定点数に加算する。

4 当該病棟に入院する重度の意識障害(脳卒中の後遺症であるものに限る。)の患者であって、基本診療料の施設基準等第5の3(1)のロに規定する医療区分2の患者又は第5の3(2)のトに規定する医療区分1の患者に相当するものについては、注1の規定にかかわらず、当該患者が入院している病棟の区分に従い、次に掲げる点数をそれぞれ算定する。

イ 特殊疾患病棟入院料1の施設基準を届け出た病棟に入院している場合

(1) 医療区分2の患者に相当するもの 1,910点

(2) 医療区分1の患者に相当するもの 1,745点

ロ 特殊疾患病棟入院料2の施設基準を届け出た病棟に入院している場合

(1) 医療区分2の患者に相当するもの 1,657点

(2) 医療区分1の患者に相当するもの 1,491点

5 診療に係る費用(注2及び注3に規定する加算、第2節に規定する臨床研修病院入院診療加算、医師事務作業補助体制加算(50対1補助体制加算、75対1補助体制加算又は100対1補助体制加算に限る。)、超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算、地域加算、離島加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、報告書管理体制加算、データ提出加算、入退院支援加算(1のロ及び2のロに限る。)、認知症ケア加算並びに排尿自立支援加算並びに除外薬剤・注射薬の費用を除く。)は、特殊疾患病棟入院料に含まれるものとする。

6 当該病棟に入院する脳卒中又は脳卒中の後遺症の患者(重度の意識障害者、筋ジストロフィー患者及び難病患者等を除く。)であって、基本診療料の施設基準等第5の3(1)のロに規定する医療区分2の患者又は第5の3(2)のトに規定する医療区分1の患者に相当するものについては、注1の規定にかかわらず、当該患者が入院している病棟の区分に従い、次に掲げる点数をそれぞれ算定する。

イ 特殊疾患病棟入院料1の施設基準を届け出た病棟に入院している場合

(1) 医療区分2の患者に相当するもの1,717点

(2) 医療区分1の患者に相当するもの1,569点

ロ 特殊疾患病棟入院料2の施設基準を届け出た病棟に入院している場合

(1) 医療区分2の患者に相当するもの1,490点

(2) 医療区分1の患者に相当するもの1,341点

 通知
(1) 特殊疾患病棟は、主として長期にわたり療養が必要な重度の肢体不自由児(者)、脊髄損傷等の重度の障害者、重度の意識障害者(病因が脳卒中の後遺症の患者を含む。)、筋ジストロフィー患者又は神経難病患者が入院する病棟であり、医療上特に必要がある場合に限り他の病棟への患者の移動は認められるが、その医療上の必要性について診療報酬明細書の摘要欄に詳細に記載する。

(2) 特殊疾患病棟入院料を算定する日に使用するものとされた投薬に係る薬剤料は、特殊疾患病棟入院料に含まれ、別に算定できない。

(3) 特殊疾患病棟入院料を算定している患者に対して、1日5時間を超えて体外式陰圧人工呼吸器を使用した場合は、「注2」の加算を算定できる。

(4) 「注2」に掲げる加算を算定する際に使用した酸素及び窒素の費用は、「酸素及び窒素の価格」に定めるところによる。

(5) 「注3」に掲げる重症児(者)受入連携加算は、集中治療を経た新生児等を急性期の保険医療機関から受け入れ、病態の安定化のために密度の高い医療を提供することを評価したものであり、入院前の保険医療機関において入退院支援加算3が算定された患者を、特殊疾患病棟入院料を算定する病床において受け入れた場合に入院初日に算定する。なお、ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。

(6) 「注4」に定める脳卒中を原因とする重度の意識障害によって当該病棟に入院するもの「注6」に定める脳卒中又は脳卒中の後遺症の患者(重度の意識障害者、筋ジストロフィー患者及び難病患者等を除く。)については、区分番号「A101」療養病棟入院基本料における医療区分(1日に2つ以上の区分に該当する場合には、該当するもののうち最も高い点数の区分)に従い、当該患者ごとに各医療区分に相当する所定点数を算定する。その際、当該患者の疾患及び状態の該当する医療区分の項目について、保険医療機関において診療録等に記録する。

(7) 平成28年3月31日時点で、継続して6か月以上脳卒中を原因とする重度の意識障害によって特殊疾患病棟入院料を算定する病棟に入院している患者であって、引き続き同病棟に入院しているもの及び令和4年3月31日時点で脳卒中又は脳卒中の後遺症により特殊疾患病棟入院料を算定する病棟に入院している患者(重度の意識障害者、筋ジストロフィー患者及び難病患者等を除く。)であって、引き続き同病棟に入院しているものについては、医療区分3に相当するものとみなす。なお、脳卒中を原因とする重度の意識障害によって特殊疾患病棟入院料を算定する病棟に入院している患者であって、その疾患及び状態等が医療区分3に規定する疾患及び状態等に相当するものについては、注4によらず、特殊疾患病棟入院料に規定する所定点数を算定すること。

A310 緩和ケア病棟入院料(1日につき)

1 緩和ケア病棟入院料1

イ 30日以内の期間 5,107点

ロ 31日以上60日以内の期間 4,554点

ハ 61日以上の期間 3,350点

2 緩和ケア病棟入院料2

イ 30日以内の期間 4,870点

ロ 31日以上60日以内の期間 4,401点

ハ 61日以上の期間 3,298点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た緩和ケアを行う病棟を有する保険医療機関において、当該届出に係る病棟に入院している緩和ケアを要する患者について、当該基準に係る区分に従い、それぞれ算定する。ただし、悪性腫瘍の患者及び後天性免疫不全症候群の患者以外の患者が当該病棟に入院した場合は、区分番号A100に掲げる一般病棟入院基本料の注2に規定する特別入院基本料の例により算定する。

2 当該保険医療機関と連携して緩和ケアを提供する別の保険医療機関(在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院に限る。)により在宅での緩和ケアが行われ、当該別の保険医療機関からあらかじめ文書で情報提供を受けた患者について、病状の急変等に伴い、当該別の保険医療機関からの求めに応じて入院させた場合に、緩和ケア病棟緊急入院初期加算として、入院した日から起算して15日を限度として、1日につき200点を更に所定点数に加算する。

3 診療に係る費用(注2及び注4に規定する加算、第2節に規定する臨床研修病院入院診療加算、妊産婦緊急搬送入院加算、医師事務作業補助体制加算、地域加算、離島加算、がん拠点病院加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、報告書管理体制加算、褥瘡ハイリスク患者ケア加算、データ提出加算、入退院支援加算(1のイに限る。)及び排尿自立支援加算、第2章第2部第2節在宅療養管理指導料、第3節薬剤料、第4節特定保険医療材料料及び第12部放射線治療、退院時に当該指導管理を行ったことにより算定できる区分番号C108に掲げる在宅悪性腫瘍等患者指導管理料、区分番号C108-2に掲げる在宅悪性腫瘍患者共同指導管理料及び区分番号C109に掲げる在宅寝たきり患者処置指導管理料並びに除外薬剤・注射薬の費用を除く。)は、緩和ケア病棟入院料に含まれるものとする。

4 当該入院料を算定する病棟に入院している疼(とう)痛を有する患者に対して、疼(とう)痛の評価その他の療養上必要な指導を行った場合は、緩和ケア疼(とう)痛評価加算として、1日につき100点を所定点数に加算する。

 通知
(1) 緩和ケア病棟は、主として苦痛の緩和を必要とする悪性腫瘍及び後天性免疫不全症候群の患者を入院させ、緩和ケアを行うとともに、外来や在宅への円滑な移行も支援する病棟であり、当該病棟に入院した緩和ケアを要する悪性腫瘍及び後天性免疫不全症候群の患者について算定する。

(2) 緩和ケア病棟入院料を算定する日に使用するものとされた薬剤に係る薬剤料は緩和ケア病棟入院料に含まれるが、退院日に退院後に使用するものとされた薬剤料は別に算定できる。

(3) 悪性腫瘍の患者及び後天性免疫不全症候群の患者以外の患者が、当該病棟に入院した場合には、一般病棟入院基本料の特別入院基本料を算定する。この際、同特別入院基本料の費用の請求については、区分番号「A308」の回復期リハビリテーション病棟入院料の(4)と同様であること。

(4) 緩和ケア病棟における悪性腫瘍患者のケアに関しては、「がん疼痛薬物療法ガイドライン」(日本緩和医療学会)、「新版がん緩和ケアガイドブック」(日本医師会監修厚生労働科学特別研究事業「適切な緩和ケア提供のための緩和ケアガイドブックの改訂に関する研究」班」)等の緩和ケアに関するガイドラインを参考とする。

(5) 「注2」に規定する緩和ケア病棟緊急入院初期加算は、当該保険医療機関と連携して緩和ケアを提供する別の保険医療機関(在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院に限る。)(以下本項において「連携保険医療機関」という。)から在宅緩和ケアを受ける患者の病状が急変し、症状緩和のために一時的に入院治療を要する場合の緩和ケア病棟への受入れを通じ、在宅での緩和ケアを後方支援することを評価するものである。

当該保険医療機関と連携保険医療機関の間では、過去1年以内に、緩和ケアを受ける患者の紹介、緩和ケアに係る研修又は共同でのカンファレンスの実施等の際に、医師その他の職員が面会した実績が記録されている必要がある。

また、在宅緩和ケアを受け、緊急に入院を要する可能性のある患者について、緊急時の円滑な受入れのため、病状及び投薬内容のほか、患者及び家族への説明等について、当該連携保険医療機関より予め文書による情報提供を受ける必要がある。

(6) 「注4」に規定する緩和ケア疼痛評価加算を算定する場合には、「がん疼痛薬物療法ガイドライン」(日本緩和医療学会)、「新版がん緩和ケアガイドブック」(日本医師会監修厚生労働科学特別研究事業「適切な緩和ケア提供のための緩和ケアガイドブックの改訂に関する研究」班」)等の緩和ケアに関するガイドラインを参考として、疼痛の評価その他の療養上必要な指導等を実施すること。

A311 精神科救急急性期医療入院料(1日につき)

1 30日以内の期間 2,400点

2 31日以上60日以内の期間 2,100点

3 61日以上90日以内の期間 1,900点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た精神病棟を有する保険医療機関において、当該届出に係る精神病棟に入院している患者(別に厚生労働大臣が定める基準に適合するものに限る。)について算定する。ただし、当該病棟に入院した患者が当該入院料に係る算定要件に該当しない場合は、区分番号A103に掲げる精神病棟入院基本料の15対1入院基本料の例により算定する。

2 診療に係る費用(注3から注6までに規定する加算、第2節に規定する臨床研修病院入院診療加算、医師事務作業補助体制加算、地域加算、離島加算、精神科措置入院診療加算、精神科措置入院退院支援加算、精神科応急入院施設管理加算、精神科身体合併症管理加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、報告書管理体制加算、褥瘡ハイリスク患者ケア加算、精神科救急搬送患者地域連携紹介加算、データ提出加算、精神科急性期医師配置加算(精神科救急急性期医療入院料を算定するものに限る。)、薬剤総合評価調整加算、排尿自立支援加算及び地域医療体制確保加算、第2章第1部医学管理等の区分番号B015に掲げる精神科退院時共同指導料2、第8部精神科専門療法、第10部手術、第11部麻酔及び第12部放射線治療並びに除外薬剤・注射薬に係る費用を除く。)は、精神科救急急性期医療入院料に含まれるものとする。

3 当該病棟に入院している統合失調症の患者に対して、計画的な医学管理の下に非定型抗精神病薬による治療を行い、かつ、療養上必要な指導を行った場合には、当該患者が使用した1日当たりの抗精神病薬が2種類以下の場合に限り、非定型抗精神病薬加算として、1日につき15点を所定点数に加算する。

4 当該病棟に入院している、別に厚生労働大臣が定める状態にある患者に対して、入院した日から起算して7日以内に、当該保険医療機関の医師、看護師、精神保健福祉士等が共同して院内標準診療計画を作成し、当該患者が入院した日から起算して60日以内に当該計画に基づき退院した場合に、院内標準診療計画加算として、退院時1回に限り200点を所定点数に加算する。

5 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者については、入院した日から起算して30日を限度として、看護職員夜間配置加算として、1日(別に厚生労働大臣が定める日を除く。)につき70点を所定点数に加算する。

6 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者については、当該基準に係る区分に従い、入院した日から起算して90日を限度として、精神科救急医療体制加算として、次に掲げる点数(別に厚生労働大臣が定める場合にあっては、それぞれの点数の100分の60に相当する点数)をそれぞれ1日につき所定点数に加算する。

イ 精神科救急医療体制加算1600点

ロ 精神科救急医療体制加算2590点

ハ 精神科救急医療体制加算3500点

 通知
(1) 精神科救急急性期医療入院料の算定対象となる患者は、次のア若しくはイに該当する患者(以下この項において「新規患者」という。)又はウに該当する患者であること。

ア 措置入院患者、緊急措置入院患者又は応急入院患者

イ ア以外の患者であって、当該病棟に入院する前3か月において保険医療機関(当該病棟を有する保険医療機関を含む。)の精神病棟に入院(心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(平成15年法律第110号)第42条第1項第1号又は第61条第1項第1号に規定する同法による入院(医療観察法入院)を除く。)したことがない患者のうち、入院基本料の入院期間の起算日の取扱いにおいて、当該病院への入院日が入院基本料の起算日に当たる患者(当該病棟が満床である等の理由により一旦他の病棟に入院した後、入院日を含め2日以内に当該病棟に転棟した患者を含む。)

ウ ア及びイにかかわらず、クロザピンを新規に導入することを目的として、当該入院料に係る病棟を有する保険医療機関において、当該保険医療機関の他の病棟(精神科救急急性期医療入院料、精神科急性期治療病棟入院料及び精神科救急・合併症入院料を算定する病棟を除く。)から当該病棟に転棟した患者又は他の保険医療機関(精神科救急急性期医療入院料、精神科急性期治療病棟入院料及び精神科救急・合併症入院料を算定する病棟を除く。)から当該病棟に転院した患者

(2) 当該入院料は、入院日から起算して3月を限度として算定する。なお、届出を行い、新たに算定を開始することとなった日から3月以内においては、届出の効力発生前に当該病棟に新規入院した入院期間が3月以内の患者を、新規患者とみなして算定できる。

(3) (1)のウに該当する患者については、当該保険医療機関の他の病棟から転棟又は他の保険医療機関から転院後、当該病棟においてクロザピンの投与を開始した日から起算して3月を限度として算定する。ただし、クロザピンの投与後に投与を中止した場合については、以下の取扱いとする。

ア クロザピン投与による無顆粒球症又は好中球減少症により、投与を中止した場合は、投与中止日から2週間まで当該入院料を算定できる

イ ア以外の事由により、投与を中止した場合は、投与中止日まで当該入院料を算定できる。

(4) 精神科救急急性期医療入院料を算定する日に使用するものとされた投薬に係る薬剤料は、精神科救急急性期医療入院料に含まれ、別に算定できない。

(5) 精神科救急急性期医療入院料に係る算定要件に該当しない患者が、当該病棟に入院した場合には、精神病棟入院基本料の15対1入院基本料を算定する。

(6) (5)により、区分番号「A103」の精神病棟入院基本料の例により算定する場合の費用の請求については、区分番号「A307」の小児入院医療管理料の(8)と同様であること。

(7) 当該入院料の算定対象となる患者は以下の障害を有する者に限る。

ア 症状性を含む器質性精神障害(精神症状を有する状態に限り、単なる認知症の症状を除く。)

イ 精神作用物質使用による精神及び行動の障害(アルコール依存症にあっては、単なる酩酊状態であるものを除く。)

ウ 統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害

エ 気分(感情)障害

オ 神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害(自殺・自傷行為及び栄養障害・脱水等の生命的危険を伴う状態に限る。)

カ 成人の人格及び行動の障害(精神症状を有する状態に限る。)キ知的障害(精神症状を有する状態に限る。)

(8) 「注3」に規定する非定型抗精神病薬及び抗精神病薬の種類数は一般名で計算する。また、非定型抗精神病薬及び抗精神病薬の種類については、別紙36を参考にすること。ただし、クロザピンはこれに含めない。

(9) 「注3」に規定する加算は、非定型抗精神病薬を投与している統合失調症患者に対して、計画的な治療管理を継続して行い、かつ、当該薬剤の効果及び副作用に関する説明を含め、療養上必要な指導を行った場合に算定する。

(10) 「注3」に規定する加算を算定する場合には、1月に1度、治療計画及び指導内容の要点を診療録に記載し、投与している薬剤名を診療報酬明細書に記載する。

(11) 「注4」に規定する加算は、統合失調症、統合失調型障害若しくは妄想性障害又は気分(感情)障害の患者に対して、入院日から起算して7日以内に、医師、看護師、精神保健福祉士等の関係職種が共同して、別紙様式37又は別紙様式37の2若しくはこれに準じた様式を用いて院内標準診療計画書を策定し、患者又は家族等に対して説明の上、当該計画に基づき患者が60日以内に退院した場合に、退院時1回に限り算定する。ただし、死亡又は他の医療機関への転院による退院については、算定しない。なお、ここでいう退院時とは、第2部通則5に規定する入院期間が通算される入院における退院のことをいい、入院期間が通算される最後の退院時において1回に限り算定できる。

(12) 患者の病態により当初作成した院内標準診療計画書に変更等が必要な場合には、新たな院内標準診療計画書を作成し、説明を行う必要がある。

(13) 院内標準診療計画は、第2部通則7に定める入院診療計画とは別に作成すること。

(14) 「注5」に規定する看護職員夜間配置加算は、看護職員の手厚い夜間配置を評価したものであり、当該病棟における看護にあたり以下の隔離及び身体的拘束その他の行動制限を最小化する取組を実施した上で算定する。

ア 入院患者に対し、日頃より行動制限を必要としない状態となるよう環境を整える。

イ やむを得ず行動制限を実施する場合であっても、当該患者の生命及び身体の保護に重点を置いた行動の制限であり、代替の方法が見いだされるまでの間のやむを得ない対応として行われるものであることから、可及的速やかに解除するよう努める。

ウ 行動制限を実施するに当たっては、以下の対応を行う。

(イ) 実施の必要性等のアセスメント

(ロ) 患者家族への説明と同意

(ハ) 行動制限の具体的行為や実施時間等の記録(ニ)二次的な身体障害の予防

(ホ) 行動制限の解除に向けた検討

エ 行動制限を実施した場合は、解除に向けた検討を少なくとも1日に1度は行う。なお、行動制限を実施することを避けるために、イ及びウの対応をとらず家族等に対し付添いを強要することがあってはならない。

(15) 「注5」に規定する看護職員夜間配置加算を算定する病院は、行動制限を最小化するための委員会において、入院医療について定期的(少なくとも月1回)な評価を行う。

(16) 「注5」に規定する看護職員夜間配置加算は、当該患者が入院した日から起算して30日を限度として算定できる。なお、ここでいう入院した日とは、第2部入院料等の通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される入院の初日のことをいう。

(17) 「注5」に規定する看護職員夜間配置加算を算定する各病棟における夜勤を行う看護職員の数は、「基本診療料の施設基準等」の第九の十四の⑴のヘに定める夜間の看護師の最小必要数を超えた看護職員3人以上でなければ算定できない。

(18) (1)のウに該当する患者について、当該病棟においてクロザピンの投与を開始した日を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。また、当該病棟において、クロザピンの投与を中止した場合は、投与中止日及び投与を中止した理由を(3)のア又はイのいずれか該当するものを診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。あわせて、(1)のウに該当する患者として当該病棟へ転棟又は転院する以前にクロザピンの投与を中止したことがある場合は、転棟又は転院する以前の直近の投与中止日及び同一入院期間中における通算の投与中止回数を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。なお、通算の投与中止回数に(3)のア又はイのいずれかに該当するものとして中止した場合は含めないこと。

(19) 「注6」に規定する精神科救急医療体制加算は、地域における役割に応じた精神科救急入院医療の体制の確保を評価したものであり、当該病棟に入院した日から起算して90日を限度として算定する。

(20) 「注6」の算定対象となる患者は以下の障害を有する者に限る。

ア 認知症を除く症状性を含む器質性精神障害(精神症状を有する状態に限る。)(ただし、令和6年3月31日までの間は、精神症状を有する状態に限り、認知症を含むものとする。)

イ 精神作用物質使用による精神及び行動の障害(アルコール依存症にあっては、単なる酩酊状態であるものを除く。)

ウ 統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害

エ 気分(感情)障害(躁状態又は自殺・自傷行為及び栄養障害・脱水等の生命的危険を伴う状態に限る。)

オ 神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害(自殺・自傷行為及び栄養障害・脱水等の生命的危険を伴う状態に限る。)

カ 成人の人格及び行動の障害(精神症状を有する状態に限る。)キ知的障害(精神症状を有する状態に限る。)

(21) 「注6」に規定する精神科救急医療体制加算を算定する病棟の病床数(精神病床に限る。)は120床までとする。ただし、令和4年3月31日時点で、現に旧医科点数表の精神科救急入院料を算定している病棟において、都道府県等から当該病棟を有する保険医療機関に対し、地域における医療提供体制や医療計画上の必要性等に係る文書が提出されていることが確認できる場合に限り、同時点で精神科救急入院料を算定する病棟の病床数を上限として算定することができる。ただし、この場合にあっては、120床を超えていない病床数も含め、それぞれの所定点数の100分の60に相当する点数により算定する。

A311-2 精神科急性期治療病棟入院料(1日につき)

1 精神科急性期治療病棟入院料1

イ30日以内の期間2,000点

ロ31日以上60日以内の期間1,700点

ハ61日以上90日以内の期間1,500点

2 精神科急性期治療病棟入院料2

イ30日以内の期間1,885点

ロ31日以上60日以内の期間1,600点

ハ61日以上90日以内の期間1,450点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た精神病棟を有する保険医療機関において、当該届出に係る精神病棟に入院している患者(別に厚生労働大臣が定める基準に適合するものに限る。)について、当該基準に係る区分に従い、それぞれ所定点数を算定する。ただし、当該病棟に入院した患者が当該入院料に係る算定要件に該当しない場合は、区分番号A103に掲げる精神病棟入院基本料の15対1入院基本料の例により算定する。

2 診療に係る費用(注3及び注4に規定する加算、第2節に規定する臨床研修病院入院診療加算、妊産婦緊急搬送入院加算、医師事務作業補助体制加算、地域加算、離島加算、精神科措置入院診療加算、精神科措置入院退院支援加算、精神科応急入院施設管理加算、精神科身体合併症管理加算、依存症入院医療管理加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、報告書管理体制加算、褥瘡ハイリスク患者ケア加算、精神科救急搬送患者地域連携紹介加算、データ提出加算、精神科急性期医師配置加算(精神科急性期治療病棟入院料1を算定するものに限る。)、薬剤総合評価調整加算並びに排尿自立支援加算、第2章第1部医学管理等の区分番号B015に掲げる精神科退院時共同指導料2、第8部精神科専門療法、第10部手術、第11部麻酔及び第12部放射線治療並びに除外薬剤・注射薬に係る費用を除く。)は、精神科急性期治療病棟入院料に含まれるものとする。

3 当該病棟に入院している統合失調症の患者に対して、計画的な医学管理の下に非定型抗精神病薬による治療を行い、かつ、療養上必要な指導を行った場合には、当該患者が使用した1日当たりの抗精神病薬が2種類以下の場合に限り、非定型抗精神病薬加算として、1日につき15点を所定点数に加算する。

4 当該病棟に入院している、別に厚生労働大臣が定める状態にある患者(区分番号A249に掲げる精神科急性期医師配置加算を算定できるものを現に算定している患者に限る。)に対して、入院した日から起算して7日以内に、当該保険医療機関の医師、看護師、精神保健福祉士等が共同して院内標準診療計画を作成し、当該患者が入院した日から起算して60日以内に当該計画に基づき退院した場合に、院内標準診療計画加算として、退院時1回に限り200点を所定点数に加算する。

 通知
(1) 精神科急性期治療病棟入院料の算定対象となる患者は、次に掲げる患者である。

ア 入院基本料の入院期間の起算日の取扱いにおいて、当該保険医療機関への入院日が入院基本料の起算日に当たる患者(当該病棟が満床である等の理由により一旦他の病棟に入院した後、入院日を含め2日以内に当該病棟に転棟した患者を含む。)(以下この項において「新規患者」という。)

イ 他の病棟から当該病棟に移動した入院患者又は当該病棟に入院中の患者であって当該入院料を算定していない患者のうち、意識障害、昏迷状態等の急性増悪のため当該病院の精神保健指定医が当該病棟における集中的な治療の必要性を認めた患者(以下この項において「転棟患者等」という。)

ウ ア及びイにかかわらず、クロザピンを新規に導入することを目的として、当該入院料に係る病棟を有する保険医療機関において、当該保険医療機関の他の病棟(精神科救急急性期医療入院料、精神科急性期治療病棟入院料及び精神科救急・合併症入院料を算定する病棟を除く。)から当該病棟に転棟した患者又は他の保険医療機関(精神科救急急性期医療入院料、精神科急性期治療病棟入院料及び精神科救急・合併症入院料を算定する病棟を除く。)から当該病棟に転院した患者

(2) 新規患者については入院日から起算して3月を限度として算定する。なお、届出を行い、新たに算定を開始することとなった日から3月以内においては、届出の効力発生前に当該病棟に新規入院した入院期間が3月以内の患者を、新規患者とみなして算定できる。

(3) 転棟患者等については、1年に1回に限り、1月を限度として算定する。1年とは暦年をいい、同一暦年において当該入院料の算定開始日が2回にはならない。なお、転棟患者等が当該入院料を算定する場合は、その医療上の必要性について診療報酬明細書の摘要欄に記載する。

(4) (1)のウに該当する患者については、当該保険医療機関の他の病棟から転棟又は他の保険医療機関から転院後、当該病棟においてクロザピンの投与を開始した日から起算して3月を限度として算定する。ただし、クロザピンの投与後に投与を中止した場合については、以下の取扱いとする。

ア クロザピン投与による無顆粒球症又は好中球減少症により、投与を中止した場合は、投与中止日から2週間まで当該入院料を算定できる。

イ ア以外の事由により、投与を中止した場合は、投与中止日まで当該入院料を算定できる。

(5) 精神科急性期治療病棟入院料を算定する日に使用するものとされた投薬に係る薬剤料は、精神科急性期治療病棟入院料に含まれ、別に算定できない。

(6) 精神科急性期治療病棟入院料に係る算定要件に該当しない患者が、当該病棟に入院した場合には、精神病棟入院基本料の15対1入院基本料を算定する。

(7) (6)により、区分番号「A103」の精神病棟入院基本料の例により算定する場合の費用の請求については、区分番号「A307」の小児入院医療管理料の(8)と同様であること。

(8) 当該入院料の算定対象となる患者は、区分番号「A311」精神科救急急性期医療入院料の(7)の例による。

(9) 「注3」に規定する加算の算定に当たっては、区分番号「A311」精神科救急急性期医療入院料の(8)から(10)までの例による。

(10) 「注4」に規定する加算の算定に当たっては、区分番号「A311」精神科救急急性期医療入院料の(11)から(13)までの例による。ただし、算定対象となる患者は、統合失調症、統合失調型障害、妄想性障害又は気分(感情)障害の患者のうち、区分番号「A249」精神科急性期医師配置加算を算定するものに限る。

(11) (1)のウに該当する患者について、当該病棟においてクロザピンの投与を開始した日を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。また、当該病棟において、クロザピンの投与を中止した場合は、投与中止日及び投与を中止した理由を(4)のア又はイのいずれか該当するものを診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。あわせて、(1)のウに該当する患者として当該病棟へ転棟又は転院する以前にクロザピンの投与を中止したことがある場合は、転棟又は転院する以前の直近の投与中止日及び同一入院期間中における通算の投与中止回数を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。なお、通算の投与中止回数に(4)のア又はイのいずれかに該当するものとして中止した場合は含めないこと。

(12) 精神科急性期治療病棟入院料を算定する病棟の病床(精神病床に限る。)数は合計で130床を上限として算定できる。

A311-3 精神科救急・合併症入院料(1日につき)

1 30日以内の期間 3,600点

2 31日以上60日以内の期間 3,300点

3 61日以上90日以内の期間 3,100点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た精神病棟を有する保険医療機関において、当該届出に係る精神病棟に入院している患者(別に厚生労働大臣が定める基準に適合するものに限る。)について算定する。ただし、当該病棟に入院した患者が当該入院料に係る算定要件に該当しない場合は、区分番号A103に掲げる精神病棟入院基本料の15対1入院基本料の例により算定する。

2 診療に係る費用(注3から注5までに規定する加算、第2節に規定する臨床研修病院入院診療加算、妊産婦緊急搬送入院加算、医師事務作業補助体制加算、地域加算、離島加算、精神科措置入院診療加算、精神科措置入院退院支援加算、精神科応急入院施設管理加算、精神科身体合併症管理加算、依存症入院医療管理加算、摂食障害入院医療管理加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、報告書管理体制加算、褥瘡ハイリスク患者ケア加算、精神科救急搬送患者地域連携紹介加算、データ提出加算、薬剤総合評価調整加算、排尿自立支援加算及び地域医療体制確保加算、第2章第1部医学管理等の区分番号B015に掲げる精神科退院時共同指導料2、第7部リハビリテーションの区分番号H000に掲げる心大血管疾患リハビリテーション料、H001に掲げる脳血管疾患等リハビリテーション料、H001-2に掲げる廃用症候群リハビリテーション料、H002に掲げる運動器リハビリテーション料、H003に掲げる呼吸器リハビリテーション料、区分番号H004に掲げる摂食機能療法、区分番号H007に掲げる障害児(者)リハビリテーション料及び区分番号H007-2に掲げるがん患者リハビリテーション料、第8部精神科専門療法、第9部処置の区分番号 J038に掲げる人工腎臓、区分番号J042かんに掲げる腹膜灌流、区分番号J400に掲げる特定保険医療材料(区分番号J038に掲げるかん人工腎臓又は区分番号J042に掲げる腹膜灌流に係るものに限る。)、第10部手術、第11部麻酔及び第12部放射線治療並びに除外薬剤・注射薬に係る費用を除く。)は、精神科救急・合併症入院料に含まれるものとする。

3 当該病棟に入院している統合失調症の患者に対して、計画的な医学管理の下に非定型抗精神病薬による治療を行い、かつ、療養上必要な指導を行った場合には、当該患者が使用した1日当たりの抗精神病薬が2種類以下の場合に限り、非定型抗精神病薬加算として、1日につき15点を所定点数に加算する。

4 当該病棟に入院している、別に厚生労働大臣が定める状態にある患者に対して、入院した日から起算して7日以内に、当該保険医療機関の医師、看護師、精神保健福祉士等が共同して院内標準診療計画を作成し、当該患者が入院した日から起算して60日以内に当該計画に基づき退院した場合に、院内標準診療計画加算として、退院時1回に限り200点を所定点数に加算する。

5 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者については、入院した日から起算して30日を限度として、看護職員夜間配置加算として、1日(別に厚生労働大臣が定める日を除く。)につき70点を所定点数に加算する。

 通知
(1) 精神科救急・合併症入院料の算定対象となる患者は、次のアからウまでのいずれかに該当する患者(以下この項において「新規患者」という。)又はエに該当する患者であること。

ア 措置入院患者、緊急措置入院患者又は応急入院患者

イ ア以外の患者であって、当該病棟に入院する前3か月において保険医療機関(当該病棟を有する保険医療機関を含む。)の精神病棟(精神病床のみを有する保険医療機関の精神病棟を除く。)に入院(心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律第42条第1項第1号又は第61条第1項第1号に規定する同法による入院(医療観察法入院)を除く。)したことがない患者のうち、入院基本料の入院期間の起算日の取扱いにおいて、当該病院への入院日が入院基本料の起算日に当たる患者(当該病棟が満床である等の理由により一旦他の病棟に入院した後、入院日を含め2日以内に当該病棟に転棟した患者を含む。)

ウ イの規定にかかわらず、精神科救急・合併症入院料を算定した後に、身体合併症の病状が悪化等して、当該医療機関において特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料、脳卒中ケアユニット入院医療管理料、小児特定集中治療室管理料又は総合周産期特定集中治療室管理料(母体・胎児集中治療室管理料を算定するものに限る。)を算定し、再度精神科救急・合併症入院料を算定する病棟へ入院した患者

エ アからウまでにかかわらず、クロザピンを新規に導入することを目的として、当該入院料に係る病棟を有する保険医療機関において、当該保険医療機関の他の病棟(精神科救急急性期医療入院料、精神科急性期治療病棟入院料及び精神科救急・合併症入院料を算定する病棟を除く。)から当該病棟に転棟した患者又は他の保険医療機関(精神科救急急性期医療入院料、精神科急性期治療病棟入院料及び精神科救急・合併症入院料を算定する病棟を除く。)から当該病棟に転院した患者

(2) 当該入院料は、入院日から起算して3月を限度として算定する。なお、届出を行い、新たに算定を開始することとなった日から3月以内においては、届出の効力発生前に当該病棟に新規入院した入院期間が3月以内の患者を、新規患者とみなして算定できる。

(3) (1)のエに該当する患者については、当該保険医療機関の他の病棟から転棟又は他の保険医療機関から転院後、当該病棟においてクロザピンの投与を開始した日から起算して3月を限度として算定する。ただし、クロザピンの投与後に投与を中止した場合については、以下の取扱いとする。

ア クロザピン投与による無顆粒球症又は好中球減少症により、投与を中止した場合は、投与中止日から2週間まで当該入院料を算定できる。

イ ア以外の事由により、投与を中止した場合は、投与中止日まで当該入院料を算定できる。

(4) 精神科救急・合併症入院料を算定する日に使用するものとされた投薬に係る薬剤料は、精神科救急・合併症入院料に含まれ、別に算定できない。

(5) 精神科救急・合併症入院料に係る算定要件に該当しない患者が、当該病棟に入院した場合には、精神病棟入院基本料の15対1入院基本料を算定する。

(6) (5)により、区分番号「A103」の精神病棟入院基本料の例により算定する場合の費用の請求については、区分番号「A307」の小児入院医療管理料の(8)と同様であること。

(7) 当該入院料の算定対象となる患者は、区分番号「A311」精神科救急急性期医療入院料の(7)の例による。

(8) 「注3」に規定する加算の算定に当たっては、区分番号「A311」精神科救急急性期医療入院料の(8)から(10)までの例による。

(9) 「注4」に規定する加算の算定に当たっては、区分番号「A311」精神科救急急性期医療入院料の(11)から(13)までの例による。

(10) 「注5」に規定する看護職員夜間配置加算の算定に当たっては、区分番号「A311」精神科救急急性期医療入院料の(14)から(16)までの例による。

(11) 「注5」に規定する看護職員夜間配置加算を算定する各病棟における夜勤を行う看護職員の数は、「基本診療料の施設基準等」の第九の十五の二の(1)のトに定める夜間の看護師の最小必要数を超えた看護職員3人以上でなければ算定できない。

(12) (1)のエに該当する患者について、当該病棟においてクロザピンの投与を開始した日を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。また、当該病棟において、クロザピンの投与を中止した場合は、投与中止日及び投与を中止した理由を(3)のア又はイのいずれか該当するものを診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。あわせて、同一の保険医療機関において、(1)のエに該当する患者として当該病棟へ転棟又は転院する以前にクロザピンの投与を中止したことがある場合は、転棟又は転院する以前の直近の投与中止日及び同一入院期間中における通算の投与中止回数を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。なお、通算の投与中止回数に(3)のア又はイのいずれかに該当するものとして中止した場合は含めないこと。

A311-4 児童・思春期精神科入院医療管理料(1日につき) 2,995点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病棟又は治療室に入院している20歳未満の精神疾患を有する患者について、所定点数を算定する。ただし、当該病棟又は治療室に入院した患者が当該入院料に係る算定要件に該当しない場合は、区分番号A103に掲げる精神病棟入院基本料の注2に規定する特別入院基本料の例により算定する。

2 診療に係る費用(第2節に規定する臨床研修病院入院診療加算、医師事務作業補助体制加算(50対1補助体制加算、75対1補助体制加算又は100対1補助体制加算に限る。)、地域加算、離島加算、強度行動障害入院医療管理加算、摂食障害入院医療管理加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、報告書管理体制加算、褥瘡ハイリスク患者ケア加算、精神科救急搬送患者地域連携受入加算、データ提出加算、薬剤総合評価調整加算及び排尿自立支援加算並びに第2章第5部投薬、第6部注射、第10部手術、第11部麻酔及び第 13部第2節病理診断・判断料の費用を除く。)は、児童・思春期精神科入院医療管理料に含まれるものとする。

 通知
(1) 児童・思春期精神科入院医療管理料を算定する病棟又は治療室は、児童及び思春期の精神疾患患者に対して、家庭及び学校関係者等との連携も含めた体制の下に、医師、看護師、精神保健福祉士及び公認心理師等による集中的かつ多面的な治療が計画的に提供される病棟又は治療室である。

(2) 当該入院料の対象は、20歳未満の精神疾患を有する患者(精神作用物質使用による精神及び行動の障害の患者並びに知的障害の患者を除く。)である。

(3) 当該入院料を算定する場合には、医師は看護師、精神保健福祉士及び公認心理師等と協力し、保護者等と協議の上、別紙様式4又は別紙様式4の2若しくはこれに準ずる様式を用いて、詳細な診療計画を作成する。また、作成した診療計画を保護者等に説明の上交付するとともにその写しを診療録に添付する。なお、これにより入院診療計画の基準を満たしたものとされる。

(4) 当該入院料を算定する場合には、保護者、学校関係者等に対して面接相談等適切な指導を適宜行う。

(5) 児童・思春期精神科入院医療管理に係る算定要件に該当しない患者が当該病棟又は治療室に入院した場合には、精神病棟入院基本料の特別入院基本料を算定する。

(6) (5)により、区分番号「A103」の精神病棟入院基本料の例により算定する場合の費用の請求については、区分番号「A307」の小児入院医療管理料の(8)と同様であること。

(7) 平成31年4月1日から当分の間、以下のいずれかの要件に該当する者は、公認心理師とみなす。

ア 平成31年3月31日時点で、臨床心理技術者として保険医療機関に従事していた者

イ 公認心理師に係る国家試験の受験資格を有する者

A312 精神療養病棟入院料(1日につき) 1,091点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た精神病棟を有する保険医療機関において、当該届出に係る精神病棟に入院している患者について、所定点数を算定する。

2 診療に係る費用(注3から注6までに規定する加算、第2節に規定する臨床研修病院入院診療加算、医師事務作業補助体制加算(50対1補助体制加算、75対1補助体制加算又は100対1補助体制加算に限る。)、地域加算、離島加算、精神科措置入院診療加算、精神科措置入院退院支援加算、精神科地域移行実施加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、報告書管理体制加算、精神科救急搬送患者地域連携受入加算、データ提出加算、薬剤総合評価調整加算及び排尿自立支援加算、第2章第1部医学管理等の区分番号B015に掲げる精神科退院時共同指導料2、第7部リハビリテーションの区分番号H000に掲げる心大血管疾患リハビリテーション料、区分番号 H001に掲げる脳血管疾患等リハビリテーション料、区分番号H001-2に掲げる廃用症候群リハビリテーション料、区分番号H002に掲げる運動器リハビリテーション料、区分番号H003に掲げる呼吸器リハビリテーション料、区分番号H003-2に掲げるリハビリテーション総合計画評価料、第8部精神科専門療法並びに除外薬剤・注射薬に係る費用を除く。)は、精神療養病棟入院料に含まれるものとする。

3 当該病棟に入院している統合失調症の患者に対して、計画的な医学管理の下に非定型抗精神病薬による治療を行い、かつ、療養上必要な指導を行った場合には、当該患者が使用した1日当たりの抗精神病薬が2種類以下の場合に限り、非定型抗精神病薬加算として、1日につき15点を所定点数に加算する。

4 別に厚生労働大臣が定める状態の患者については、重症者加算として、当該患者に係る区分に従い、次に掲げる点数をそれぞれ1日につき所定点数に加算する。ただし、重症者加算1については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関に入院している患者についてのみ加算する。

イ 重症者加算1 60点

ロ 重症者加算2 30点

5 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、当該病棟に入院している患者について退院支援計画を作成し、退院支援部署による退院調整を行った場合は、退院調整加算として、退院時に500点を所定点数に加算する。

6 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして保険医療機関が地方厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者について、精神保健福祉士配置加算として、1日につき30点を所定点数に加算する。

7 精神保健福祉士配置加算を算定した場合は、注5に規定する加算、区分番号A230-2に掲げる精神科地域移行実施加算、区分番号I011に掲げる精神科退院指導料及び区分番号I011-2に掲げる精神科退院前訪問指導料は、算定しない。

 通知
(1) 精神療養病棟は、主として長期にわたり療養が必要な精神障害患者が入院する病棟として認められたものであり、医療上特に必要がある場合に限り他の病棟への患者の移動は認められるが、その医療上の必要性について診療報酬明細書の摘要欄に詳細に記載する。

(2) 精神療養病棟入院料を算定する日に使用するものとされた投薬に係る薬剤料は、精神療養病棟入院料に含まれ、別に算定できない。

(3) 当該病棟の入院患者に対して退院に向けた相談支援業務等を行う者(以下「退院支援相談員」という)は、以下アからウまでの全ての業務を行う。

ア 退院に向けた相談支援業務

(イ) 当該患者及びその家族等からの相談に応じ、退院に向けた意欲の喚起等に努めること。相談を行った場合には、当該相談内容について看護記録等に記録をすること。

(ロ) 退院に向けた相談支援を行うに当たっては、主治医の指導を受けるとともに、その他当該患者の治療に関わる者との連携を図ること。

イ 退院支援委員会に関する業務

退院支援相談員は、担当する患者について退院に向けた支援を推進するための委員会(以下「退院支援委員会」という)を、当該患者1人につき月1回以上行うこと。なお、医療保護入院の者について、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律施行規則(昭和25年厚生省令第31号)第15条の6に基づき行われる医療保護入院者退院支援委員会の開催をもって、退院支援委員会の開催とみなすことができること。

ウ 退院調整に関する業務

患者の退院に向け、居住の場の確保等の退院後の環境にかかる調整を行うとともに、必要に応じて相談支援事業所等と連携する等、円滑な地域生活への移行を図ること。

(4) 退院支援委員会の出席者は、以下のとおりとすること。

ア 当該患者の主治医

イ 看護職員(当該患者を担当する看護職員が出席することが望ましい)

ウ 当該患者について指定された退院支援相談員

エ アからウまで以外の病院の管理者が出席を求める当該病院職員

オ 当該患者

カ 当該患者の家族等

キ 相談支援事業所等の当該精神障害者の退院後の生活環境に関わる者

なお、オ及びカについては、必要に応じて出席すること。また、キの出席については、当該患者の同意を得ること。

(5) 退院支援委員会の開催に当たっては、別紙様式38又はこれに準じた様式を用いて会議の記録を作成し、その写しを診療録等に添付すること。なお、医療保護入院の者について、医療保護入院者退院支援委員会の開催をもって、退院支援委員会の開催とみなす場合については、「医療保護入院者の退院促進に関する措置について」(平成26年1月24日障発0124第2号)に規定する医療保護入院者退院支援委員会の審議記録の写しを代わりに診療録等に添付する必要があること。

(6) 「注3」に規定する加算の算定に当たっては、区分番号「A311」精神科救急急性期医療入院料の(8)から(10)までの例による。

(7) 「注4」の重症者加算1は、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た病院である保険医療機関であって、算定する日においてGAF尺度による判定が30以下の患者である場合に算定する。

(8) 「注4」の重症者加算2は、算定する日においてGAF尺度による判定が40以下の患者である場合に算定する。

(9) 「注5」の退院調整加算の届出を行っている保険医療機関においては、別紙様式6を参考として看護師、作業療法士、精神保健福祉士、社会福祉士、公認心理師等の関係職種が連携して退院支援計画を作成し、退院支援部署による退院調整を行う。

(10) 「注6」に規定する加算の算定に当たっては、区分番号「A103」精神病棟入院基本料の(7)の例による。

(11) 平成31年4月1日から当分の間、以下のいずれかの要件に該当する者は、公認心理師とみなす。

ア 平成31年3月31日時点で、臨床心理技術者として保険医療機関に従事していた者

イ 公認心理師に係る国家試験の受験資格を有する者

A313 削除

A314 認知症治療病棟入院料(1日につき)

1 認知症治療病棟入院料1

イ 30日以内の期間 1,811点

ロ 31日以上60日以内の期間 1,503点

ハ 61日以上の期間 1,204点

2 認知症治療病棟入院料2

イ 30日以内の期間 1,318点

ロ 31日以上60日以内の期間 1,112点

ハ 61日以上の期間 988点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病院である保険医療機関において、当該届出に係る病棟に入院している患者について、当該基準に係る区分に従い、それぞれ算定する。

2 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病院である保険医療機関において、当該病棟に6月以上入院している患者について退院支援計画を作成し、退院支援部署による退院調整を行った場合は、退院調整加算として、退院時に300点を所定点数に加算する。

3 当該病棟が、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして保険医療機関が地方厚生局長等に届け出た病棟である場合には、認知症夜間対応加算として、当該患者の入院期間に応じ、次に掲げる点数をそれぞれ1日につき所定点数に加算する。

イ 30日以内の期間 84点

ロ 31日以上の期間 40点

4 診療に係る費用(注2及び注3に規定する加算、第2節に規定する臨床研修病院入院診療加算、医師事務作業補助体制加算(50対1補助体制加算、75対1補助体制加算又は100対1補助体制加算に限る。)、地域加算、離島加算、精神科措置入院診療加算、精神科措置入院退院支援加算、精神科身体合併症管理加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、報告書管理体制加算、精神科救急搬送患者地域連携受入加算、データ提出加算、薬剤総合評価調整加算並びに排尿自立支援加算、第2章第1部医学管理等の区分番号B015に掲げる精神科退院時共同指導料2、第7部リハビリテーションの区分番号H003-2に掲げるリハビリテーション総合計画評価料(1に限る。)、区分番号H004に掲げる摂食機能療法、区分番号H007-3に掲げる認知症患者リハビリテーション料、第8部精神科専門療法、第9部処置の区分番号J038に掲げる人工腎臓(入院した日から起算して60日以内の期間に限る。)、区分番号J400に掲げる特定保険医療材料(入院した日から起算して60日以内の期間における区分番号J038に掲げる人工腎臓に係るものに限る。)並びに除外薬剤・注射薬に係る費用を除く。)は、認知症治療病棟入院料に含まれるものとする。

 通知
(1) 認知症治療病棟入院料は、精神症状及び行動異常が特に著しい重度の認知症患者を対象とした急性期に重点をおいた集中的な認知症治療病棟入院医療を行うため、その体制等が整備されているものとして、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして届け出た保険医療機関の精神病棟に入院している患者について算定する。なお、精神症状及び行動異常が特に著しい重度の認知症患者とは、ADLにかかわらず認知症に伴って幻覚、妄想、夜間せん妄、徘徊、弄便、異食等の症状が著しく、その看護が著しく困難な患者をいう。

(2) 認知症治療病棟入院医療を行う病棟は重度認知症患者を入院させる施設として特に認められたものであり、他の病棟への移動は医療上特に必要がある場合に限るものとし、単に検査のために短期間他の病棟に転棟すること等は認められない。

なお、必要があって他の病棟へ移動した場合は、その医療上の必要性について診療報酬明細書に詳細に記載すること。

(3) 認知症治療病棟入院料を算定する日に使用するものとされた投薬に係る薬剤料は、認知症治療病棟入院料に含まれ、別に算定できない。

(4) 生活機能回復のための訓練及び指導の内容の要点及び実施に要した時間については、診療録等に記載すること。

(5) 「注2」の退院調整加算の届出を行っている保険医療機関においては、別紙様式6を参考として看護師、作業療法士、精神保健福祉士、社会福祉士、公認心理師等の関係職種が連携して退院支援計画を作成し、退院支援部署による退院調整を行う。

(6) 「注3」の認知症夜間対応加算は、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとしての届け出た保険医療機関において、当該病棟に夜勤を行う看護要員が3人以上の場合に算定できる。

(7) 「注3」の認知症夜間対応加算を算定する病棟は、行動制限を最小化する取組を実施した上で算定する。取組内容については、区分番号「A311」精神科救急急性期医療入院料の(14)及び(15)の例による。なお、当該加算に係る入院期間の起算日は、第2部入院料等の通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される入院の初日のことをいう。

(8) 平成31年4月1日から当分の間、以下のいずれかの要件に該当する者は、公認心理師とみなす。

ア 平成31年3月31日時点で、臨床心理技術者として保険医療機関に従事していた者

イ 公認心理師に係る国家試験の受験資格を有する者

A315及びA316 削除

A317 特定一般病棟入院料(1日につき)

1 特定一般病棟入院料1 1,152点

2 特定一般病棟入院料2 987点

注1 医療提供体制の確保の状況に鑑み別に厚生労働大臣が定める地域に所在する保険医療機関(一般病棟が1病棟のものに限る。)が、一定地域で必要とされる医療を当該保険医療機関で確保するための体制につき別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者について、当該基準に係る区分に従い、それぞれ所定点数を算定する。

2 当該病棟の入院患者の入院期間に応じ、次に掲げる点数をそれぞれ1日につき所定点数に加算する。

イ 14日以内の期間 450点

ロ 15日以上30日以内の期間 192点

3 当該患者が他の保険医療機関から転院してきた者であって、当該他の保険医療機関において区分番号A246に掲げる入退院支援加算3を算定したものである場合には、重症児(者)受入連携加算として、入院初日に限り2,000点を所定点数に加算する。

4 当該病棟に入院している患者ち、急性期医療を担う他の保険医療機関の一般病棟から転院した患者又は介護老人保健施設、介護医療院、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム等若しくは自宅から入院した患者については、転院又は入院した日から起算して14日を限度として、救急・在宅等支援病床初期加算として、1日につき150点を所定点数に加算する。

5 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合するものとして地方厚生局長等に届け出た病棟において、当該患者の看護必要度について測定を行った場合には、一般病棟看護必要度評価加算として、1日につき5点を所定点数に加算する。

6 当該病棟においては、第2節の各区分に掲げる入院基本料等加算のうち、総合入院体制加算、急性期充実体制加算、臨床研修病院入院診療加算、救急医療管理加算、超急性期脳卒中加算、妊産婦緊急搬送入院加算、在宅患者緊急入院診療加算、診療録管理体制加算、医師事務作業補助体制加算、乳幼児加算・幼児加算、難病等特別入院診療加算、超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算、看護配置加算、看護補助加算、地域加算、離島加算、療養環境加算、HIV感染者療養環境特別加算、二類感染症患者療養環境特別加算、重症者等療養環境特別加算、小児療養環境特別加算、無菌治療室管理加算、放射線治療病室管理加算、緩和ケア診療加算、精神科リエゾンチーム加算、強度行動障害入院医療管理加算、依存症入院医療管理加算、摂食障害入院医療管理加算、がん拠点病院加算、栄養サポートチーム加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、報告書管理体制加算、褥瘡 ハイリスク患者ケア加算、ハイリスク妊娠管理加算、ハイリスク分娩等管理加算(ハイリスク分娩管理加算に限る。)、呼吸ケアチーム加算、術後疼痛管理チーム加算、後発医薬品使用体制加算、データ提出加算、入退院支援加算(1のイ、2のイ及び3に限る。)、認知症ケア加算、せん妄ハイリスク患者ケア加算、精神疾患診療体制加算、薬剤総合評価調整加算及び排尿自立支援加算について、同節に規定する算定要件を満たす場合に算定できる。

7 当該病棟の病室ち、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出たものに入院する患者に対し、必要があって地域包括ケア入院医療管理が行われた場合には、注1から注6までの規定にかかわらず、当該病室に入院した日から起算して60日を限度として、それぞれ2,432点、2,243点、1,983点又は1,773点を算定する。ただし、当該病室に入院した患者が算定要件に該当しない場合は、区分番号A100に掲げる一般病棟入院基本料の注2に規定する特別入院基本料の例により算定する。

8 注7本文の規定により所定点数を算定する場合においては、診療に係る費用(区分番号A308-3に掲げる地域包括ケア病棟入院料の注3から注5まで及び注7に規定する加算、第2節に規定する臨床研修病院入院診療加算、在宅患者緊急入院診療加算、医師事務作業補助体制加算、地域加算、離島加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、報告書管理体制加算、データ提出加算、入退院支援加算(1のイに限る。)、認知症ケア加算、薬剤総合評価調整加算並びに排尿自立支援加算、第2章第2部在宅医療、区分番号H004に掲げる摂食機能療法、区分番号J038に掲げる人工腎臓、区分番号J042に掲げるかん腹膜灌流、区分番号J400に掲げる特定保険医療材料(区分番号J038に掲げる人工腎臓かん又は区分番号J042に掲げる腹膜灌流に係るものに限る。)及び除外薬剤・注射薬の費用を除く。)は、当該所定点数に含まれるものとする。

9 注1から注6までの規定にかかわらず、保険医療機関が地方厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者(注7の規定により地方厚生局長等に届け出た病室に入院する者を除く。)であって、当該病棟に90日を超えて入院する患者については、区分番号A101に掲げる療養病棟入院料1の例により算定する。

 通知
(1) 特定一般病棟は、医療提供体制の確保の状況に鑑み、自己完結した医療を提供しているが、医療資源の少ない地域に所在する一般病棟が1病棟から成る保険医療機関の一般病棟であり、当該病棟に入院した患者について算定する。

(2) 「注2」の加算に係る入院期間の起算日は、第2部通則5に規定する起算日とする。

(3) 「注5」に規定する一般病棟看護必要度評価加算は、特定一般病棟入院料を算定する病棟であって、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす病棟に入院しており、看護必要度の測定が行われた患者について算定すること。

(4) 特定一般病棟入院料を算定する病棟については、「注6」に掲げる入院基本料等加算について、それぞれの算定要件を満たす場合に算定できる。

(5) 「注7」に規定する点数については、地域包括ケア入院医療管理を行うものとして地方厚生(支)局長に届け出た病室において、急性期治療を経過した患者及び在宅において療養を行っている患者等の受入れ並びに患者の在宅復帰支援等の地域包括ケアシステムを支える医療を提供した場合に、特定一般病棟入院料(地域包括ケア1)として2,432点、特定一般病棟入院料(地域包括ケア2)として2,243点、特定一般病棟入院料(地域包括ケア3)として1,983点又は特定一般病棟入院料(地域包括ケア4)として1,773点を算定する。

A318地域移行機能強化病棟入院料(1日につき)1,539点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た精神病棟を有する保険医療機関において、当該届出に係る精神病棟に入院している患者について算定する。ただし、当該病棟に入院した患者が当該入院料に係る算定要件に該当しない場合は、区分番号A103に掲げる精神病棟入院基本料の15対1入院基本料の例により算定する。

2 当該病棟に入院している統合失調症の患者に対して、計画的な医学管理の下に非定型抗精神病薬による治療を行い、かつ、療養上必要な指導を行った場合には、当該患者が使用した1日当たりの抗精神病薬が2種類以下の場合に限り、非定型抗精神病薬加算として、1日につき15点を所定点数に加算する。

3 別に厚生労働大臣が定める状態の患者については、重症者加算として、当該患者に係る区分に従い、次に掲げる点数をそれぞれ1日につき所定点数に加算する。ただし、重症者加算1については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関に入院している患者についてのみ加算する。

イ 重症者加算1 60点

ロ 重症者加算2 30点

4 診療に係る費用(注2及び注3本文に規定する加算、第2節に規定する臨床研修病院入院診療加算、医師事務作業補助体制加算(50対1補助体制加算、75対1補助体制加算又は100対1補助体制加算に限る。)、地域加算、離島加算、精神科措置入院診療加算、精神科措置入院退院支援加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、報告書管理体制加算、データ提出加算、薬剤総合評価調整加算並びに排尿自立支援加算、第2章第1部医学管理等の区分番号B015に掲げる精神科退院時共同指導料2、第8部精神科専門療法(区分番号I011に掲げる精神科退院指導料及び区分番号I011-2に掲げる精神科退院前訪問指導料を除く。)並びに除外薬剤・注射薬に係る費用を除く。)は、地域移行機能強化病棟入院料に含まれるものとする。

 通知
(1) 地域移行機能強化病棟は、当該保険医療機関に1年以上入院している患者又は当該保険医療機関での入院が1年以上に及ぶ可能性がある患者に対し、退院後に地域で安定的に日常生活を送るための訓練や支援を集中的に実施し、地域生活への移行を図る病棟であること。

(2) 地域移行機能強化病棟入院料を算定する日に使用するものとされた投薬に係る薬剤料は、地域移行機能強化病棟入院料に含まれ、別に算定できない。

(3) 当該病棟の入院患者には、主治医を含む多職種が共同して、以下の支援を行うこと。このうち、アからオまでについては、入院患者全員に行う必要があること。個々の患者に応じた具体的支援の内容については退院支援委員会で議論し、退院支援計画に記載すること。これらの支援については、必要に応じ、退院後の居住先や日中の活動場所を訪問して行う必要があること。

ア 保健所、指定特定相談支援事業所・指定一般相談支援事業所の職員、障害福祉サービス事業者の職員、ピアサポーター等との定期的な交流機会を通じた退院意欲の喚起

イ 家事能力や服薬管理等、日常生活に必要な能力を習得する訓練や外出等、地域生活を念頭に置いた実際的なプログラムの実施

ウ 退院後の医療の確保に関すること

(イ) 通院医療機関の確保

(ロ) 訪問診療及び訪問看護の必要性の検討(必要な場合には、対応可能な医療機関や訪問看護ステーションも確保)

(ハ) 薬物療法のアドヒアランスの確認と安定に向けた介入

エ 居住先に関すること

(イ) 居住の場の検討と居住先(自宅を含む。)の確保

(ロ) 居住先等での試験外泊や訓練の実施

オ 退院後の生活に関すること

(イ) 障害福祉サービスや介護保険サービス等の利用の必要性の検討

(ロ) 後見人、補佐人又は補助人の必要性の検討

(ハ) 退院後の相談支援に応じる者の検討と確保(指定一般相談支援事業者、指定特定相談支援事業者、市町村の精神保健相談員又は市町村の保健師等)

(ニ) 症状の悪化時等、トラブル時の対処方法や連絡先の一覧の作成(作成した一覧の写しを診療録に添付するとともに、患者及び家族等患者の日常生活を支援する者に交付すること)

カ その他

(イ) 市区町村役所での諸手続や居住先で必要な日用品購入等への同行

(ロ) 適切な日中の活動場所の検討

(ハ) 活動場所への移動手段に応じた訓練

(4) 主治医は、当該病棟入院時に、患者と面談し、当該病棟で行われる訓練や治療の内容や目的等について説明すること。併せて退院時にも、精神症状や日常生活能力の評価及び改善の可能性、退院後の治療継続の必要性について、患者に説明すること。

(5) 当該病棟の入院患者に対して退院に向けた相談支援業務等を行う者(以下本項において「退院支援相談員」という。)は、以下アからエまでの全ての業務を行う。ア退院に向けた意欲の喚起及び個別相談支援業務

(イ) 月1回以上、当該患者と面談し、本人の意向や退院後の生活に関する疑問等を聴取し、退院に向けた意欲の喚起に努めること。

(ロ) (イ)とは別に、当該患者及びその家族等の求めに応じ、随時退院に向けた相談に応じる機会を設けること。

(ハ) (イ)及び(ロ)で患者から聴取した内容や、助言・指導の要点を看護記録等に記録をすること。

(ニ) 退院に向けた相談支援を行うに当たっては、主治医、当該患者の治療に関わる者及び相談支援事業者又は居宅介護支援事業者等の当該精神障害者の退院後の生活環境の調整に関わる者との連携を図ること。

イ 退院支援委員会に関する業務

退院支援相談員は、退院支援委員会を、当該患者1人につき月1回以上開催し、退院支援計画の進捗状況について検証すること。また、退院支援委員会の議事の要点を診療録等に記載すること。

なお、医療保護入院の者について、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律施行規則第15条の6に基づき行われる医療保護入院者退院支援委員会の開催をもって、退院支援委員会の開催とみなすことができること。この際、「医療保護入院者の退院促進に関する措置について」に規定する医療保護入院者退院支援委員会の審議記録の写しを診療録等に添付する必要があること。

ウ 退院調整に関する業務

患者の退院に向け、居住の場の確保等の退院後の環境に係る調整を行うとともに、必要に応じて相談支援事業所等と連携する等、円滑な地域生活への移行を図ること。

エ 退院支援計画の作成及び患者等への説明

担当する患者について、当該患者の意向や退院支援委員会での議事等を踏まえ、具体的な支援の内容とスケジュールを明記した退院支援計画を作成すること。退院支援計画の作成に当たっては、別紙様式6の3又はこれに準ずる様式を用いて作成し、作成した退院支援計画の内容を患者又はその家族等に文書で説明すること。退院支援計画は、退院支援委員会の議事等を踏まえ、少なくとも月に1回以上変更の必要性を検討するとともに、変更が必要な場合には変更点を患者又はその家族等に文書で説明すること。説明に用いた文書及び退院支援計画の写しを診療録に添付すること。

(6) 退院支援委員会の出席者は、以下のとおりとすること。

ア 当該患者の主治医

イ 看護職員(当該患者を担当する看護職員が出席することが望ましい)

ウ 当該患者について指定された退院支援相談員

エ アからウまで以外の病院の管理者が出席を求める当該病院職員

オ 当該患者

カ 当該患者の家族等

キ 指定特定相談支援事業者、指定一般相談支援事業者、居宅介護支援事業者等の当該精神障害者の退院後の生活環境に関わる者

なお、オ及びカについては、必要に応じて出席すること。また、キについては、当該患者の同意が得られない場合を除き、必ず出席を求めること。

(7) 退院を予定している患者(指定特定相談支援事業者又は居宅介護支援事業者が退院後のサービス等利用計画を作成している患者に限る。)に係る他の保険医療機関における区分番号「I008-2」精神科ショート・ケア又は区分番号「I009」精神科デイ・ケアの利用については、第2部通則5に規定する入院料の基本点数の控除を行わないものとする。

(8) 精神疾患を有する患者が地域で生活するために必要な保健医療福祉資源の確保に努めること。必要な地域資源が十分に確保できない場合には、当該保険医療機関自ら地域資源の整備に取り組むことが望ましい。

(9) 「注2」については、区分番号「A311」精神科救急急性期医療入院料の(8)から(10)までの例により、「注3」については、区分番号「A312」精神療養病棟入院料の(7)及び(8)の例による。

A319特定機能病院リハビリテーション病棟入院料2,129点(生活療養を受ける場合にあっては、2,115点)

注1 主として回復期リハビリテーションを行う病棟に関する別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして保険医療機関(特定機能病院に限る。)が地方厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者であって、別に厚生労働大臣が定める回復期リハビリテーションを要する状態にあるものについて、当該病棟に入院した日から起算して、それぞれの状態に応じて別に厚生労働大臣が定める日数を限度として所定点数を算定する。ただし、当該病棟に入院した患者が当該入院料に係る算定要件に該当しない場合は、区分番号A100に掲げる一般病棟入院基本料の注2に規定する特別入院基本料の例により算定する。

2 診療に係る費用(当該患者に対して行った第2章第1部医学管理等の区分番号B001の10に掲げる入院栄養食事指導料、第2部在宅医療、第7部リハビリテーションの費用(別に厚生労働大臣が定める費用を除く。)、第2節に規定する臨床研修病院入院診療加算、医師事務作業補助体制加算、地域加算、離島加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、報告書管理体制加算、データ提出加算、入退院支援加算(1のイに限る。)、認知症ケア加算、薬剤総合評価調整加算、排尿自立支援加算、区分番号J038に掲げる人工かん腎臓、区分番号J042に掲げる腹膜灌流、区分番号J400に掲げる特定保険医療材料(区分番号J038に掲げる人工腎臓又は区分番号かんJ042に掲げる腹膜灌流に係るものに限る。)並びに除外薬剤・注射薬の費用を除く。)は、特定機能病院リハビリテーション病棟入院料に含まれるものとする。

 通知
(1) 特定機能病院リハビリテーション病棟は、脳血管疾患又は大腿骨頸部骨折等の患者に対して、ADLの向上による寝たきりの防止と家庭復帰を目的としたリハビリテーションを特に集中的に行うための病棟であり、回復期リハビリテーションを要する状態の患者が常時8割以上入院している病棟をいう。なお、リハビリテーションの実施に当たっては、医師は定期的な機能検査等をもとに、その効果判定を行いリハビリテーション実施計画書を作成する必要がある。

(2) 医療上特に必要がある場合に限り特定機能病院リハビリテーション病棟から他の病棟への患者の移動は認められるが、その医療上の必要性について診療報酬明細書の摘要欄に詳細に記載する。

(3) 特定機能病院リハビリテーション病棟入院料を算定する日に使用するものとされた投薬に係る薬剤料は、特定機能病院リハビリテーション病棟入院料に含まれ、別に算定できない。

(4) 特定機能病院リハビリテーション病棟入院料に係る算定要件に該当しない患者が、当該病棟に入院した場合には、区分番号「A100」の注2に規定する特別入院基本料を算定する。区分番号「A100」の注2に規定する特別入院基本料を算定する場合の費用の請求については、同「注4」に規定する重症児(者)受入連携加算、同「注5」に規定する救急・在宅等支援病床初期加算、同「注12」に規定するADL維持向上等体制加算は算定できず、同「注10」に規定する加算(特別入院基本料において算定できるものに限る。)は、当該病棟において要件を満たしている場合に算定できる。

(5) 必要に応じて病棟等における早期歩行、ADLの自立等を目的とした理学療法又は作業療法が行われることとする。

(6) 特定機能病院リハビリテーション病棟入院料又は回復期リハビリテーション病棟入院料を算定している患者は、特定機能病院リハビリテーション病棟入院料を算定する病棟へ転院してきた場合においても、特定機能病院リハビリテーション病棟入院料を継続して算定できることとする。ただし、その場合にあっては、当該入院料の算定期間を通算する。なお、診療報酬明細書の摘要欄に転院前の保険医療機関における当該入院料の算定日数を記載すること。

(7) 特定機能病院リハビリテーション病棟入院料を算定するに当たっては、当該特定機能病院リハビリテーション病棟への入院時又は転院時及び退院時に日常生活機能評価、FIM及びSectionGGの測定を行い、その結果について診療録等に記載すること。

(8) 特定機能病院リハビリテーション病棟入院料を算定するに当たっては、当該入院料を算定する患者に対し、入棟後1週間以内に入棟時のFIM運動項目の得点について、また退棟(死亡の場合を除く。)に際して退棟時のFIM運動項目の得点について、その合計及び項目別内訳を記載したリハビリテーション実施計画書を作成し、説明すること。なお、患者の求めがあった場合には、作成したリハビリテーション実施計画書を交付すること。

(9) 医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士等の多職種が共同してリハビリテーション総合実施計画書を作成し、これに基づいて行ったリハビリテーションの効果、実施方法等について共同して評価を行った場合は、区分番号「H003-2」リハビリテーション総合計画評価料を算定できる。

(10) 特定機能病院リハビリテーション病棟入院料を算定するに当たっては、栄養管理に関するものとして、次に掲げる内容を行うこと。

ア 当該入院料を算定する全ての患者について、患者ごとに行うリハビリテーション実施計画又はリハビリテーション総合実施計画の作成に当たっては、管理栄養士も参画し、患者の栄養状態を十分に踏まえて行うこと。なお、リハビリテーション実施計画書又はリハビリテーション総合実施計画書における栄養関連項目については、必ず記載すること。

イ 当該入院料を算定する全ての患者について、管理栄養士を含む医師、看護師その他医療従事者が、入棟時の患者の栄養状態の確認、当該患者の栄養状態の定期的な評価及び栄養管理に係る計画の見直しを共同して行うこと。

ウ 当該入院料を算定する患者のうち、栄養障害の状態にあるもの又は栄養管理をしなければ栄養障害の状態になることが見込まれるものその他の重点的な栄養管理が必要なものについては、栄養状態に関する再評価を週1回以上行うとともに、再評価の結果も踏まえた適切な栄養管理を行い、栄養状態の改善等を図ること。

(11) 急性心筋梗塞等の患者(基本診療料の施設基準等別表第九に掲げる「急性心筋梗塞、狭心症発作その他急性発症した心大血管疾患又は手術後の状態」に該当する患者であって、回復期リハビリテーション病棟入院料を算定開始日から起算して90日まで算定できるものに限る。)については、「心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン」(日本循環器学会、日本心臓リハビリテーション学会合同ガイドライン)の内容を踏まえ、心肺運動負荷試験(CPX(cardiopulmonaryexercisetesting))を入棟時及び入棟後月に1回以上実施することが望ましい。