令和4年(2022)第1節 医学管理料等

目次

B000特定疾患療養管理料

1 診療所の場合 225点

2 許可病床数が100床未満の病院の場合 147点

3 許可病床数が100床以上200床未満の病院の場合 87点

注1 別に厚生労働大臣が定める疾患を主病とする患者に対して、治療計画に基づき療養上必要な管理を行った場合に、月2回に限り算定する。

2 区分番号A000に掲げる初診料を算定する初診の日に行った管理又は当該初診の日から1月以内に行った管理の費用は、初診料に含まれるものとする。

3 入院中の患者に対して行った管理又は退院した患者に対して退院の日から起算して1月以内に行った管理の費用は、第1章第2部第1節に掲げる入院基本料に含まれるものとする。

4 第2部第2節第1款在宅療養指導管理料の各区分に掲げる指導管理料又は区分番号B001の8に掲げる皮膚科特定疾患指導管理料を算定すべき指導管理を受けている患者に対して行った管理の費用は、各区分に掲げるそれぞれの指導管理料に含まれるものとする。

5 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、特定疾患療養管理料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、1、2又は3の所定点数に代えて、それぞれ196点、128点又は76点を算定する。

 通知
(1) 特定疾患療養管理料は、生活習慣病等の厚生労働大臣が別に定める疾患を主病とする患者について、プライマリケア機能を担う地域のかかりつけ医師が計画的に療養上の管理を行うことを評価したものであり、許可病床数が200床以上の病院においては算定できない。

(2) 特定疾患療養管理料は、別に厚生労働大臣が定める疾患を主病とする患者に対して、治療計画に基づき、服薬、運動、栄養等の療養上の管理を行った場合に、月2回に限り算定する。

(3) 第1回目の特定疾患療養管理料は、区分番号「A000」初診料(「注5」のただし書に規定する所定点数を算定する場合を含む。特に規定する場合を除き、以下この部において同じ。)を算定した初診の日又は当該保険医療機関から退院した日からそれぞれ起算して1か月を経過した日以降に算定する。ただし、本管理料の性格に鑑み、1か月を経過した日が休日の場合であって、その休日の直前の休日でない日に特定疾患療養管理料の「注1」に掲げる要件を満たす場合には、その日に特定疾患療養管理料を算定できる。

(4) 区分番号「A000」初診料を算定した初診の日又は当該保険医療機関から退院した日からそれぞれ起算して1か月を経過した日が翌々月の1日となる場合であって、初診料を算定した初診の日又は退院の日が属する月の翌月の末日(その末日が休日の場合はその前日)に特定疾患療養管理料の「注1」に掲げる要件を満たす場合には、本管理料の性格に鑑み、その日に特定疾患療養管理料を算定できる。

(5) 診察に基づき計画的な診療計画を立てている場合であって、必要やむを得ない場合に、看護に当たっている家族等を通して療養上の管理を行ったときにおいても、特定疾患療養管理料を算定できる。

(6) 管理内容の要点を診療録に記載する。

(7) 同一保険医療機関において、2以上の診療科にわたり受診している場合においては、主病と認められる特定疾患の治療に当たっている診療科においてのみ算定する。

(8) 特定疾患療養管理料は、別に厚生労働大臣が定める疾患を主病とする者に対し、実際に主病を中心とした療養上必要な管理が行われていない場合又は実態的に主病に対する治療が当該保険医療機関では行われていない場合には算定できない。

(9) 主病とは、当該患者の全身的な医学管理の中心となっている特定疾患をいうものであり、対診又は依頼により検査のみを行っている保険医療機関にあっては算定できない。

(10) 入院中の患者については、いかなる場合であっても特定疾患療養管理料は算定できない。従って、入院中の患者に他の疾患が発症し、別の科の外来診療室へ行って受診する場合であっても、当該発症については特定疾患療養管理料の算定はできない。

(11) 別に厚生労働大臣が定める疾病名は、「疾病、傷害及び死因の統計分類基本分類表(平成27年総務省告示第35号)」(以下「分類表」という。)に規定する分類に該当する疾病の名称であるが、疾病名について各医療機関での呼称が異なっていても、その医学的内容が分類表上の対象疾病名と同様である場合は算定の対象となる。ただし、混乱を避けるため、できる限り分類表上の名称を用いることが望ましい。

(12) 「注5」に規定する情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する。

B001特定疾患治療管理料

1 ウイルス疾患指導料

イ ウイルス疾患指導料1 240点

ロ ウイルス疾患指導料2 330点

注1 イについては、肝炎ウイルス疾患又は成人T細胞白血病に罹患している患者りに対して、ロについては、後天性免疫不全症候群に罹患している患者に対して、それぞれ療養上必要な指導及び感染予防に関する指導を行った場合に、イについては患者1人につき1回に限り、ロについては患者1人につき月1回に限り算定する。ただし、区分番号B000に掲げる特定疾患療養管理料を算定している患者については算定しない。

2 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、ロの指導が行われる場合は、220点を所定点数に加算する。

3 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、ウイルス疾患指導料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、イ又はロの所定点数に代えて、それぞれ209点又は287点を算定する。

 通知
(1) 肝炎ウイルス、HIV又は成人T細胞白血病ウイルスによる疾患に罹患しており、かつ、他人に対し感染させる危険がある者又はその家族に対して、療養上必要な指導及びウイルス感染防止のための指導を行った場合に、肝炎ウイルス疾患又は成人T細胞白血病については、患者1人につき1回に限り算定し、後天性免疫不全症候群については、月1回に限り算定する。

(2) ウイルス疾患指導料は、当該ウイルス疾患に罹患していることが明らかにされた時点以降に、「注1」に掲げる指導を行った場合に算定する。なお、ウイルス感染防止のための指導には、公衆衛生上の指導及び院内感染、家族内感染防止のための指導等が含まれる。

(3) HIVの感染者に対して指導を行った場合には、「ロ」を算定する。

(4) 同一の患者に対して、同月内に「イ」及び「ロ」の双方に該当する指導が行われた場合は、主たるもの一方の所定点数のみを算定する。

(5) 「注2」に掲げる加算は、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関において、後天性免疫不全症候群に罹患している患者又はHIVの感染者に対して療養上必要な指導及び感染予防に関する指導を行った場合に算定する。

(6) 指導内容の要点を診療録に記載する。

(7) 「注3」に規定する情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する。

2 特定薬剤治療管理料

イ 特定薬剤治療管理料1 470点

ロ 特定薬剤治療管理料2 100点

注1 イについては、ジギタリス製剤又は抗てんかん剤を投与している患者、免疫抑制剤を投与している臓器移植後の患者その他別に厚生労働大臣が定める患者に対して、薬物血中濃度を測定して計画的な治療管理を行った場合に算定する。

2 イについては、同一の患者につき特定薬剤治療管理料を算定すべき測定及び計画的な治療管理を月2回以上行った場合においては、特定薬剤治療管理料は1回に限り算定することとし、第1回の測定及び計画的な治療管理を行ったときに算定する。

3 イについては、ジギタリス製剤の急速飽和を行った場合又はてんかん重積状態の患者に対して、抗てんかん剤の注射等を行った場合は、所定点数にかかわらず、1回に限り740点を特定薬剤治療管理料1として算定する。

4 イについては、抗てんかん剤又は免疫抑制剤を投与している患者以外の患者に対して行った薬物血中濃度の測定及び計画的な治療管理ち、4月目以降のものについては、所定点数の100分の50に相当する点数により算定する。

5 イについては、てんの患者であって、2種類以上の抗てんかん剤を投与されているものについて、同一暦月に血中の複数の抗てんかん剤の濃度を測定し、その測定結果に基づき、個々の投与量を精密に管理した場合は、当該管理を行った月において、2回に限り所定点数を算定できる。

6 イについては、臓器移植後の患者に対して、免疫抑制剤の投与を行った場合は、臓器移植を行った日の属する月を含め3月に限り、2,740点を所定点数に加算する。

7 イについては、入院中の患者であって、バンコマイシンを投与しているものに対して、血中のバンコマイシンの濃度を複数回測定し、その測定結果に基づき、投与量を精密に管理した場合は、1回に限り、530点を所定点数に加算する。

8 イについては、注6及び注7に規定する患者以外の患者に対して、特定薬剤治療管理に係る薬剤の投与を行った場合は、1回目の特定薬剤治療管理料を算定すべき月に限り、280点を所定点数に加算する。

9 イについては、ミコフェノール酸モフェチルを投与している臓器移植後の患者であって、2種類以上の免疫抑制剤を投与されているものについて、医師が必要と認め、同一暦月に血中の複数の免疫抑制剤の濃度を測定し、その測定結果に基づき、個々の投与量を精密に管理した場合は、6月に1回に限り250点を所定点数に加算する。

10 イについては、エベロリムスを投与している臓器移植後の患者であって、2種類以上の免疫抑制剤を投与されているものについて、医師が必要と認め、同一暦月に血中の複数の免疫抑制剤の濃度を測定し、その測定結果に基づき、個々の投与量を精密に管理した場合は、エベロリムスの初回投与を行った日の属する月を含め3月に限り月1回、4月目以降は4月に1回に限り250点を所定点数に加算する。

11 ロについては、サリドマイド及びその誘導体を投与している患者について、服薬に係る安全管理の遵守状況を確認し、その結果を所定の機関に報告する等により、投与の妥当性を確認した上で、必要な指導等を行った場合に月1回に限り所定点数を算定する。

 通知
(1) 特定薬剤治療管理料1

ア 特定薬剤治療管理料1は、下記のものに対して投与薬剤の血中濃度を測定し、その結果に基づき当該薬剤の投与量を精密に管理した場合、月1回に限り算定する。

(イ) 心疾患患者であってジギタリス製剤を投与しているもの

(ロ) てんかん患者であって抗てんかん剤を投与しているもの

(ハ) 臓器移植術を受けた患者であって臓器移植における拒否反応の抑制を目的として免疫抑制剤を投与しているもの

(ニ) 気管支喘息、喘息性(様)気管支炎、慢性気管支炎、肺気腫又は未熟児無呼吸発作の患者であってテオフィリン製剤を投与しているもの

(ホ) 不整脈の患者であって不整脈用剤を継続的に投与しているもの

(ヘ) 統合失調症の患者であってハロペリドール製剤又はブロムペリドール製剤を投与しているもの

(ト) 躁うつ病の患者であってリチウム製剤を投与しているもの

(チ) 躁うつ病又は躁病の患者であってバルプロ酸ナトリウム又はカルバマゼピンを投与しているもの

(リ) ベーチェット病の患者であって活動性・難治性眼症状を有するもの又はその他の非感染性ぶどう膜炎(既存治療で効果不十分で、視力低下のおそれのある活動性の中間部又は後部の非感染性ぶどう膜炎に限る。)、再生不良性貧血、赤芽球癆、尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、関節症性乾癬、全身型重症筋無力症、アトピー性皮膚炎(既存治療で十分な効果が得られない患者に限る。)、ネフローゼ症候群若しくは川崎病の急性期の患者であってシクロスポリンを投与しているもの

(ヌ) 全身型重症筋無力症、関節リウマチ、ループス腎炎、潰瘍性大腸炎又は間質性肺炎(多発性筋炎又は皮膚筋炎に合併するものに限る。)の患者であってタクロリムス水和物を投与しているもの

(ル) 若年性関節リウマチ、リウマチ熱又は慢性関節リウマチの患者であってサリチル酸系製剤を継続的に投与しているもの

(ヲ) 悪性腫瘍の患者であってメトトレキサートを投与しているもの

(ワ) 結節性硬化症の患者であってエベロリムスを投与しているもの

(カ) 入院中の患者であってアミノ配糖体抗生物質、グリコペプチド系抗生物質又はトリアゾール系抗真菌剤を数日間以上投与しているもの

(ヨ) 重症又は難治性真菌感染症又は造血幹細胞移植の患者であってトリアゾール系抗真菌剤を投与(造血幹細胞移植の患者にあっては、深在性真菌症の予防を目的とするものに限る。)しているもの

(タ) イマチニブを投与しているもの

(レ) リンパ脈管筋腫症の患者であってシロリムス製剤を投与しているもの

(ソ) 腎細胞癌の患者であって抗悪性腫瘍剤としてスニチニブを投与しているもの

(ツ) 片頭痛の患者であってバルプロ酸ナトリウムを投与しているもの

(ネ) 統合失調症の患者であって治療抵抗性統合失調症治療薬を投与しているもの

イ 特定薬剤治療管理料1を算定できる不整脈用剤とはプロカインアミド、N-アセチルプロカインアミド、ジソピラミド、キニジン、アプリンジン、リドカイン、ピルジカイニド塩酸塩、プロパフェノン、メキシレチン、フレカイニド、シベンゾリンコハク酸塩、ピルメノール、アミオダロン、ソタロール塩酸塩及びベプリジル塩酸塩をいう。

ウ 特定薬剤治療管理料1を算定できるグリコペプチド系抗生物質とは、バンコマイシン及びテイコプラニンをいい、トリアゾール系抗真菌剤とは、ボリコナゾールをいう。

エ 特定薬剤治療管理料1を算定できる免疫抑制剤とは、シクロスポリン、タクロリムス水和物、エベロリムス及びミコフェノール酸モフェチルをいう。

オ 特定薬剤治療管理料1を算定できる治療抵抗性統合失調症治療薬とは、クロザピンをいう。

カ 当該管理料には、薬剤の血中濃度測定、当該血中濃度測定に係る採血及び測定結果に基づく投与量の管理に係る費用が含まれるものであり、1月のうちに2回以上血中濃度を測定した場合であっても、それに係る費用は別に算定できない。ただし、別の疾患に対して別の薬剤を投与した場合(例えば、てんかんに対する抗てんかん剤と気管支喘息に対するテオフィリン製剤の両方を投与する場合)及び同一疾患についてアの(イ)から(ネ)までのうち同一の区分に該当しない薬剤を投与した場合(例えば、発作性上室性頻脈に対してジギタリス製剤及び不整脈用剤を投与した場合)はそれぞれ算定できる。

キ 薬剤の血中濃度、治療計画の要点を診療録に添付又は記載する。

ク ジギタリス製剤の急速飽和を行った場合は、1回に限り急速飽和完了日に「注3」に規定する点数を算定することとし、当該算定を行った急速飽和完了日の属する月においては、別に特定薬剤治療管理料1は算定できない。なお、急速飽和とは、重症うっ血性心不全の患者に対して2日間程度のうちに数回にわたりジギタリス製剤を投与し、治療効果が得られる濃度にまで到達させることをいう。

ケ てんかん重積状態のうち算定の対象となるものは、全身性けいれん発作重積状態であり、抗てんかん剤を投与している者について、注射薬剤等の血中濃度を測定し、その測定結果をもとに投与量を精密に管理した場合は、1回に限り、重積状態が消失した日に「注3」に規定する点数を算定することとし、当該算定を行った重積状態消失日の属する月においては、別に特定薬剤治療管理料1は算定できない。

コ 「注3」に規定する点数を算定する場合にあっては、「注8」に規定する加算を含め別に特定薬剤治療管理料1は算定できない。

サ 「注4」に規定する「抗てんかん剤又は免疫抑制剤を投与している患者」には、躁うつ病又は躁病によりバルプロ酸又はカルバマゼピンを投与している患者が含まれ、当該患者は4月目以降においても減算対象とならない。また、所定点数の100分の50に相当する点数により算定する「4月目以降」とは、初回の算定から暦月で数えて4月目以降のことである。

シ 免疫抑制剤を投与している臓器移植後の患者については、臓器移植を行った日の属する月を含め3月に限り、臓器移植加算として「注6」に規定する加算を算定し、「注8」に規定する初回月加算は算定しない。また、「注6」に規定する加算を算定する場合には、「注9」及び「注10」に規定する加算は算定できない。

ス 「注7」に規定する加算は、入院中の患者であって、バンコマイシンを数日間以上投与しているものに対して、バンコマイシンの安定した血中至適濃度を得るため頻回の測定を行った場合は、1回に限り、初回月加算(バンコマイシンを投与した場合)として「注7」に規定する加算を算定し、「注8」に規定する加算は別に算定できない。

セ 「注8」に規定する初回月加算は、投与中の薬剤の安定した血中至適濃度を得るため頻回の測定が行われる初回月に限り算定できるものであり、薬剤を変更した場合においては算定できない。

ソ 「注9」に規定する加算を算定する場合は、ミコフェノール酸モフェチルの血中濃度測定の必要性について診療報酬明細書の摘要欄に詳細を記載すること。

タ 「注10」に規定する加算を算定する場合は、エベロリムスの初回投与から3月の間に限り、当該薬剤の血中濃度測定の必要性について診療報酬明細書の摘要欄に詳細を記載すること。

チ 「注9」及び「注10」に規定する加算は同一月内に併せて算定できない。

ツ 特殊な薬物血中濃度の測定及び計画的な治療管理のうち、特に本項を準用する必要のあるものについては、その都度当局に内議し、最も近似する測定及び治療管理として準用が通知された算定方法により算定する。

(2) 特定薬剤治療管理料2

ア 特定薬剤治療管理料2は、胎児曝露を未然に防止するための安全管理手順を遵守した上でサリドマイド製剤及びその誘導体の処方及び調剤を実施した患者に対して、医師及び薬剤師が、当該薬剤の管理の状況について確認及び適正使用に係る必要な説明を行い、当該医薬品の製造販売を行う企業に対して確認票等を用いて定期的に患者の服薬に係る安全管理の遵守状況等を報告した場合において、月に1回につき算定する。

イ サリドマイド製剤及びその誘導体とは、サリドマイド、レナリドミド及びポマリドミドをいう。

ウ 安全管理手順については「サリドマイド製剤安全管理手順(TERMS)」及び「レブラミド・ポマリスト適正管理手順(RevMate)」を遵守すること。

エ 特定薬剤治療管理料2を算定する場合は、診療録等に指導内容の要点を記録すること。

3 悪性腫瘍特異物質治療管理料

イ 尿中BTAに係るもの 220点

ロ その他のもの

(1) 1項目の場合 360点
(2) 2項目以上の場合 400点

注1 イについては、悪性腫瘍の患者に対して、尿中BTAに係る検査を行い、その結果に基づいて計画的な治療管理を行った場合に、月1回に限り第1回の検査及び治療管理を行ったときに算定する。

2 ロについては、悪性腫瘍の患者に対して、区分番号D009に掲げる腫瘍マーカーに係る検査(注1に規定する検査を除く。)ち1又は2以上の項目を行い、その結果に基づいて計画的な治療管理を行った場合に、月1回に限り第1回の検査及び治療管理を行ったときに算定する。

3 注2に規定する悪性腫瘍特異物質治療管理に係る腫瘍マーカーの検査を行った場合は、1回目の悪性腫瘍特異物質治療管理料を算定すべき月に限り、150点をロの所定点数に加算する。ただし、当該月の前月に腫瘍マーカーの所定点数を算定している場合は、この限りでない。

4 注1に規定する検査及び治療管理並びに注2に規定する検査及び治療管理を同一月に行った場合にあっては、ロの所定点数のみにより算定する。

5 腫瘍マーカーの検査に要する費用は所定点数に含まれるものとする。

6 注1及び注2に規定されていない腫瘍マーカーの検査及び計画的な治療管理であって特殊なものに要する費用は、注1又は注2に掲げられている腫瘍マーカーの検査及び治療管理ち、最も近似するものの所定点数により算定する。

 通知
(1) 悪性腫瘍特異物質治療管理料は、悪性腫瘍であると既に確定診断がされた患者について、腫瘍マーカー検査を行い、当該検査の結果に基づいて計画的な治療管理を行った場合に、月1回に限り算定する。

(2) 悪性腫瘍特異物質治療管理料には、腫瘍マーカー検査、当該検査に係る採血及び当該検査の結果に基づく治療管理に係る費用が含まれるものであり、1月のうち2回以上腫瘍マーカー検査を行っても、それに係る費用は別に算定できない。

(3) 腫瘍マーカー検査の結果及び治療計画の要点を診療録に添付又は記載する。

(4) 「注3」に規定する初回月加算は、適切な治療管理を行うために多項目の腫瘍マーカー検査を行うことが予想される初回月に限って算定する。ただし、悪性腫瘍特異物質治療管理料を算定する当該初回月の前月において、区分番号「D009」腫瘍マーカーを算定している場合は、当該初回月加算は算定できない。

(5) 区分番号「D009」腫瘍マーカーにおいて、併算定が制限されている項目を同一月に併せて実施した場合には、1項目とみなして、本管理料を算定する。

(6) 当該月に悪性腫瘍特異物質以外の検査(本通知の腫瘍マーカーの項に規定する例外規定を含む。)を行った場合は、本管理料とは別に、検査に係る判断料を算定できる。

(例) 肝癌の診断が確定している患者でα-フェトプロテインを算定し、別に、区分番号「D008」内分泌学的検査を行った場合の算定

悪性腫瘍特異物質治療管理料「ロ」の「(1)」+区分番号「D008」内分泌学的検査の実施料+区分番号「D026」の「5」生化学的検査(Ⅱ)判断料

(7) 特殊な腫瘍マーカー検査及び計画的な治療管理のうち、特に本項を準用する必要のあるものについては、その都度当局に内議し、最も近似する腫瘍マーカー検査及び治療管理として準用が通知された算定方法により算定する。

4 小児特定疾患カウンセリング料

イ 医師による場合

(1) 月の1回目 500点
(2) 月の2回目 400点

ロ 公認心理師による場合 200点

注 小児科又は心療内科を標榜する保険医療機関において、小児科若しくは心療内科を担当する医師又は医師の指示を受けた公認心理師が、別に厚生労働大臣が定める患者であって入院中以外のものに対して、療養上必要なカウンセリングを同一月内に1回以上行った場合に、2年を限度として月2回に限り算定する。ただし、区分番号B000に掲げる特定疾患療養管理料、区分番号I002に掲げる通院・在宅精神療法又は区分番号I004に掲げる心身医学療法を算定している患者については算定しない。

 通知
(1) 「イ」については、乳幼児期及び学童期における特定の疾患を有する患者及びその家族に対して日常生活の環境等を十分勘案した上で、小児科(小児外科を含む。以下この部において同じ。)又は心療内科の医師が一定の治療計画に基づいて療養上必要なカウンセリングを行った場合に算定する。

(2) 「ロ」については、乳幼児期及び学童期における特定の疾患を有する患者及びその家族等に対して、日常生活の環境等を十分勘案した上で、当該患者の診療を担当する小児科又は心療内科の医師の指示の下、公認心理師が当該医師による治療計画に基づいて療養上必要なカウンセリングを20分以上行った場合に算定する。なお、一連のカウンセリングの初回は当該医師が行うものとし、継続的にカウンセリングを行う必要があると認められる場合においても、3月に1回程度、医師がカウンセリングを行うこと。

(3) カウンセリングを患者の家族等に対して行った場合は、患者を伴った場合に限り算定する。

(4) 小児特定疾患カウンセリング料の対象となる患者は、次に掲げる患者である。

ア 気分障害の患者

イ 神経症性障害の患者

ウ ストレス関連障害の患者

エ 身体表現性障害(小児心身症を含む。また、喘息や周期性嘔吐症等の状態が心身症と判断される場合は対象となる。)の患者

オ 生理的障害及び身体的要因に関連した行動症候群(摂食障害を含む。)の患者

カ 心理的発達の障害(自閉症を含む。)の患者

キ 小児期又は青年期に通常発症する行動及び情緒の障害(多動性障害を含む。)の患者

(5) 小児特定疾患カウンセリング料の対象となる患者には、登校拒否の者及び家族又は同居者から虐待を受けている又はその疑いがある者を含むものであること。

(6) 小児特定疾患カウンセリング料は、同一暦月において第1回目及び第2回目のカウンセリングを行った日に算定する。

(7) 「ロ」を算定する場合、公認心理師は、当該疾病の原因と考えられる要素、治療計画及び指導内容の要点等についてカウンセリングに係る概要を作成し、指示を行った医師に報告する。当該医師は、公認心理師が作成した概要の写しを診療録に添付する。

(8) 小児特定疾患カウンセリング料を算定する場合には、同一患者に対し第1回目のカウンセリングを行った年月日を診療報酬明細書の摘要欄に記載する。

(9) 電話によるカウンセリングは、本カウンセリングの対象とはならない。

(10) 平成31年4月1日から当分の間、以下のいずれかの要件に該当する者を公認心理師とみなす。

ア 平成31年3月31日時点で、臨床心理技術者として保険医療機関に従事していた者

イ 公認心理師に係る国家試験の受験資格を有する者

5 小児科療養指導料270点

注1 小児科を標榜する保険医療機関において、慢性疾患であって生活指導が特に必要なものを主病とする15歳未満の患者であって入院中以外のものに対して、必要な生活指導を継続して行った場合に、月1回に限り算定する。ただし、区分番号B000に掲げる特定疾患療養管理料、区分番号B001の7に掲げる難病外来指導管理料又は区分番号B001の18に掲げる小児悪性腫瘍患者指導管理料を算定している患者については算定しない。

2 区分番号A000に掲げる初診料を算定する初診の日に行った指導又は当該初診の日の同月内に行った指導の費用は、初診料に含まれるものとする。

3 入院中の患者に対して行った指導又は退院した患者に対して退院の日から起算して1月以内に行った指導の費用は、第1章第2部第1節に掲げる入院基本料に含まれるものとする。

4 第2部第2節第1款在宅療養指導管理料の各区分に掲げる指導管理料又は区分番号B001の8に掲げる皮膚科特定疾患指導管理料を算定すべき指導管理を受けている患者に対して行った指導の費用は、各区分に掲げるそれぞれの指導管理料に含まれるものとする。

5 人工呼吸器管理の適応となる患者と病状、治療方針等について話し合い、当該患者に対し、その内容を文書により提供した場合は、人工呼吸器導入時相談支援加算として、当該内容を文書により提供した日の属する月から起算して1月を限度として、1回に限り、500点を所定点数に加算する。

6 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、小児科療養指導料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、所定点数に代えて、235点を算定する。

 通知
(1) 小児科のみを専任する医師が作成する一定の治療計画に基づき療養上の指導を行った場合に限り算定する。治療計画を作成する医師が当該保険医療機関が標榜する他の診療科を併せ担当している場合にあっては算定できない。ただし、アレルギー科を併せ担当している場合はこの限りでない。

(2) 小児科療養指導料の対象となる疾患及び状態は、脳性麻痺、先天性心疾患、ネフローゼ症候群、ダウン症等の染色体異常、川崎病で冠動脈瘤のあるもの、脂質代謝障害、腎炎、溶血性貧血、再生不良性貧血、血友病、血小板減少性紫斑病、先天性股関節脱臼、内反足、二分脊椎、骨系統疾患、先天性四肢欠損、分娩麻痺、先天性多発関節拘縮症及び児童福祉法第6条の2第1項に規定する小児慢性特定疾病(同条第3項に規定する小児慢性特定疾病医療支援の対象に相当する状態のものに限る。)並びに同法第56条の6第2項に規定する障害児に該当する状態であり、対象となる患者は、15歳未満の入院中の患者以外の患者である。また、出生時の体重が1,500g未満であった6歳未満の者についても、入院中の患者以外の患者はその対象となる。

(3) 小児科療養指導料は、当該疾病又は状態を主病とする患者又はその家族に対して、治療計画に基づき療養上の指導を行った場合に月1回に限り算定する。ただし、家族に対して指導を行った場合は、患者を伴った場合に限り算定する。

(4) 第1回目の小児科療養指導料は、区分番号「A000」初診料を算定した初診の日の属する月の翌月の1日又は当該保険医療機関から退院した日から起算して1か月を経過した日以降に算定する。

(5) 指導内容の要点を診療録等に記載する。

(6) 必要に応じ、患者の通学する学校との情報共有・連携を行うこと。

(7) 日常的に車椅子を使用する患者であって、車椅子上での姿勢保持が困難なため、食事摂取等の日常生活動作の能力の低下を来した患者については、医師の指示を受けた理学療法士又は作業療法士等が、車椅子や座位保持装置上の適切な姿勢保持や褥瘡予防のため、患者の体幹機能や座位保持機能を評価した上で体圧分散やサポートのためのクッションや附属品の選定や調整を行うことが望ましい。

(8) 「注5」に規定する加算は、長期的に人工呼吸器による呼吸管理が必要と見込まれる患者に対して、患者やその家族等の心理状態に十分配慮された環境で、医師及び看護師が必要に応じてその他の職種と共同して、人工呼吸器による管理が適応となる病状及び治療方法等について、患者やその家族等が十分に理解し、同意した上で治療方針を選択できるよう、説明及び相談を行った場合に算定する。説明及び相談に当たっては、患者及びその家族が理解できるよう、必要時に複数回に分けて説明や相談を行う。なお、説明等の内容の要点を診療録等に記載する。

(9) 「注6」に規定する情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する。

6 てんかん指導料 250点

注1 小児科、神経科、神経内科、精神科、脳神経外科又は心療内科を標榜する保険医療機関において、その標榜する診療科を担当する医師が、てんかん(外傷性のものを含む。)の患者であって入院中以外のものに対して、治療計画に基づき療養上必要な指導を行った場合に、月1回に限り算定する。

2 区分番号A000に掲げる初診料を算定する初診の日に行った指導又は当該初診の日から1月以内に行った指導の費用は、初診料に含まれるものとする。

3 退院した患者に対して退院の日から起算して1月以内に指導を行った場合における当該指導の費用は、第1章第2部第1節に掲げる入院基本料に含まれるものとする。

4 区分番号B000に掲げる特定疾患療養管理料、区分番号B001の5に掲げる小児科療養指導料又は区分番号B001の18に掲げる小児悪性腫瘍患者指導管理料を算定している患者については算定しない。

5 第2部第2節第1款在宅療養指導管理料の各区分に掲げる指導管理料を算定すべき指導管理を受けている患者に対して行った指導の費用は、各区分に掲げるそれぞれの指導管理料に含まれるものとする。

6 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、てんかん指導料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、所定点数に代えて、218点を算定する。

 通知
(1) てんかん指導料は、小児科、神経科、神経内科、精神科、脳神経外科又は心療内科を標榜する保険医療機関において、当該標榜診療科の専任の医師が、てんかん(外傷性を含む。)の患者であって入院中以外のもの又はその家族に対し、治療計画に基づき療養上必要な指導を行った場合に、月1回に限り算定する。

(2) 第1回目のてんかん指導料は、区分番号「A000」初診料を算定した初診の日又は当該保険医療機関から退院した日からそれぞれ起算して1か月を経過した日以降に算定できる。

(3) 診療計画及び診療内容の要点を診療録に記載する。

(4) 「注6」に規定する情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する。

7 難病外来指導管理料 270点

注1 小児科、神経科、神経内科、精神科、脳神経外科又は心療内科を標榜する保険医療機関において、その標榜する診療科を担当する医師が、てんかん(外傷性のものを含む。)の患者であって入院中以外のものに対して、治療計画に基づき療養上必要な指導を行った場合に、月1回に限り算定する。

2 区分番号A000に掲げる初診料を算定する初診の日に行った指導又は当該初診の日から1月以内に行った指導の費用は、初診料に含まれるものとする。

3 退院した患者に対して退院の日から起算して1月以内に指導を行った場合における当該指導の費用は、第1章第2部第1節に掲げる入院基本料に含まれるものとする。

4 区分番号B000に掲げる特定疾患療養管理料、区分番号B001の5に掲げる小児科療養指導料又は区分番号B001の18に掲げる小児悪性腫瘍患者指導管理料を算定している患者については算定しない。

5 第2部第2節第1款在宅療養指導管理料の各区分に掲げる指導管理料を算定すべき指導管理を受けている患者に対して行った指導の費用は、各区分に掲げるそれぞれの指導管理料に含まれるものとする。

6 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、難病外来指導管理料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、所定点数に代えて、235点を算定する。

 通知
(1) 難病外来指導管理料は、別に厚生労働大臣が定める疾病を主病とする患者に対して、治療計画に基づき療養上の指導を行った場合に、月1回に限り算定する。

(2) 第1回目の難病外来指導管理料は、区分番号「A000」初診料を算定した初診の日又は当該保険医療機関から退院した日からそれぞれ起算して1か月を経過した日以降に算定できる。

(3) 別に厚生労働大臣が定める疾患を主病とする患者にあっても、実際に主病を中心とした療養上必要な指導が行われていない場合又は実態的に主病に対する治療が行われていない場合には算定できない。

(4) 診療計画及び診療内容の要点を診療録に記載する。

(5) 「注5」に規定する加算は、長期的に人工呼吸器による呼吸管理が必要と見込まれる患者に対して、患者やその家族等の心理状態に十分配慮された環境で、医師及び看護師が必要に応じてその他の職種と共同して、人工呼吸器による管理が適応となる病状及び治療方法等について、患者やその家族等が十分に理解し、同意した上で治療方針を選択できるよう、説明及び相談を行った場合に算定する。説明及び相談に当たっては、患者及びその家族が理解できるよう、必要時に複数回に分けて説明や相談を行う。なお、説明等の内容の要点を診療録等に記載する。

(6) 「注6」に規定する情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する。

8 皮膚科特定疾患指導管理料

イ 皮膚科特定疾患指導管理料(Ⅰ) 250点

ロ 皮膚科特定疾患指導管理料(Ⅱ) 100点

注1 皮膚科又は皮膚泌尿器科を標榜する保険医療機関において、皮膚科又は皮膚り泌尿器科を担当する医師が、別に厚生労働大臣が定める疾患に罹患している患者に対して、計画的な医学管理を継続して行い、かつ、療養上必要な指導を行った場合に、当該疾患の区分に従い、それぞれ月1回に限り算定する。

2 区分番号A000に掲げる初診料を算定する初診の日に行った指導又は当該初診の日から1月以内に行った指導の費用は、初診料に含まれるものとする。

3 入院中の患者に対して指導を行った場合又は退院した患者に対して退院の日から1月以内に指導を行った場合における当該指導の費用は、第1章第2部第1節に掲げる入院基本料に含まれるものとする。

4 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、皮膚科特定疾患指導管理料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、イ又はロの所定点数に代えて、それぞれ218点又は87点を算定する。

 通知
(1) 皮膚科を標榜する保険医療機関とは、皮膚科、皮膚泌尿器科又は皮膚科及び泌尿器科、形成外科若しくはアレルギー科を標榜するものをいい、他の診療科を併せ標榜するものにあっては、皮膚科又は皮膚泌尿器科を専任する医師が本指導管理を行った場合に限り算定するものであり、同一医師が当該保険医療機関が標榜する他の診療科を併せ担当している場合にあっては算定できない。

(2) 皮膚科特定疾患指導管理料(Ⅰ)の対象となる特定疾患は、天疱瘡、類天疱瘡、エリテマトーデス(紅斑性狼瘡)、紅皮症、尋常性乾癬、掌蹠膿疱症、先天性魚鱗癬、類乾癬、扁平苔癬並びに結節性痒疹及びその他の痒疹(慢性型で経過が1年以上のものに限る。)であり、皮膚科特定疾患指導管理料(Ⅱ)の対象となる特定疾患は、帯状疱疹、じんま疹、アトピー性皮膚炎(16歳以上の患者が罹患している場合に限る。)、尋常性白斑、円形脱毛症及び脂漏性皮膚炎である。ただし、アトピー性皮膚炎については、外用療法を必要とする場合に限り算定できる。

(3) 医師が一定の治療計画に基づいて療養上必要な指導管理を行った場合に、月1回に限り算定する。

(4) 第1回目の皮膚科特定疾患指導管理料は、区分番号「A000」初診料を算定した初診の日又は当該保険医療機関から退院した日からそれぞれ起算して1か月を経過した日以降に算定する。

(5) 「注4」に規定する情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する。

(6) 皮膚科特定疾患指導管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)は、同一暦月には算定できない。(7)診療計画及び指導内容の要点を診療録に記載する。

9 外来栄養食事指導料

イ 外来栄養食事指導料1

(1) 初回

① 対面で行った場合 260点

② 情報通信機器等を用いた場合 235点

(2) 2回目以降

① 対面で行った場合 200点

② 情報通信機器等を用いた場合 180点

ロ 外来栄養食事指導料2

(1) 初回

① 対面で行った場合 250点

② 情報通信機器等を用いた場合 225点

(2) 2回目以降

① 対面で行った場合 190点

② 情報通信機器等を用いた場合 170点

注1 イの(1)の①及び(2)の①については、入院中の患者以外の患者であって、別に厚生労働大臣が定めるものに対して、保険医療機関の医師の指示に基づき当該保険医療機関の管理栄養士が具体的な献立等によって指導を行った場合に、初回の指導を行った月にあっては月2回に限り、その他の月にあっては月1回に限り算定する。

2 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、外来化学療法を実施している悪性腫瘍の患者に対して、医師の指示に基づき当該保険医療機関の管理栄養士が具体的な献立等によって月2回以上の指導を行った場合に限り、月の2回目の指導時にイの(2)の①の点数を算定する。ただし、区分番号B001-2-12に掲げる外来腫瘍化学療法診療料を算定した日と同日であること。

3 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、外来化学療法を実施している悪性腫瘍の患者に対して、医師の指示に基づき当該保険医療機関の専門的な知識を有する管理栄養士が具体的な献立等によって指導を行った場合に限り、月1回に限り260点を算定する。

4 イの(1)の②及び(2)の②については、入院中の患者以外の患者であって、別に厚生労働大臣が定めるものに対して、保険医療機関の医師の指示に基づき当該保険医療機関の管理栄養士が電話又は情報通信機器によって必要な指導を行った場合に、初回の指導を行った月にあっては月2回に限り、その他の月にあっては月1回に限り算定する。

5 ロの(1)の①及び(2)の①については、入院中の患者以外の患者であって、別に厚生労働大臣が定めるものに対して、保険医療機関(診療所に限る。)の医師の指示に基づき当該保険医療機関以外の管理栄養士が具体的な献立等によって指導を行った場合に、初回の指導を行った月にあっては月2回に限り、その他の月にあっては月1回に限り算定する。

6 ロの(1)の②及び(2)の②については、入院中の患者以外の患者であって、別に厚生労働大臣が定めるものに対して、保険医療機関(診療所に限る。)の医師の指示に基づき当該保険医療機関以外の管理栄養士が電話又は情報通信機器によって必要な指導を行った場合に、初回の指導を行った月にあっては月2回に限り、その他の月にあっては月1回に限り算定する。

 通知
(1) 外来栄養食事指導料(「注2」及び「注3」を除く。)は、入院中の患者以外の患者であって、別に厚生労働大臣が定める特別食を保険医療機関の医師が必要と認めた者又は次のいずれかに該当する者に対し、管理栄養士が医師の指示に基づき、患者ごとにその生活条件、し好を勘案した食事計画案等を必要に応じて交付し、初回にあっては概ね30分以上、2回目以降にあっては概ね20分以上、療養のため必要な栄養の指導を行った場合に算定する。

ア がん患者

イ 摂食機能又は嚥下機能が低下した患者ウ低栄養状態にある患者

(2) 特別食には、心臓疾患及び妊娠高血圧症候群等の患者に対する減塩食、十二指腸潰瘍の患者に対する潰瘍食、侵襲の大きな消化管手術後の患者に対する潰瘍食、クローン病及び潰瘍性大腸炎等により腸管の機能が低下している患者に対する低残渣食、高度肥満症(肥満度が+40%以上又はBMIが30以上)の患者に対する治療食並びにてんかん食(難治性てんかん(外傷性のものを含む。)、グルコーストランスポーター1欠損症又はミトコンドリア脳筋症の患者に対する治療食であって、グルコースに代わりケトン体を熱量源として供給することを目的に炭水化物量の制限と脂質量の増加が厳格に行われたものに限る。)を含む。ただし、高血圧症の患者に対する減塩食(塩分の総量が6g未満のものに限る。)及び小児食物アレルギー患者(食物アレルギー検査の結果(他の保険医療機関から提供を受けた食物アレルギー検査の結果を含む。)、食物アレルギーを持つことが明らかな9歳未満の小児に限る。)に対する小児食物アレルギー食については、入院時食事療養(Ⅰ)又は入院時生活療養(Ⅰ)の特別食加算の場合と異なり、特別食に含まれる。なお、妊娠高血圧症候群の患者に対する減塩食は、日本高血圧学会、日本妊娠高血圧学会等の基準に準じていること。

(3) 管理栄養士への指示事項は、当該患者ごとに適切なものとし、熱量・熱量構成、蛋白質、脂質その他の栄養素の量、病態に応じた食事の形態等に係る情報のうち医師が必要と認めるものに関する具体的な指示を含まなければならない。

(4) 管理栄養士は常勤である必要はなく、要件に適合した指導が行われていれば算定できる。

(5) 摂食機能又は嚥下機能が低下した患者とは、医師が、硬さ、付着性、凝集性などに配慮した嚥下調整食(日本摂食嚥下リハビリテーション学会の分類に基づく。)に相当する食事を要すると判断した患者をいう。

(6) 低栄養状態にある患者とは、次のいずれかを満たす患者をいう。

ア 血中アルブミンが3.0g/dL以下である患者

イ 医師が栄養管理により低栄養状態の改善を要すると判断した患者

(7) 外来栄養食事指導料1は、保険医療機関の管理栄養士が当該保険医療機関の医師の指示に基づき、指導を行った場合に算定する。

また、外来栄養食事指導料2は、当該診療所以外(公益社団法人日本栄養士会若しくは都道府県栄養士会が設置し、運営する「栄養ケア・ステーション」又は他の保険医療機関に限る。)の管理栄養士が当該診療所の医師の指示に基づき、指導を行った場合に算定する。

(8) 外来栄養食事指導料(「注2」及び「注3」を除く。)は初回の指導を行った月にあっては1月に2回を限度として、その他の月にあっては1月に1回を限度として算定する。ただし、初回の指導を行った月の翌月に2回指導を行った場合であって、初回と2回目の指導の間隔が30日以内の場合は、初回の指導を行った翌月に2回算定することができる。

(9) 「注2」については、区分番号「B001-2-12」に掲げる外来腫瘍化学療法診療料の注6に規定する連携充実加算の施設基準を満たす外来化学療法室を担当する管理栄養士が外来化学療法を実施している悪性腫瘍の患者に対して、具体的な献立等によって月2回以上の指導をした場合に限り、指導の2回目に外来栄養食事指導料の「イ」の「(2)」の「①」を算定する。ただし、当該指導料を算定する日は、区分番号「B001-2-12」に掲げる外来腫瘍化学療法診療料を算定した日と同日であること。

なお、外来栄養食事指導料の留意事項の(1)の初回の要件を満たしている場合は、外来栄養食事指導料の「イ」の「(1)」の所定点数を算定できる。

(10) 「注1」に規定する「イ」の「(2)」の「①」、「注2」に規定する「イ」の「(2)」の「①」及び「注3」に規定する指導料は、同一月に併せて算定できない。

(11) 「注3」については、専門的な知識を有した管理栄養士が医師の指示に基づき、外来化学療法を実施している悪性腫瘍の患者ごとにその生活条件、し好を勘案した食事計画案等を必要に応じて交付し、療養のため必要な指導を行った場合に算定する。

(12) 「注4」及び「注6」については、以下の要件を満たすこと。

ア 管理栄養士が(1)の患者に対し、電話又はビデオ通話が可能な情報通信機器等(以下この区分において「情報通信機器等」という。)を活用して、指導を行うこと。

イ 外来受診した場合は必ず対面にて指導を行うこと。

ウ 情報通信機器等による指導の実施に当たっては、事前に対面による指導と情報通信機器等による指導を組み合わせた指導計画を作成し、当該計画に基づいて指導を実施する。また、外来受診時等に受診結果等を基に、必要に応じて指導計画を見直すこと。なお、当該保険医療機関を退院した患者に対して、初回から情報通信機器等による指導を実施する場合は、当該指導までの間に指導計画を作成すること。

エ 当該指導において、患者の個人情報を情報通信機器等の画面上で取り扱う場合には、患者の同意を得ること。また、厚生労働省の定める「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等に対応していること。加えて、情報通信機器等による指導の実施に際しては、オンライン指針を参考に必要な対応を行うこと。

オ 情報通信機器等による指導は、原則として当該保険医療機関内において行うこと。なお、当該保険医療機関外で情報通信機器等による指導を実施する場合であっても上記「エ」に沿った対応を行うとともに、指導を実施した場所については、事後的に実施状況が確認可能な場所であること。

(13) 「イ」の「(1)」の「①」については「イ」の「(1)」の「②」と、「イ」の「(2)」の「①」については「イ」の「(2)」の「②」と、「ロ」の「(1)」の「①」については「ロ」の「(1)」の「②」と、並びに「ロ」の「(2)」の「①」については「ロ」の「(2)」の「②」と同一月に併せて算定できない。

(14) 「注4」及び「注6」の指導を行う際の情報通信機器等の運用に要する費用については、療養の給付と直接関係ないサービス等の費用として別途徴収できる。

(15) 外来栄養食事指導料を算定するに当たって、管理栄養士は、患者ごとに栄養指導記録を作成するとともに、指導内容の要点、指導時間(「注2」及び「注3」を除く。)及び指導した年月日(「注4」及び「注6」に限る。)を記載すること。

(16) 「注2」の場合、指導した年月日を全て診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

10 入院栄養食事指導料(週1回)

イ 入院栄養食事指導料1

(1) 初回 260点
(2) 2回目 200点

ロ 入院栄養食事指導料2

(1) 初回 250点
(2) 2回目 190点

注1 イについては、入院中の患者であって、別に厚生労働大臣が定めるものに対して、保険医療機関の医師の指示に基づき当該保険医療機関の管理栄養士が具体的な献立等によって指導を行った場合に、入院中2回に限り算定する。

2 ロについては、診療所において、入院中の患者であって、別に厚生労働大臣が定めるものに対して、保険医療機関の医師の指示に基づき当該保険医療機関以外の管理栄養士が具体的な献立等によって指導を行った場合に、入院中2回に限り算定する。

3 別に厚生労働大臣が定める患者に対して、退院後の栄養食事管理について指導するとともに、入院中の栄養管理に関する情報を示す文書を用いて患者に説明し、これを他の保険医療機関、介護老人保健施設等又は障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援する法律第34条第1項に規定する指定障害者支援施設等若しくは児童福祉法第42条第1号に規定する福祉型障害児入所施設の医師又は管理栄養士と共有した場合に、入院中1回に限り、栄養情報提供加算として50点を所定点数に加算する。この場合において、区分番号B005に掲げる退院時共同指導料2は別に算定できない。

 通知
(1) 入院栄養食事指導料は、入院中の患者であって、別に厚生労働大臣が定める特別食を保険医療機関の医師が必要と認めた者又は次のいずれかに該当する者に対し、管理栄養士が医師の指示に基づき、患者ごとにその生活条件、し好を勘案した食事計画案等を必要に応じて交付し、初回にあっては概ね30分以上、2回目にあっては概ね20分以上、療養のため必要な栄養の指導を行った場合に入院中2回に限り算定する。ただし、1週間に1回に限り算定する。

ア がん患者

イ 摂食機能又は嚥下機能が低下した患者ウ低栄養状態にある患者

(2) 入院栄養食事指導料1は、当該保険医療機関の管理栄養士が当該保険医療機関の医師の指示に基づき、指導を行った場合に算定する。

また、入院栄養食事指導料2は、有床診療所において、当該診療所以外(公益社団法人日本栄養士会若しくは都道府県栄養士会が設置し、運営する「栄養ケア・ステーション」又は他の保険医療機関に限る。)の管理栄養士が当該診療所の医師の指示に基づき、対面による指導を行った場合に算定する。

(3) 入院栄養食事指導料を算定するに当たって、上記以外の事項は区分番号「B001」の「9」外来栄養食事指導料における留意事項の(2)から(6)まで及び(15)の例による。

(4) 「注3」に規定する栄養情報提供加算は、栄養食事指導に加え、退院後の栄養及び食事管理に関する指導とともに、医療機関間の有機的連携の強化及び保健又は福祉関係機関等へ栄養情報提供機能の評価を目的として設定されたものであり、両者の患者の栄養に関する情報(必要栄養量、摂取栄養量、食事形態(嚥下食コードを含む。)、禁止食品、栄養管理に係る経過等)を相互に提供することにより、継続的な栄養管理の確保等を図るものである。

(5) 「注3」に規定する栄養情報提供加算は、栄養指導に加え、当該指導内容及び入院中の栄養管理の状況等を含む栄養に関する情報を示す文書を患者に退院の見通しが立った際に説明するとともにこれを他の保険医療機関、介護老人保健施設等、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援する法律第34条第1項に規定する指定障害者支援施設等若しくは児童福祉法第42条第1号に規定する福祉型障害児入所施設の医師又は管理栄養士に対して提供した場合に、入院中1回に限り、所定の点数に加算する。

(6) ここでいう介護老人保健施設等とは、次の施設をいうものとする。

ア 介護保険法第8条第28項に規定する介護老人保健施設

イ 介護老人福祉施設(介護保険法第8条第22項に規定する地域密着型介護老人福祉施設及び同条第27項に規定する介護老人福祉施設をいう。)

ウ 健康保険法等の一部を改正する法律附則第130条の2第1項の規定によりなおその効力を有するものとされた同法第26条の規定による改正前の介護保険法第8条第26項に規定する介護療養型医療施設

エ 介護保険法第8条第29項に規定する介護医療院

(7) 当該情報を提供する保険医療機関と特別な関係にある機関に情報提供が行われた場合は、算定できない。

(8) 栄養情報提供に当たっては、(5)に掲げる事項を記載した文書を患者に交付するとともに交付した文書の写しを栄養指導記録に添付する。なお、診療情報を示す文書等が交付されている場合にあっては、当該文書等と併せて他の保険医療機関等に情報提供すること。

11 集団栄養食事指導料 80点

注 別に厚生労働大臣が定める特別食を必要とする複数の患者に対して、保険医療機関の医師の指示に基づき当該保険医療機関の管理栄養士が栄養指導を行った場合に、患者1人につき月1回に限り算定する。

 通知
(1) 集団栄養食事指導料は、別に厚生労働大臣が定める特別食を保険医療機関の医師が必要と認めた者に対し、当該保険医療機関の管理栄養士が当該保険医療機関の医師の指示に基づき、複数の患者を対象に指導を行った場合に患者1人につき月1回に限り所定点数を算定する。

(2) 集団栄養食事指導料は、入院中の患者については、入院期間が2か月を超える場合であっても、入院期間中に2回を限度として算定する。

(3) 入院中の患者と入院中の患者以外の患者が混在して指導が行われた場合であっても算定できる。

(4) 1回の指導における患者の人数は15人以下を標準とする。(5)1回の指導時間は40分を超えるものとする。

(6) それぞれの算定要件を満たしていれば、区分番号「B001」の「11」集団栄養食事指導料と区分番号「B001」の「9」外来栄養食事指導料又は区分番号「B001」の「10」入院栄養食事指導料を同一日に併せて算定することができる。

(7) 集団栄養食事指導料を算定する医療機関にあっては、集団による指導を行うのに十分なスペースを持つ指導室を備えるものとする。ただし、指導室が専用であることを要しない。

(8) 管理栄養士は、患者ごとに栄養指導記録を作成するとともに、指導内容の要点及び指導時間を記載する。

(9) 集団栄養食事指導料を算定するに当たって、上記以外の事項は区分番号「B001」の「9」外来栄養食事指導料における留意事項の(2)から(4)までの例による。ただし、同留意事項の(2)の小児食物アレルギー患者(9歳未満の小児に限る。)に対する特別食の取扱いを除く。

12 心臓ペースメーカー指導管理料

イ 着用型自動除細動器による場合 360点

ロ ペースメーカーの場合 300点

ハ 植込型除細動器又は両室ペーシング機能付き植込型除細動器の場合 520点

注1 体内植込式心臓ペースメーカー等を使用している患者(ロについては入院中の患者以外のものに限る。)に対して、療養上必要な指導を行った場合に、1月に1回に限り算定する。

2 区分番号K597に掲げるペースメーカー移植術、区分番号K598に掲げる両心室ペースメーカー移植術、区分番号K599に掲げる植込型除細動器移植術又は区分番号K599-3に掲げる両室ペーシング機能付き植込型除細動器移植術を行った日から起算して3月以内の期間に行った場合には、導入期加算として、140点を所定点数に加算する。

3 区分番号B000に掲げる特定疾患療養管理料を算定している患者については算定しない。

4 別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関において、当該患者(イを算定する場合に限る。)に対して、植込型除細動器の適応の可否が確定するまでの期間等に使用する場合に限り、初回算定日の属する月から起算して3月を限度として、月1回に限り、植込型除細動器移行期加算として、31,510点を所定点数に加算する。

5 ロ又はハを算定する患者について、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、前回受診月の翌月から今回受診月の前月までの期間、遠隔モニタリングを用いて療養上必要な指導を行った場合は、遠隔モニタリング加算として、それぞれ260点又は480点に当該期間の月数(当該指導を行った月に限り、11月を限度とする。)を乗じて得た点数を、所定点数に加算する。

 通知
(1) 「注1」に規定する「体内植込式心臓ペースメーカー等」とは特定保険医療材料のペースメーカー、植込型除細動器、両室ペーシング機能付き植込型除細動器及び着用型自動除細動器を指す。

(2) 心臓ペースメーカー指導管理料は、電気除細動器、一時的ペーシング装置、ペースメーカー機能計測装置(ペーサーグラフィー、プログラマー等)等を有する保険医療機関において、体内植込式心臓ペースメーカー等を使用している患者であって入院中の患者以外のものについて、当該ペースメーカー等のパルス幅、スパイク間隔、マグネットレート、刺激閾値、感度等の機能指標を計測するとともに、療養上必要な指導を行った場合に算定する。この場合において、プログラム変更に要する費用は所定点数に含まれる。

(3) 計測した機能指標の値及び指導内容の要点を診療録に添付又は記載する。

(4) 心臓ペースメーカー患者等の指導管理については、関係学会より示された留意事項を参考とすること。

(5) 「注4」の植込型除細動器移行期加算は、次のいずれかに該当する場合に算定する。当該加算を算定する場合は、着用型自動除細動器の使用開始日及び次のいずれに該当するかを診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

ア 心室頻拍又は心室細動による心臓突然死のリスクが高く、植込型除細動器(以下「ICD」という。)の適応の可否が未確定の患者を対象として、除細動治療を目的に、ICDの適応の可否が確定するまでの期間に限り使用する場合

イ ICDの適応であるが、患者の状態等により直ちにはICDが植え込めない患者を対象として、ICDの植え込みを行うまでの期間に限り使用する場合

(6) 「注5」の遠隔モニタリング加算は、遠隔モニタリングに対応した体内植込式心臓ペースメーカー、植込型除細動器又は両室ペーシング機能付き植込型除細動器を使用している患者であって、入院中の患者以外のものについて、適切な管理を行い、状況に応じて適宜患者に来院等を促す体制が整っている場合に算定する。この場合において、当該加算は、遠隔モニタリングによる来院時以外の期間における体内植込式心臓ペースメーカー等の機能指標の計測等を含めて評価したものであり、このような一連の管理及び指導を行った場合において、11か月を限度として来院時に算定することができる。なお、この場合において、プログラム変更に要する費用は所定点数に含まれる。また、患者の急変等により患者が受診し、療養上必要な指導を行った場合は、「ロ」又は「ハ」を算定することができる。

13 在宅療養指導料 170点

注1 第2部第2節第1款在宅療養指導管理料の各区分に掲げる指導管理料を算定すべき指導管理を受けている患者又は器具を装着しておりその管理に配慮を必要とする患者に対して、医師の指示に基づき保健師、助産師又は看護師が在宅療養上必要な指導を個別に行った場合に、患者1人につき月1回(初回の指導を行った月にあっては、月2回)に限り算定する。

2 1回の指導時間は30分を超えるものでなければならないものとする。

 通知
(1) 在宅療養指導管理料を算定している患者又は入院中の患者以外の患者であって、器具(人工肛門、人工膀胱、気管カニューレ、留置カテーテル、ドレーン等)を装着しており、その管理に配慮を要する患者に対して指導を行った場合に、初回の指導を行った月にあっては月2回に限り、その他の月にあっては月1回に限り算定する。

(2) 保健師、助産師又は看護師が個別に30分以上療養上の指導を行った場合に算定できるものであり、同時に複数の患者に行った場合や指導の時間が30分未満の場合には算定できない。なお、指導は患者のプライバシーが配慮されている専用の場所で行うことが必要であり、保険医療機関を受診した際に算定できるものであって、患家において行った場合には算定できない。

(3) 療養の指導に当たる保健師、助産師又は看護師は、訪問看護や外来診療の診療補助を兼ねることができる。

(4) 保健師、助産師又は看護師は、患者ごとに療養指導記録を作成し、当該療養指導記録に指導の要点、指導実施時間を明記する。

14 高度難聴指導管理料

イ 区分番号K328に掲げる人工内耳植込術を行った日から起算して3月以内の期間に行った場合 500点

ロ イ以外の場合 420点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関において、高度難聴の患者に対して必要な療養上の指導を行った場合に算定する。

2 区分番号K328に掲げる人工内耳植込術を行った患者については月1回に限り、その他の患者については年1回に限り算定する。

3 区分番号K328に掲げる人工内耳植込術を行った患者に対して、人工内耳用音声信号処理装置の機器調整を行った場合は、人工内耳機器調整加算として6歳未満の乳幼児については3月に1回に限り、6歳以上の患者については6月に1回に限り800点を所定点数に加算する。

 通知
(1) 高度難聴指導管理料は、区分番号「K328」人工内耳植込術を行った患者、伝音性難聴で両耳の聴力レベルが60dB以上の場合、混合性難聴又は感音性難聴の患者について、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関において、耳鼻咽喉科の常勤医師が耳鼻咽喉科学的検査の結果に基づき療養上必要な指導を行った場合に算定する。

(2) 人工内耳植込術を行った患者については、1か月に1回を限度として、その他の患者については年1回に限って算定する。

(3) 指導内容の要点を診療録に記載する。

(4) 「注3」に規定する人工内耳機器調整加算は、耳鼻咽喉科の常勤医師又は耳鼻咽喉科の常勤医師の指示を受けた言語聴覚士が人工内耳用音声信号処理装置の機器調整を行った場合に算定する。なお、6歳の誕生日より前に当該加算を算定した場合にあっては、6歳の誕生日以後、最初に算定する日までは6歳未満の乳幼児の算定方法の例によるものとする。また、前回の算定年月日(初回の場合は初回である旨)を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

(5) 人工内耳用音声信号処理装置の機器調整とは、人工内耳用音声信号処理装置と機器調整専用のソフトウエアが搭載されたコンピューターを接続し、人工内耳用インプラントの電気的な刺激方法及び大きさ等について装用者に適した調整を行うことをいう。

15 慢性維持透析患者外来医学管理料 2,211点

注1 入院中の患者以外の慢性維持透析患者に対して検査の結果に基づき計画的な医学管理を行った場合に、月1回に限り算定する。

2 第3部検査及び第4部画像診断のうち次に掲げるものは所定点数に含まれるものとし、また、区分番号D026に掲げる尿・糞便等検査判断料、血液学的検査判断料、生化学的検査(Ⅰ)判断料、生化学的検査(Ⅱ)判断料又は免疫学的検査判断料は別に算定できないものとする。

イ 尿中一般物質定性半定量検査

ロ 尿沈渣(鏡検法)

ハ 糞便検査

   糞便中ヘモグロビン定性

ニ 血液形態・機能検査赤血球沈降速度(ESR)、網赤血球数、末 梢血液一般検査、末梢 血液像(自動機械法)、末梢血液像(鏡検法)、ヘモグロビンA1c(HbA1c)

ホ 出血・凝固検査

  出血時間

ヘ 血液化学検査

  総ビリルビン、総蛋白、アルブミン(BCP改良法・BCG法)、尿素窒素、クレアチニン、尿酸、グルコース、乳酸デヒドロゲナーゼ(LD)、アルカリホスファターゼ(ALP)、コリンエステラーゼ(ChE)、アミラーゼ、γ-グルタミルトランスフェラーゼ(γ-GT)、ロイシンアミノペプチダーゼ(LAP)、クレアチンキナーゼ(CK)、中性脂肪、ナトリウム及びクロール、カリウム、カルシウム、鉄(Fe)、マグネシウム、無機リン及びリン酸、総コレステロール、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、グリコアルブミン、1,5-アンヒドロ-D-グルシトール(1,5AG)、1,25-ジヒドロキシビタミンD3、HDL-コレステロール、LDL-コレステロール、不飽和鉄結合能(UIBC)(比色法)、総鉄結合能(TIBC)(比色法)、蛋白分画、血液ガス分析、アルミニウム(Al)、フェリチン半定量、フェリチン定量、シスタチンC、ペントシジン

ト 内分泌学的検査

  トリヨードサイロニン(T3)、サイロキシン(T4)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、副甲状腺ホルモン(PTH)、遊離トリヨードサイロニン( FT3)、C-ペプチド(CPR)、遊離サイロキシン(FT4)、カルシトニン、心房性Na利尿ペプチド(ANP)、脳性Na利尿ペプチド(BNP)

チ 感染症免疫学的検査

  梅毒血清反応(STS)定性、梅毒血清反応(STS)半定量、梅毒血清反応(STS)定量

リ 肝炎ウイルス関連検査

  HBs抗原、HBs抗体、HCV抗体定性・定量

ヌ 血 漿 蛋白免疫学的検査

  C反応性蛋白(CRP)、血清補体価(CH50)、免疫グロブリン、C3、C4、トランスフェリン(Tf)、β2-マイクログロブリン

ル 心電図検査

ヲ 写真診断

  単純撮影(胸部)

ワ 撮影

  単純撮影(胸部)

3 腎代替療法に関して別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関においては、腎代替療法実績加算として、100点を所定点数に加算する。

 通知
(1) 慢性維持透析患者外来医学管理料は、安定した状態にある慢性維持透析患者について、特定の検査結果に基づいて計画的な治療管理を行った場合に、月1回に限り算定し、本管理料に含まれる検査の点数は別途算定できない。なお、安定した状態にある慢性維持透析患者とは、透析導入後3か月以上が経過し、定期的に透析を必要とする入院中の患者以外の患者をいう(ただし、結核病棟入院基本料、精神病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(結核病棟及び精神病棟に限る。)、有床診療所入院基本料、精神科救急急性期医療入院料、精神科急性期治療病棟入院料、精神科救急・合併症入院料、児童・思春期入院医療管理料、精神療養病棟入院料、認知症治療病棟入院料、有床診療所療養病床入院基本料及び地域移行機能強化病棟入院料を算定する場合における入院中の患者の他医療機関への受診時の透析を除く。)。なお、診療録に特定の検査結果及び計画的な治療管理の要点を添付又は記載すること。

(2) 特定の検査とは「注2」に掲げるものをいい、実施される種類及び回数にかかわらず、所定点数のみを算定する。これらの検査料及び区分番号「D026」尿・糞便等検査判断料、血液学的検査判断料、生化学的検査(Ⅰ)判断料、生化学的検査(Ⅱ)判断料、免疫学的検査判断料は本管理料に含まれ、別に算定できない。また、これらの検査に係る検査の部の通則、款及び注に規定する加算は、別に算定できない。

(3) 同一検査名で、定性、半定量及び定量測定がある場合は、いずれの検査も本管理料に含まれ、別に算定できない。試験紙法等による血中の糖の検査についても同様である。

(4) 慢性維持透析患者外来医学管理料に包括される検査以外の検体検査を算定する場合には、その必要性を診療報酬明細書の摘要欄に記載する。

(5) 包括されている画像診断に係る画像診断の部の通則、節及び注に規定する加算は別に算定できる。なお、本管理料を算定した月において、本管理料に包括されていない区分番号「E001」の「1」単純撮影(胸部を除く。)及び区分番号「E002」の「1」単純撮影(胸部を除く。)を算定した場合は、診療報酬明細書の摘要欄に撮影部位を記載すること。

(6) 透析導入後3か月目が月の途中である場合は、当該月の翌月より本管理料を算定する。(7)同一月内に2以上の保険医療機関で透析を定期的に行っている場合は、主たる保険医療機関において本管理料を請求し、その配分は相互の合議に委ねるものとする。

(8) 同一の保険医療機関において同一月内に入院と入院外が混在する場合、又は人工腎臓と自己腹膜灌流療法を併施している場合は、本管理料は算定できない。

(9) 区分番号「C102-2」在宅血液透析指導管理料は、本管理料と別に算定できる。

(10) 下記のアからカまでに掲げる要件に該当するものとして、それぞれ算定を行った場合は、該当するものを診療報酬明細書の摘要欄に記載する。

ア 出血性合併症を伴った患者が手術のため入院した後退院した場合、退院月の翌月における末梢血液一般検査は、月2回以上実施する場合においては、当該2回目以後の検査について、慢性維持透析患者外来医学管理料に加えて別に算定する。

イ 副甲状腺機能亢進症に対するパルス療法施行時のカルシウム、無機リンの検査は、月2回以上実施する場合においては、当該2回目以後の検査について月2回に限り、慢性維持透析患者外来医学管理料に加えて別に算定する。また、副甲状腺機能亢進症に対するパルス療法施行時のPTH検査は、月2回以上実施する場合においては、当該2回目以後の検査について月1回に限り、慢性維持透析患者外来医学管理料に加えて別に算定する。

ウ 副甲状腺機能亢進症により副甲状腺切除を行った患者に対するカルシウム、無機リンの検査は、退院月の翌月から5か月間は、月2回以上実施する場合においては、当該2回目以後の検査について慢性維持透析患者外来医学管理料に加えて別に算定する。また、副甲状腺機能亢進症により副甲状腺切除を行った患者に対するPTH検査は、月2回以上実施する場合においては、当該2回目以後の検査について月1回に限り、慢性維持透析患者外来医学管理料に加えて別に算定する。

エ シナカルセト塩酸塩、エテルカルセチド、エボカルセト又はウパシカルセトナトリウムの初回投与から3か月以内の患者に対するカルシウム、無機リンの検査は、月2回以上実施する場合においては、当該2回目以後の検査について月2回に限り、慢性維持透析患者外来医学管理料に加えて別に算定する。また、当該薬剤の初回投与から3か月以内の患者に対するPTH検査を月2回以上実施する場合においては、当該2回目以後の検査について月1回に限り、慢性維持透析患者外来医学管理料に加えて別に算定する。

オ 透析導入後5年以上経過した透析アミロイド症に対して、ダイアライザーの選択に当たりβ2-マイクログロブリン除去効果の確認が必要な場合においては、その選択をした日の属する月を含めた3か月間に、β2-マイクログロブリン検査を月2回以上実施する場合においては、当該2回目以後の検査について月1回に限り、慢性維持透析患者外来医学管理料に加えて別に算定する。

カ 高アルミニウム血症とヘモクロマトージスを合併した透析患者に対して、デフェロキサミンメシル酸塩を投与している期間中におけるアルミニウム(Al)の検査は、慢性維持透析患者外来医学管理料に加えて別に算定する。

(11) 慢性維持透析患者の検査の実施に当たっては、関係学会より標準的な検査項目及びその頻度が示されており、それらを踏まえ患者管理を適切に行うこと。

16 喘息治療管理料

イ 喘息治療管理料1

(1) 1月目 75点
(2) 2月目以降 25点

ロ 喘息治療管理料2 280点

注1 イについては、入院中の患者以外の喘息の患者に対して、ピークフローメーターを用いて計画的な治療管理を行った場合に、月1回に限り算定する。

2 イについては、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、重度喘息である20歳以上の患者(中等度以上の発作により当該保険医療機関に緊急受診(区分番号A000に掲げる初診料の注7、区分番号A001に掲げる再診料の注5又は区分番号A002に掲げる外来診療料の注8に規定する加算を算定したものに限る。)した回数が過去1年間に3回以上あるものに限る。)に対して、治療計画を策定する際に、日常の服薬方法、急性増悪時における対応方法について、その指導内容を文書により交付し、週1回以上ピークフローメーターに加え一秒量等計測器を用い、検査値等を報告させた上で管理した場合に、重度喘息患者治療管理加算として、次に掲げる点数を月1回に限り加算する。

イ 1月目 2,525点

ロ 2月目以降6月目まで 1,975点

3 ロについては、入院中の患者以外の喘息の患者(6歳未満又は65歳以上のものに限る。)であって、吸入ステロイド薬を服用する際に吸入補助器具を必要とするものに対して、吸入補助器具を用いた服薬指導等を行った場合に、初回に限り算定する。

 通知
(1) 喘息治療管理料1は、保険医療機関が、ピークフローメーター、ピークフロー測定日記等を患者に提供し、計画的な治療管理を行った場合に月1回に限り算定する。なお、当該ピークフローメーター、ピークフロー測定日記等に係る費用は所定点数に含まれる。なお、喘息治療管理料1において、「1月目」とは初回の治療管理を行った月のことをいう。

(2) 喘息治療管理料2は、6歳未満又は65歳以上の喘息の患者であって、吸入ステロイド薬を服用する際に吸入補助器具を必要とするものに対して、吸入補助器具を患者に提供し、服薬指導等を行った場合に、初回に限り算定する。指導に当たっては、吸入補助器具の使用方法等について文書を用いた上で患者等に説明し、指導内容の要点を診療録に記載する。なお、この場合において、吸入補助器具に係る費用は所定点数に含まれる。

(3) 喘息治療管理料を算定する場合、保険医療機関は、次の機械及び器具を備えていなければならない。ただし、これらの機械及び器具を備えた別の保険医療機関と常時連携体制をとっている場合には、その旨を患者に対して文書により説明する場合は、備えるべき機械及び器具はカ及びキで足りるものとする。

ア 酸素吸入設備

イ 気管内挿管又は気管切開の器具ウレスピレーター

エ 気道内分泌物吸引装置

オ 動脈血ガス分析装置(常時実施できる状態にあるもの)

カ スパイロメトリー用装置(常時実施できる状態にあるもの)

キ 胸部エックス線撮影装置(常時実施できる状態にあるもの)

(4) ピークフローメーターによる治療管理の実施に当たっては、関係学会よりガイドラインが示されているので、治療管理が適切になされるよう十分留意されたい。

(5) 「注2」に規定する加算については、当該加算を算定する前1年間において、中等度以上の発作による当該保険医療機関への緊急外来受診回数が3回以上あり、在宅での療養中である20歳以上の重度喘息患者を対象とし、初回の所定点数を算定する月(暦月)から連続した6か月について、必要な治療管理を行った場合に月1回に限り算定すること。

(6) 当該加算を算定する場合、ピークフローメーター、一秒量等計測器及びスパイロメーターを患者に提供するとともに、ピークフローメーター、一秒量等計測器及びスパイロメーターの適切な使用方法、日常の服薬方法及び増悪時の対応方法を含む治療計画を作成し、その指導内容を文書で交付すること。

(7) 当該加算を算定する患者に対しては、ピークフロー値、一秒量等を毎日計測させ、その検査値について週に1度以上報告させるとともに、その検査値等に基づき、随時治療計画の見直しを行い、服薬方法及び増悪時の対応について指導すること。

(8) 当該加算を算定する患者が重篤な喘息発作を起こすなど、緊急入院による治療が必要となった場合は、適切に対応すること。

17 慢性疼痛疾患管理料 130点

注1 診療所である保険医療機関において、入院中の患者以外の慢性疼痛に係る疾患を主病とする患者に対して、療養上必要な指導を行った場合に、月1回に限り算定する。

2 区分番号J118に掲げる介達牽引、区分番号J118-2に掲げる矯正固定、区分番号J118-3に掲げる変形機械矯正術、区分番号J119に掲げる消炎鎮痛等処置、区分番号J119-2に掲げる腰部又は胸部固定帯固定、区分番号J119-3に掲げる低出力レーザー照射及び区分番号J119-4に掲げる肛門処置の費用(薬剤の費用を除く。)は、所定点数に含まれるものとする。

 通知
(1) 慢性疼痛疾患管理料は、変形性膝関節症、筋筋膜性腰痛症等の疼痛を主病とし、疼痛による運動制限を改善する等の目的でマッサージ又は器具等による療法を行った場合に算定することができる。

(2) 区分番号「J118」介達牽引、区分番号「J118-2」矯正固定、区分番号「J118-3」変形機械矯正術、区分番号「J119」消炎鎮痛等処置、区分番号「J119-2」腰部又は胸部固定帯固定、区分番号「J119-3」低出力レーザー照射及び区分番号「J119-4」肛門処置の費用は所定点数に含まれるが、これらの処置に係る薬剤料は、別途算定できるものとする。

18 小児悪性腫瘍患者指導管理料 550点

注1 小児科を標榜する保険医療機関において、悪性腫瘍を主病とする15歳未満の患者であって入院中の患者以外のものに対して、計画的な治療管理を行った場合に、月1回に限り算定する。ただし、区分番号B000に掲げる特定疾患療養管理料又は区分番号B001の5に掲げる小児科療養指導料を算定している患者については算定しない。

2 区分番号A000に掲げる初診料を算定する初診の日に行った指導又は当該初診の日の同月内に行った指導の費用は、初診料に含まれるものとする。

3 入院中の患者に対して行った指導又は退院した患者に対して退院の日から起算して1月以内に行った指導の費用は、第1章第2部第1節に掲げる入院基本料に含まれるものとする。

4 第2部第2節第1款在宅療養指導管理料の各区分に掲げる指導管理料又は区分番号B001の8に掲げる皮膚科特定疾患指導管理料を算定すべき指導管理を受けている患者に対して行った指導の費用は、各区分に掲げるそれぞれの指導管理料に含まれるものとする。

5 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、小児悪性腫瘍患者指導管理料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、所定点数に代えて、479点を算定する。

 通知
(1) 小児悪性腫瘍患者指導管理料は、小児科を標榜する保険医療機関において、小児悪性腫瘍、白血病又は悪性リンパ腫の患者であって入院中以外のもの又はその家族等に対し、治療計画に基づき療養上必要な指導管理を行った場合に、月1回に限り算定する。ただし、家族等に対して指導を行った場合は、患者を伴った場合に限り算定する。

(2) 第1回目の小児悪性腫瘍患者指導管理料は、区分番号「A000」初診料を算定した初診の日の属する月の翌月の1日以降又は当該保険医療機関から退院した日から起算して1か月を経過した日以降に算定する。

(3) 治療計画及び指導内容の要点を診療録に記載する。

(4) 必要に応じ、患者の通学する学校との情報共有・連携を行うこと。

(5) 「注5」に規定する情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する。

19 削除

20 糖尿病合併症管理料 170点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、糖尿病足病変ハイリスク要因を有し、医師が糖尿病足病変に関する指導の必要性があると認めた入院中の患者以外の患者に対して、医師又は医師の指示に基づき看護師が当該指導を行った場合に、月1回に限り算定する。

2 1回の指導時間は30分以上でなければならないものとする。

 通知
(1) 糖尿病合併症管理料は、次に掲げるいずれかの糖尿病足病変ハイリスク要因を有する入院中の患者以外の患者(通院する患者のことをいい、在宅での療養を行うものを除く。)に対し、医師が糖尿病足病変に関する指導の必要性があると認めた場合に、月1回に限り算定する。

ア 足潰瘍、足趾・下肢切断既往

イ 閉塞性動脈硬化症

ウ 糖尿病神経障害

(2) 当該管理料は、専任の常勤医師又は当該医師の指示を受けた専任の看護師が、(1)の患者に対し、爪甲切除(陥入爪、肥厚爪又は爪白癬等に対して麻酔を要しないで行うもの)、角質除去、足浴等を必要に応じて実施するとともに、足の状態の観察方法、足の清潔・爪切り等の足のセルフケア方法、正しい靴の選択方法についての指導を行った場合に算定する。

(3) 当該管理料を算定すべき指導の実施に当たっては、専任の常勤医師又は当該医師の指示を受けた専任の看護師が、糖尿病足病変ハイリスク要因に関する評価を行い、その結果に基づいて、指導計画を作成すること。

(4) 当該管理を実施する医師又は看護師は、糖尿病足病変ハイリスク要因に関する評価結果、指導計画及び実施した指導内容を診療録又は療養指導記録に記載すること。

(5) 同一月又は同一日においても第2章第1部の各区分に規定する他の医学管理等及び第2部第2節第1款の各区分に規定する在宅療養指導管理料は併算定できる。

(6) (2)及び(3)の常勤医師については、週3日以上常態として勤務しており、かつ、所定労働時間が週22時間以上の勤務を行っている専任の非常勤医師(糖尿病治療及び糖尿病足病変の診療に従事した経験を5年以上有する医師に限る。)を2名以上組み合わせることにより、常勤医師の勤務時間帯と同じ時間帯に当該医師が配置されている場合には、当該2名以上の非常勤医師が連携して当該管理料に係る指導を実施した場合に限り、常勤医師の配置基準を満たしているものとして算定できる。

21 耳鼻咽喉科特定疾患指導管理料 150点

注1 耳鼻咽喉科を標榜する保険医療機関において、耳鼻咽喉科を担当する医師が、別に厚生労働大臣が定める患者であって入院中以外のものに対して、計画的な医学管理を継続して行い、かつ、療養上必要な指導を行った場合に、月1回に限り算定する。

2 区分番号A000に掲げる初診料を算定する初診の日に行った指導又は当該初診の日から1月以内に行った指導の費用は、初診料に含まれるものとする。

3 退院した患者に対して退院の日から起算して1月以内に指導を行った場合における当該指導の費用は、第1章第2部第1節に掲げる入院基本料に含まれるものとする。

 通知
(1) 耳鼻咽喉科と他の診療科を併せ標榜する保険医療機関にあっては、耳鼻咽喉科を専任する医師が当該指導管理を行った場合に限り算定するものであり、同一医師が当該保険医療機関が標榜する他の診療科を併せて担当している場合にあっては算定できない。

(2) 耳鼻咽喉科特定疾患指導管理料の対象となる患者は、15歳未満の患者であって、発症から3か月以上遷延している若しくは当該管理料を算定する前の1年間において3回以上繰り返し発症している滲出性中耳炎の患者である。

(3) 医師が一定の治療計画に基づいて療養上必要な指導管理を行った場合に、月1回に限り算定する。

(4) 耳鼻咽喉科特定疾患指導管理料は、区分番号「A000」初診料を算定した初診の日又は当該保険医療機関から退院した日からそれぞれ起算して1か月を経過した日以降に算定する。

(5) 診療計画及び指導内容の要点を診療録に記載する。

22 がん性疼(とう)痛緩和指導管理料 200点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、がん性疼痛の症状緩和を目的として麻薬とうを投与している患者に対して、WHO方式のがん性疼痛の治療法に基づき、当該保険医療機関の緩和ケアに係る研修を受けた保険医が計画的な治療管理及び療養上必要な指導を行い、麻薬を処方した場合に、月1回に限り算定する。

2 当該患者が15歳未満の小児である場合には、小児加算として、所定点数に50点を加算する。

3 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、がん性疼痛緩和指導管理料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、所定点数に代えて、174点を算定する。

 通知
(1) がん性疼痛緩和指導管理料は、医師ががん性疼痛の症状緩和を目的として麻薬を投与しているがん患者に対して、WHO方式のがん性疼痛の治療法(がんの痛みからの解放-WHO方式がんの疼痛治療法-第2版)に従って、副作用対策等を含めた計画的な治療管理を継続して行い、療養上必要な指導を行った場合に、月1回に限り、当該薬剤に関する指導を行い、当該薬剤を処方した日に算定する。なお、当該指導には、当該薬剤の効果及び副作用に関する説明、疼痛時に追加する臨時の薬剤の使用方法に関する説明を含めるものであること。

(2) がん性疼痛緩和指導管理料は、緩和ケアの経験を有する医師(緩和ケアに係る研修を受けた者に限る。)が当該指導管理を行った場合に算定する。

(3) がん性疼痛緩和指導管理料を算定する場合は、麻薬の処方前の疼痛の程度(疼痛の強さ、部位、性状、頻度等)、麻薬の処方後の効果判定、副作用の有無、治療計画及び指導内容の要点を診療録に記載する。

(4) 同一月又は同一日においても第2章第1部の各区分に規定する他の医学管理等及び第2部第2節第1款の各区分に規定する在宅療養指導管理料は併算定できる。

(5) 「注3」に規定する情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する。

23 がん患者指導管理料

イ 医師が看護師と共同して診療方針等について話し合い、その内容を文書等により提供した場合 500点

ロ 医師、看護師又は公認心理師が心理的不安を軽減するための面接を行った場合 200点

ハ 医師又は薬剤師が抗悪性腫瘍剤の投薬又は注射の必要性等について文書により説明を行った場合 200点

ニ 医師が遺伝子検査の必要性等について文書により説明を行った場合 300点

注1 イについては、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、がんと診断された患者であって継続して治療を行うものに対して、当該患者の同意を得て、当該保険医療機関の保険医が看護師と共同して、診療方針等について十分に話し合い、その内容を文書等により提供した場合又は入院中の患者以外の末期の悪性腫瘍の患者に対して、当該患者の同意を得て、当該保険医療機関の保険医が看護師と共同して、診療方針等について十分に話し合った上で、当該診療方針等に関する当該患者の意思決定に対する支援を行い、その内容を文書等により提供した場合に、患者1人につき1回(当該患者について区分番号B005-6に掲げるがん治療連携計画策定料を算定した保険医療機関及び区分番号B005-6-2に掲げるがん治療連携指導料を算定した保険医療機関が、それぞれ当該指導管理を実施した場合には、それぞれの保険医療機関において、患者1人につき1回)に限り算定する。

2 ロについては、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、がんと診断された患者であって継続して治療を行うものに対して、当該患者の同意を得て、当該保険医療機関の保険医又は当該保険医の指示に基づき看護師若しくは公認心理師が、患者の心理的不安を軽減するための面接を行った場合に、患者1人につき6回に限り算定する。

3 ハについては、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、がんと診断された患者であって継続して抗悪性腫瘍剤の投薬又は注射を受けているものに対して、当該患者の同意を得て、当該保険医療機関の保険医又は当該保険医の指示に基づき薬剤師が、投薬又は注射の前後にその必要性等について文書により説明を行った場合に、患者1人につき6回に限り算定する。

4 ニについては、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、別に厚生労働大臣が定める患者に対して、当該患者の同意を得て、当該保険医療機関の保険医が、区分番号D006-18に掲げるBRCA1/2遺伝子検査の血液を検体とするものを実施する前にその必要性及び診療方針等について文書により説明を行った場合に、患者1人につき1回に限り算定する。

5 ロについて、区分番号A226-2に掲げる緩和ケア診療加算、区分番号B001の18に掲げる小児悪性腫瘍患者指導管理料、区分番号B001の22に掲げるがん性疼痛緩和指導管理料又は区分番号B001の24に掲げる外来緩和ケア管理料は、別に算定できない。

6 ハについて、区分番号B001の18に掲げる小児悪性腫瘍患者指導管理料、区分番号B001-2-12に掲げる外来腫瘍化学療法診療料、区分番号B008に掲げる薬剤管理指導料、区分番号F100に掲げる処方料の注7に規定する加算又は区分番号F400に掲げる処方箋料の注6に規定する加算は、別に算定できない。

7 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、がん患者指導管理料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、イ、ロ、ハ又はニの所定点数に代えて、それぞれ435点、174点、174点又は261点を算定する。

 通知
(1) がん患者指導管理料イ

ア 悪性腫瘍と診断された患者に対して、患者の心理状態に十分配慮された環境で、がん診療の経験を有する医師及びがん患者の看護に従事した経験を有する専任の看護師が適宜必要に応じてその他の職種と共同して、診断結果及び治療方法等について患者が十分に理解し、納得した上で治療方針を選択できるように説明及び相談を行った場合又は入院中の患者以外の末期の悪性腫瘍の患者に対して、当該患者の同意を得て、患者の心理状態に十分配慮された環境で、がん診療の経験を有する医師及びがん患者の看護に従事した経験を有する専任の看護師が適宜必要に応じてその他の職種と共同して、診療方針等について十分に話し合った上で、当該診療方針等に関する当該患者の意思決定に対する支援を行い、その内容を文書等により提供した場合に算定する。なお、化学療法の対象となる患者に対しては、外来での化学療法の実施方法についても説明を行うこと。

イ 当該患者について区分番号B005-6に掲げるがん治療連携計画策定料を算定した保険医療機関及び区分番号B005-6-2に掲げるがん治療連携指導料を算定した保険医療機関が、それぞれ当該指導管理を実施した場合には、それぞれの保険医療機関において、患者1人につき1回算定できる。ただし、当該悪性腫瘍の診断を確定した後に新たに診断された悪性腫瘍(転移性腫瘍及び再発性腫瘍を除く。)に対して行った場合は別に算定できる。

ウ 指導内容等の要点を診療録又は看護記録に記載すること。

エ 患者の十分な理解が得られない場合又は患者の意思が確認できない場合は、算定の対象とならない。また患者を除く家族等にのみ説明を行った場合は算定できない。

オ 「注7」に規定する情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する。

(2) がん患者指導管理料ロ

ア 悪性腫瘍と診断された患者に対して、患者の心理状態に十分配慮された環境で、がん診療の経験を有する医師、がん患者の看護に従事した経験を有する専任の看護師又はがん患者への心理支援に従事した経験を有する専任の公認心理師が適宜必要に応じてその他の職種と共同して、身体症状及び精神症状の評価及び対応、病状、診療方針、診療計画、外来での化学療法の実施方法、日常生活での注意点等の説明、患者の必要とする情報の提供、意思決定支援、他部門との連絡及び調整等、患者の心理的不安を軽減するための指導を実施した場合に算定する。なお、患者の理解に資するため、必要に応じて文書を交付するなど、分かりやすく説明するよう努めること。

イ がん患者指導管理料ロの算定対象となる患者は、がんと診断された患者であって継続して治療を行う者のうち、STAS-J(STAS日本語版)で2以上の項目が2項目以上該当する者、又はDCS(DicisionalConflictScale)40点以上のものであること。なお、STAS-Jについては日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団(以下「ホスピス財団」という。)の「STAS-J(STAS日本語版)スコアリングマニュアル第3版」(ホスピス財団ホームページに掲載)に沿って評価を行うこと。

ウ 看護師又は公認心理師が実施した場合は、アに加えて、指導を行った看護師又は公認心理師が、当該患者の診療を担当する医師に対して、患者の状態、指導内容等について情報提供等を行わなければならない。

エ 指導内容等の要点を診療録又は看護記録に記載すること。

オ 患者の十分な理解が得られない場合又は患者の意思が確認できない場合は、算定の対象とならない。また患者を除く家族等にのみ説明を行った場合は算定できない。

カ 「注7」に規定する情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する。

(3) がん患者指導管理料ハ

ア 悪性腫瘍と診断された患者のうち、抗悪性腫瘍剤を投薬又は注射されている者(予定を含む。)に対して、患者の心理状態に十分配慮された環境で、がん診療の経験を有する医師又は抗悪性腫瘍剤に係る業務に従事した経験を有する専任の薬剤師が必要に応じてその他の職種と共同して、抗悪性腫瘍剤の投薬若しくは注射の開始日前30日以内、又は投薬若しくは注射をしている期間に限り、薬剤の効能・効果、服用方法、投与計画、副作用の種類とその対策、日常生活での注意点、副作用に対応する薬剤や医療用麻薬等の使い方、他の薬を服用している場合は薬物相互作用、外来での化学療法の実施方法等について文書により説明を行った場合に算定する。

イ 薬剤師が実施した場合は、アに加えて、指導を行った薬剤師が、当該患者の診療を担当する医師に対して、指導内容、過去の治療歴に関する患者情報(患者の投薬歴、副作用歴、アレルギー歴等)、服薬状況、患者の不安の有無等について情報提供するとともに、必要に応じて、副作用に対応する薬剤、医療用麻薬等又は抗悪性腫瘍剤の処方に関する提案等を行わなければならない。

ウ 指導内容等の要点を診療録若しくは薬剤管理指導記録に記載又は説明に用いた文書の写しを診療録等に添付すること。

エ 患者の十分な理解が得られない場合又は患者の意思が確認できない場合は、算定の対象とならない。また患者を除く家族等にのみ説明を行った場合は算定できない。

オ 「注7」に規定する情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する。

(4) がん患者指導管理料ニ

ア 乳癌、卵巣癌又は卵管癌と診断された患者のうち遺伝性乳癌卵巣癌症候群が疑われる患者に対して、臨床遺伝学に関する十分な知識を有する医師及びがん診療の経験を有する医師が共同で、診療方針、診療計画及び遺伝子検査の必要性等について患者が十分に理解し、納得した上で診療方針を選択できるように説明及び相談を行った場合に算定する。

イ 説明及び相談内容等の要点を診療録に記載すること。

ウ 説明した結果、区分番号「D006―18」の「2」に掲げるBRCA1/2遺伝子検査の血液を検体とするものを実施し、区分番号「D026」検体検査判断料の注6に掲げる遺伝カウンセリング加算を算定する場合は、がん患者指導管理料ニの所定点数は算定できない。

エ 遺伝カウンセリング加算に係る施設基準の届出を行っている他保険医療機関の臨床遺伝学に関する十分な知識を有する医師と連携して指導を行った場合においても算定できる。なお、その場合の診療報酬の分配は相互の合議に委ねる。ただし、その場合であっても区分番号「D026」検体検査判断料の注6に掲げる遺伝カウンセリング加算を算定する場合は、がん患者指導管理料ニの所定点数は算定できない。

オ 「注7」に規定する情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する。

24 外来緩和ケア管理料 290点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、緩和ケアを要する入院中の患者以外の患者(症状緩和を目的として麻薬が投与されている患者に限る。)に対して、当該保険医療機関の保険医、看護師、薬剤師等が共同して療養上必要な指導を行った場合に、月1回に限り算定する。

2 当該患者が15歳未満の小児である場合には、小児加算として、所定点数に150点を加算する。

3 区分番号B001の22に掲げるがん性疼痛緩和指導管理料は、別に算定できない。

4 医療提供体制の確保の状況に鑑み別に厚生労働大臣が定める地域に所在する保険医療機関であって、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出たものについては、注1に規定する届出の有無にかかわらず、所定点数に代えて、外来緩和ケア管理料(特定地域)として、150点を算定する。

5 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、外来緩和ケア管理料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、所定点数に代えて、252点(注4に規定する外来緩和ケア管理料(特定地域)を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合にあっては、131点)を算定する。

 通知
(1) 外来緩和ケア管理料については、医師ががん性疼痛の症状緩和を目的として麻薬を投与している入院中の患者以外の悪性腫瘍、後天性免疫不全症候群又は末期心不全の患者のうち、疼痛、倦怠感、呼吸困難等の身体的症状又は不安、抑うつなどの精神症状を持つ者に対して、当該患者の同意に基づき、症状緩和に係るチーム(以下「緩和ケアチーム」という。)による診療が行われた場合に算定する。

(2) 末期心不全の患者とは、以下のアからウまでの基準及びエからカまでのいずれかの基準に該当するものをいう。

ア 心不全に対して適切な治療が実施されていること。

イ 器質的な心機能障害により、適切な治療にもかかわらず、慢性的にNYHA重症度分類Ⅳ度の症状に該当し、頻回又は持続的に点滴薬物療法を必要とする状態であること。

ウ 過去1年以内に心不全による急変時の入院が2回以上あること。なお、「急変時の入院」とは、患者の病状の急変等による入院を指し、予定された入院を除く。

エ 左室駆出率が20%以下であること。

オ 医学的に終末期であると判断される状態であること。カエ又はオに掲げる状態に準ずる場合であること。

(3) 緩和ケアチームは、身体症状及び精神症状の緩和を提供することが必要である。緩和ケアチームの医師は緩和ケアに関する研修を修了した上で診療に当たること。ただし、後天性免疫不全症候群の患者を診療する際には当該研修を修了していなくても本管理料は算定できる。

(4) 緩和ケアチームは初回の診療に当たり、当該患者の診療を担う保険医、看護師及び薬剤師などと共同の上、別紙様式3又はこれに準じた緩和ケア診療実施計画書を作成し、その内容を患者に説明の上交付するとともに、その写しを診療録等に添付すること。

(5) 1日当たりの算定患者数は、1チームにつき概ね30人以内とする。ただし、「注4」に規定する点数を算定する場合は、1日当たりの算定患者数は、1チームにつき概ね15人以内とする。

(6) 症状緩和に係るカンファレンスが週1回程度開催されており、緩和ケアチームの構成員及び必要に応じて、当該患者の診療を担当する保険医、看護師などが参加していること。

(7) 当該保険医療機関に緩和ケアチームが組織上明確に位置づけられていること。

(8) 院内の見やすい場所に緩和ケアチームによる診療が受けられる旨の掲示をするなど、患者に対して必要な情報提供がなされていること。

(9) 当該緩和ケアチームは、緩和ケア診療加算の緩和ケアチームと兼任可能である。

(10) 「注4」に規定する点数は、基本診療料の施設基準等の別表第六の二に掲げる地域に所在する保険医療機関(特定機能病院、許可病床数が400床以上の病院、DPC対象病院及び一般病棟入院基本料に係る届出において急性期一般入院料1のみを届け出ている病院を除く。)において、算定可能である。

(11) 「注5」に規定する情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する。

25 移植後患者指導管理料

イ 臓器移植後の場合 300点

ロ 造血幹細胞移植後の場合 300点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、臓器移植後又は造血幹細胞移植後の患者であって、入院中の患者以外の患者に対して、当該保険医療機関の保険医、看護師、薬剤師等が共同して計画的な医学管理を継続して行った場合に、月1回に限り算定する。

2 区分番号B000に掲げる特定疾患療養管理料を算定している患者については算定しない。

3 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、移植後患者指導管理料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、イ又ロの所定点数に代えて、それぞれ261点を算定する。

 通知
(1) 移植後患者指導管理料は、臓器移植(角膜移植を除く。)又は造血幹細胞移植を受けた患者(以下「臓器等移植後の患者」という。)が、移植した臓器又は造血幹細胞を長期にわたって生着させるために、多職種が連携して、移植の特殊性に配慮した専門的な外来管理を行うことを評価するものである。臓器移植後の患者については「イ臓器移植後の場合」を、造血幹細胞移植後の患者については「ロ造血幹細胞移植後の場合」を算定する。

(2) 移植後患者指導管理料は、臓器等移植後の患者に対して、移植に係る診療科に専任する医師と移植医療に係る適切な研修を受けた専任の看護師が、必要に応じて、薬剤師等と連携し、治療計画を作成し、臓器等移植後の患者に特有の拒絶反応や移植片対宿主病(GVHD)、易感染性等の特性に鑑みて、療養上必要な指導管理を行った場合に、月1回に限り算定する。

(3) 移植医療に係る適切な研修を受けた看護師は、関係診療科及び関係職種と緊密に連携をとり、かつ適切な役割分担を考慮しつつ、医師の指示のもと臓器等移植後の患者に対して提供される医療について調整を行うこと。

(4) 臓器等移植後患者であっても、移植後の患者に特有な指導が必要ない状態となった場合は移植後患者指導管理料は算定できない。

(5) 「注3」に規定する情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する。

26 植込型輸液ポンプ持続注入療法指導管理料 810点

注1 植込型輸液ポンプ持続注入療法(髄腔内投与を含む。)を行っている入院中の患者以外の患者に対して、当該療法に関する指導管理を行った場合に算定する。

2 植込術を行った日から起算して3月以内の期間に行った場合には、導入期加算として、140点を所定点数に加算する。

 通知
(1) 植込型輸液ポンプを使用している患者であって、入院中の患者以外の患者について、診察とともに投与量の確認や調節など、療養上必要な指導を行った場合に、1月に1回に限り算定する。この場合において、プログラム変更に要する費用は所定点数に含まれる。

(2) 指導内容の要点を診療録に記載する。

27 糖尿病透析予防指導管理料 350点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、糖尿病の患者(別に厚生労働大臣が定める者に限る。)であって、医師が透析予防に関する指導の必要性があると認めた入院中の患者以外の患者に対して、当該保険医療機関の医師、看護師又は保健師及び管理栄養士等が共同して必要な指導を行った場合に、月1回に限り算定する。

2 区分番号B001の9に掲げる外来栄養食事指導料及び区分番号B001の11に掲げる集団栄養食事指導料は、所定点数に含まれるものとする。

3 区分番号B000に掲げる特定疾患療養管理料を算定している患者については算定しない。

4 医療提供体制の確保の状況に鑑み別に厚生労働大臣が定める地域に所在する保険医療機関であって、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出たものについては、注1に規定する届出の有無にかかわらず、所定点数に代えて、糖尿病透析予防指導管理料(特定地域)として、175点を算定する。

5 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、高度腎機能障害の患者に対して医師が必要な指導を行った場合には、高度腎機能障害患者指導加算として、100点を所定点数に加算する。

6 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、糖尿病透析予防指導管理料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、所定点数に代えて、305点(注4に規定する糖尿病透析予防指導管理料(特定地域)を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合にあっては、152点)を算定する。

 通知
(1) 糖尿病透析予防指導管理料は、入院中の患者以外の糖尿病患者(通院する患者のことをいい、在宅での療養を行う患者を除く。)のうち、ヘモグロビンA1c(HbA1c)がJDS値で6.1%以上(NGSP値で6.5%以上)又は内服薬やインスリン製剤を使用している者であって、糖尿病性腎症第2期以上の患者(現に透析療法を行っている者を除く。)に対し、医師が糖尿病透析予防に関する指導の必要性があると認めた場合に、月1回に限り算定する。

(2) 当該指導管理料は、専任の医師、当該医師の指示を受けた専任の看護師(又は保健師)及び管理栄養士(以下「透析予防診療チーム」という。)が、(1)の患者に対し、日本糖尿病学会の「糖尿病治療ガイド」等に基づき、患者の病期分類、食塩制限及び蛋白制限等の食事指導、運動指導、その他生活習慣に関する指導等を必要に応じて個別に実施した場合に算定する。

(3) 当該指導管理料を算定すべき指導の実施に当たっては、透析予防診療チームは、糖尿病性腎症のリスク要因に関する評価を行い、その結果に基づいて、指導計画を作成すること。

(4) 当該管理を実施する透析予防診療チームは、糖尿病性腎症のリスク要因に関する評価結果、指導計画及び実施した指導内容を診療録、療養指導記録又は栄養指導記録に記載すること。

(5) 「注4」に規定する点数は、「基本診療料の施設基準等」別表第六の二に掲げる地域に所在する保険医療機関(特定機能病院、許可病床数が400床以上の病院、DPC対象病院及び一般病棟入院基本料に係る届出において急性期一般入院料1のみを届け出ている病院を除く。)において、算定可能である。

(6) 同一月又は同一日においても、「注2」及び「注3」に規定するものを除き、第2章第1部の各区分に規定する他の医学管理等及び第2部第2節第1款の各区分に規定する在宅療養指導管理料は併算定できる。

(7) 当該管理料を算定する場合は、「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」別添2の様式5の7に基づき、1年間に当該指導管理料を算定した患者の人数、状態の変化等について報告を行うこと。

(8) 「注5」に規定する高度腎機能障害患者指導加算は、eGFR(mL/分/1.73㎡)が45未満の患者に対し、専任の医師が、当該患者が腎機能を維持する観点から必要と考えられる運動について、その種類、頻度、強度、時間、留意すべき点等について指導し、また既に運動を開始している患者についてはその状況を確認し、必要に応じて更なる指導を行った場合に算定する。なお、指導については日本腎臓リハビリテーション学会から「保存期CKD患者に対する腎臓リハビリテーションの手引き」が示されているので、指導が適切になされるよう留意されたい。

(9) 本管理料を算定する患者について、保険者から保健指導を行う目的で情報提供等の協力の求めがある場合には、患者の同意を得て、必要な協力を行うこと。

(10) 「注6」に規定する情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する。

(11) 「注6」に規定する点数を算定する場合には、以下の要件を満たすこと。

ア 透析予防診療チームが、情報通信機器を用いた診療による計画的な療養上の医学管理を行う月において、(1)の患者に対し、ビデオ通話が可能な情報通信機器を活用して、日本糖尿病学会の「糖尿病治療ガイド」等に基づき、患者の病期分類、食塩制限、蛋白制限等の食事指導、運動指導、その他生活習慣に関する指導等を必要に応じて個別に実施する。なお、情報通信機器を用いた診療による計画的な療養上の医学管理を行う月にあっては、医師又は医師の指示を受けた看護師若しくは管理栄養士による指導等について、各職種が当該月の別日に指導等を実施した場合においても算定できる。

イ 当該指導等の実施に当たっては、透析予防診療チームは、事前に、対面による指導と情報通信機器を用いた診療による指導を組み合わせた指導計画を作成し、当該計画に基づいて指導を実施する。

ウ 透析予防診療チームは、情報通信機器を用いた診療により実施した指導内容、指導実施時間等を診療録、療養指導記録又は栄養指導記録に記載する。

28 小児運動器疾患指導管理料 250点

注 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、入院中の患者以外の患者であって、運動器疾患を有する20歳未満のものに対し、小児の運動器疾患に関する専門の知識を有する医師が、計画的な医学管理を継続して行い、かつ、療養上必要な指導を行った場合に、6月に1回(初回算定日の属する月から起算して6月以内は月1回)に限り算定する。ただし、同一月に区分番号B001の5に掲げる小児科療養指導料を算定している患者については、算定できない。

 通知
(1) 小児運動器疾患指導管理料は、入院中の患者以外の患者であって、運動器疾患に対し継続的な管理を必要とするものに対し、専門的な管理を行った場合に算定するものであり、小児の運動器疾患に関する適切な研修を修了した医師が、治療計画に基づき療養上の指導を行った場合に算定できる。

(2) 対象患者は、以下のいずれかに該当する20歳未満の患者とする。

ア 先天性股関節脱臼、斜頚、内反足、ペルテス病、脳性麻痺、脚長不等、四肢の先天奇形、良性骨軟部腫瘍による四肢変形、外傷後の四肢変形、二分脊椎、脊髄係留症候群又は側弯症を有する患者

イ 装具を使用する患者

ウ 医師が継続的なリハビリテーションが必要と判断する状態の患者

エ その他、手術適応の評価等、成長に応じた適切な治療法の選択のために、継続的な診療が必要な患者

(3) 初回算定時に治療計画を作成し、患者の家族等に説明して同意を得るとともに、毎回の指導の要点を診療録に記載すること。

(4) 日常的に車椅子を使用する患者であって、車椅子上での姿勢保持が困難なため、食事摂取等の日常生活動作の能力の低下を来した患者については、医師の指示を受けた理学療法士又は作業療法士等が、車椅子や座位保持装置上の適切な姿勢保持や褥瘡予防のため、患者の体幹機能や座位保持機能を評価した上で体圧分散やサポートのためのクッションや附属品の選定や調整を行うことが望ましい。

29 乳腺炎重症化予防ケア・指導料

イ 初回 500点

ロ 2回目から4回目まで 150点

注 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、入院中の患者以外の患者であって、乳腺炎が原因となり母乳育児に困難を来しているものに対して、医師又は助産師が乳腺炎に係る包括的なケア及び指導を行った場合に、1回の分娩につき4回に限り算定する。

 通知
(1) 乳腺炎重症化予防ケア・指導料は、入院中以外の乳腺炎の患者であって、乳腺炎が原因となり母乳育児に困難がある患者に対して、医師がケア及び指導の必要性があると認めた場合で、乳腺炎の重症化及び再発予防に係る指導並びに乳房に係る疾患を有する患者の診療について経験を有する医師又は乳腺炎及び母乳育児に関するケア・指導に係る経験を有する助産師が、当該患者に対して乳房のマッサージや搾乳等の乳腺炎に係るケア、授乳や生活に関する指導、心理的支援等の乳腺炎の早期回復、重症化及び再発予防に向けた包括的なケア及び指導を行った場合に、分娩1回につき4回に限り算定する。

(2) 当該ケア及び指導を実施する医師又は助産師は、包括的なケア及び指導に関する計画を作成し計画に基づき実施するとともに、実施した内容を診療録等に記載する。

30 婦人科特定疾患治療管理料 250点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、入院中の患者以外の器質性月経困難症の患者であって、ホルモン剤(器質性月経困難症に対して投与されたものに限る。)を投与している患者に対して、婦人科又は産婦人科を担当する医師が、患者の同意を得て、計画的な医学管理を継続して行い、かつ、療養上必要な指導を行った場合に、3月に1回に限り算定する。

2 区分番号A000に掲げる初診料を算定する初診の日に行った指導又は当該初診の日の同月内に行った指導の費用は、初診料に含まれるものとする。

 通知
(1) 婦人科又は産婦人科を標榜する保険医療機関において、入院中の患者以外の器質性月経困難症の患者であって、ホルモン剤(器質性月経困難症に対して投与されたものに限る。)を投与しているものに対して、婦人科又は産婦人科を担当する医師が、患者の同意を得て、計画的な医学管理を継続して行い、かつ、療養上必要な指導を行った場合に、3月に1回に限り算定すること。

(2) 治療計画を作成し、患者に説明して同意を得るとともに、毎回の指導内容の要点を診療録に記載すること。なお、治療計画の策定に当たっては、患者の病態、社会的要因、薬物療法の副作用や合併症のリスク等を考慮すること。

(3) 治療に当たっては、関連学会等から示されているガイドラインを踏まえ、薬物療法等の治療方針について適切に検討すること。

31 腎代替療法指導管理料 500点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、別に厚生労働大臣が定める患者であって入院中の患者以外のものに対して、当該患者の同意を得て、看護師と共同して、当該患者と診療方針等について十分に話し合い、その内容を文書等により提供した場合に、患者1人につき2回に限り算定する。

2 1回の指導時間は30分以上でなければならないものとする。

3 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、腎代替療法指導管理料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、所定点数に代えて、435点を算定する。

 通知
(1) 腎代替療法指導管理料は、腎臓内科の経験を有する常勤医師及び腎臓病患者の看護に従事した経験を有する専任の看護師が、当該患者への腎代替療法の情報提供が必要と判断した場合に、腎代替療法について指導を行い、当該患者が十分に理解し、納得した上で治療方針を選択できるように説明及び相談を行った場合に、患者1人につき2回に限り算定する。なお、2回目の当該管理料の算定に当たっては、その医療上の必要性について診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

(2) 当該管理料の対象となる患者は、次のいずれかの要件を満たすものとする。

ア 慢性腎臓病の患者であって、3月前までの直近2回のeGFR(mL/分/1.73m2)がいずれも30未満の場合

イ 急速進行性糸球体腎炎等による腎障害により、急速な腎機能低下を呈し、不可逆的に慢性腎臓病に至ると判断される場合

(3) 当該管理料を算定すべき指導の実施に当たっては、(2)の要件を満たす慢性腎臓病患者の腎代替療法選択にとって、適切と判断される時期に行うこととし、血液透析、腹膜透析、腎移植等の腎代替療法のうち、いずれについても情報提供すること。なお、当該情報提供は、腎臓病教室とは別に行うこと。

(4) 指導内容等の要点を診療録に記載する。なお、説明に用いた文書の写しの診療録への添付により診療録への記載に代えることができる。

(5) 説明に当たっては、関連学会の作成した腎代替療法選択に係る資料又はそれらを参考に作成した資料に基づき説明を行うこと。

(6) 当該管理料を算定する場合にあっては、(2)のア又はイのうち該当するものに応じて、以下の事項を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

ア (2)のアに該当する場合は、直近の血液検査におけるeGFRの検査値について、以下の(イ)から(ハ)までのうちいずれかに該当するもの。

(イ) 25mL/min/1.73m2以上30mL/min/1.73m2未満

(ロ)15mL/min/1.73m2以上25mL/min/1.73m2未満

(ハ)15mL/min/1.73m2未満

イ (2)のイに該当する場合は、当該指導管理の実施について適切な時期と判断した理由。

(7) 「注3」に規定する情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する。

32 一般不妊治療管理料 250点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、入院中の患者以外の不妊症の患者であって、一般不妊治療を実施しているものに対して、当該患者の同意を得て、計画的な医学管理を継続して行い、かつ、療養上必要な指導を行った場合に、3月に1回に限り算定する。ただし、区分番号B001の33に掲げる生殖補助医療管理料を算定している患者については算定しない。

2 区分番号A000に掲げる初診料を算定する初診の日に行った指導又は当該初診の日の同月内に行った指導の費用は、初診料に含まれるものとする。

 通知
(1) 一般不妊治療管理料は、入院中の患者以外の不妊症の患者であって、一般不妊治療を実施しているものに対して、当該患者の同意を得て、計画的な医学管理を継続して行い、かつ、療養上必要な指導を行った場合に、3月に1回に限り算定する。

(2) 治療計画を作成し、当該患者及びそのパートナー(当該患者と共に不妊症と診断された者をいう。以下この区分において同じ。)に文書を用いて説明の上交付し、文書による同意を得ること。また、交付した文書の写し及び同意を得た文書を診療録に添付すること。なお、治療計画の作成に当たっては、当該患者及びそのパートナーの病態、就労の状況を含む社会的要因、薬物療法の副作用や合併症のリスク等を考慮すること。

(3) 少なくとも6月に1回以上、当該患者及びそのパートナーに対して治療内容等に係る同意について確認するとともに、必要に応じて治療計画の見直しを行うこと。なお、治療計画の見直しを行った場合には、当該患者及びそのパートナーに文書を用いて説明の上交付し、文書による同意を得ること。また、交付した文書の写し及び同意を得た文書を診療録に添付すること。

(4) 治療計画の作成に当たっては、関係学会から示されているガイドライン等を踏まえ、薬物療法等の治療方針について適切に検討すること。また、治療が奏効しない場合には、治療計画の見直しを行うこと。なお、必要に応じて、連携する生殖補助医療を実施できる他の保険医療機関への紹介を行うこと。

(5) 当該患者に対する毎回の指導内容の要点を診療録に記載すること。

(6) 当該管理料の初回算定時に、当該患者及びそのパートナーを不妊症と診断した理由について、診療録に記載すること。

(7) 当該管理料の初回算定時に、以下のいずれかに該当することを確認すること。ア当該患者及びそのパートナーが、婚姻関係にあること。

イ 当該患者及びそのパートナーが、治療の結果、出生した子について認知を行う意向があること。

(8) (7)の確認に当たっては、確認した方法について、診療録に記載するとともに、提出された文書等がある場合には、当該文書等を診療録に添付すること。

33 生殖補助医療管理料

イ 生殖補助医療管理料1   300点

ロ 生殖補助医療管理料2   250点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、入院中の患者以外の不妊症の患者であって、生殖補助医療を実施しているものに対して、当該患者の同意を得て、計画的な医学管理を継続して行い、かつ、療養上必要な指導を行った場合に、当該基準に係る区分に従い、月1回に限り算定する。

2 区分番号A000に掲げる初診料を算定する初診の日に行った指導又は当該初診の日の同月内に行った指導の費用は、初診料に含まれるものとする。

 通知
(1) 生殖補助医療管理料は、入院中の患者以外の不妊症の患者であって、生殖補助医療を実施しているもの(実施するための準備をしている者を含み、当該患者又はそのパートナー(当該患者と共に不妊症と診断された者をいう。以下この区分において同じ。)のうち女性の年齢が当該生殖補助医療の開始日において43歳未満である場合に限る。)に対して、当該患者の同意を得て、計画的な医学管理を継続して行い、かつ、療養上必要な指導を行った場合に、月に1回に限り算定する。

(2) 治療計画を作成し、当該患者及びそのパートナーに文書を用いて説明の上交付し、文書による同意を得ること。また、交付した文書の写し及び同意を得た文書を診療録に添付すること。なお、治療計画の作成に当たっては、当該患者及びそのパートナーの病態、就労の状況を含む社会的要因、薬物療法の副作用や合併症のリスク等を考慮すること。

(3) 治療計画は、胚移植術の実施に向けた一連の診療過程ごとに作成すること。また、当該計画は、採卵術(実施するため準備を含む。)から胚移植術(その結果の確認を含む。)までの診療過程を含めて作成すること。ただし、既に凍結保存されている胚を用いて凍結・融解胚移植術を実施する場合には、当該胚移植術の準備から結果の確認までを含めて作成すればよい。

(4) 治療計画の作成に当たっては、当該患者及びそのパートナーのこれまでの治療経過を把握すること。特に、治療計画の作成時点における胚移植術の実施回数の合計について確認した上で、診療録に記載するとともに、当該時点における実施回数の合計及び確認した年月日を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。なお、確認に当たっては、患者及びそのパートナーからの申告に基づき確認するとともに、必要に応じて、過去に治療を実施した他の保険医療機関又は保険者に照会すること。

(5) 少なくとも6月に1回以上、当該患者及びそのパートナーに対して治療内容等に係る同意について確認するとともに、必要に応じて治療計画の見直しを行うこと。なお、治療計画の見直しを行った場合には、当該患者及びそのパートナーに文書を用いて説明の上交付し、文書による同意を得ること。また、交付した文書の写し及び同意を得た文書を診療録に添付すること。

(6) 治療計画の作成に当たっては、関係学会から示されているガイドライン等を踏まえ、薬物療法等の治療方針について適切に検討すること。また、治療が奏効しない場合には、治療計画の見直しを行うこと。

(7) 治療計画を作成し、又は見直した場合における当該患者及びそのパートナーに説明して同意を得た年月日を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。また、2回目以降の胚移植術に向けた治療計画を作成した場合には、その内容について当該患者及びそのパートナーに説明して同意を得た年月日を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

(8) 当該患者に対する毎回の指導内容の要点を診療録に記載すること。

(9) 治療に当たっては、当該患者の状態に応じて、必要な心理的ケアや社会的支援について検討し、適切なケア・支援の提供又は当該支援等を提供可能な他の施設への紹介等を行うこと。

(10) 当該管理料の初回算定時に、当該患者及びそのパートナーを不妊症と診断した理由について、診療録に記載すること。

(11) 当該管理料の初回算定時に、以下のいずれかに該当することを確認すること。ただし、同一保険医療機関において、当該患者又はそのパートナーに対して区分番号「B001」の「32」一般不妊治療管理料に係る医学管理を行っていた場合にあっては、この限りではない。

ア 当該患者及びそのパートナーが、婚姻関係にあること。

イ 当該患者及びそのパートナーが、治療の結果、出生した子について認知を行う意向があること。

(12) (11)の確認に当たっては、確認した方法について、診療録に記載するとともに、提出された文書等がある場合には、当該文書等を診療録に添付すること。

34 二次性骨折予防継続管理料

イ 二次性骨折予防継続管理料11,000点

ロ 二次性骨折予防継続管理料2750点

ハ 二次性骨折予防継続管理料3500点

注1 イについては、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして保険医療機関が地方厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者であって、大腿骨近位部骨折に対する手術を行ったものに対して、二次性骨折の予防を目的として、骨粗鬆 症の計画的な評価及び治療等を行った場合に、当該入院中1回に限り算定する。

2 ロについては、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして保険医療機関が地方厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者であって、他の保険医療機関においてイを算定したものに対して、継続して骨粗鬆 症の計画的な評価及び治療等を行った場合に、当該入院中1回に限り算定する。

3 ハについては、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、入院中の患者以外の患者であって、イを算定したものに対して、継続して骨粗鬆 症の計画的な評価及び治療等を行った場合に、初回算定日の属する月から起算して1年を限度として、月1回に限り算定する。

 通知
(1) 二次性骨折予防継続管理料は、骨粗鬆症の治療による二次性骨折の予防を推進する観点から、骨粗鬆症を有する大腿骨近位部骨折患者に対して早期から必要な治療を実施した場合について評価を行うものである。大腿骨近位部骨折の患者に対して、関係学会のガイドラインに沿って継続的に骨粗鬆症の評価を行い、必要な治療等を実施した場合に、「イ」及び「ロ」については入院中に1回、「ハ」については初回算定日より1年を限度として月に1回に限り算定する。

(2) 「イ」を算定した患者が当該保険医療機関と特別の関係にある保険医療機関に転院した場合又は同一の保険医療機関のリハビリテーション医療等を担う病棟に転棟した場合において「ロ」は算定できない。

(3) 「イ」又は「ロ」を算定した患者が退院し、入院していた保険医療機関と同一の保険医療機関又は当該保険医療機関と特別の関係にある保険医療機関の外来を受診した場合について、「イ」又は「ロ」を算定した同一月において「ハ」は算定できない。

(4) 「イ」については、関係学会より示されている「骨折リエゾンサービス(FLS)クリニカルスタンダード」及び「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」に沿った適切な評価及び治療等が実施された場合に算定する。

(5) 「ロ」及び「ハ」は、関係学会より示されている「骨折リエゾンサービス(FLS)クリニカルスタンダード」及び「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」に沿った適切な評価及び治療効果の判定等、必要な治療を継続して実施した場合に算定する。

(6) 当該管理料を算定すべき医学管理の実施に当たっては、骨量測定、骨代謝マーカー、脊椎エックス線写真等による必要な評価を行うこと。

35 アレルギー性鼻炎免疫療法治療管理料

イ 1月目 280点

ロ 2月目以降 25点

注 別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関において、入院中の患者以外のアレルギー性鼻炎の患者に対して、アレルゲン免疫療法による治療の必要を認め、治療内容等に係る説明を文書を用いて行い、当該患者の同意を得た上で、アレルゲン免疫療法による計画的な治療管理を行った場合に、月1回に限り算定する。

 通知
(1) アレルギー性鼻炎免疫療法治療管理料は、入院中の患者以外のアレルギー性鼻炎と診断された患者に対して、アレルゲン免疫療法による計画的な治療管理を行った場合に月1回に限り算定する。なお、アレルギー性鼻炎免疫療法治療管理料イにおいて「1月目」とは初回の治療管理を行った月のことをいう。

(2) アレルゲン免疫療法を開始する前に、治療内容、期待される効果、副作用等について文書を用いた上で患者に説明し、同意を得ること。また、説明内容の要点を診療録に記載する。

(3) 学会によるガイドライン等を参考にすること。

36下肢創傷処置管理料

注 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、入院中の患者以外の患者であって、下肢の潰瘍を有するものに対して、下肢創傷処置に関する専門の知識を有する医師が、計画的な医学管理を継続して行い、かつ、療養上必要な指導を行った場合に、区分番号J000-2に掲げる下肢創傷処置を算定した日の属する月において、月1回に限り算定する。ただし、区分番号B001の20に掲げる糖尿病合併症管理料は、別に算定できない。

 通知
(1) 下肢創傷処置管理料は、入院中の患者以外の患者であって、下肢の潰瘍に対し継続的な管理を必要とするものに対し、区分番号「J000-2」に掲げる下肢創傷処置と併せて、専門的な管理を行った場合に算定するものであり、下肢創傷処置に関する適切な研修を修了した医師が、治療計画に基づき療養上の指導を行った場合に算定できる。

(2) 初回算定時に治療計画を作成し、患者及び家族等に説明して同意を得るとともに、毎回の指導の要点を診療録に記載すること。

(3) 学会によるガイドライン等を参考にすること。

B001-2 小児科外来診療料(1日につき)

1 保険薬局において調剤を受けるために処方箋を交付する場合

イ 初診時 599点

ロ 再診時 406点

2 1以外の場合

イ 初診時 716点

ロ 再診時 524点

注1 小児科を標榜する保険医療機関において、入院中の患者以外の患者(6歳未満の乳幼児に限る。)に対して診療を行った場合に、保険医療機関単位で算定する。

2 区分番号A001に掲げる再診料の注9に規定する場合、区分番号B001-2-11に掲げる小児かかりつけ診療料を算定する場合、第2部第2節第1款在宅療養指導管理料の各区分に掲げる指導管理料を算定している場合又は別に厚生労働大臣が定める薬剤を投与している場合については、算定しない。

3 注4に規定する加算、区分番号A000に掲げる初診料の注7、注8及び注10に規定する加算、区分番号A001に掲げる再診料の注5及び注6に規定する加算、区分番号A002に掲げる外来診療料の注8及び注9に規定する加算、通則第3号から第5号までに規定する加算、区分番号B001-2-2に掲げる地域連携小児夜間・休日診療料、区分番号B001-2-5に掲げる院内トリアージ実施料、区分番号B001-2-6に掲げる夜間休日救急搬送医学管理料、区分番号B010に掲げる診療情報提供料(Ⅱ)、区分番号B011に掲げる連携強化診療情報提供料及び区分番号C000に掲げる往診料(同区分番号の注1から注3までに規定する加算を含む。)を除き、診療に係る費用は、小児科外来診療料に含まれるものとする。ただし、区分番号A000に掲げる初診料の注7及び注8に規定する加算を算定する場合については、それぞれの加算点数から115点を減じた点数を、区分番号A001に掲げる再診料の注5及び注6に規定する加算並びに区分番号A002に掲げる外来診療料の注8及び注9に規定する加算を算定する場合については、それぞれの加算点数から70点を減じた点数を算定するものとする。

4 1のイ又は2のイについて、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関において、急性気道感染症又は急性下痢症により受診した患者であって、診察の結果、抗菌薬の投与の必要性が認められないため抗菌薬を使用しないものに対して、療養上必要な指導及び検査結果の説明を行い、文書により説明内容を提供した場合は、小児抗菌薬適正使用支援加算として、月1回に限り80点を所定点数に加算する。

 通知
(1) 小児科外来診療料は、入院中の患者以外の患者であって、6歳未満の全ての者を対象とする。また、対象患者に対する診療報酬の請求については、原則として小児科外来診療料により行うものとする。

(2) 小児科外来診療料は、小児科を標榜する保険医療機関において算定する。ただし、区分番号「B001-2-11」小児かかりつけ診療料を算定している患者、第2部第2節第1款の各区分に掲げる在宅療養指導管理料を算定している患者(他の保険医療機関で算定している患者を含む。)及びパリビズマブを投与している患者(投与当日に限る。)については、小児科外来診療料の算定対象とはならない。

(3) 当該患者の診療に係る費用は、「注4」の小児抗菌薬適正使用支援加算、区分番号「A000」初診料、区分番号「A001」再診料及び区分番号「A002」外来診療料の時間外加算、休日加算、深夜加算及び小児科特例加算、区分番号「A000」初診料の機能強化加算、区分番号「B001-2-2」地域連携小児夜間・休日診療料、区分番号「B001-2-5」院内トリアージ実施料、区分番号「B001-2-6」夜間休日救急搬送医学管理料、区分番号「B010」診療情報提供料(Ⅱ)、区分番号「B011」連携強化診療情報提供料並びに区分番号「C000」往診料(往診料の加算を含む。)を除き、全て所定点数に含まれる。ただし、初診料の時間外加算、休日加算、深夜加算又は小児科特例加算を算定する場合は、それぞれ85点、250点、580点又は230点を、再診料及び外来診療料の時間外加算、休日加算、深夜加算又は小児科特例加算を算定する場合は、それぞれ65点、190点、520点又は180点を算定する。

(4) 同一日において、同一患者の再診が2回以上行われた場合であっても、1日につき所定の点数を算定する。

(5) 同一月において、院外処方箋を交付した日がある場合は、当該月においては、「1」の所定点数により算定する。ただし、この場合であっても、院外処方箋を交付している患者に対し、夜間緊急の受診の場合等やむを得ない場合において院内投薬を行う場合は、「2」の所定点数を算定できるが、その場合には、その理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載する。

(6) 当該保険医療機関において、院内処方を行わない場合は、「1処方箋を交付する場合」の所定点数を算定する。

(7) 小児科外来診療料を算定している保険医療機関において、6歳未満の小児が初診を行いそのまま入院となった場合の初診料は、小児科外来診療料ではなく、初診料を算定し、当該初診料の請求は入院の診療報酬明細書により行う。

(8) 6歳の誕生日が属する月において、6歳の誕生日前に当該保険医療機関を受診し、小児科外来診療料を算定した場合にあっては、6歳の誕生日後に当該保険医療機関を受診しても、当該月の診療に係る請求は小児科外来診療料により行うものとする。

(9) 小児科外来診療料を算定している保険医療機関のうち、許可病床数が200床以上の病院においては、他の保険医療機関等からの紹介なしに受診した6歳未満の乳幼児の初診については、保険外併用療養費に係る選定療養の対象となる。したがって、小児科外来診療料の初診時の点数を算定した上に、患者からの特別の料金を徴収できる。

(10) 本診療料を算定する保険医療機関の保険医が「特別養護老人ホーム等における療養の給付の取扱いについて」(平成18年3月31日保医発第0331002号)に定める「配置医師」であり、それぞれの配置されている施設に赴き行った診療については、本診療料は算定できないが、それぞれの診療行為に係る所定点数により算定できるものとする。

(11) 本診療料を算定する場合、抗菌薬の適正な使用を推進するため、「抗微生物薬適正使用の手引き」(厚生労働省健康局結核感染症課)を参考に、抗菌薬の適正な使用の普及啓発に資する取組を行っていること。

(12) 「注4」に規定する小児抗菌薬適正使用支援加算は、急性気道感染症又は急性下痢症により受診した基礎疾患のない患者であって、診察の結果、抗菌薬の投与の必要性が認められないため抗菌薬を使用しないものに対して、療養上必要な指導及び検査結果の説明を行い、文書により説明内容を提供した場合に、小児科を担当する専任の医師が診療を行った初診時に、月に1回に限り算定する。なお、インフルエンザウイルス感染の患者又はインフルエンザウイルス感染の疑われる患者については、算定できない。

B001-2-2 地域連携小児夜間・休日診療料

1 地域連携小児夜間・休日診療料1 450点

2 地域連携小児夜間・休日診療料2 600点

注 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た小児科を標榜する保険医療機関において、夜間であって別に厚生労働大臣が定める時間、休日又は深夜において、入院中の患者以外の患者(6歳未満の小児に限る。)に対して診療を行った場合に、当該基準に係る区分に従い、それぞれ算定する。

 通知
(1) 地域連携小児夜間・休日診療料は、保険医療機関が地域の小児科を専ら担当する診療所その他の保険医療機関の医師と連携をとりつつ、小児の救急医療の確保のために、夜間、休日又は深夜に小児の診療が可能な体制を保つことを評価するものである。

(2) 地域連携小児夜間・休日診療料1については、夜間、休日又は深夜であって、保険医療機関があらかじめ地域に周知している時間に、地域連携小児夜間・休日診療料2については、保険医療機関が24時間診療することを周知した上で、夜間、休日又は深夜に、それぞれ6歳未満の小児を診療した場合に算定する。

(3) 地域連携小児夜間・休日診療料は、夜間、休日又は深夜に急性に発症し、又は増悪した6歳未満の患者であって、やむを得ず当該時間帯に保険医療機関を受診するものを対象としたものである。したがって、慢性疾患の継続的な治療等のための受診については算定できない。

(4) 夜間、休日又は深夜における担当医師名とその主たる勤務先について、予定表を作成し院内に掲示するものとする。

(5) 地域連携小児夜間・休日診療料を算定する場合にあっては、診療内容の要点、診療医師名及びその主たる勤務先名を診療録に記載するものとする。

(6) 一連の夜間及び深夜又は同一休日に、同一の患者に対しては、地域連携小児夜間・休日診療料は原則として1回のみ算定する。なお、病態の度重なる変化等による複数回の受診のため2回以上算定する場合は、診療報酬明細書の摘要欄にその理由を詳細に記載すること。

(7) 入院中の患者については、地域連携小児夜間・休日診療料は算定できない。ただし、患者が地域連携小児夜間・休日診療料を算定すべき診療を経た上で入院した場合は、算定できる。

(8) 患者本人が受診せず、家族などに対して指導等を行った場合には、当該診療料は算定できない。

(9) 地域連携小児夜間・休日診療料は地域の夜間・急病センター、病院等において地域の医師が連携・協力して、診療に当たる体制を評価したものであり、在宅当番医制で行う夜間・休日診療においては算定できない。

B001-2-3 乳幼児育児栄養指導料 130点

注1 小児科を標榜する保険医療機関において、小児科を担当する医師が、3歳未満の乳幼児に対する初診時に、育児、栄養その他療養上必要な指導を行った場合に算定する。

2 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、乳幼児育児栄養指導料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、所定点数に代えて、113点を算定する。

 通知
(1) 乳幼児育児栄養指導料は、小児科を標榜する保険医療機関において、小児科を担当する医師が3歳未満の乳幼児に対して区分番号「A000」初診料(「注5」のただし書に規定する初診を除く。)を算定する初診を行った場合に、育児、栄養その他療養上必要な指導を行ったときに算定する。この場合、指導の要点を診療録に記載すること。ただし、初診料を算定する初診を行った後、即入院となった場合には算定できない。

(2) 「注2」に規定する情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する。

B001-2-4 地域連携夜間・休日診療料 200点

注 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、夜間であって別に厚生労働大臣が定める時間、休日又は深夜において、入院中の患者以外の患者(区分番号B001-2-2に掲げる地域連携小児夜間・休日診療料を算定する患者を除く。)に対して診療を行った場合に算定する。

 通知
(1) 地域連携夜間・休日診療料は、保険医療機関が地域の他の保険医療機関の医師と連携をとりつつ、救急医療の確保のために、夜間、休日又は深夜に診療が可能な体制を保つことを評価するものである。

(2) 地域連携夜間・休日診療料については、夜間、休日又は深夜であって、保険医療機関があらかじめ地域に周知している時間に、患者を診療した場合に算定する。

(3) 地域連携夜間・休日診療料は、夜間、休日又は深夜に急性に発症し、又は増悪した患者であって、やむを得ず当該時間帯に保険医療機関を受診するものを対象としたものである。したがって、慢性疾患の継続的な治療等のための受診については算定できない。

(4) 夜間、休日又は深夜における担当医師名とその主たる勤務先について、予定表を作成し院内に掲示するものとする。

(5) 地域連携夜間・休日診療料を算定する場合にあっては、診療内容の要点、診療医師名及びその主たる勤務先名を診療録に記載するものとする。

(6) 一連の夜間及び深夜又は同一休日に、同一の患者に対しては、地域連携夜間・休日診療料は原則として1回のみ算定する。なお、病態の度重なる変化等による複数回の受診のため2回以上算定する場合は、診療報酬明細書の摘要欄にその理由を詳細に記載すること。

(7) 入院中の患者については、地域連携夜間・休日診療料は算定できない。ただし、患者が地域連携夜間・休日診療料を算定すべき診療を経た上で入院した場合は、算定できる。

(8) 患者本人が受診せず、家族などに対して指導等を行った場合には、当該診療料は算定できない。

(9) 地域連携夜間・休日診療料は地域の夜間・急病センター、病院等において地域の医師が連携・協力して、診療に当たる体制を評価したものであり、在宅当番医制で行う夜間・休日診療においては算定できない。

B001-2-5 院内トリアージ実施料 300点

注 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、夜間であって別に厚生労働大臣が定める時間、休日又は深夜において、入院中の患者以外の患者(救急用の自動車等により緊急に搬送された者を除く。)であって、区分番号A000に掲げる初診料を算定する患者に対し、当該患者の来院後速やかに院内トリアージが実施された場合に算定する。

 通知
(1) 院内トリアージ実施料については、院内トリアージ体制を整えている保険医療機関において、夜間、休日又は深夜に受診した患者であって初診のものに対して当該保険医療機関の院内トリアージ基準に基づいて専任の医師又は救急医療に関する3年以上の経験を有する専任の看護師により患者の来院後速やかに患者の状態を評価し、患者の緊急度区分に応じて診療の優先順位付けを行う院内トリアージが行われ、診療録等にその旨を記載した場合に算定できる。ただし、「B001-2-6」夜間休日救急搬送医学管理料を算定した患者については算定できない。

(2) 院内トリアージを行う際には患者又はその家族等に対して、十分にその趣旨を説明すること。

B001-2-6 夜間休日救急搬送医学管理料 600点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関において、当該保険医療機関が表示する診療時間以外の時間(土曜日以外の日(休日を除く。)にあっては、夜間に限る。)、休日又は深夜において、救急用の自動車等により緊急に搬送された患者に対して必要な医学管理を行った場合に、区分番号A000に掲げる初診料を算定する初診の日に限り算定する。

2 急性薬毒物中毒(アルコール中毒を除く。)と診断された患者又は過去6月以内に精神科受診の既往がある患者に対して必要な医学管理を行った場合には、精神科疾患患者等受入加算として、400点を所定点数に加算する。

3 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、必要な医学管理を行った場合は、当該基準に係る区分に従い、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。

イ 救急搬送看護体制加算1 400点

ロ 救急搬送看護体制加算2 200点

 通知
(1) 夜間休日救急搬送医学管理料については、第二次救急医療機関(都道府県が作成する医療計画において、入院を要する救急医療を担う医療機関であって、第三次救急医療機関以外のものをいう。)又は都道府県知事若しくは指定都市市長の指定する精神科救急医療施設において、深夜、時間外(土曜日以外の日(休日を除く。)にあっては、夜間に限る。)、休日に、救急用の自動車(消防法及び消防法施行令に規定する市町村又は都道府県の救急業務を行うための救急隊の救急自動車、並びに道路交通法及び道路交通法施行令に規定する緊急自動車(傷病者の緊急搬送に用いるものに限る。)をいう。)及び救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法第2条に規定する救急医療用ヘリコプターにより搬送された患者であって初診のものについて、必要な医学管理が行われた場合に算定する。

なお、夜間及び深夜の取扱いは、往診料の場合と同様である。

(2) 「注2」に規定する精神科疾患患者等受入加算の対象患者は、深夜、時間外又は休日に救急用の自動車及び救急医療用ヘリコプターで搬送された患者のうち、以下のいずれかのものとする。

イ 過去6月以内に精神科受診の既往がある患者

ロ アルコール中毒を除く急性薬毒物中毒が診断された患者

(3) B001-2-5「院内トリアージ実施料」を算定した患者には夜間休日救急搬送医学管理料は算定できない。

B001-2-7 外来リハビリテーション診療料

1 外来リハビリテーション診療料1 73点

2 外来リハビリテーション診療料2 110点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関において、リハビリテーション(区分番号H000に掲げる心大血管疾患リハビリテーション料、区分番号H001に掲げる脳血管疾患等リハビリテーション料、区分番号H001-2に掲げる廃用症候群リハビリテーション料、区分番号H002に掲げる運動器リハビリテーション料又は区分番号H003に掲げる呼吸器リハビリテーション料を算定するものに限る。以下この区分番号において同じ。)を要する入院中の患者以外の患者に対して、リハビリテーションの実施に関し必要な診療を行った場合に、外来リハビリテーション診療料1については7日間に1回に限り、外来リハビリテーション診療料2については14日間に1回に限り算定する。

2 外来リハビリテーション診療料1を算定する日から起算して7日以内の期間においては、当該リハビリテーションの実施に係る区分番号A000に掲げる初診料、区分番号A001に掲げる再診料、区分番号A002に掲げる外来診療料及び外来リハビリテーション診療料2は、算定しない。

3 外来リハビリテーション診療料2を算定する日から起算して14日以内の期間においては、当該リハビリテーションの実施に係る区分番号A000に掲げる初診料、区分番号A001に掲げる再診料、区分番号A002に掲げる外来診療料及び外来リハビリテーション診療料1は、算定しない。

 通知
(1) 外来リハビリテーション診療料は、医師によるリハビリテーションに関する包括的な診察を評価するものである。

(2) 外来リハビリテーション診療料1の対象患者は、状態が比較的安定している患者であって、リハビリテーション実施計画書において心大血管疾患リハビリテーション料、脳血管疾患等リハビリテーション料、廃用症候群リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料又は呼吸器リハビリテーション料に掲げるリハビリテーション(以下「疾患別リハビリテーション」という。)を1週間に2日以上提供することとしている患者である。

(3) 外来リハビリテーション診療料1を算定した日から起算して7日間は、疾患別リハビリテーションの提供に係る区分番号「A000」初診料、区分番号「A001」再診料又は区分番号「A002」外来診療料は算定できないものとし、当該7日間は、区分番号「A000」初診料、区分番号「A001」再診料又は区分番号「A002」外来診療料を算定せずに、疾患別リハビリテーションの費用を算定できるものとする。

(4) 外来リハビリテーション診療料2の対象患者は、状態が比較的安定している患者であって、リハビリテーション実施計画書において疾患別リハビリテーションを2週間に2日以上提供することとしている患者である。

(5) 外来リハビリテーション診療料2を算定した日から起算して14日間は、疾患別リハビリテーションの提供に係る区分番号「A000」初診料、区分番号「A001」再診料又は区分番号「A002」外来診療料は算定できないものとし、当該14日間は区分番号「A000」初診料、区分番号「A001」再診料又は区分番号「A002」外来診療料を算定せずに、疾患別リハビリテーションの費用を算定できるものとする。

(6) 外来リハビリテーション診療料1及び2を算定している場合は、疾患別リハビリテーションを提供する日において、リハビリテーションスタッフ(疾患別リハビリテーションの実施に係る理学療法士、作業療法士及び言語聴覚士等をいう。以下同じ。)がリハビリテーション提供前に患者の状態を十分に観察し、療養指導記録に記載すること。また、患者の状態を観察した際に、前回と比べて状態の変化が認められた場合や患者の求めがあった場合等には、必要に応じて医師が診察を行うこと。

(7) 外来リハビリテーション診療料1及び2を算定している場合は、医師は疾患別リハビリテーション料の算定ごとに当該患者にリハビリテーションを提供したリハビリテーションスタッフからの報告を受け、当該患者のリハビリテーションの効果や進捗状況等を確認し、診療録等に記載すること。なお、リハビリテーションスタッフからの報告は、カンファレンスの実施により代えることとしても差し支えない。

B001-2-8 外来放射線照射診療料 297点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、放射線治療を要する入院中の患者以外の患者に対して、放射線治療の実施に関し必要な診療を行った場合に、7日間に1回に限り算定する。

2 外来放射線照射診療料を算定する日から起算して7日以内の期間に4日以上の放射線治療を予定していない場合には、所定点数の100分の50に相当する点数により算定する。

3 外来放射線照射診療料を算定する日から起算して7日以内の期間においては、当該放射線治療の実施に係る区分番号A000に掲げる初診料、区分番号A001に掲げる再診料及び区分番号A002に掲げる外来診療料は、算定しない。

 通知
(1) 放射線治療医(放射線治療の経験を5年以上有するものに限る。)が診察を行った日に算定し、算定日から起算して7日間は放射線照射の実施に係る区分番号「A000」初診料、区分番号「A001」再診料又は区分番号「A002」外来診療料は算定できないものとし、当該7日間は、区分番号「A000」初診料、区分番号「A001」再診料又は区分番号「A002」外来診療料を算定せずに、放射線照射の費用は算定できるものとする。

(2) 外来放射線照射診療料を算定した場合にあっては、第2日目以降の看護師、診療放射線技師等による患者の観察については、照射ごとに記録し、医師に報告すること。

(3) 放射線治療を行う前に、放射線治療により期待される治療効果や成績などとともに、合併症、副作用等についても必ず患者又はその家族に説明し、文書等による同意を得ること。

(4) 関係学会による放射線精度管理等のガイドラインを遵守すること。

(5) 算定した日を含め、3日間以内で放射線照射が終了する場合は、本点数の100分の50に相当する点数を算定する。

B001-2-9 地域包括診療料(月1回)

1 地域包括診療料1 1,660点

2 地域包括診療料2 1,600点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関(許可病床数が200床未満の病院又は診療所に限る。)において、脂質異常症、高血圧症、糖尿病、慢性心不全、慢性腎臓病(慢性維持透析を行っていないものに限る。)又は 認知症のうち2以上の疾患を有する入院中の患者以外の患者に対して、当該患者の同意を得て、療養上必要な指導及び診療を行った場合(初診の日を除く。)に、当該基準に係る区分に従い、それぞれ患者1人につき月1回に限り算定する。

2 地域包括診療を受けている患者に対して行った注3に規定する加算並びに区分番号A001に掲げる再診料の注5から注7までに規定する加算、通則第3号から第5号までに規定する加算、区分番号B001-2-2に掲げる地域連 携小児夜間・休日診療料、区分番号B010に掲げる診療情報提供料(Ⅱ)及び区分番号B011に掲げる連携強化診療情報提供料並びに第2章第2部在宅医療(区分番号C001に掲げる在宅患者訪問診療料(Ⅰ)、区分番号C001-2に掲げる在宅患者訪問診療料(Ⅱ)、区分番号C002に掲げる在宅時医学総合管理料及び区分番号 C002-2に掲げる施設入居時等医学総合管理料を除く。)及び第5部投薬(区分番号F100に掲げる処方料及び区分番号F400に掲げる処方箋料を除く。)を除く費用は、地域包括診療料に含まれるものとする。ただし、患者の病状の急性増悪時に実施した検査、画像診断及び処置に係る費用は、所定点数が550点未満のものに限り、当該診療料に含まれるものとする。

3 他の保険医療機関に入院した患者又は介護老人保健施設に入所した患者について、当該他の保険医療機関又は介護老人保健施設と連携して薬剤の服用状況や薬剤服用歴に関する情報共有等を行うとともに、当該他の保険医療機関又は介護老人保健施設において処方した薬剤の種類数が減少した場合であって、退院後又は退所後1月以内に当該他の保険医療機関又は介護老人保健施設から入院中又は入所中の処方内容について情報提供を受けた場合には、薬剤適正使用連携加算として、退院日又は退所日の属する月から起算して2月目までに1回に限り、30点を所定点数に加算する。

 通知
(1) 地域包括診療料は、外来の機能分化の観点から、主治医機能を持った中小病院及び診療所の医師が、複数の慢性疾患を有する患者に対し、患者の同意を得た上で、継続的かつ全人的な医療を行うことについて評価したものであり、初診時や訪問診療時(往診を含む。)は算定できない。なお、地域包括診療料と区分番号「A001」再診料の「注12」地域包括診療加算はどちらか一方に限り届出することができる。

(2) 地域包括診療料の対象患者は、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、慢性心不全、慢性腎臓病(慢性維持透析を行っていないものに限る。)及び認知症の6疾病のうち、2つ以上(疑いを除く。)を有する者である。なお、当該医療機関で診療を行う対象疾病(上記6疾病のうち2つ)と重複しない疾病を対象とする場合に限り、他医療機関でも当該診療料、区分番号「A001」再診料の「注12」地域包括診療加算、同「注13」認知症地域包括診療加算又は区分番号「B001-2-10」認知症地域包括診療料を算定可能である。

(3) 当該患者を診療する担当医を決めること。担当医は、慢性疾患の指導に係る適切な研修を修了した医師とし、担当医により指導及び診療を行った場合に当該診療料を算定する。なお、服薬、運動、休養、栄養、喫煙、家庭での体重や血圧の計測、飲酒、その他療養を行うに当たっての問題点等に係る生活面の指導については、必要に応じて、当該医師の指示を受けた看護師や管理栄養士、薬剤師が行っても差し支えない。

(4) 当該患者に対し、以下の指導、服薬管理等を行うこと。

ア 患者の同意を得て、計画的な医学管理の下に療養上必要な指導及び診療を行うこと。

イ 他の保険医療機関と連携の上、患者が受診している医療機関を全て把握するとともに、当該患者に処方されている医薬品を全て管理し、診療録等に記載すること。必要に応じ、担当医の指示を受けた看護師、准看護師等が情報の把握を行うことも可能であること。

ウ 当該患者について、原則として院内処方を行うこと。ただし、エ及びオの場合に限り院外処方を可能とする。

エ 病院において、患者の同意が得られた場合は、以下の全てを満たす薬局に対して院外処方を行うことを可能とする。

(イ) 24 時間開局している薬局であること。なお、24時間開局している薬局のリストを患者に説明した上で患者が選定した薬局であること。

(ロ) 当該患者がかかっている医療機関を全て把握した上で、薬剤服用歴を一元的かつ継続的に管理し、投薬期間中の服薬状況等を確認及び適切な指導を行い、当該患者の服薬に関する情報を医療機関に提供している薬局であること。

(ハ) 病院において院外処方を行う場合は、以下の通りとする。

① 当該患者が受診している医療機関のリスト及び当該患者が当該診療料を算定している旨を、処方箋に添付して患者に渡すことにより、当該薬局に対して情報提供を行うこと。

② 患者に対して、当該医療機関を受診時に、薬局若しくは当該医療機関が発行するお薬手帳を持参させること。また、当該患者の院外処方を担当する保険薬局から文書で情報提供を受けることでもよい。なお、保険薬局から文書で情報提供を受けた場合も、当該患者に対し、事後的にお薬手帳の提示に協力を求めることが望ましい。

③ また、診療録にお薬手帳のコピー若しくは保険薬局からの文書のコピーを添付すること、又は、当該点数の算定時の投薬内容について診療録に記載すること。

オ 診療所において、院外処方を行う場合は、以下のとおりとする。

(イ) 調剤について24時間対応できる体制を整えている薬局(以下「連携薬局」という。)と連携していること。

(ロ) 原則として、院外処方を行う場合は連携薬局にて処方を行うこととするが、患者の同意がある場合に限り、その他の薬局での処方も可能とする。その場合、当該患者に対して、時間外においても対応できる薬局のリストを文書により提供し、説明すること。

(ハ) 当該患者が受診している医療機関のリスト及び当該患者が当該診療料を算定している旨を、処方箋に添付して患者に渡すことにより、当該薬局に対して情報提供を行うこと。

(ニ) 患者に対して、当該医療機関を受診時に、薬局若しくは当該医療機関が発行するお薬手帳を持参させること。また、当該患者の院外処方を担当する保険薬局から文書で情報提供を受けることでもよい。なお、保険薬局から文書で情報提供を受けた場合も、当該患者に対し、事後的にお薬手帳の提示に協力を求めることが望ましい。

(ホ) また、診療録にお薬手帳のコピー若しくは保険薬局からの文書のコピーを添付すること、又は、当該点数の算定時の投薬内容について診療録等に記載すること。

カ 標榜診療時間外の電話等による問い合わせに対応可能な体制を有し、連絡先について情報提供するとともに、患者又は患者の家族等から連絡を受けた場合には、受診の指示等、速やかに必要な対応を行うこと。

キ 当該患者について、当該医療機関で検査(院外に委託した場合を含む。)を行うこと。ク健康診断や検診の受診勧奨を行い、その結果等を診療録に添付又は記載するとともに、患者に提供し、評価結果をもとに患者の健康状態を管理すること。

ケ 必要に応じ、要介護認定に係る主治医意見書を作成すること。

コ 必要に応じ、患者の予防接種の実施状況を把握すること等により、当該患者からの予防接種に係る相談に対応すること。

サ 患者の同意について、当該診療料の初回算定時に、別紙様式48を参考に、当該患者の署名付の同意書を作成し、診療録等に添付すること。ただし、直近1年間に4回以上の受診歴を有する患者については、別紙様式48を参考に診療の要点を説明していれば、同意の手続きは省略して差し支えない。なお、当該医療機関自ら作成した文書を用いることでよい。

シ 当該診療料を算定する場合は、投薬の部に掲げる「7種類以上の内服薬の投薬を行う場合」の規定は適用しないものであること。

ス 認知症の患者に対し当該診療料を算定する場合であって、当該患者の病状から、患者への説明及び患者の同意について、患者の家族等への説明及び当該患者の家族等による同意による方が適切と考えられる場合には、当該部分について「患者」を「患者の家族等」と読み替えるものとする。

(5) 当該医療機関において、院内掲示により以下の対応が可能なことを周知し、患者の求めがあった場合に適切に対応すること。

ア 健康相談を行っていること。

イ 介護保険に係る相談を行っていること。ウ予防接種に係る相談を行っていること。

(6) 地域包括診療料を算定する医療機関においては、往診又は訪問診療を提供可能であること。往診又は訪問診療の対象の患者には、24時間対応可能な夜間の連絡先を提供し、患者又は患者の家族等から連絡を受けた場合には、往診、外来受診の指示等、速やかに必要な対応を行うこと。「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」の第9在宅療養支援診療所の施設基準の1の(1)に規定する在宅療養支援診療所以外の在宅療養支援診療所においては、連絡を受けて行う往診又は外来診療の体制について、連携する他の保険医療機関とともに行うことも可能であること。

(7) 抗菌薬の適正な使用を推進するため、「抗微生物薬適正使用の手引き」(厚生労働省健康局結核感染症課)を参考に、抗菌薬の適正な使用の普及啓発に資する取組を行っていること。

(8) 「注3」の薬剤適正使用連携加算については、区分番号「A001」再診料の「注14」に規定する薬剤適正使用連携加算の例によること。

B001-2-10 認知症地域包括診療料(月1回)

1 認知症地域包括診療料1 1,681点

2 認知症地域包括診療料2 1,613点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関(許可病床数が200床未満の病院又は診療所に限る。)において、認知症の患者(認知症以外に1以上の疾患(疑いのものを除く。)を有する入院中の患者以外のものであって、1処方につき5種類を超える内服薬の投薬を行った場合及び1処方につき抗うつ薬、抗精神病薬、抗不安薬又は睡眠薬を合わせて3種類を超えて投薬を行った場合のいずれにも該当しないものに限る。)に対して、当該患者又はその家族等の同意を得て、療養上必要な指導及び診療を行った場合(初診の日を除く。)に、当該基準に係る区分に従い、それぞれ患者1人につき月1回に限り算定する。

2 認知症地域包括診療を受けている患者に対して行った注3に規定する加算並びに区分番号A001に掲げる再診料の注5から注7までに規定する加算、通則第3号から第5号までに規定する加算、区分番号B001-2-2に掲げる地域連携小児夜間・休日診療料、区分番号B010に掲げる診療情報提供料(Ⅱ)及び区分番号B011に掲げる連携強化診療情報提供料並びに第2章第2部在宅医療(区分番号C001に掲げる在宅患者訪問診療料(Ⅰ)、区分番号C001-2に掲げる在宅患者訪問診療料(Ⅱ)、区分番号 C002に掲げる在宅時医学総合管理料及び区分番号C002-2に掲げる施設入居時等医学総合管理料を除く。)及び第5部投薬(区分番号F100に掲げる処方料及び区分番号F400に掲げる処方箋料を除く。)を除く費用は、認知症地域包括診療料に含まれるものとする。ただし、患者の病状の急性増悪時に実施した検査、画像診断及び処置に係る費用は、所定点数が550点未満のものに限り、当該診療料に含まれるものとする。

3 他の保険医療機関に入院した患者又は介護老人保健施設に入所した患者について、当該他の保険医療機関又は介護老人保健施設と連携して薬剤の服用状況や薬剤服用歴に関する情報共有等を行うとともに、当該他の保険医療機関又は介護老人保健施設において処方した薬剤の種類数が減少した場合であって、退院後又は退所後1月以内に当該他の保険医療機関又は介護老人保健施設から入院中又は入所中の処方内容について情報提供を受けた場合には、薬剤適正使用連携加算として、退院日又は退所日の属する月から起算して2月目までに1回に限り、30点を所定点数に加算する。

 通知
(1) 認知症地域包括診療料は、外来の機能分化の観点から、主治医機能を持った中小病院及び診療所の医師が、認知症患者であって以下の全ての要件を満たす患者に対し、患者の同意を得た上で、継続的かつ全人的な医療を行うことについて評価したものであり、初診時や訪問診療時(往診を含む。)は算定できない。

ア 認知症以外に1以上の疾病(疑いを除く。)を有する者

イ 同月に、当該保険医療機関において以下のいずれの投薬も受けていない患者(イ)1処方につき5種類を超える内服薬があるもの

(ロ) 1処方につき抗うつ薬、抗精神病薬、抗不安薬及び睡眠薬をあわせて3種類を超えて含むもの

なお、イ(イ)の内服薬数の種類数は錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤及び液剤については、1銘柄ごとに1種類として計算する。また、イ(ロ)の抗うつ薬、抗精神病薬、抗不安薬及び睡眠薬の種類数は区分番号「F100」処方料の1における向精神薬の種類と同様の取扱いとする。

(2) 区分番号「B001-2-9」地域包括診療料の(3)から(7)((4)のシを除く。)までを満たすこと。

(3) 「注3」の薬剤適正使用連携加算については、区分番号「A001」再診料の「注14」に規定する薬剤適正使用連携加算の例によること。

(4) 認知症地域包括診療料1を算定する場合には、区分番号「B001-2-9」地域包括診療料の(6)を満たすこと。

(5) 当該医療機関で診療を行う疾病(認知症を含む2つ以上)と重複しない疾病を対象とする場合に限り、他医療機関でも地域包括診療加算又は地域包括診療料を算定可能である。また、他医療機関で当該診療料又は認知症地域包括診療加算は算定できない。

B001-2-11 小児かかりつけ診療料(1日につき)

1 小児かかりつけ診療料1

イ 処方箋を交付する場合

(1) 初診時 641点
(2) 再診時 448点

ロ 処方箋を交付しない場合

(1) 初診時 758点
(2) 再診時 566点

2 小児かかりつけ診療料2

イ 処方箋を交付する場合

(1) 初診時 630点
(2) 再診時 437点

ロ 処方箋を交付しない場合

(1) 初診時 747点
(2) 再診時 555点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、未就学児(6歳以上の患者にあっては、6歳未満から小児かかりつけ診療料を算定しているものに限る。)の患者であって入院中の患者以外のものに対して診療を行った場合に、当該基準に係る区分に従い、それぞれ算定する。

2 区分番号A001に掲げる再診料の注9に規定する場合については、算定しない。

3 注4に規定する加算、区分番号A000に掲げる初診料の注7、注8及び注10に規定する加算、区分番号A001に掲げる再診料の注5及び注6に規定する加算、区分番号A002に掲げる外来診療料の注8及び注9に規定する加算並びに通則第3号から第5号までに規定する加算、区分番号B001-2-2に掲げる地域連携小児夜間・休日診療料、区分番号B001-2-5に掲げる院内トリアージ実施料、区分番号B001-2-6に掲げる夜間休日救急搬送医学管理料、区分番号B009に掲げる診療情報提供料(Ⅰ)、区分番号B009-2に掲げる電子的診療情報評価料、区分番号B010に掲げる診療情報提供料(Ⅱ)、区分番号B011に掲げる連携強化診療情報提供料及び区分番号C000に掲げる往診料(同区分番号の注1から注3までに規定する加算を含む。)を除き、診療に係る費用は、小児かかりつけ診療料に含まれるものとする。

4 別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関において、急性気道感染症又は急性下痢症により受診した患者であって、診察の結果、抗菌薬の投与の必要性が認められないため抗菌薬を使用しないものに対して、療養上必要な指導及び検査結果の説明を行い、文書により説明内容を提供した場合(初診時に限る。)は、小児抗菌薬適正使用支援加算として、月1回に限り80点を所定点数に加算する。

 通知
(1) 小児かかりつけ診療料は、かかりつけ医として、患者の同意を得た上で、緊急時や明らかに専門外の場合等を除き継続的かつ全人的な医療を行うことについて評価したものであり、原則として1人の患者につき1か所の保険医療機関が算定する。

(2) 小児かかりつけ診療料は、当該保険医療機関を4回以上受診(予防接種の実施等を目的とした保険外のものを含む。)した未就学児(6歳以上の患者にあっては、6歳未満から小児かかりつけ診療料を算定しているものに限る。)の患者を対象とする。なお、過去に当該診療料の算定を行っていた患者が、当該診療料の算定を行わなくなった場合、6歳以上の患者については、再度当該診療料を算定することはできない。

(3) 同一日において、同一患者の再診が2回以上行われた場合であっても、1日につき所定の点数を算定する。

(4) 同一月において、院外処方箋を交付した日がある場合は、当該月においては、「イ」の所定点数により算定する。ただし、この場合であっても、院外処方箋を交付している患者に対し、夜間緊急の受診の場合等やむを得ない場合において院内投薬を行う場合は、「ロ」の所定点数を算定できるが、その場合には、その理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載する。

(5) 当該保険医療機関において院内処方を行わない場合は、「イ処方箋を交付する場合」の所定点数を算定する。

(6) 小児かかりつけ診療料の算定に当たっては、以下の指導等を行うこと。

ア 急性疾患を発症した際の対応の仕方や、アトピー性皮膚炎、喘息その他乳幼児期に頻繁にみられる慢性疾患の管理等について、かかりつけ医として療養上必要な指導及び診療を行うこと。

イ 他の保険医療機関と連携の上、患者が受診している医療機関を全て把握するとともに、必要に応じて専門的な医療を要する際の紹介等を行うこと。

ウ 患者について、健康診査の受診状況及び受診結果を把握するとともに、発達段階に応じた助言・指導を行い、保護者からの健康相談に応じること。

エ 患者について、予防接種の実施状況を把握するとともに、予防接種の有効性・安全性に関する指導やスケジュール管理等に関する指導を行うこと。

オ かかりつけ医として、上記アからエまでに掲げる指導等を行う旨を患者に対して書面(別紙様式10を参考とし、各医療機関において作成すること。)を交付して説明し、同意を得ること。また、小児かかりつけ医として上記アからエまでに掲げる指導等を行っている旨を、当該保険医療機関の外来受付等の見やすい場所に掲示していること。

(7) 小児かかりつけ診療料を算定した場合は、区分番号「B001-2」小児科外来診療料は算定できない。

(8) 小児かかりつけ診療料を算定する場合、抗菌薬の適正な使用を推進するため、「抗微生物薬適正使用の手引き」(厚生労働省健康局結核感染症課)を参考に、抗菌薬の適正な使用の普及啓発に資する取組を行っていること。

(9) 「注4」に規定する小児抗菌薬適正使用支援加算は、急性気道感染症又は急性下痢症により受診した基礎疾患のない患者であって、診察の結果、抗菌薬の投与の必要性が認められないため抗菌薬を使用しないものに対して、療養上必要な指導及び検査結果の説明を行い、文書により説明内容を提供した場合に、小児科を担当する専任の医師が診療を行った初診時に、月に1回に限り算定する。なお、インフルエンザウイルス感染の患者又はインフルエンザウイルス感染の疑われる患者については、算定できない。

B001-2-12 外来腫瘍化学療法診療料

1 外来腫瘍化学療法診療料1

イ 抗悪性腫瘍剤を投与した場合 700点

ロ 抗悪性腫瘍剤の投与その他必要な治療管理を行った場合 400点

2 外来腫瘍化学療法診療料2

イ 抗悪性腫瘍剤を投与した場合 570点

ロ 抗悪性腫瘍剤の投与その他必要な治療管理を行った場合 270点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、悪性腫瘍を主病とする患者であって入院中の患者以外のものに対して、外来化学療法(別に厚生労働大臣が定めるものに限る。)の実施その他の必要な治療管理を行った場合に、当該基準に係る区分に従い算定する。この場合において、区分番号A000に掲げる初診料(注6から注8までに規定する加算を除く。)、区分番号A001に掲げる再診料(注4から注6までに規定する加算を除く。)、区分番号A002に掲げる外来診療料(注7から注9までに規定する加算を除く。)、区分番号B001の23に掲げるがん患者指導管理料のハ又は区分番号C101に掲げる在宅自己注射指導管理料は、別に算定できない。

2 1のイ及び2のイについては、当該患者に対して、抗悪性腫瘍剤を投与した場合に、月3回に限り算定する。

3 1のロ及び2のロについては、1のイ又は2のイを算定する日以外の日において、当該患者に対して、抗悪性腫瘍剤の投与その他の必要な治療管理を行った場合に、週1回に限り算定する。

4 退院した患者に対して退院の日から起算して7日以内に行った治療管理の費用は、第1章第2部第1節に掲げる入院基本料に含まれるものとする。

5 当該患者が15歳未満の小児である場合には、小児加算として、所定点数に200点を加算する。

6 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、1のイを算定した患者に対して、当該保険医療機関の医師又は当該医師の指示に基づき薬剤師が、副作用の発現状況、治療計画等を文書により提供した上で、当該患者の状態を踏まえて必要な指導を行った場合は、連携充実加算として、月1回に限り150点を所定点数に加算する。

7 当該患者に対し、バイオ後続品に係る説明を行い、バイオ後続品を使用した場合は、バイオ 後続品導入初期加算として、当該バイオ後続品の初回の使用日の属する月から起算して3月を限度として、月1回に限り150点を所定点数に加算する。

 通知
(1) 外来腫瘍化学療法診療料は、入院中の患者以外の悪性腫瘍を主病とする患者に対して、患者の同意を得た上で、化学療法の経験を有する医師、化学療法に従事した経験を有する専任の看護師及び化学療法に係る調剤の経験を有する専任の薬剤師が必要に応じてその他の職種と共同して、注射による外来化学療法の実施その他の必要な治療管理を行った場合に算定する。

(2) 「1」の「ロ」及び「2」の「ロ」に規定する点数は、注射による外来化学療法の実施その他必要な治療管理を実施中の期間に、当該外来化学療法を実施している保険医療機関において、当該外来化学療法又は治療に伴う副作用等で来院した患者に対し、診察(視診、聴診、打診及び触診等の身体診察を含む)の上、必要に応じて速やかに検査、投薬等を行う体制を評価したものである。

なお、「外来化学療法の実施その他必要な治療管理を実施中の期間」とは、当該化学療法のレジメンの期間内とする。

(3) 外来化学療法の実施及びその他必要な治療管理を行うに当たっては、患者の心理状態に十分配慮された環境で、以下の説明及び指導等を行うこと。

なお、患者の十分な理解が得られない場合又は患者を除く家族等にのみ説明を行った場合は算定できない。

ア 初回、レジメンを変更した際、及び必要に応じて、患者に対して、抗悪性腫瘍剤の効能・効果、投与計画、副作用の種類とその対策、副作用に対する薬剤や医療用麻薬等の使い方、他の薬を服用している場合は薬物相互作用、日常生活での注意点、抗悪性腫瘍剤ばく露の予防方法等について文書により説明を行うこと。

なお、抗悪性腫瘍剤ばく露の予防方法については、関係学会から示されている抗悪性腫瘍剤ばく露対策の指針に基づき、患者及びその家族等に対して指導を行うこと。

イ アについては、医師の指示を受けた、抗悪性腫瘍剤に係る業務に従事した経験を有する専任の薬剤師が実施しても差し支えない。ただし、その場合、アに加えて、指導を行った薬剤師が、当該患者の診療を担当する医師に対して、指導内容、過去の治療歴に関する患者情報(患者の投薬歴、副作用歴、アレルギー歴等)、服薬状況、患者からの症状及び不安等の訴えの有無等について医師に報告するとともに、必要に応じて、副作用に対応する薬剤、医療用麻薬等又は抗悪性腫瘍剤の処方に関する提案等を行うこと。

ウ 指導内容等の要点を診療録若しくは薬剤管理指導記録に記載又は説明に用いた文書の写しを診療録等に添付すること。

(4) 抗悪性腫瘍剤の注射による投与を行うに当たっては、外来化学療法に係る専用室において、投与を行うこと。

(5) 当該診療料を算定する患者からの電話等による緊急の相談等に対して24時間対応できる体制を確保し、連絡先電話番号及び緊急時の注意事項等について、文書により提供すること。

(6) 外来腫瘍化学療法診療料1は、当該保険医療機関で実施される化学療法のレジメン(治療内容)の妥当性を評価し、承認する委員会(他の保険医療機関と連携し、共同で開催する場合を含む。)において、承認され、登録されたレジメンを用いて治療を行ったときのみ算定でき、それ以外の場合には、算定できない。

(7) 「注6」に規定する連携充実加算については、外来腫瘍化学療法診療料1を届け出た保険医療機関において、外来腫瘍化学療法診療料1を算定する日に、次に掲げる全ての業務を実施した場合に月1回に限り算定する。

ア 化学療法の経験を有する専任の医師又は化学療法に係る調剤の経験を有する専任の薬剤師が必要に応じてその他の職種と共同して、患者に注射又は投薬されている抗悪性腫瘍剤等の副作用の発現状況を評価するとともに、副作用の発現状況を記載した治療計画等の治療の進捗に関する文書を患者に交付すること。なお、当該文書に次に掲げる事項が記載されていること。

(イ) 患者に実施しているレジメン

(ロ) 当該レジメンの実施状況

(ハ) 患者に投与した抗悪性腫瘍剤等の投与量

(ニ) 主な副作用の発現状況(「有害事象共通用語規準v5.0日本語訳JCOG版」に基づく副作用の重篤度のスケール(Grade)及び関連する血液・生化学的検査の結果等)

(ホ) その他医学・薬学的管理上必要な事項

イ 治療の状況等を共有することを目的に、交付した治療計画等の治療の進捗に関する文書を他の保険医療機関の医師若しくは薬剤師又は保険薬局の薬剤師に提示するよう患者に指導を行うこと。

ウ 他の保険医療機関又は保険薬局から服薬状況、抗悪性腫瘍剤等の副作用等に関する情報が提供された場合には、必要な分析又は評価等を行うこと。

エ 悪性腫瘍の治療を担当する医師の診察に当たっては、あらかじめ薬剤師、看護師等と連携して服薬状況、抗悪性腫瘍剤等の副作用等に関する情報を収集し、診療に活用することが望ましい。

オ 療養のため必要な栄養の指導を実施する場合には、管理栄養士と連携を図ること。(8)「注7」に規定するバイオ後続品導入初期加算については、当該患者に対して、バイオ後続品の有効性や安全性等について説明した上で、バイオ後続品を使用した場合に、当該バイオ後続品の初回の使用日の属する月から起算して、3月に限り、月1回に限り算定する。

B001-3 生活習慣病管理料

1 脂質異常症を主病とする場合570点

2 高血圧症を主病とする場合620点

3 糖尿病を主病とする場合720点

注1 保険医療機関(許可病床数が200床未満の病院又は診療所に限る。)において、脂質異常症、高血圧症又は糖尿病を主病とする患者(入院中の患者を除く。)に対して、当該患者の同意を得て治療計画を策定し、当該治療計画に基づき、生活習慣に関する総合的な治療管理を行った場合に、月1回に限り算定する。ただし、糖尿病を主病とする場合にあっては、区分番号C101に掲げる在宅自己注射指導管理料を算定しているときは、算定できない。

2 生活習慣病管理を受けている患者に対して行った第2章第1部医学管理等(区分番号B001の20に掲げる糖尿病合併症管理料、区分番号B001の22に掲げるがん性疼痛緩和指導管理料、区分番号B001の24に掲げる外来緩和ケア管理料及び区分番号B001の27に掲げる糖尿病透析予防指導管理料を除く。)、第3部検査、第6部注射及び第13部病理診断の費用は、生活習慣病管理料に含まれるものとする。

3 糖尿病を主病とする患者(2型糖尿病の患者であってインスリン製剤を使用していないものに限る。)に対して、血糖自己測定値に基づく指導を行った場合は、血糖自己測定指導加算として、年1回に限り所定点数に500点を加算する。

4 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、当該保険医療機関における診療報酬の請求状況、生活習慣病の治療管理の状況等の診療の内容に関するデータを継続して厚生労働省に提出している場合は、外来データ提出加算として、50点を所定点数に加算する。

 通知
(1) 生活習慣病管理料は、脂質異常症、高血圧症又は糖尿病を主病とする患者の治療においては生活習慣に関する総合的な治療管理が重要であることから設定されたものであり、治療計画を策定し、当該治療計画に基づき、服薬、運動、休養、栄養、喫煙、家庭での体重や血圧の測定、飲酒及びその他療養を行うに当たっての問題点等の生活習慣に関する総合的な治療管理を行った場合に、許可病床数が200床未満の病院及び診療所である保険医療機関において算定する。この場合において、当該治療計画に基づく総合的な治療管理は、看護師、薬剤師、管理栄養士等の多職種と連携して実施しても差し支えない。なお、区分番号「A000」初診料を算定した日の属する月においては、本管理料は算定しない。

(2) 生活習慣病管理料は、服薬、運動、休養、栄養、喫煙及び飲酒等の生活習慣に関する総合的な治療管理を行う旨、患者に対して療養計画書(療養計画書の様式は、別紙様式9又はこれに準じた様式とする。)により丁寧に説明を行い、患者の同意を得るとともに、当該計画書に患者の署名を受けた場合に算定できるものである。また、交付した療養計画書の写しは診療録に添付しておくものとする。なお、療養計画書は、当該患者の治療管理において必要な項目のみを記載することで差し支えないが、糖尿病の患者については血糖値及びHbA1cの値を、高血圧症の患者については血圧の値を必ず記載すること。

(3) 当該患者の診療に際して行った第1部医学管理等(「B001」の「20」糖尿病合併症管理料、同「22」がん性疼痛緩和指導管理料、同「24」外来緩和ケア管理料及び同「27」糖尿病透析予防指導管理料を除く。)、第3部検査、第6部注射及び第13部病理診断の費用は全て所定点数に含まれる。

(4) 生活習慣病管理料を算定している患者に対しては、少なくとも1月に1回以上の総合的な治療管理が行われなければならない。

(5) 生活習慣病管理料を算定する月においては、服薬、運動、休養、栄養、喫煙、家庭での体重や血圧の測定、飲酒、特定健診・特定保健指導に係る情報提供及びその他療養を行うに当たっての問題点等の生活習慣に関する総合的な治療管理に係る療養計画書(療養計画書の様式は、別紙様式9の2又はこれに準じた様式とする。)を交付するものとするが、当該療養計画書の内容に変更がない場合はこの限りでない。ただし、その場合においても4月に1回以上は交付するものとする。なお、交付した当該療養計画書の写しは診療録に添付しておくものとする。

(6) 当該月に生活習慣病管理料を算定した患者の病状の悪化等の場合には、翌月に生活習慣病管理料を算定しないことができる。

(7) 同一保険医療機関において、脂質異常症、高血圧症又は糖尿病を主病とする患者について、生活習慣病管理料を算定するものと算定しないものが混在するような算定を行うことができるものとする。

(8) 糖尿病又は高血圧症の患者については、治療効果が十分でない等のため生活習慣に関する管理方針の変更、薬物療法の導入、投薬内容の変更等、管理方針を変更した場合に、その理由及び内容等を診療録に記載していること。

(9) 学会等の診療ガイドライン等や診療データベース等の診療支援情報を、必要に応じて、参考にする。

(10) 本管理料を算定する患者について、保険者から特定保健指導を行う目的で情報提供の求めがある場合には、患者の同意の有無を確認し療養計画書に記載するとともに、患者の同意が得られている場合は必要な協力を行うこと。

(11) 糖尿病の患者については、患者の状態に応じて、年1回程度眼科の医師の診察を受けるよう指導を行うこと。

(12) 「注3」に規定する加算については、中等度以上の糖尿病(2型糖尿病の患者であってインスリン製剤を使用していないものに限る。)の患者を対象とし、必要な指導を行った場合に1年に1回に限り算定する。なお、中等度以上の糖尿病の患者とは、当該加算を算定する当月若しくは前月においてヘモグロビンA1c(HbA1c)がJDS値で8.0%以上(NGSP値で8.4%以上)の者をいう。

(13) 「注3」の加算を算定する患者に対しては、患者教育の観点から血糖自己測定器を用いて月20回以上血糖を自己測定させ、その検査値や生活状況等を報告させるとともに、その報告に基づき、必要な指導を行い療養計画に反映させること。

当該加算は、血糖試験紙(テスト・テープ)又は固定化酵素電極(バイオセンサー)を給付し、在宅で血糖の自己測定をさせ、その記録に基づき指導を行った場合に算定するものであり、血糖試験紙、固定化酵素電極、穿刺器、穿刺針及び測定機器を患者に給付又は貸与した場合における費用その他血糖自己測定に係る全ての費用は当該加算点数に含まれ、別に算定できない。

(14) 「注4」に規定する外来データ提出加算を算定する場合には、以下の要件を満たすこと。

ア 厚生労働省が毎年実施する「外来医療、在宅医療、リハビリテーション医療の影響評価に係る調査」(以下「外来医療等調査」という。)に準拠したデータを正確に作成し、継続して提出されることを評価したものである。

提出されたデータについては、特定の患者個人を特定できないように集計し、厚生労働省保険局において外来医療等に係る実態の把握・分析等のために適宜活用されるものである。

イ 当該加算は、データ提出の実績が認められた保険医療機関において、生活習慣病管理料を現に算定している患者について、データを提出する外来診療に限り算定する。

ウ データの提出を行っていない場合又はデータの提出(データの再照会に係る提出も含む。)に遅延等が認められた場合、当該月の翌々月以降について、算定できない。なお、遅延等とは、厚生労働省が調査の一部事務を委託する調査事務局宛てに、外来医療等調査の調査実施説明資料(以下「調査実施説明資料」という。)に定められた期限までに、当該医療機関のデータが提出されていない場合(提出時刻が確認できない手段等、調査実施説明資料にて定められた提出方法以外の方法で提出された場合を含む。)、提出されたデータが調査実施説明資料に定められたデータと異なる内容であった場合(データが格納されていない空の媒体が提出された場合を含む。)をいう。

また、算定ができなくなった月以降、再度、データ提出の実績が認められた場合は、翌々月以降について、算定ができる。

エ データの作成は3月単位で行うものとし、作成されたデータには第1月の初日から第3月の末日までにおいて対象となる診療に係るデータが全て含まれていなければならない。

オ イの「データ提出の実績が認められた保険医療機関」とは、データの提出が厚生労働省保険局医療課において確認され、その旨を通知された保険医療機関をいう。

B001-3-2 ニコチン依存症管理料

1 ニコチン依存症管理料1

イ 初回 230点

ロ 2回目から4回目まで

(1) 対面で行った場合 184点
(2) 情報通信機器を用いた場合 155点

ハ 5回目 180点

2 ニコチン依存症管理料2(一連につき) 800点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、禁煙を希望する患者であって、スクリーニングテスト(TDS)等によりニコチン依存症であると診断されたものに対し、治療の必要を認め、治療内容等に係る説明を行い、当該患者の同意を文書により得た上で、禁煙に関する総合的な指導及び治療管理を行うとともに、その内容を文書により情報提供した場合に、1の場合は5回に限り、2の場合は初回時に1回に限り算定する。ただし、別に厚生労働大臣が定める基準を満たさない場合には、それぞれの所定点数の100分の70に相当する点数により算定する。

2 区分番号D200に掲げるスパイログラフィー等検査の4の呼気ガス分析の費用は、所定点数に含まれるものとする。

3 1のロの(2)を算定する場合は、区分番号A001に掲げる再診料、区分番号A002に掲げる外来診療料、区分番号C000に掲げる往診料、区分番号C001に掲げる在宅患者訪問診療料(Ⅰ)又は区分番号C001-2に掲げる在宅患者訪問診療料(Ⅱ)は別に算定できない。

 通知
(1) ニコチン依存症管理料は、入院中の患者以外の患者に対し、「禁煙治療のための標準手順書」(日本循環器学会、日本肺癌学会、日本癌学会及び日本呼吸器学会の承認を得たものに限る。)に沿って、初回の当該管理料を算定した日から起算して12週間にわたり計5回の禁煙治療を行った場合に算定する。なお、加熱式たばこを喫煙している患者についても、「禁煙治療のための標準手順書」に沿って禁煙治療を行う。

(2) ニコチン依存症管理料の算定対象となる患者は、次の全てに該当するものであって、医師がニコチン依存症の管理が必要であると認めたものであること。

ア 「禁煙治療のための標準手順書」に記載されているニコチン依存症に係るスクリーニングテスト(TDS)で、ニコチン依存症と診断されたものであること。

イ 35 歳以上の者については、1日の喫煙本数に喫煙年数を乗じて得た数が200以上であるものであること。

ウ 直ちに禁煙することを希望している患者であって、「禁煙治療のための標準手順書」に則った禁煙治療について説明を受け、当該治療を受けることを文書により同意しているものであること。

(3) ニコチン依存症管理料は、初回算定日より起算して1年を超えた日からでなければ、再度算定することはできない。

(4) 治療管理の要点を診療録に記載する。

(5) 情報通信機器を用いて診察を行う医師は、初回に診察を行う医師と同一のものに限る。(6)情報通信機器を用いて診察を行う際には、オンライン指針に沿って診療を行う。

(7) 情報通信機器を用いた診察は、当該保険医療機関内において行う。

(8) 情報通信機器を用いた診察時に、投薬の必要性を認めた場合は、区分番号「F100」処方料又は区分番号「F400」処方箋料を別に算定できる。

(9) 情報通信機器を用いて診察を行う際には、予約に基づく診察による特別の料金の徴収を行うことはできない。

(10) 情報通信機器を用いた診察を行う際の情報通信機器の運用に要する費用については、療養の給付と直接関係ないサービス等の費用として別途徴収できる。

(11) ニコチン依存症管理料2を算定する場合は、患者の同意を文書により得た上で初回の指導時に、診療計画書を作成し、患者に説明し、交付するとともに、その写しを診療録に添付すること。

(12) ニコチン依存症管理料2を算定した患者について、2回目以降の指導予定日に受診しなかった場合は、当該患者に対して電話等によって、受診を指示すること。また、受診を中断する場合には、受診を中断する理由を聴取し、診療録等に記載すること。

(13) ニコチン依存症管理料2を算定する場合においても、2回目から4回目の指導について、情報通信機器を用いて実施することができる。なお、その場合の留意事項は、(5)から(10)まで及び(12)に示すものと同様である。

(14) (2)に規定するニコチン依存症管理料の算定対象となる患者について、「注1」に規定する厚生労働大臣が定める基準を満たさない場合には、所定点数の100分の70に相当する点数を算定する。

B001-4 手術前医学管理料 1,192点

注1 手術前に行われる検査の結果に基づき計画的な医学管理を行う保険医療機関において、手術の実施に際して区分番号L002に掲げる硬膜外麻酔、区分番号L004に掲げる脊椎麻酔又は区分番号L008に掲げるマスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔を行った場合に、当該手術に係る手術料を算定した日に算定する。

2 同一の患者につき1月以内に手術前医学管理料を算定すべき医学管理を2回以上行った場合は、第1回目の手術前医学管理に係る手術料を算定した日1回に限り、手術前医学管理料を算定する。

3 手術前医学管理料を算定した同一月に区分番号D208に掲げる心電図検査を算定した場合には、算定の期日にかかわらず、所定点数の100分の90に相当する点数を算定する。

4 同一の部位につき当該管理料に含まれる区分番号E001に掲げる写真診断及び区分番号E002に掲げる撮影と同時に2枚以上のフィルムを使用して同一の方法により撮影を行った場合における第2枚目から第5枚目までの写真診断及び撮影の費用は、それぞれの所定点数の100分の50に相当する点数で別に算定できる。この場合において、第6枚目以後の写真診断及び撮影の費用については算定できない。

5 第3部検査及び第4部画像診断のうち次に掲げるもの(手術を行う前1週間以内に行ったものに限る。)は、所定点数に含まれるものとする。ただし、当該期間において同一の検査又は画像診断を2回以上行った場合の第2回目以降のものについては、別に算定することができる。

イ 尿中一般物質定性半定量検査

ロ 血液形態・機能検査

末梢血液像(自動機械法)、末 梢 血液像(鏡検法)及び末 梢 血液一般検査

ハ 出血・凝固検査

   出血時間、プロトロンビン時間(PT)及び活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)

ニ 血液化学検査

   総ビリルビン、直接ビリルビン又は抱合型ビリルビン、総蛋白、アルブミン(BCP改良法・BCG法)、尿素窒素、クレアチニン、尿酸、アルカリホスファターゼ(ALP)、コリンエステラーゼ(ChE)、γ-グルタミルトランスフェラーゼ(γ-GT)、中性脂肪、ナトリウム及びクロール、カリウム、カルシウム、マグネシウム、クレアチン、グルコース、乳酸デヒドロゲナーゼ(LD)、アミラーゼ、ロイシンアミノペプチダーゼ(LAP)、クレアチンキナーゼ(CK)、アルドラーゼ、遊離コレステロール、鉄(Fe)、血中ケトン体・糖・クロール検査(試験紙法・アンプル法・固定化酵素電極によるもの)、不飽和鉄結合能(UIBC)(比色法)、総鉄結合能(TIBC)(比色法)、リン脂質、HDL-コレステロール、LDL-コレステロール、無機リン及びリン酸、総コレステロール、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)並びにイオン化カルシウム

ホ 感染症免疫学的検査

   梅毒血清反応(STS)定性、抗ストレプトリジンO(ASO)定性、抗ストレプトリジンO(ASO)半定量、抗ストレプトリジンO(ASO)定量、抗ストレプトキナーゼ(ASK)定性、抗ストレプトキナーゼ(ASK)半定量、梅毒トレポネーマ抗体定性、HIV-1抗体、肺炎球菌抗原定性(尿・髄液)、ヘモフィルス・インフルエンザb型(Hib)抗原定性(尿・髄液)、りん単純ヘルペスウイルス抗原定性、RSウイルス抗原定性及び淋菌抗原定性

ヘ 肝炎ウイルス関連検査

   HBs抗原定性・半定量及びHCV抗体定性・定量

ト 血 漿 蛋白免疫学的検査

C反応性蛋白(CRP)定性及びC反応性蛋白(CRP)

チ 心電図検査

   区分番号D208の1に掲げるもの

リ 写真診断

   区分番号E001の1のイに掲げるもの

ヌ 撮影

   区分番号E002の1に掲げるもの

6 区分番号D026に掲げる血液学的検査判断料、生化学的検査(Ⅰ)判断料又は免疫学的検査判断料を算定している患者については算定しない。

7 第1章第2部第3節に掲げる特定入院料又は区分番号D027に掲げる基本的検体検査判断料を算定している患者については算定しない。

 通知
(1) 手術前医学管理料は硬膜外麻酔、脊椎麻酔又は全身麻酔下で行われる手術の前に行われる定型的な検査・画像診断について、請求の簡素化等の観点から包括して評価したものであり、区分番号「L002」硬膜外麻酔、区分番号「L004」脊椎麻酔若しくは区分番号「L008」マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔下に手術が行われた場合に、月1回に限り、疾病名を問わず全て本管理料を算定する。

(2) 手術前1週間に本管理料に包括されている検査及び画像診断項目(以下この項において「検査項目等」という。)のいずれも行わなかった場合は、本管理料は算定しない。なお、「手術を行う前1週間以内に行ったもの」とは、手術を行う日の前日を起算日として1週間前の日から当該手術を実施した当日の手術実施前までに行ったものをいう。

(3) 手術前医学管理料には、包括されている検査項目等に係る判断料が含まれており、手術前医学管理料を算定した月に区分番号「D026」血液学的検査判断料、生化学的検査(Ⅰ)判断料及び免疫学的検査判断料は別に算定できない。

(4) 手術前医学管理料を算定する際使用したフィルムの費用は、区分番号「E400」フィルムの所定点数により算定する。

(5) 本管理料を算定する手術前1週間において、入院と入院外が混在する場合においても、本管理料に包括されている検査項目等の1回目の所定点数については別に算定できない。

(6) 本管理料を月初めに算定し、手術前1週間が月をまたがる場合においても、本管理料の所定点数に包括されている検査項目等の1回目の所定点数については別に算定できない。

(7) 同一の患者について、月をまたがって1週間以内に硬膜外麻酔、脊椎麻酔又は全身麻酔下の手術を2回以上行った場合には、最初に行った手術の際に手術前医学管理料を算定し、2回目の手術の際には手術前医学管理料を算定せず、それぞれの検査項目等の所定点数により算定する。

(例) 当該月の29日に硬膜外麻酔、脊椎麻酔、全身麻酔下の手術を行い、翌月の3日に再び硬膜外麻酔、脊椎麻酔、全身麻酔下の手術を行った場合の算定。

当該月の29日に手術前医学管理料を算定し、翌月の手術の3日の際には手術前医学管理料を算定せず、それぞれの検査項目等の所定点数で算定する。

(8) 本管理料に包括されている肝炎ウイルス関連検査を行った場合には、当該検査の結果が陰性であった場合も含め、当該検査の結果について患者に適切な説明を行い、文書により提供すること。

B001-5 手術後医学管理料(1日につき)

1 病院の場合 1,188点

2 診療所の場合 1,056点

注1 病院(療養病棟、結核病棟及び精神病棟を除く。)又は診療所(療養病床に係るものを除く。)に入院している患者について、入院の日から起算して10日以内に行われた区分番号L008に掲げるマスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔を伴う手術後に必要な医学管理を行った場合に、当該手術に係る手術料を算定した日の翌日から起算して3日に限り算定する。

2 同一の手術について、同一月に区分番号B001-4に掲げる手術前医学管理料を算定する場合は、本管理料を算定する3日間については、所定点数の100分の95に相当する点数を算定する。

3 第3部検査のうち次に掲げるもの(当該手術に係る手術料を算定した日の翌日から起算して3日以内に行ったものに限る。)は、所定点数に含まれるものとする。

イ 尿中一般物質定性半定量検査

ロ 尿中特殊物質定性定量検査

尿蛋白及び尿グルコース

ハ 血液形態・機能検査

赤血球沈降速度(ESR)、末 梢 血液像(自動機械法)、末 梢 血液像(鏡検法)及び末 梢 血液一般検査

ニ 血液化学検査

  総ビリルビン、直接ビリルビン又は抱合型ビリルビン、総蛋白、アルブミン(BCP改良法・BCG法)、尿素窒素、クレアチニン、尿酸、アルカリホスファターゼ(ALP)、コリンエステラーゼ(ChE)、γ-グルタミルトランスフェラーゼ(γ-GT)、中性脂肪、ナトリウム及びクロール、カリウム、カルシウム、マグネシウム、クレアチン、グルコース、乳酸デヒドロゲナーゼ(LD)、アミラーゼ、ロイシンアミノペプチダーゼ(LAP)、クレアチンキナーゼ(CK)、アルドラーゼ、遊離コレステロール、鉄(Fe)、血中ケトン体・糖・クロール検査(試験紙法・アンプル法・固定化酵素電極によるもの)、不飽和鉄結合能(UIBC)(比色法)、総鉄結合能(TIBC)(比色法)、リン脂質、HDL-コレステロール、LDL-コレステロール、無機リン及びリン酸、総コレステロール、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、イオン化カルシウム並びに血液ガス分析

ホ 心電図検査

ヘ 呼吸心拍監視

ト 経皮的動脈血酸素飽和度測定

チ 終末呼気炭酸ガス濃度測定

リ 中心静脈圧測定

ヌ 動脈血採取

4 区分番号D026に掲げる尿・糞便等検査判断料、血液学的検査判断料又は生化学的検査(Ⅰ)判断料を算定している患者については算定しない。

5 第1章第2部第3節に掲げる特定入院料又は区分番号D027に掲げる基本的検体検査判断料を算定している患者については算定しない。

6 区分番号A300の救命救急入院料又は区分番号A301の特定集中治療室管理料に係る別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関に入院している患者については算定しない。

 通知
(1) 手術後医学管理料は、区分番号「L008」マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔を伴う手術後に必要な医学的管理を評価するとともに、手術後に行われる定型的な検査について、請求の簡素化等の観点から包括して評価したものであり、区分番号「A300」救命救急入院料又は区分番号「A301」特定集中治療室管理料に係る届出を行っていない保険医療機関の一般病棟に入院する患者について算定する。

(2) 手術後医学管理料には、包括されている検査項目に係る判断料が含まれており、手術後医学管理料を算定した月に区分番号「D026」尿・糞便等検査判断料、血液学的検査判断料及び生化学的検査(Ⅰ)判断料は別に算定できない。ただし、本管理料を算定する3日間が月をまたがる場合は、本管理料を算定する最初の日が属する月に係るこれらの判断料は別に算定できないが、その翌月にこれらの判断料の対象となる検査を実施した場合には、別に算定できる。

(3) 同一保険医療機関において、同一月に本管理料を算定するものと算定しないものが混在するような算定はできない。

(4) 手術後医学管理料の算定開始日となる入院の日とは、第1章第2部通則5に定める起算日のことをいう。

B001-6 肺血栓塞栓症予防管理料 305点

注1 病院(療養病棟を除く。)又は診療所(療養病床に係るものを除く。)に入院中の患者であって肺血栓塞栓症を発症する危険性が高いもの(結核病棟に入院中の患者においては手術を伴うもの、精神病棟に入院中の患者においては治療上必要があって身体拘束が行われているものに限る。)に対して、肺血栓塞栓症の予防を目的として、必要な機器又は材料を用いて計画的な医学管理を行った場合に、当該入院中1回に限り算定する。

2 肺血栓塞栓症の予防を目的として行った処置に用いた機器及び材料の費用は、所定点数に含まれるものとする。

 通知
(1) 肺血栓塞栓症予防管理料は、肺血栓塞栓症を発症する危険性が高い患者に対して、肺血栓塞栓症の予防を目的として、必要な医学管理を行った場合を評価するものである。

(2) 肺血栓塞栓症予防管理料は、病院(療養病棟を除く。)又は診療所(療養病床に係るものを除く。)に入院中の患者であって、肺血栓塞栓症を発症する危険性の高いもの(結核病棟においては手術を伴う患者、精神病棟においては治療上の必要から身体拘束が行われている患者に限る。)に対して、肺血栓塞栓症の予防を目的として、弾性ストッキング(患者の症状により弾性ストッキングが使用できないなどやむを得ない理由により使用する弾性包帯を含む。)又は間歇的空気圧迫装置を用いて計画的な医学管理を行った場合に、入院中1回に限り算定する。なお、当該管理料は、肺血栓塞栓症の予防を目的として弾性ストッキング又は間歇的空気圧迫装置を用いた場合に算定できるものであり、薬剤のみで予防管理を行った場合には算定できない。また、第1章第2部通則5に規定する入院期間が通算される再入院の場合においても、各々の入院において入院中1回算定できるものであること。

(3) 肺血栓塞栓症の予防を目的として使用される弾性ストッキング及び間歇的空気圧迫装置を用いた処置に要する費用は所定点数に含まれており、別に区分番号「J119」消炎鎮痛等処置の点数は算定できない。肺血栓塞栓症の予防を目的として弾性ストッキングが複数回使用される場合であっても、当該費用は所定点数に含まれる。なお、肺血栓塞栓症の予防を目的としない区分番号「J119」消炎鎮痛等処置は別に算定できるものであること。また、同一の弾性ストッキングを複数の患者に使用しないこと。

(4) 肺血栓塞栓症の予防に係る計画的な医学管理を行うに当たっては、関係学会より標準的な管理方法が示されているので、患者管理が適切になされるよう十分留意されたい。

B001-7 リンパ浮腫指導管理料 100点

注1 保険医療機関に入院中の患者であって、鼠径部、骨盤部若しくは腋窩部のリンパ節郭清を伴う悪性腫瘍に対する手術を行ったもの又は原発性リンパ浮腫と診断されたものに対して、当該手術を行った日の属する月又はその前月若しくは翌月のいずれか(原発性リンパ浮腫と診断されたものにあっては、当該診断がされた日の属する月又はその翌月のいずれか)に、医師又は医師の指示に基づき看護師、理学療法士若しくは作業療法士が、リンパ浮腫の重症化等を抑制するための指導を実施した場合に、入院中1回に限り算定する。

2 注1に基づき当該点数を算定した患者であって当該保険医療機関を退院したものに対して、当該保険医療機関又は当該患者の退院後において区分番号B005-6の注1に規定する地域連携診療計画に基づいた治療を担う他の保険医療機関(当該患者について区分番号B005-6-2に掲げるがん治療連携指導料を算定した場合に限る。)において、退院した日の属する月又はその翌月に注1に規定する指導を再度実施した場合に、当該指導を実施した、いずれかの保険医療機関において、1回に限り算定する。

 通知
(1) リンパ浮腫指導管理料は、手術前若しくは手術後又は診断時若しくは診断後において、以下に示す事項について、個別に説明及び指導管理を行った場合に算定できる。

当該指導管理料は、当該指導管理料の算定対象となる手術を受けた保険医療機関に入院中に当該説明及び指導管理を行った場合に1回、当該保険医療機関を退院した後に、当該保険医療機関又は当該患者の退院後において区分番号「B005-6」の「注1」に規定する地域連携診療計画に基づいた治療を担う他の保険医療機関(当該患者について区分番号「B005-6-2」がん治療連携指導料を算定した場合に限る。)において当該説明及び指導管理を行った場合にいずれか一方の保険医療機関において1回に限り、算定できる。

ア リンパ浮腫の病因と病態

イ リンパ浮腫の治療方法の概要

ウ セルフケアの重要性と局所へのリンパ液の停滞を予防及び改善するための具体的実施方法

(イ) リンパドレナージに関すること

(ロ) 弾性着衣又は弾性包帯による圧迫に関すること

(ハ) 弾性着衣又は弾性包帯を着用した状態での運動に関すること(ニ)保湿及び清潔の維持等のスキンケアに関すること

エ 生活上の具体的注意事項

リンパ浮腫を発症又は増悪させる感染症又は肥満の予防に関することオ感染症の発症等増悪時の対処方法

感染症の発症等による増悪時における診察及び投薬の必要性に関すること

(2) 指導内容の要点を診療録等に記載する。

(3) 手術前においてリンパ浮腫に関する指導を行った場合であって、結果的に手術が行われなかった場合にはリンパ浮腫指導管理料は算定できない。

B001-8 臍ヘルニア圧迫指導管理料 100点

注 保険医療機関において、医師が1歳未満の乳児に対する臍ヘルニアについて療養上の必要な指導を行った場合に、患者1人につき1回に限り算定する。

 通知
(1) 臍ヘルニア圧迫指導管理料は、臍ヘルニアの患者の保護者に対して以下に示す事項について、個別に説明及び指導管理を行った場合に算定できる。

ア 臍ヘルニアの病態

イ 臍ヘルニア圧迫療法の概要及び具体的実施方法

ウ 臍ヘルニア圧迫療法の治癒率と治癒しなかった場合の治療法エ想定される合併症及び緊急時の対処方法

(2) 指導内容の要点を診療録に記載する。

B001-9 療養・就労両立支援指導料

1 初回 800点

2 2回目以降 400点

注1 1については、別に厚生労働大臣が定める疾り患に罹患している患者に対して、当該患者と当該患者を使用する事業者が共同して作成した勤務情報を記載した文書の内容を踏まえ、就労の状況を考慮して療養上の指導を行うとともに、当該患者の同意を得て、当該患者が勤務する事業場において選任されている労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第13条第1項に規定する産業医、同法第10条第1項に規定する総括安全衛生管理者、同法第12条に規定する衛生管理者若しくは同法第12条の2に規定する安全衛生推進者若しくは衛生推進者又は同法第13条の2の規定により労働者の健康管理等を行う保健師(以下「産業医等」という。)に対し、病状、治療計画、就労上の措置に関する意見等当該患者の就労と療養の両立に必要な情報を提供した場合に、月1回に限り算定する。

2 2については、当該保険医療機関において1を算定した患者について、就労の状況を考慮して療養上の指導を行った場合に、1を算定した日の属する月又はその翌月から起算して3月を限度として、月1回に限り算定する。

3 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、当該患者に対して、看護師、社会福祉士、精神保健福祉士又は公認心理師が相談支援を行った場合に、相談支援加算として、50点を所定点数に加算する。

4 注1の規定に基づく産業医等への文書の提供に係る区分番号B009に掲げる診療情報提供料(Ⅰ)又は区分番号B010に掲げる診療情報提供料(Ⅱ)の費用は、所定点数に含まれるものとする。

5 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、療養・就労両立支援指導料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、1又は2の所定点数に代えて、それぞれ696点又は348点を算定する。

 通知
(1) 療養・就労両立支援指導料は、就労中の患者の療養と就労の両立支援のため、患者と患者を雇用する事業者が共同して作成した勤務情報を記載した文書の内容を踏まえ、就労の状況を考慮して、療養上の指導を行うこと及び当該患者が勤務する事業場において選任されている労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第13条第1項に規定する産業医、同法第10条第1項に規定する総括安全衛生管理者、同法第12条に規定する衛生管理者若しくは同法第12条の2に規定する安全衛生推進者若しくは衛生推進者又は同法第13条の2の規定により労働者の健康管理等を行う保健師(以下この区分において「産業医等」という。)に就労と療養の両立に必要な情報を提供すること並びに診療情報を提供した後の勤務環境の変化を踏まえ療養上必要な指導を行った場合を評価するものである。

(2) 療養・就労両立支援指導料は、入院中の患者以外の患者であって、別に厚生労働大臣が定める疾患に罹患しているものの求めを受けて、患者の同意を得て、以下の全ての医学管理を実施した場合に、月1回に限り算定する。

ア 治療を担当する医師が、患者から当該患者と当該患者を使用する事業者が共同して作成した勤務情報を記載した文書を当該患者から受け取ること。

イ 治療を担当する医師が、アの文書の内容を踏まえ、療養上の指導を行うとともに、当該医師又は当該医師の指示を受けた看護師、社会福祉士、精神保健福祉士又は、公認心理師が、患者から就労の状況を聴取した上で、治療や疾患の経過に伴う状態変化に応じた就労上の留意点に係る指導を行うこと。

ウ 治療を担当する医師が、①又は②のいずれかにより、当該患者が勤務する事業場において選任されている産業医等に対し、病状、治療計画、就労上の措置に関する意見等当該患者の就労と療養の両立に必要な情報の提供を行うこと。

① 病状、治療計画、治療に伴い予想される症状、就労上必要な配慮等について、「別紙様式49」、「別紙様式49の2」又はこれに準ずる様式を用いて、患者の勤務する事業場の産業医等に対して就労と療養の両立に必要な情報を記載した文書の提供を行い、当該文書の写しを診療録に添付すること。患者の勤務する事業場の産業医等があらかじめ指定した様式を用いて就労上の留意点等を提供することも差し支えない。なお、当該患者が勤務する事業場において産業医が選任されている場合は、当該産業医に対して当該患者の就労と療養の両立に必要な情報の提供を行うこと。

② 当該患者の診察に同席した産業医等に対して、就労と療養の両立に必要なことを説明し、説明の内容を診療録等に記載すること。

(3) 「2」については、「1」を算定した患者について、情報提供を行った診療の次回以降の受診時に、就労の状況等を確認し、必要な療養上の指導を行った場合に、「1」を算定した日の属する月又はその翌月から起算して3月を限度として、月1回に限り算定する。なお、「1」を算定した日の属する月に「2」を算定しなかった場合に限り、その翌月から起算すること。

(4) 「注3」に規定する相談支援加算については、専任の看護師、社会福祉士、精神保健福祉士又は公認心理師が、療養上の指導に同席し、相談支援を行った場合に算定できる。

(5) 「1」については、事業場の産業医等への就労と療養の両立に必要な情報を記載した文書の作成に係る評価を含むことから、当該指導料を算定する場合、当該文書の発行に係る費用を、療養の給付と直接関係ないサービス等の費用として別途徴収できない。

(6) 治療を担当する医師と産業医が同一の者である場合及び治療を担当する医師が患者の勤務する事業場と同一資本の施設で勤務している場合においては、当該指導料は算定できない。

(7) 「注5」に規定する情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する。

B002 開放型病院共同指導料(Ⅰ) 350点

注1 診察に基づき紹介された患者が、別に厚生労働大臣が定める開放利用に係る施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関(以下この表において「開放型病院」という。)に入院中である場合において、当該開放型病院に赴いて、当該患者に対して療養上必要な指導を共同して行った場合に、患者1人1日につき1回算定する。

2 区分番号A000に掲げる初診料、区分番号 A001に掲げる再診料、区分番号A002に掲げる外来診療料、区分番号C000に掲げる往診料、区分番号C001に掲げる在宅患者訪問診療料(Ⅰ)又は区分番号C001-2に掲げる在宅患者訪問診療料(Ⅱ)は別に算定できない。

 通知
(1) 開放型病院共同指導料(Ⅰ)は、開放型病院に自己の診察した患者を入院させた保険医が、開放型病院に赴き、開放型病院の保険医と共同で診療、指導等を行った場合に1人の患者に1日につき1回算定できるものであり、その算定は当該患者を入院させた保険医が属する保険医療機関において行う。

(2) 開放型病院共同指導料(Ⅰ)を算定した場合は、区分番号「A000」初診料、区分番号「A001」再診料、区分番号「A002」外来診療料、区分番号「C000」往診料及び区分番号「C001」在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の「1」等は算定できない。

(3) 診療所による紹介に基づき開放型病院に入院している患者に対して、当該診療所の保険医が開放型病院に赴き診療、指導等を行った場合において、その患者について、区分番号「B009」診療情報提供料(Ⅰ)が既に算定されている場合であっても、開放型病院共同指導料(Ⅰ)を算定できる。

(4) 開放型病院共同指導料(Ⅰ)を算定する場合、当該患者を入院させた保険医の診療録には、開放型病院において患者の指導等を行った事実を記載し、開放型病院の診療録には当該患者を入院させた保険医の指導等が行われた旨を記載する。

(5) 開放型病院共同指導料(Ⅱ)は、当該患者を入院させた保険医の属する保険医療機関が開放型病院共同指導料(Ⅰ)を算定した場合に、開放型病院において算定する。

B003 開放型病院共同指導料(Ⅱ) 220点

 通知
(1) 開放型病院共同指導料(Ⅰ)は、開放型病院に自己の診察した患者を入院させた保険医が、開放型病院に赴き、開放型病院の保険医と共同で診療、指導等を行った場合に1人の患者に1日につき1回算定できるものであり、その算定は当該患者を入院させた保険医が属する保険医療機関において行う。

(2) 開放型病院共同指導料(Ⅰ)を算定した場合は、区分番号「A000」初診料、区分番号「A001」再診料、区分番号「A002」外来診療料、区分番号「C000」往診料及び区分番号「C001」在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の「1」等は算定できない。

(3) 診療所による紹介に基づき開放型病院に入院している患者に対して、当該診療所の保険医が開放型病院に赴き診療、指導等を行った場合において、その患者について、区分番号「B009」診療情報提供料(Ⅰ)が既に算定されている場合であっても、開放型病院共同指導料(Ⅰ)を算定できる。

(4) 開放型病院共同指導料(Ⅰ)を算定する場合、当該患者を入院させた保険医の診療録には、開放型病院において患者の指導等を行った事実を記載し、開放型病院の診療録には当該患者を入院させた保険医の指導等が行われた旨を記載する。

(5) 開放型病院共同指導料(Ⅱ)は、当該患者を入院させた保険医の属する保険医療機関が開放型病院共同指導料(Ⅰ)を算定した場合に、開放型病院において算定する。

B004 退院時共同指導料1

1 在宅療養支援診療所(地域における退院後の患者に対する在宅療養の提供に主たる責任を有する診療所であって、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出たものをいう。以下この表において同じ。)の場合 1,500点

2 1以外の場合 900点

注1 保険医療機関に入院中の患者について、地域において当該患者の退院後の在宅療養を担う保険医療機関(以下この区分番号、区分番号B005、区分番号B015及びI002において「在宅療養担当医療機関」という。)の保険医又は当該保険医の指示を受けた保健師、助産師、看護師、准看護師(以下この区分番号及び区分番号B005において「看護師等」という。)、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士若しくは社会福祉士が、当該患者の同意を得て、退院後の在宅での療養上必要な説明及び指導を、入院中の保険医療機関の保険医又は看護師等、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士若しくは社会福祉士と共同して行った上で、文書により情報提供した場合に、当該入院中1回に限り、在宅療養担当医療機関において算定する。ただし、別に厚生労働大臣が定める疾病等の患者については、在宅療養担当医療機関の保険医又は当該保険医の指示を受けた看護師等が、当該患者が入院している保険医療機関の保険医又は看護師等と1回以上共同して行う場合は、当該入院中2回に限り算定できる。

2 注1の場合において、当該患者が別に厚生労働大臣が定める特別な管理を要する状態等にあるときは、特別管理指導加算として、所定点数に200点を加算する。

3 区分番号A000に掲げる初診料、区分番号A001に掲げる再診料、区分番号A002に掲げる外来診療料、区分番号B002に掲げる開放型病院共同指導料(Ⅰ)、区分番号C000に掲げる往診料、区分番号C001に掲げる在宅患者訪問診療料(Ⅰ)又は区分番号C001-2に掲げる在宅患者訪問診療料(Ⅱ)は別に算定できない。

 通知
(1) 退院時共同指導料1又は退院時共同指導料2は、保険医療機関に入院中の患者について、地域において当該患者の退院後の在宅療養を担う保険医療機関(以下この区分において「在宅療養担当医療機関」という。)の保険医又は当該保険医の指示を受けた当該保険医療機関の保健師、助産師、看護師若しくは准看護師(以下この区分において「看護師等」という。)、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士若しくは社会福祉士が、患者の同意を得て、退院後の在宅での療養上必要な説明及び指導を、入院中の保険医療機関の保険医又は看護師等、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士若しくは社会福祉士と共同して行った上で、文書により情報提供した場合に、当該入院中1回に限り、それぞれの保険医療機関において算定するものである。ただし、特掲診療料の施設基準等の別表第三の一の三に掲げる「退院時共同指導料1及び退院時共同指導料2を二回算定できる疾病等の患者」であって、当該入院中に2回算定する場合は、当該2回中1回はそれぞれの保険医療機関の保険医、看護師又は准看護師が共同して指導すること。なお、当該患者の在宅療養担当医療機関の准看護師と当該患者が入院中の保険医療機関の准看護師が共同して在宅での療養上必要な説明及び指導を行う場合には、それぞれの保険医療機関の医師又は看護師の指示を受けて行うものであること。また、ここでいう入院とは、第1章第2部通則5に定める入院期間が通算される入院のことをいう。

(2) 退院時共同指導料は、患者の家族等退院後に患者の看護を担当する者に対して指導を行った場合にも算定できる。

(3) 行った指導の内容等について、要点を診療録等に記載し、又は患者若しくはその家族等に提供した文書の写しを診療録等に添付する。

(4) 退院時共同指導料1の「1」は、在宅療養支援診療所の医師が当該患者に対して、その退院後に往診及び訪問看護により24時間対応できる体制等を確保し、在宅療養支援診療所において、24時間連絡を受ける医師又は看護師等の氏名、連絡先電話番号等、担当日、緊急時の注意事項等並びに往診担当医及び訪問看護担当者の氏名等について、文書により提供した場合に限り算定できる。

(5) 退院時共同指導料は、退院後在宅での療養を行う患者が算定の対象となり、他の保険医療機関、社会福祉施設、介護老人保健施設、介護老人福祉施設に入院若しくは入所する患者又は死亡退院した患者については、対象とはならない。ただし、退院時共同指導料2の「注4」は、本文の規定にかかわらず、退院後在宅で療養を行う患者に加え、退院後に介護老人保健施設、介護医療院、介護老人福祉施設(地域密着型介護老人福祉施設を含む。)、特定施設(地域密着型特定施設を含む。)又は障害者支援施設(生活介護を行う施設又は自立訓練(機能訓練)を行う施設に限る。)、福祉型障害児入所施設若しくは医療型障害児入所施設(以下この区分において「介護施設等」という。)に入所する患者も対象となる。なお、当該患者が当該保険医療機関に併設する介護施設等に入所する場合は算定することはできない。

(6) 退院時共同指導料1の「注2」に規定する加算は、当該患者が厚生労働大臣の定める特別な管理を必要とする者であった場合、1人の患者に対して入院中1回に限り算定できる。ただし、厚生労働大臣が定める疾病等の患者については当該入院中に2回に限り算定できる。

(7) 退院時共同指導料2の「注1」は、退院後の在宅での療養上必要な説明及び指導を、当該患者が入院している保険医療機関の保険医又は看護師等、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士若しくは社会福祉士と在宅療養担当医療機関の保険医若しくは当該保険医の指示を受けた看護師等、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士若しくは社会福祉士又は在宅療養担当医療機関の保険医の指示を受けた訪問看護ステーションの保健師、助産師、看護師、理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士が共同して行った場合に算定する。

(8) 退院時共同指導料1の「注1」及び退院時共同指導料2の「注1」の共同指導は、ビデオ通話が可能な機器を用いて実施しても差し支えない。。

(9) 退院時共同指導料2の「注3」に規定する加算は、退院後の在宅での療養上必要な説明及び指導を、当該患者が入院している保険医療機関の保険医又は看護師等が、在宅療養担当医療機関の保険医若しくは看護師等、保険医である歯科医師若しくはその指示を受けた歯科衛生士、保険薬局の保険薬剤師、訪問看護ステーションの保健師、助産師、看護師、理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士、介護支援専門員又は相談支援専門員のいずれかのうち3者以上と共同して行った場合に算定する。

(10) (9)における共同指導は、ビデオ通話が可能な機器を用いて実施しても差し支えない。

(11) 退院時共同指導料2の「注3」に規定する指導と同一日に行う「注2」に規定する指導に係る費用及び区分番号「B005-1-2」介護支援等連携指導料は、「注3」に規定する加算に含まれ、別に算定できない。

(12) 退院時共同指導料2の「注4」は、地域連携診療計画と同等の事項(当該医療機関の退院基準、退院後に必要とされる診療等)に加えて退院後の在宅又は介護施設等での療養上必要な指導を行うために必要な看護及び栄養管理の状況等の情報を当該患者及び家族に別紙様式50を参考に文書で説明し、退院後の治療等を担う他の保険医療機関のほか、訪問看護ステーション、介護施設等と共有すること。

(13) (8)及び(10)において、患者の個人情報を当該ビデオ通話の画面上で共有する際は、患者の同意を得ていること。また、保険医療機関の電子カルテなどを含む医療情報システムと共通のネットワーク上の端末において共同指導を実施する場合には、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に対応していること。

(14) 退院時共同指導料2については、入院中の保険医療機関の理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が指導等を行った場合は、同一日に区分番号「B006-3」退院時リハビリテーション指導料は別に算定できない。また、入院中の保険医療機関の薬剤師が指導等を行った場合は、同一日に区分番号「B014」退院時薬剤情報管理指導料は別に算定できない。

(15) 同一日に退院時共同指導料2と区分番号「B006-3」退院時リハビリテーション指導料又は区分番号「B014」退院時薬剤情報管理指導料を算定した場合は、診療報酬明細書の摘要欄に、共同指導を行った者の職種及び年月日を記載すること。

B005 退院時共同指導料2 400点

注1 保険医療機関に入院中の患者について、当該保険医療機関の保険医又は看護師等、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士若しくは社会福祉士が、入院中の患者に対して、当該患者の同意を得て、退院後の在宅での療養上必要な説明及び指導を、在宅療養担当医療機関の保険医若しくは当該保険医の指示を受けた看護師等、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士若しくは社会福祉士又は在宅療養担当医療機関の保険医の指示を受けた訪問看護ステーションの看護師等(准看護師を除く。)、理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士と共同して行った上で、文書により情報提供した場合に、当該患者が入院している保険医療機関において、当該入院中1回に限り算定する。ただし、別に厚生労働大臣が定める疾病等の患者については、当該患者が入院している保険医療機関の保険医又は看護師等が、在宅療養担当医療機関の保険医若しくは当該保険医の指示を受けた看護師等又は在宅療養担当医療機関の保険医の指示を受けた訪問看護ステーションの看護師等(准看護師を除く。)と1回以上、共同して行う場合は、当該入院中2回に限り算定できる。

2 注1の場合において、入院中の保険医療機関の保険医及び在宅療養担当医療機関の保険医が共同して指導を行った場合に、300点を所定点数に加算する。ただし、注3に規定する加算を算定する場合は、算定できない。

3 注1の場合において、入院中の保険医療機関の保険医又は看護師等が、在宅療養担当医療機関の保険医若しくは看護師等、保険医である歯科医師若しくはその指示を受けた歯科衛生士、保険薬局の保険薬剤師、訪問看護ステーションの看護師等(准看護師を除く。)、理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士、介護支援専門員(介護保険法第7条第5項に規定する介護支援専門員をいう。以下同じ。)又は相談支援専門員(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定計画相談支援の事業の人員及び運営に関する基準(平成 24年厚生労働省令第28号)第3条第1項又は児童福祉法に基づく指定障害児相談支援の事業の人員及び運営に関する基準(平成24年厚生労働省令第29号)第3条第1項に規定する相談支援専門員をいう。以下同じ。)ちいずれか3者以上と共同して指導を行った場合に、多機関共同指導加算として、2,000点を所定点数に加算する。

4 注1の規定にかかわらず、区分番号A246に掲げる入退院支援加算を算定する患者にあっては、当該保険医療機関において、疾患名、当該保険医療機関の退院基準、退院後に必要とされる診療等の療養に必要な事項を記載した退院支援計画を策定し、当該患者に説明し、文書により提供するとともに、これを在宅療養担当医療機関と共有した場合に限り算定する。

5 区分番号B003に掲げる開放型病院共同指導料(Ⅱ)は別に算定できない。

 通知
(1) 退院時共同指導料1又は退院時共同指導料2は、保険医療機関に入院中の患者について、地域において当該患者の退院後の在宅療養を担う保険医療機関(以下この区分において「在宅療養担当医療機関」という。)の保険医又は当該保険医の指示を受けた当該保険医療機関の保健師、助産師、看護師若しくは准看護師(以下この区分において「看護師等」という。)、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士若しくは社会福祉士が、患者の同意を得て、退院後の在宅での療養上必要な説明及び指導を、入院中の保険医療機関の保険医又は看護師等、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士若しくは社会福祉士と共同して行った上で、文書により情報提供した場合に、当該入院中1回に限り、それぞれの保険医療機関において算定するものである。ただし、特掲診療料の施設基準等の別表第三の一の三に掲げる「退院時共同指導料1及び退院時共同指導料2を二回算定できる疾病等の患者」であって、当該入院中に2回算定する場合は、当該2回中1回はそれぞれの保険医療機関の保険医、看護師又は准看護師が共同して指導すること。なお、当該患者の在宅療養担当医療機関の准看護師と当該患者が入院中の保険医療機関の准看護師が共同して在宅での療養上必要な説明及び指導を行う場合には、それぞれの保険医療機関の医師又は看護師の指示を受けて行うものであること。また、ここでいう入院とは、第1章第2部通則5に定める入院期間が通算される入院のことをいう。

(2) 退院時共同指導料は、患者の家族等退院後に患者の看護を担当する者に対して指導を行った場合にも算定できる。

(3) 行った指導の内容等について、要点を診療録等に記載し、又は患者若しくはその家族等に提供した文書の写しを診療録等に添付する。

(4) 退院時共同指導料1の「1」は、在宅療養支援診療所の医師が当該患者に対して、その退院後に往診及び訪問看護により24時間対応できる体制等を確保し、在宅療養支援診療所において、24時間連絡を受ける医師又は看護師等の氏名、連絡先電話番号等、担当日、緊急時の注意事項等並びに往診担当医及び訪問看護担当者の氏名等について、文書により提供した場合に限り算定できる。

(5) 退院時共同指導料は、退院後在宅での療養を行う患者が算定の対象となり、他の保険医療機関、社会福祉施設、介護老人保健施設、介護老人福祉施設に入院若しくは入所する患者又は死亡退院した患者については、対象とはならない。ただし、退院時共同指導料2の「注4」は、本文の規定にかかわらず、退院後在宅で療養を行う患者に加え、退院後に介護老人保健施設、介護医療院、介護老人福祉施設(地域密着型介護老人福祉施設を含む。)、特定施設(地域密着型特定施設を含む。)又は障害者支援施設(生活介護を行う施設又は自立訓練(機能訓練)を行う施設に限る。)、福祉型障害児入所施設若しくは医療型障害児入所施設(以下この区分において「介護施設等」という。)に入所する患者も対象となる。なお、当該患者が当該保険医療機関に併設する介護施設等に入所する場合は算定することはできない。

(6) 退院時共同指導料1の「注2」に規定する加算は、当該患者が厚生労働大臣の定める特別な管理を必要とする者であった場合、1人の患者に対して入院中1回に限り算定できる。ただし、厚生労働大臣が定める疾病等の患者については当該入院中に2回に限り算定できる。

(7) 退院時共同指導料2の「注1」は、退院後の在宅での療養上必要な説明及び指導を、当該患者が入院している保険医療機関の保険医又は看護師等、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士若しくは社会福祉士と在宅療養担当医療機関の保険医若しくは当該保険医の指示を受けた看護師等、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士若しくは社会福祉士又は在宅療養担当医療機関の保険医の指示を受けた訪問看護ステーションの保健師、助産師、看護師、理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士が共同して行った場合に算定する。

(8) 退院時共同指導料1の「注1」及び退院時共同指導料2の「注1」の共同指導は、ビデオ通話が可能な機器を用いて実施しても差し支えない。。

(9) 退院時共同指導料2の「注3」に規定する加算は、退院後の在宅での療養上必要な説明及び指導を、当該患者が入院している保険医療機関の保険医又は看護師等が、在宅療養担当医療機関の保険医若しくは看護師等、保険医である歯科医師若しくはその指示を受けた歯科衛生士、保険薬局の保険薬剤師、訪問看護ステーションの保健師、助産師、看護師、理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士、介護支援専門員又は相談支援専門員のいずれかのうち3者以上と共同して行った場合に算定する。

(10) (9)における共同指導は、ビデオ通話が可能な機器を用いて実施しても差し支えない。

(11) 退院時共同指導料2の「注3」に規定する指導と同一日に行う「注2」に規定する指導に係る費用及び区分番号「B005-1-2」介護支援等連携指導料は、「注3」に規定する加算に含まれ、別に算定できない。

(12) 退院時共同指導料2の「注4」は、地域連携診療計画と同等の事項(当該医療機関の退院基準、退院後に必要とされる診療等)に加えて退院後の在宅又は介護施設等での療養上必要な指導を行うために必要な看護及び栄養管理の状況等の情報を当該患者及び家族に別紙様式50を参考に文書で説明し、退院後の治療等を担う他の保険医療機関のほか、訪問看護ステーション、介護施設等と共有すること。

(13) (8)及び(10)において、患者の個人情報を当該ビデオ通話の画面上で共有する際は、患者の同意を得ていること。また、保険医療機関の電子カルテなどを含む医療情報システムと共通のネットワーク上の端末において共同指導を実施する場合には、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に対応していること。

(14) 退院時共同指導料2については、入院中の保険医療機関の理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が指導等を行った場合は、同一日に区分番号「B006-3」退院時リハビリテーション指導料は別に算定できない。また、入院中の保険医療機関の薬剤師が指導等を行った場合は、同一日に区分番号「B014」退院時薬剤情報管理指導料は別に算定できない。

(15) 同一日に退院時共同指導料2と区分番号「B006-3」退院時リハビリテーション指導料又は区分番号「B014」退院時薬剤情報管理指導料を算定した場合は、診療報酬明細書の摘要欄に、共同指導を行った者の職種及び年月日を記載すること。

B005-1-2 介護支援等連携指導料 400点

注 当該保険医療機関に入院中の患者に対して、当該患者の同意を得て、医師又は医師の指示を受けた看護師、社会福祉士等が介護支援専門員又は相談支援専門員と共同して、患者の心身の状態等を踏まえて導入が望ましい介護サービス又は障害福祉サービス等や退院後に利用可能な介護サービス又は障害福祉サービス等について説明及び指導を行った場合に、当該入院中2回に限り算定する。この場合において、同一日に、区分番号B005の注3に掲げる加算(介護支援専門員又は相談支援専門員と共同して指導を行った場合に限る。)は、別に算定できない。

 通知
(1) 介護支援等連携指導料は、入院の原因となった疾患・障害や入院時に行った患者の心身の状況等の総合的な評価の結果を踏まえ、退院後に介護サービス又は障害福祉サービス、地域相談支援若しくは障害児通所支援(以下この区分において「介護等サービス」という。)を導入することが適当であると考えられ、また、本人も導入を望んでいる患者が、退院後により適切な介護等サービスを受けられるよう、入院中から居宅介護支援事業者等の介護支援専門員(ケアマネジャー)又は指定特定相談支援事業者若しくは指定障害児相談支援事業者(以下この区分において「指定特定相談支援事業者等」という。)の相談支援専門員と連携し退院後のケアプラン又はサービス等利用計画若しくは障害児支援利用計画(以下この区分において「ケアプラン等」という。)の作成につなげることを評価するものである。

(2) 介護支援等連携指導料は、医師又は医師の指示を受けた看護師、社会福祉士、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、その他、退院後に導入が望ましい介護等サービスから考え適切な医療関係職種が、患者の入院前からケアマネジメントを担当していた介護支援専門員若しくは相談支援専門員又は退院後のケアプラン等の作成を行うため患者が選択した居宅介護支援事業者、介護予防支援事業者、介護保険施設等の介護支援専門員若しくは指定特定相談支援事業者等の相談支援専門員と共同して、患者に対し、患者の心身の状況等を踏まえ導入が望ましいと考えられる介護等サービスや、当該地域において提供可能な介護等サービス等の情報を提供した場合に入院中2回に限り算定できるものである。

(3) ここでいう介護保険施設等とは、介護保険の給付が行われる保健医療サービス又は福祉サービスを提供する施設であって、次の施設をいうものとする。

ア 介護老人福祉施設(介護保険法第8条第22項に規定する地域密着型介護老人福祉施設及び同条第27項に規定する介護老人福祉施設のことをいう。)

イ 介護保険法第8条第28項に規定する介護老人保健施設

ウ 健康保険法等の一部を改正する法律附則第130条の2第1項の規定によりなおその効力を有するものとされた同法第26条の規定による改正前の介護保険法第8条第26項に規定する介護療養型医療施設

エ 介護保険法第8条第29項に規定する介護医療院

オ 特定施設(介護保険法第8条第11項に規定する特定施設、同条第21項に規定する地域密着型特定施設及び同法第8条の2第9項に規定する介護予防特定施設入居者生活介護を提供する施設のことをいい、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第192条の2に規定する外部サービス利用型指定特定施設入居者生活介護を受けている患者が入居する施設を含む。)

カ 認知症対応型グループホーム(介護保険法第8条第20項に規定する認知症対応型共同生活介護及び同法第8条の2第15項に規定する介護予防認知症対応型共同生活介護を提供する施設のことをいう。)

キ 小規模多機能居宅介護事業所(介護保険法第8条第19項に規定する小規模多機能型居宅介護及び同法第8条の2第14項に規定する介護予防小規模多機能型居宅介護を提供する施設のことをいう。)

ク 複合型サービス事業所(介護保険法第8条第23項に規定する複合型サービスを提供する施設のことをいう。)

(4) 初回の指導は、介護等サービスの利用の見込みがついた段階で、退院後の生活を見越し、当該地域で導入可能な介護等サービスや要介護認定の申請の手続き等の情報について、患者や医療関係者と情報共有することで、適切な療養場所の選択や手続きの円滑化に資するものであり、2回目の指導は、実際の退院を前に、退院後に想定されるケアプラン等の原案の作成に資するような情報の収集や退院後の外来診療の見込み等を念頭に置いた指導を行うこと等を想定したものである。

(5) 行った指導の内容等について、要点を診療録等に記載する。また、指導の内容を踏まえ作成されたケアプラン等については、患者の同意を得た上で、当該介護支援専門員又は相談支援専門員に情報提供を求めることとし、ケアプラン等の写しを診療録等に添付すること。

(6) 介護支援等連携指導料を算定するに当たり共同指導を行う介護支援専門員又は相談支援専門員は、介護等サービスの導入を希望する患者の選択によるものであり、患者が選択した場合には、当該医療機関に併設する居宅介護事業所の介護支援専門員又は指定特定相談支援事業者等の相談支援専門員であっても介護支援等連携指導料の算定を妨げるものではない。ただし、当該医療機関に併設する介護保険施設等の介護支援専門員と共同指導を行った場合については介護支援等連携指導料を算定することはできない。

(7) 同一日に区分番号「B005」退院時共同指導料2の「注3」に掲げる加算を算定すべき介護支援専門員又は相談支援専門員を含めた共同指導を行った場合には、介護支援等連携指導料あるいは退院時共同指導料2の「注3」に掲げる加算の両方を算定することはできない。

(8) 当該共同指導は、ビデオ通話が可能な機器を用いて実施しても差し支えない。この場合において、患者の個人情報を当該ビデオ通話の画面上で共有する際は、患者の同意を得ていること。また、保険医療機関の電子カルテなどを含む医療情報システムと共通のネットワーク上の端末において共同指導を実施する場合には、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に対応していること。

B005-1-3 介護保険リハビリテーション移行支援料 500点

注 入院中の患者以外の患者(区分番号H001の注4、区分番号H001-2の注4又は区分番号H002の注4の規定により所定点数を算定する者に限る。)に対して、当該患者の同意を得て、医師又は医師の指示を受けた看護師、社会福祉士等が介護支援専門員等と連携し、当該患者を介護保険法第8条第5項に規定する訪問リハビリテーション、同条第8項に規定する通所リハビリテーション、同法第8条の2第4項に規定する介護予防訪問リハビリテーション又は同条第6項に規定する介護予防通所リハビリテーション(以下「介護リハビリテーション」という。)に移行した場合に、患者1人につき1回に限り算定する。

 通知
(1) 介護保険リハビリテーション移行支援料は、維持期のリハビリテーション(区分番号「H001」脳血管疾患等リハビリテーション料の「注4」、区分番号「H001-2」廃用症候群リハビリテーション料の「注4」及び区分番号「H002」運動器リハビリテーション料の「注4」に規定するものをいう。)を受けている入院中の患者以外の者に対して、患者の同意を得て、介護保険によるリハビリテーション(介護保険法第8条第5項に規定する訪問リハビリテーション、同法第8条第8項に規定する通所リハビリテーション、同法第8条の2第4項に規定する介護予防訪問リハビリテーション又は同法第8条の2第6項に規定する介護予防通所リハビリテーションをいう。)へ移行するため、居宅介護支援事業者等の介護支援専門員(ケアマネジャー)及び必要に応じて、介護保険によるリハビリテーションを当該患者に対して提供する事業所の従事者と連携し、介護サービス計画書(ケアプラン)作成を支援した上で、介護保険によるリハビリテーションを開始し、維持期のリハビリテーションを終了した場合に、患者1人につき1回に限り算定できる。なお、維持期のリハビリテーションと介護保険によるリハビリテーションを併用して行うことができる2月間(「医療保険と介護保険の給付調整に関する留意事項及び医療保険と介護保険の相互に関連する事項等について」(平成28年3月25日保医発0325第8号)の第4の10に規定する2月間をいう。)は、当該支援料を算定できない。

(2) 患者の同意を得た上で、介護支援専門員より情報提供を受け、介護サービス計画書(ケアプラン)の写しを診療録等に添付するとともに、診療報酬明細書の摘要欄に当該患者が介護保険によるリハビリテーションを開始した日及び維持期のリハビリテーションを終了した日を記載する。

(3) 当該患者が、当該医療機関内で維持期のリハビリテーションから介護保険によるリハビリテーションに移行した場合は算定できない。

B005-2からB005-3-2まで 削除

B005-4 ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ) 800点

注 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、診療に基づき紹介した患者(別に厚生労働大臣が定める状態等であるものに限る。)が病院である別の保険医療機関(区分番号A236-2に掲げるハイリスク妊娠管理加算の注又は区分番号A237に掲げるハイリスク分娩管理加算の注1に規定する施設基準に適合しているものとして届け出た保険医療機関に限る。)に入院中である場合において、当該病院に赴いて、当該病院の保険医と共同してハイリスク妊娠又はハイリスク分娩に関する医学管理を共同

して行った場合に、当該患者を紹介した保険医療機関において患者1人につき1回算定する。

 通知
(1) ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)は、診療に基づき患者を紹介した医師(以下この項において「紹介元医師」という。)が、当該患者が入院中である紹介先の病院に赴き、紹介先の病院の医師と共同で、医学管理等を行った場合に患者1人につき1回に限り、算定できるものであり、その算定は紹介元医師が属する保険医療機関において行う。

(2) ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)を算定した場合は、区分番号「A001」再診料、区分番号「A002」外来診療料、区分番号「C000」往診料及び区分番号「C001」在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の「1」等は算定できない。

(3) 紹介元医師による紹介に基づき紹介先の病院に入院している患者に対して、当該紹介元医師が病院に赴き診療、指導等を行った場合において、その患者について、区分番号「B009」診療情報提供料(Ⅰ)が既に算定されている場合であっても、その算定された日を除き、ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)を算定できる。

(4) ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)を算定する場合、紹介元医師の診療録には、紹介先の病院において患者の医学管理等を行った事実を記載し、紹介先の病院の診療録には紹介元医師による医学管理等が行われた旨を記載する。

(5) ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅱ)は、紹介元医師の属する保険医療機関がハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)を算定した場合に、紹介先の病院において算定する。

(6) 自院にて診療していた妊産婦の状態に異常が認められたために、他院へ搬送する場合において、医師が搬送先医療機関まで付き添い、搬送先の病院の医師と共同で医学管理等を行った場合においても算定できる。

(7) ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)は、区分番号「C004」救急搬送診療料と併せて算定することができる。

B005-5 ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅱ) 500点

注 区分番号A236-2に掲げるハイリスク妊娠管理加算の注又は区分番号A237に掲げるハイリスク分娩管理加算の注1に規定する施設基準に適合するものとして届け出た病院である保険医療機関において、ハイリスク妊娠又はハイリスク分娩に関する医学管理が必要であるとして別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た別の保険医療機関から紹介された患者(区分番号B005-4に掲げるハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)の注に規定する別に厚生労働大臣が定める状態等であるものに限る。)が当該病院に入院中である場合において、当該患者を紹介した別の保険医療機関の保険医と共同してハイリスク妊娠又はハイリスク分娩に関する医学管理を行った場合に、当該病院において、患者1人につき1回算定する。

 通知
(1) ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)は、診療に基づき患者を紹介した医師(以下この項において「紹介元医師」という。)が、当該患者が入院中である紹介先の病院に赴き、紹介先の病院の医師と共同で、医学管理等を行った場合に患者1人につき1回に限り、算定できるものであり、その算定は紹介元医師が属する保険医療機関において行う。

(2) ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)を算定した場合は、区分番号「A001」再診料、区分番号「A002」外来診療料、区分番号「C000」往診料及び区分番号「C001」在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の「1」等は算定できない。

(3) 紹介元医師による紹介に基づき紹介先の病院に入院している患者に対して、当該紹介元医師が病院に赴き診療、指導等を行った場合において、その患者について、区分番号「B009」診療情報提供料(Ⅰ)が既に算定されている場合であっても、その算定された日を除き、ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)を算定できる。

(4) ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)を算定する場合、紹介元医師の診療録には、紹介先の病院において患者の医学管理等を行った事実を記載し、紹介先の病院の診療録には紹介元医師による医学管理等が行われた旨を記載する。

(5) ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅱ)は、紹介元医師の属する保険医療機関がハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)を算定した場合に、紹介先の病院において算定する。

(6) 自院にて診療していた妊産婦の状態に異常が認められたために、他院へ搬送する場合において、医師が搬送先医療機関まで付き添い、搬送先の病院の医師と共同で医学管理等を行った場合においても算定できる。

(7) ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)は、区分番号「C004」救急搬送診療料と併せて算定することができる。

B005-6 がん治療連携計画策定料

1 がん治療連携計画策定料1 750点

2 がん治療連携計画策定料2 300点

注1 がん治療連携計画策定料1については、入院中のがん患者の退院後の治療を総合的に管理するため、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病院である保険医療機関(以下この表において「計画策定病院」という。)が、あらかじめがんの種類やステージを考慮した地域連携診療計画を作成し、がん治療を担う別の保険医療機関と共有し、かつ、当該患者の同意を得た上で、入院中又は当該保険医療機関を退院した日から起算して 30日以内に、当該計画に基づき当該患者の治療計画を作成し、患者に説明し、文書により提供するとともに、退院時又は退院した日から起算して30日以内に当該別の保険医療機関に当該患者に係る診療情報を文書により提供した場合(がんと診断されてから最初の入院に係るものに限る。)に、退院時又は退院した日から起算して30日以内に1回に限り所定点数を算定する。

2 がん治療連携計画策定料2については、当該保険医療機関において注1に規定するがん治療連携計画策定料1を算定した患者であって、他の保険医療機関において区分番号B005-6-2に掲げるがん治療連携指導料を算定しているものについて、状態の変化等に伴う当該他の保険医療機関からの紹介により、当該患者を診療し、当該患者の治療計画を変更した場合に、患者1人につき月1回に限り所定点数を算定する。

3 注1及び注2の規定に基づく当該別の保険医療機関への文書の提供に係る区分番号B009に掲げる診療情報提供料(Ⅰ)の費用は、所定点数に含まれるものとする。

4 区分番号B003に掲げる開放型病院共同指導料(Ⅱ)又は区分番号B005に掲げる退院時共同指導料2は、別に算定できない。

5 がん治療連携計画策定料2については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、がん治療連携計画策定料2を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、所定点数に代えて、261点を算定する。

 通知
(1) がん治療連携計画策定料、がん治療連携指導料は、がん診療連携拠点病院、地域がん診療病院又は小児がん拠点病院を中心に策定された地域連携診療計画に沿ったがん治療に関わる医療機関の連携により、がん患者に対して地域における切れ目のない医療が提供されることを評価したものである。

(2) 地域連携診療計画は、あらかじめがん診療連携拠点病院等において、がんの種類や治療方法等ごとに作成され、当該がん診療連携拠点病院等からの退院後の治療を共同して行う複数の連携保険医療機関との間で共有して活用されるものであり、病名、ステージ、入院中に提供される治療、退院後、計画策定病院で行う治療内容及び受診の頻度、連携医療機関で行う治療の内容及び受診の頻度、その他必要な項目が記載されたものであること。

(3) がん治療連携計画策定料1は、がんと診断され、がんの治療目的に初回に入院した際に、地域連携診療計画に沿って治療を行うことについて患者の同意を得た上で、地域連携診療計画に基づく個別の患者ごとの治療計画を作成するとともに、説明し、それを文書にて患者又は家族に提供した場合に、退院時又は退院した日から起算して30日以内に計画策定病院において算定する。その際、患者に交付した治療計画書の写しを診療録に添付すること。

(4) がん治療連携計画策定料1は、病理診断の結果が出ない又は退院後一定期間の外来診療を必要とする等の理由で、個別の患者の治療計画を入院中に策定できない場合であっても、退院した日から起算して30日以内に速やかに個別の治療計画を策定するとともに、文書にて患者又は家族に提供した場合にあっては、算定可能とする。その際、交付した治療計画書の写しを診療録に添付すること。

(5) 計画策定病院は、治療計画に基づき、患者に対して治療を提供するとともに、患者の同意を得て、適切に連携医療機関と情報共有を図るとともに、必要に応じて適宜治療計画を見直すものとする。なお、がん治療連携計画策定料2は、当該患者の状態の変化等により連携医療機関から紹介を受け、当該患者を診療した上で、当該患者の治療計画を変更し、患者又はその家族等に説明するとともに、文書にて提供した場合に計画策定病院において算定する(連携医療機関において区分番号「B005-6-2」がん治療連携指導料を算定している患者に限る。)。その際、交付した治療計画書の写しを診療録に添付すること。

(6) がん治療連携指導料は、連携医療機関において、患者ごとに作成された治療計画に基づく診療を提供し、計画策定病院に対し患者の診療に関する情報提供をした際に算定する。計画策定病院に対する情報提供の頻度は、基本的には治療計画に記載された頻度に基づくものとするが、患者の状態の変化等により、計画策定病院に対し治療方針等につき、相談・変更が必要となった際に情報提供を行った際にも算定できるものである。

(7) がん治療連携計画策定料又はがん治療連携指導料を算定した場合は、区分番号「A246」入退院支援加算の注4及び区分番号「B009」診療情報提供料(Ⅰ)の注16に規定する地域連携診療計画加算は算定できない。

(8) がん治療連携計画策定料の「注5」に規定する情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する。

B005-6-2 がん治療連携指導料 300点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関(計画策定病院を除く。)が、区分番号B005-6に掲げるがん治療連携計画策定料1又はがん治療連携計画策定料2を算定した患者であって入院中の患者以外のものに対して、地域連携診療計画に基づいた治療を行うとともに、当該患者の同意を得た上で、計画策定病院に当該患者に係る診療情報を文書により提供した場合に、月1回に限り算定する。

2 注1の規定に基づく計画策定病院への文書の提供に係る区分番号B009に掲げる診療情報提供料(Ⅰ)及び区分番号B011に掲げる連携強化診療情報提供料の費用は、所定点数に含まれるものとする。

 通知
(1) がん治療連携計画策定料、がん治療連携指導料は、がん診療連携拠点病院、地域がん診療病院又は小児がん拠点病院を中心に策定された地域連携診療計画に沿ったがん治療に関わる医療機関の連携により、がん患者に対して地域における切れ目のない医療が提供されることを評価したものである。

(2) 地域連携診療計画は、あらかじめがん診療連携拠点病院等において、がんの種類や治療方法等ごとに作成され、当該がん診療連携拠点病院等からの退院後の治療を共同して行う複数の連携保険医療機関との間で共有して活用されるものであり、病名、ステージ、入院中に提供される治療、退院後、計画策定病院で行う治療内容及び受診の頻度、連携医療機関で行う治療の内容及び受診の頻度、その他必要な項目が記載されたものであること。

(3) がん治療連携計画策定料1は、がんと診断され、がんの治療目的に初回に入院した際に、地域連携診療計画に沿って治療を行うことについて患者の同意を得た上で、地域連携診療計画に基づく個別の患者ごとの治療計画を作成するとともに、説明し、それを文書にて患者又は家族に提供した場合に、退院時又は退院した日から起算して30日以内に計画策定病院において算定する。その際、患者に交付した治療計画書の写しを診療録に添付すること。

(4) がん治療連携計画策定料1は、病理診断の結果が出ない又は退院後一定期間の外来診療を必要とする等の理由で、個別の患者の治療計画を入院中に策定できない場合であっても、退院した日から起算して30日以内に速やかに個別の治療計画を策定するとともに、文書にて患者又は家族に提供した場合にあっては、算定可能とする。その際、交付した治療計画書の写しを診療録に添付すること。

(5) 計画策定病院は、治療計画に基づき、患者に対して治療を提供するとともに、患者の同意を得て、適切に連携医療機関と情報共有を図るとともに、必要に応じて適宜治療計画を見直すものとする。なお、がん治療連携計画策定料2は、当該患者の状態の変化等により連携医療機関から紹介を受け、当該患者を診療した上で、当該患者の治療計画を変更し、患者又はその家族等に説明するとともに、文書にて提供した場合に計画策定病院において算定する(連携医療機関において区分番号「B005-6-2」がん治療連携指導料を算定している患者に限る。)。その際、交付した治療計画書の写しを診療録に添付すること。

(6) がん治療連携指導料は、連携医療機関において、患者ごとに作成された治療計画に基づく診療を提供し、計画策定病院に対し患者の診療に関する情報提供をした際に算定する。計画策定病院に対する情報提供の頻度は、基本的には治療計画に記載された頻度に基づくものとするが、患者の状態の変化等により、計画策定病院に対し治療方針等につき、相談・変更が必要となった際に情報提供を行った際にも算定できるものである。

(7) がん治療連携計画策定料又はがん治療連携指導料を算定した場合は、区分番号「A246」入退院支援加算の注4及び区分番号「B009」診療情報提供料(Ⅰ)の注16に規定する地域連携診療計画加算は算定できない。

(8) がん治療連携計画策定料の「注5」に規定する情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する。

B005-6-3 がん治療連携管理料

1 がん診療連携拠点病院の場合 500点

2 地域がん診療病院の場合 300点

3 小児がん拠点病院の場合 750点

注 別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関が、他の保険医療機関等から紹介された患者であってがんと診断された入院中の患者以外の患者に対して、化学療法又は放射線治療を行った場合に、当該基準に係る区分に従い、1人につき1回に限り所定点数を算定する。

 通知
(1) がん治療連携管理料は、がんの集学的治療、緩和ケアの提供、地域医療との連携、専門医師その他の専門の医療従事者の配置、院内がん登録の適切な実施、相談支援センター等の体制を備えた、がん診療連携拠点病院、地域がん診療病院又は小児がん拠点病院として指定された病院を評価したものである。

(2) 別の保険医療機関又は健康診断を実施した医療機関の医師により、悪性腫瘍の疑いがあるとされた患者(最終的に悪性腫瘍と診断された患者に限る。)又は悪性腫瘍と診断された患者に対し、がん治療連携管理料の「1」についてはこれらの保険医療機関等から紹介を受けたがん診療連携拠点病院が、がん治療連携管理料の「2」についてはこれらの保険医療機関等から紹介を受けた地域がん診療病院が、外来における化学療法又は放射線治療を行った場合に、患者1人につき1回に限り所定点数を算定する。

(3) がん治療連携管理料の「3」は、別の保険医療機関又は健康診断を実施した医療機関の医師により、悪性腫瘍の疑いがあるとされた小児の患者(最終的に悪性腫瘍と診断された患者に限る。)又は悪性腫瘍と診断された小児の患者に対し、これらの保険医療機関等から紹介を受けた小児がん拠点病院が、外来における化学療法又は放射線治療を行った場合に、患者1人につき1回に限り所定点数を算定する。

(4) 当該管理料の対象患者は、(2)及び(3)に定める患者であり、悪性腫瘍以外の疾患で別の保険医療機関から紹介を受け、当該がん診療連携拠点病院において悪性腫瘍と診断された患者は含まれない。

(5) がん治療連携管理料を算定した場合は、区分番号「A232」がん拠点病院加算は算定できない。

B005-6-4 外来がん患者在宅連携指導料 500点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関が、外来で化学療法又は緩和ケアを実施している進行がんの患者であって、在宅での緩和ケアに移行が見込まれるものについて、患者と診療の方針等について十分に話し合い、当該患者の同意を得た上で、在宅で緩和ケアを実施する他の保険医療機関に対して文書で紹介を行った場合に、1人につき1回に限り所定点数を算定する。

2 注1の規定に基づく他の保険医療機関への文書の提供に係る区分番号B009に掲げる診療情報提供料(Ⅰ)の費用は、所定点数に含まれるものとする。

3 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、外来がん患者在宅連携指導料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、所定点数に代えて、435点を算定する。

 通知
(1) 外来がん患者在宅連携指導料は、進行がん患者の緩和ケアに係る外来から在宅への切れ目のない移行を図り、在宅において質の高い緩和ケアを提供する体制を実現するため、進行がん患者に対して外来で化学療法又は緩和ケアを行う保険医療機関が、当該患者を在宅で緩和ケアを実施する別の保険医療機関に適切な時期に紹介することを評価したものである。

(2) 外来がん患者在宅連携指導料を算定する保険医療機関においては、在宅での緩和ケアを行う保険医療機関や訪問看護ステーションと連携関係を構築するとともに、そのリストを整備し、患者の特性や居住する地域に応じて患者に紹介できる体制を確保する。

(3) 進行がん患者に対して外来で化学療法又は緩和ケアを提供する病院は、当該患者の病状が進行した際に在宅で緩和ケアを実施する体制を早期に整えることのできるよう、外来において化学療法等を実施している段階から、在宅で実施することが見込まれる緩和ケア及び見込まれる予後等について十分に患者に説明し、患者の同意を得た上で、在宅で緩和ケアを実施する保険医療機関を紹介する。

(4) 「注3」に規定する情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する。

B005-7 認知症専門診断管理料

1 認知症専門診断管理料1

イ 基幹型又は地域型の場合 700点

ロ 連携型の場合 500点

2 認知症専門診断管理料2

イ 基幹型又は地域型の場合 300点

ロ 連携型の場合 280点

注1 認知症専門診断管理料1については、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関が、他の保険医療機関から紹介された認知症の疑いのある患者であって、入院中の患者以外のもの又は当該他の保険医療機関の療養病棟に入院している患者に対して、当該患者又はその家族等の同意を得て、認知症の鑑別診断を行った上で療養方針を決定するとともに、認知症と診断された患者については認知症療養計画を作成し、これらを患者に説明し、文書により提供するとともに、地域において療養を担う他の保険医療機関に当該患者に係る診療情報を文書により提供した場合に、1人につき1回に限り所定点数を算定する。

2 認知症専門診断管理料2については、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関が、地域において診療を担う他の保険医療機関から紹介された患者であって認知症の症状が増悪したもの(入院中の患者以外の患者又は当該他の保険医療機関の療養病棟に入院している患者に限る。)に対して、当該患者又はその家族等の同意を得て、診療を行った上で今後の療養計画等を患者に説明し、文書により提供するとともに、当該他の保険医療機関に当該患者に係る診療情報を文書により提供した場合に、3月に1回に限り所定点数を算定する。

3 注1及び注2の規定に基づく他の保険医療機関への文書の提供に係る区分番号B009に掲げる診療情報提供料(Ⅰ)及び区分番号B011に掲げる連携強化診療情報提供料の費用は、所定点数に含まれるものとする。

4 区分番号B000に掲げる特定疾患療養管理料は、別に算定できない。

 通知
(1) 認知症専門診断管理料1は、基幹型、地域型又は連携型認知症疾患医療センターが他の保険医療機関から紹介された患者に対して、患者又は家族等の同意を得た上で、認知症の鑑別診断を行った上で療養方針を決定(認知症と診断された患者については認知症療養計画を作成)し、説明し、それを文書にて患者又は家族等に提供した場合であって、紹介を受けた他の保険医療機関に対して文書にて報告した場合に、1人につき1回に限り算定する。なお、患者に交付した文書の写しを診療録等に添付すること。

(2) 「注1」に規定する認知症療養計画は、「別紙様式32」及び「別紙様式32の2」又はこれらに準じて作成された、病名、検査結果、症状の評価(認知機能(MMSE、HDS-R等)、生活機能(ADL、IADL等)、行動・心理症状(NPI、DBD等)等)、家族又は介護者等による介護の状況(介護負担度の評価(NPI等)等)、治療計画(受診頻度、内服薬の調整等)、必要と考えられる医療連携や介護サービス、緊急時の対応、その他必要な項目が記載されたものであり、認知症に係る専門知識を有する多職種が連携していることが望ましい。認知症専門診断管理料1を算定するに当たり文書にて報告した他の保険医療機関と定期的に診療情報等の共有を図ることが望ましい。

(3) 認知症専門診断管理料2は、基幹型、地域型又は連携型認知症疾患医療センターが認知症の症状が増悪した患者に対して、患者又は家族等の同意を得た上で、今後の療養計画等を説明し、それを文書にて患者又は家族等に提供した場合であって、紹介を受けた他の保険医療機関に対して文書にて報告した場合に、患者1人につき3月に1回に限り算定する。なお、患者に交付した文書の写しを診療録に添付すること。

B005-7-2 認知症療養指導料

1 認知症療養指導料1 350点

2 認知症療養指導料2 300点

3 認知症療養指導料3 300点

注1 1については、当該保険医療機関の紹介により他の保険医療機関において認知症の鑑別診断を受け、区分番号B005-7に掲げる認知症専門診断管理料1を算定した患者であって、入院中の患者以外の患者又は療養病棟に入院している患者に対して、当該保険医療機関において、認知症療養計画に基づいた治療を行うとともに、当該患者又はその家族等の同意を得た上で、当該他の保険医療機関に当該患者に係る診療情報を文書により提供した場合に、当該治療を行った日の属する月を含め6月を限度として、月1回に限り算定する。

2 2については、当該保険医療機関の紹介により他の保険医療機関において区分番号B005-7-3に掲げる認知症サポート指導料を算定した患者であって、入院中の患者以外のものに対して、当該他の保険医療機関から認知症の療養方針に係る助言を得て、当該保険医療機関において、認知症療養計画に基づいた治療を行うとともに、当該患者又はその家族等の同意を得た上で、当該他の保険医療機関に当該患者に係る診療情報を文書により提供した場合に、当該治療を行った日の属する月を含め6月を限度として、月1回に限り算定する。

3 3については、新たに認知症と診断された患者又は認知症の病状変化により認知症療養計画の再検討が必要な患者であって、入院中の患者以外のものに対して、認知症患者に対する支援体制の確保に協力している医師が、当該患者又はその家族等の同意を得て、療養方針を決定し、認知症療養計画を作成の上、これらを当該患者又はその家族等に説明し、文書により提供するとともに、当該保険医療機関において当該計画に基づく治療を行う場合に、当該治療を開始した日の属する月を含め6月を限度として、月1回に限り算定する。

4 注1及び注2の規定に基づく他の保険医療機関への文書の提供に係る区分番号B009に掲げる診療情報提供料(Ⅰ)及び区分番号B011に掲げる連携強化診療情報提供料の費用は、所定点数に含まれるものとする。

5 1から3までは同時に算定できず、区分番号B000に掲げる特定疾患療養管理料及び区分番号I002に掲げる通院・在宅精神療法は、別に算定できない。

 通知
(1) 認知症療養指導料は、保険医療機関が認知症の患者に対して、認知症療養計画に基づき、症状の定期的な評価(認知機能(MMSE、HDS-R等)、生活機能(ADL、IADL等)、行動・心理症状(NPI、DBD等)等)、家族又は介護者等による介護の状況(介護負担度の評価(NPI等))の定期的な評価、抗認知症薬等の効果や副作用の有無等の定期的な評価等を行い、診療録にその要点を記載し、療養指導を行うこと。

(2) 「1」については、認知症疾患医療センターで認知症と診断された患者について、当該認知症疾患医療センターにおいて作成された認知症療養計画に基づき、(1)に規定する定期的な評価等を行った場合に算定する。

(3) 「2」については、認知症の患者であって、病状悪化や介護負担の増大等が生じたものについて、療養に係る助言を得ることを目的に、地域において認知症患者に対する支援体制の確保に協力している認知症サポート医に紹介した場合であって、当該認知症サポート医の助言を受けて、認知症に係る療養計画を作成した上で、(1)に規定する定期的な評価等を行った場合に算定する。ただし、当該認知症サポート医からの文書により、当該認知症サポート医が区分番号「B005-7-3」認知症サポート指導料を算定していることが明らかな場合に限る。また、認知症に係る療養計画については診療録に記載すること。

(4) 「3」については、初めて認知症と診断された患者又は認知症の患者であって病状悪化や介護負担の増大等が生じたものに対し、地域において認知症患者に対する支援体制の確保に協力している認知症サポート医が、「別紙様式32」及び「別紙様式32の2」又はこれらに準じて認知症療養計画を作成した上で、(1)に規定する定期的な評価等を行った場合に算定する。

(5) 地域において認知症患者に対する支援体制の確保に協力している認知症サポート医とは、アに加え、イ又はウのいずれかを満たす医師をいう。

ア 国立研究開発法人国立長寿医療研究センターが都道府県又は指定都市の委託を受けて実施する認知症サポート医養成研修を修了した医師であること。

イ 直近1年間に、「認知症初期集中支援チーム」等、市区町村が実施する認知症施策に協力している実績があること。

ウ 直近1年間に、都道府県医師会又は指定都市医師会を単位とした、かかりつけ医等を対象とした認知症対応力の向上を図るための研修の講師を務めた実績があること。

B005-7-3 認知症サポート指導料 450点

注1 認知症患者に対する支援体制の確保に協力している医師が、他の保険医療機関からの求めに応じ、認知症を有する入院中の患者以外の患者に対し、当該患者又はその家族等の同意を得て療養上の指導を行うとともに、当該他の保険医療機関に対し、療養方針に係る助言を行った場合に、6月に1回に限り算定する。

2 注1の規定に基づく他の保険医療機関への助言に係る区分番号B009に掲げる診療情報提供料(Ⅰ)及び区分番号B011に掲げる連携強化診療情報提供料の費用は、所定点数に含まれるものとする。

 通知
(1) 認知症サポート指導料は、地域において認知症患者に対する支援体制の確保に協力している認知症サポート医が、他の保険医療機関から紹介された認知症の患者に対して、患者又は家族等の同意を得た上で、患者又は家族等に文書を用いて療養上の指導を行うとともに、今後の療養方針について、紹介を受けた他の保険医療機関に対して文書にて助言を行った場合に、1人につき6月に1回に限り算定する。なお、患者及び紹介を受けた他の医療機関に交付した文書の写しを診療録に添付すること。

(2) 地域において認知症患者に対する支援体制の確保に協力している認知症サポート医については、「B005-7-2」認知症療養指導料の例による。

(3) 紹介を受けた他の保険医療機関に対して助言を行う文書において、認知症サポート指導料を算定した患者である旨を記載すること。

B005-8 肝炎インターフェロン治療計画料 700点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関が、長期継続的にインターフェロン治療が必要な肝炎の患者に対して、当該患者の同意を得た上で、治療計画を作成し、副作用等を含めて患者に説明し、文書により提供するとともに、地域において治療を担う他の保険医療機関に当該患者に係る治療計画及び診療情報を文書により提供した場合に、1人につき1回に限り算定する。

2 注1の規定に基づく他の保険医療機関への文書の提供に係る区分番号B009に掲げる診療情報提供料(Ⅰ)の費用は、所定点数に含まれるものとする。

3 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、入院中の患者以外の患者に対して、肝炎インターフェロン治療計画料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、所定点数に代えて、609点を算定する。

 通知
(1) 肝炎インターフェロン治療計画料は、インターフェロン治療を受ける肝炎患者に対して、治療計画に沿って治療を行うことについて患者の同意を得た上で、治療計画を作成し、副作用等を含めて患者に説明し、文書により提供するとともに、地域で連携して当該インターフェロン治療を行う保険医療機関に当該患者に係る治療計画及び診療情報を文書により提供した場合に、1人につき1回に限り算定する。患者に交付した治療計画書の写しを診療録に添付すること。

(2) 治療計画の策定に当たっては、患者の求めに応じて夜間や休日に診療を行っている医療機関を紹介するなど、当該患者が長期の治療を継続できるよう配慮を行うこと。

(3) 入院中の患者については退院時に算定すること。

(4) 「注3」に規定する情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する。

B005-9 外来排尿自立指導料 200点

注 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、入院中の患者以外の患者であって、別に厚生労働大臣が定めるものに対して、包括的な排尿ケアを行った場合に、患者1人につき、週1回に限り、区分番号A251に掲げる排尿自立支援加算を算定した期間と通算して12週を限度として算定する。ただし、区分番号C106に掲げる在宅自己導尿指導管理料を算定する場合は、算定できない。

 通知
(1) 外来排尿自立指導料は、当該保険医療機関に排尿に関するケアに係る専門的知識を有した多職種からなるチーム(以下「排尿ケアチーム」という。)を設置し、入院中から当該患者の排尿自立の可能性及び下部尿路機能を評価し、排尿誘導等の保存療法、リハビリテーション、薬物療法等を組み合わせるなど、下部尿路機能の回復のための包括的なケア(以下「包括的排尿ケア」という。)を実施していた患者に対して、入院中に退院後の包括的排尿ケアの必要性を認めた場合に、外来において、引き続き包括的排尿ケアを実施することを評価するものである。

(2) 当該指導料は、当該保険医療機関の入院中に区分番号「A251」排尿自立支援加算を算定し、かつ、退院後に継続的な包括的排尿ケアの必要があると認めたものであって、次のいずれかに該当する者について算定できる。なお、排尿自立支援加算に規定するとおり、退院後に継続的な包括的排尿ケアの必要があると認めた旨を診療録等に記載していること。ア尿道カテーテル抜去後に、尿失禁、尿閉等の下部尿路機能障害の症状を有するもの

イ 尿道カテーテル留置中の患者であって、尿道カテーテル抜去後に下部尿路機能障害を生ずると見込まれるもの

(3) 排尿ケアチーム及び当該患者の診療を担う医師又は看護師等は、共同して、入院中に策定した包括的排尿ケアの計画に基づき包括的排尿ケアを実施し、定期的に評価を行う。必要に応じて排尿ケアチームが当該計画の見直しを行う。

(4) (3)について、診療録等に記載する。なお、見直した計画については、計画書を診療録等に添付することとしても差し支えない。

(5) 当該指導料を算定するに当たっては、排尿ケアチームが当該患者の状況を評価する等の関与を行い、かつ、排尿ケアチーム、当該患者の診療を担う医師又は当該医師の指示を受けた看護師等が、包括的排尿ケアの計画に基づいて患者に対し直接的な指導又は援助を行うこと。当該指導料は、週1回に限り、排尿自立支援加算を算定した期間と通算して計12週を限度として算定できる。

B005-10 ハイリスク妊産婦連携指導料1 1,000点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た産科又は産婦人科を標榜する保険医療機関において、入院中の患者以外の患者であって、精神疾患を有する又は精神疾患が疑われるものとして精神科若しくは心療内科を担当する医師への紹介が必要であると判断された妊婦又は出産後2月以内であるものに対して、当該患者の同意を得て、産科又は産婦人科を担当する医師及び保健師、助産師又は看護師が共同して精神科又は心療内科と連携し、診療及び療養上必要な指導を行った場合に、患者1人につき月1回に限り算定する。

2 同一の保険医療機関において、区分番号B005-10-2に掲げるハイリスク妊産婦連携指導料2を同一の患者について別に算定できない。

 通知
(1) ハイリスク妊産婦連携指導料1の算定対象となる患者とは、当該保険医療機関で精神療法が実施されている患者若しくは他の保険医療機関で精神療法が実施されている患者であって当該保険医療機関に対して診療情報が文書により提供されている又はエジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)等を参考にしてメンタルヘルスのスクリーニングを実施し、精神疾患が疑われるものとして精神科若しくは心療内科を標榜する保険医療機関に対して診療情報が文書により提供された妊婦又は出産後2ヶ月以内であるものに限る。

(2) 精神療法が他の保険医療機関で実施されている場合については、患者の同意を得て、当該他の保険医療機関との間で当該患者に係る診療情報が相互かつ定期的に提供されていること。

(3) 必要に応じて小児科と適切に連携して診療する体制を有していること。

(4) 産科又は産婦人科を担当する医師又は当該医師の指示を受けた保健師、助産師若しくは看護師が、概ね月に1回の頻度で、患者の心理的不安を軽減するための面接及び療養上の指導を行うこと。

(5) 当該患者の診療方針等に係るカンファレンスが概ね2か月に1回の頻度で開催されていること。また、当該カンファレンスには以下に掲げる者が参加していること。

ア 当該患者の診療を担当する産科又は産婦人科を担当する医師

イ 当該患者の診療を担当する精神科又は心療内科を担当する医師

ウ 当該患者の診療を担当する保健師、助産師又は看護師(ア及びイの診療科からそれぞれ参加していること。)

エ 市町村又は都道府県の担当者

オ 必要に応じて、精神保健福祉士、社会福祉士、公認心理師等

(6) (5)のカンファレンスは、関係者全員が一堂に会し実施することが原則であるが、ビデオ通話が可能な機器を用いて実施した場合でも算定可能である。なお、(5)のカンファレンスにおいて、ビデオ通話が可能な機器を用いる場合、患者の個人情報を当該ビデオ通話の画面上で共有する際は、患者の同意を得ていること。また、保険医療機関の電子カルテなどを含む医療情報システムと共通のネットワーク上の端末においてカンファレンスを実施する場合には、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に対応していること。

(7) (5)の規定にかかわらず、カンファレンスに市町村等の担当者が参加しなかった場合は、その都度、患者の同意を得た上で、市町村等の担当者にその結果を文書により情報提供することに代えることとしても差し支えない。

(8) 当該患者について、出産後の養育について支援を行うことが必要と認められる場合、その旨を患者に説明し、当該患者の同意を得た上で、市町村等に相談し、情報提供を行うこと。

(9) 以上の実施に当たっては、日本産婦人科医会が作成した「妊産婦メンタルヘルスケアマニュアル~産後ケアへの切れ目のない支援に向けて~」を参考にすること。

(10) 当該連携指導料を算定する場合は、区分番号「B009」診療情報提供料(Ⅰ)は別に算定できないこと。

B005-10-2 ハイリスク妊産婦連携指導料2 750点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た精神科又は心療内科を標榜する保険医療機関において、入院中の患者以外の患者であって、精神疾患を有する又は精神疾患が疑われるものとして産科若しくは産婦人科を担当する医師から紹介された妊婦又は出産後6月以内であるものに対して、当該患者の同意を得て、精神科又は心療内科を担当する医師が産科又は産婦人科と連携し、診療及び療養上必要な指導を行った場合に、患者1人につき月1回に限り算定する。

2 同一の保険医療機関において、区分番号B005-10に掲げるハイリスク妊産婦連携指導料1を同一の患者について別に算定できない。

 通知
(1) ハイリスク妊産婦連携指導料2の算定対象となる患者とは、当該保険医療機関で精神療法が実施されている又は精神疾患が疑われるものとして産科若しくは産婦人科を担当する医師から紹介された妊婦又は出産後6月以内であるものに限る。

(2) 産科又は産婦人科に係る診療が他の保険医療機関で実施されている場合については、患者の同意を得て、当該他の保険医療機関との間で当該患者に係る診療情報が相互かつ定期的に提供されていること。特に、向精神薬が投与されている患者については、当該薬剤が妊娠、出産等に与える影響等の情報について、当該他の保険医療機関に対し適切に提供していること。

(3) 必要に応じて小児科と適切に連携して診療する体制を有していること。

(4) 精神科又は心療内科を担当する医師が、精神疾患及びその治療による妊娠、出産等への影響について患者に説明し、療養上の指導を行うこと。

(5) 当該患者の診療方針等に係るカンファレンスが概ね2か月に1回の頻度で開催されていること。また、当該カンファレンスには以下に掲げる者が参加していること。

ア 当該患者の診療を担当する精神科又は心療内科を担当する医師

イ 当該患者の診療を担当する産科又は産婦人科を担当する医師

ウ 当該患者の診療を担当する保健師、助産師又は看護師(ア及びイの診療科からそれぞれ参加していること。)

エ 市町村又は都道府県の担当者

オ 必要に応じて、精神保健福祉士、社会福祉士、公認心理師等

なお、出産後、産科又は産婦人科による医学的な管理が終了した場合については、当該カンファレンスへの産科又は産婦人科を担当する医師の参加は不要であること。

(6) (5)のカンファレンスは、関係者全員が一堂に会し実施することが原則であるが、ビデオ通話が可能な機器を用いて実施した場合でも算定可能である。なお、(5)のカンファレンスにおいて、ビデオ通話が可能な機器を用いる場合、患者の個人情報を当該ビデオ通話の画面上で共有する際は、患者の同意を得ていること。また、保険医療機関の電子カルテなどを含む医療情報システムと共通のネットワーク上の端末においてカンファレンスを実施する場合には、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に対応していること。

(7) (5)の規定にかかわらず、カンファレンスに市町村等の担当者が参加しなかった場合は、その都度、患者の同意を得た上で、市町村等の担当者にその結果を文書により情報提供することに代えることとしても差し支えない。

(8) 当該患者について、出産後の養育について支援を行うことが必要と認められる場合、その旨を患者に説明し、当該患者の同意を得た上で、市町村等に相談し、情報提供を行うこと。

(9) 当該連携指導料を算定する場合は、区分番号「B009」診療情報提供料(Ⅰ)及び区分番号「B011」連携強化診療情報提供料は別に算定できないこと。

B005-11 遠隔連携診療料

1 診断を目的とする場合 750点

2 その他の場合 500点

注1 1については、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関において、対面診療を行っている入院中の患者以外の患者であって、別に厚生労働大臣が定めるものに対して、診断を目的として、当該施設基準を満たす難病又はてんかんに関する専門的な診療を行っている保険医療機関の医師と情報通信機器を用いて連携して診療を行った場合に、当該診断の確定までの間に3月に1回に限り算定する。

2 2については、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関において、てんかん(知的障害を有する者に係るものに限る。)の治療を行うことを目的として、患者の同意を得て、てんかんに関する専門的な診療を行っている他の保険医療機関の医師に事前に診療情報提供を行った上で、当該患者の来院時に、情報通信機器を用いて、当該他の保険医療機関の医師と連携して診療を行った場合に、当該診療料を最初に算定した日から起算して1年を限度として、3月に1回に限り算定する。

 通知
(1) 注1については、難病の患者に対する医療等に関する法律第5条第1項に規定する指定難病又はてんかん(外傷性のてんかん及び知的障害を有する者に係るものを含む。)の診断を行うことを目的として、患者の同意を得て、難病又はてんかんに関する専門的な診療を行っている他の保険医療機関の医師に事前に診療情報提供を行った上で、当該患者の来院時に、ビデオ通話が可能な情報通信機器を用いて、当該他の保険医療機関の医師と連携して診療を行った場合に、患者の診断の確定までの間に3月に1回に限り算定する。

(2) 注2については、てんかん(知的障害を有する者に係るものに限る。)の治療を行うことを目的として、患者の同意を得て、てんかんに関する専門的な診療を行っている他の保険医療機関の医師に事前に診療情報提供を行った上で、当該患者の来院時に、ビデオ通話が可能な情報通信機器を用いて、当該他の保険医療機関の医師と連携して診療を行った場合に、当該診療料を最初に算定した日から起算して1年を限度として、3月に1回に限り算定する。

(3) 遠隔連携診療料の算定に当たっては、患者に対面診療を行っている保険医療機関の医師が、他の保険医療機関の医師に診療情報の提供を行い、当該医師と連携して診療を行うことについて、あらかじめ患者に説明し同意を得ること。

(4) 他の保険医療機関の医師と連携して診療を行った際には、患者に対面診療を行っている保険医療機関の医師は、当該診療の内容、診療を行った日、診療時間等の要点を診療録に記載すること。

(5) 当該他の保険医療機関は、「都道府県における地域の実情に応じた難病の医療提供体制の構築について」(平成29年4月14日健難発0414第3号厚生労働省健康局難病対策課長通知)に規定する難病診療連携拠点病院又は「てんかん地域診療連携体制整備事業の実施について」(平成27年5月28日障発0528第1号)に定めるてんかん診療拠点機関であること。

(6) 連携して診療を行う他の保険医療機関の医師は、厚生労働省の定める情報通信機器を用いた診療に係る指針に沿って診療を行うこと。また、当該他の保険医療機関内において診療を行うこと。

(7) 事前の診療情報提供については、区分番号「B009」診療情報提供料(Ⅰ)は別に算定できない。

(8) 当該診療報酬の請求については、対面による診療を行っている保険医療機関が行うものとし、当該診療報酬の分配は相互の合議に委ねる。

B005-12こころの連携指導料(Ⅰ)350点

注  別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、入院中の患者以外の患者であって、地域社会からの孤立の状況等により、精神疾患が増悪するおそれがあると認められるもの又は精神科若しくは心療内科を担当する医師による療養上の指導が必要であると判断されたものに対して、診療及び療養上必要な指導を行い、当該患者の同意を得て、精神科又は心療内科を標榜する保険医療機関に対して当該患者に係る診療情報の文書による提供等を行った場合に、初回算定日の属する月から起算して1年を限度として、患者1人につき月1回に限り算定する。

 通知
(1) 精神疾患が増悪するおそれがあると認められる患者又は精神科若しくは心療内科を担当する医師による療養上の指導が必要であると判断された患者とは、SADPersonsスケール、EPDS、PHQ―9又はK-6等によるスクリーニングにより、精神科又は心療内科への紹介が必要であると認められる患者をいう。

(2) 診療及び療養上必要な指導においては、患者の心身の不調に配慮するとともに、当該患者の生活上の課題等について聴取し、その要点を診療録に記載すること。

(3) 当該患者に対する2回目以降の診療等においては、連携する精神科又は心療内科を担当する医師から提供された当該患者に係る診療情報等を踏まえ、適切な診療及び療養上必要な指導に努めること。また、2回目以降の診療等に関し、連携する精神科又は心療内科を担当する医師に対して文書による情報提供を行うことは必ずしも要しないが、あらかじめ定められた方法で、情報共有を行うこと。

(4) 初回の診療等における他の保険医療機関への文書の提供に係る区分番号「B009」に掲げる診療情報提供料(Ⅰ)の費用は、別に算定できない。

(5) 必要に応じて、当該患者の同意を得た上で、当該患者に係る情報を市町村等に提供すること。

B005-13こころの連携指導料(Ⅱ)500点

注 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、入院中の患者以外の患者であって、区分番号B005-12に掲げるこころの連携指導料(Ⅰ)を算定し、当該保険医療機関に紹介されたものに対して、精神科又は心療内科を担当する医師が、診療及び療養上必要な指導を行い、当該患者の同意を得て、当該患者を紹介した医師に対して当該患者に係る診療情報の文書による提供等を行った場合に、初回算定日の属する月から起算して1年を限度として、患者1人につき月1回に限り算定する。

 通知
(1) 当該指導料は、連携体制を構築しているかかりつけ医等からの診療情報等を活用し、患者の心身の不調に対し早期に専門的に対応することを評価したものである。

(2) 当該患者に対する2回目以降の診療等については、当該患者を紹介した医師に対して文書による情報提供を行うことは必ずしも要しないが、あらかじめ定められた方法で、情報共有を行うこと。

(3) 初回の診療等における他の保険医療機関への文書の提供に係る区分番号「B009」に掲げる診療情報提供料(Ⅰ)及び区分番号「B011」に掲げる連携強化診療情報提供料の費用は、別に算定できない。

(4) 必要に応じて、当該患者の同意を得た上で、当該患者に係る情報を市町村等に提供すること。

B006 救急救命管理料 500点

注1 患者の発生した現場に保険医療機関の救急救命士が赴いて必要な処置等を行った場合において、当該救急救命士に対して必要な指示を行った場合に算定する。

2 救急救命士が行った処置等の費用は、所定点数に含まれるものとする。

 通知
(1) 保険医療機関に所属する救急救命士に対して、必要な指示等を行った医師の所属する保険医療機関において算定する。

(2) 救急救命士の行った処置等の費用は、所定点数に含まれ別に算定できない。

(3) 救急救命士の所属する保険医療機関と指示等を行った医師の所属する保険医療機関が異なる場合においても、当該指示等を行った医師の所属する保険医療機関において算定する。

(4) 医師が救急救命士に指示を行ったのみで、診察をしていない場合には、救急救命管理料のみを算定し、区分番号「A000」初診料、区分番号「A001」再診料又は区分番号「A002」外来診療料は算定できない。

B006-2 削除

B006-3 退院時リハビリテーション指導料 300点

注 患者の退院時に当該患者又はその家族等に対して、退院後の在宅での基本的動作能力若しくは応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るための訓練等について必要な指導を行った場合に算定する。この場合において、同一日に、区分番号B005に掲げる退院時共同指導料2(注1の規定により、入院中の保険医療機関の理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が指導等を行った場合に限る。)は、別に算定できない。

 通知
(1) 退院時リハビリテーション指導料は、入院していた患者の退院に際し、患者の病状、患家の家屋構造、介護力等を考慮しながら、患者又はその家族等退院後患者の看護に当たる者に対して、リハビリテーションの観点から退院後の療養上必要と考えられる指導を行った場合に算定する。

(2) 退院時リハビリテーション指導料は、指導を行った者及び指導を受けたものが患者又はその家族等であるかの如何を問わず、退院日に1回に限り算定する。

(3) 当該患者の入院中主として医学的管理を行った医師又はリハビリテーションを担当した医師が、患者の退院に際し、指導を行った場合に算定する。なお、医師の指示を受けて、保険医療機関の理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が保健師、看護師、社会福祉士、精神保健福祉士とともに指導を行った場合にも算定できる。

(4) 指導の内容は、患者の運動機能及び日常生活動作能力の維持及び向上を目的として行う体位変換、起座又は離床訓練、起立訓練、食事訓練、排泄訓練、生活適応訓練、基本的対人関係訓練、家屋の適切な改造、患者の介助方法、患者の居住する地域において利用可能な在宅保健福祉サービスに関する情報提供等に関する指導とする。

(5) 指導(又は指示)内容の要点を診療録等に記載する。(6)死亡退院の場合は、算定できない。

B007 退院前訪問指導料 580点

注1 入院期間が1月を超えると見込まれる患者の円滑な退院のため、患家を訪問し、当該患者又はその家族等に対して、退院後の在宅での療養上の指導を行った場合に、当該入院中1回(入院後早期に退院前訪問指導の必要があると認められる場合は、2回)に限り算定する。

2 注1に掲げる指導に要した交通費は、患家の負担とする。

 通知
(1) 退院前訪問指導料は、継続して1月を超えて入院すると見込まれる入院患者の円滑な退院のため、入院中(外泊時を含む。)又は退院日に患家を訪問し、患者の病状、患家の家屋構造、介護力等を考慮しながら、患者又はその家族等退院後に患者の看護に当たる者に対して、退院後の在宅での療養上必要と考えられる指導を行った場合に算定する。なお、入院期間は暦月で計算する。

(2) 退院前訪問指導料は、指導の対象が患者又はその家族等であるかの如何を問わず、1回の入院につき1回を限度として、指導の実施日にかかわらず、退院日に算定する。ただし、入院後早期(入院後14日以内とする。)に退院に向けた訪問指導の必要性を認めて訪問指導を行い、かつ在宅療養に向けた最終調整を目的として再度訪問指導を行う場合に限り、指導の実施日にかかわらず退院日に2回分を算定する。

(3) 退院前訪問指導料は、退院して家庭に復帰する患者が算定の対象であり、特別養護老人ホーム等医師又は看護師等が配置されている施設に入所予定の患者は算定の対象としない。

(4) 医師の指示を受けて保険医療機関の保健師、看護師、理学療法士、作業療法士等が訪問し、指導を行った場合にも算定できる。

(5) 指導又は指示内容の要点を診療録等に記載する。

(6) 退院前訪問指導に当たっては、当該保険医療機関における看護業務等に支障をきたすことのないよう留意する。

(7) 保険医療機関は、退院前訪問指導の実施に当たっては、市町村の実施する訪問指導事業等関連事業との連携に十分配意する。

B007-2 退院後訪問指導料 580点

注1 当該保険医療機関が、保険医療機関を退院した別に厚生労働大臣が定める状態の患者の地域における円滑な在宅療養への移行及び在宅療養の継続のため、患家等を訪問し、当該患者又はその家族等に対して、在宅での療養上の指導を行った場合に、当該患者が退院した日から起算して1月(退院日を除く。)を限度として、5回に限り算定する。

2 在宅療養を担う訪問看護ステーション又は他の保険医療機関の保健師、助産師、看護師又は准看護師と同行し、必要な指導を行った場合には、訪問看護同行加算として、退院後1回に限り、20点を所定点数に加算する。

3 注1及び注2に掲げる指導に要した交通費は、患家の負担とする。

 通知
(1) 退院後訪問指導料は、医療ニーズが高い患者が安心・安全に在宅療養に移行し、在宅療養を継続できるようにするために、患者が入院していた保険医療機関(以下この区分において「入院保険医療機関」という。)が退院直後において行う訪問指導を評価するものである。

(2) 退院後訪問指導料は、入院保険医療機関の医師又は当該医師の指示を受けた当該保険医療機関の保健師、助産師又は看護師が患家、介護保険施設又は指定障害者支援施設等において患者又はその家族等の患者の看護に当たる者に対して、在宅での療養上必要な指導を行った場合に算定する。ただし、介護老人保健施設に入所中又は医療機関に入院中の患者は算定の対象としない。

(3) 指導又は指示内容の要点を診療録等に記載する。

(4) 退院後訪問指導に当たっては、当該保険医療機関における看護業務等に支障をきたすことのないよう留意する。

(5) 「注2」に規定する訪問看護同行加算は、当該患者の在宅療養を担う訪問看護ステーション又は他の保険医療機関の看護師等と同行して患家等を訪問し、当該看護師等への技術移転又は療養上必要な指導を行った場合に算定する。

(6) 退院後訪問指導料を算定した場合は、同一の保険医療機関において、区分番号「I016」精神科在宅患者支援管理料は算定できない。

(7) 退院後訪問指導料を算定した日においては、区分番号「C013」在宅患者訪問褥瘡管理指導料は算定できない。

(8) 退院後訪問指導料を算定した日においては、同一の保険医療機関及び特別の関係にある保険医療機関は、区分番号「C000」往診料、区分番号「C001」在宅患者訪問診療料(Ⅰ)、区分番号「C001-2」在宅患者訪問診療料(Ⅱ)、区分番号「C005」在宅患者訪問看護・指導料、区分番号「C005-1-2」同一建物居住者訪問看護・指導料、区分番号「I012」精神科訪問看護・指導料を算定できない。ただし、退院後訪問指導を行った後、患者の病状の急変等により、往診を行った場合の往診料の算定については、この限りではない。

B008 薬剤管理指導料

1 特に安全管理が必要な医薬品が投薬又は注射されている患者の場合 380点

2 1の患者以外の患者の場合 325点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関に入院している患者ち、1については別に厚生労働大臣が定める患者に対して、2についてはそれ以外の患者に対して、それぞれ投薬又は注射及び薬学的管理指導を行った場合は、当該患者に係る区分に従い、患者1人につき週1回かつ月4回に限り算定する。

2 麻薬の投薬又は注射が行われている患者に対して、麻薬の使用に関し、必要な薬学的管理指導を行った場合は、麻薬管理指導加算として、1回につき50点を所定点数に加算する。

 通知
(1) 薬剤管理指導料は、当該保険医療機関の薬剤師が医師の同意を得て薬剤管理指導記録に基づき、直接服薬指導、服薬支援その他の薬学的管理指導(処方された薬剤の投与量、投与方法、投与速度、相互作用、重複投薬、配合変化、配合禁忌等に関する確認並びに患者の状態を適宜確認することによる効果、副作用等に関する状況把握を含む。)を行った場合に週1回に限り算定できる。

また、薬剤管理指導料の算定対象となる小児及び精神障害者等については、必要に応じて、その家族等に対して服薬指導等を行った場合であっても算定できる。

なお、施設基準を満たしていても、上記要件に該当しない場合にあっては、区分番号「F500」調剤技術基本料の「1」により算定する。

(2) 薬剤管理指導料の「1」は、抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤、不整脈用剤、抗てんかん剤、血液凝固阻止剤(内服薬に限る。)、ジギタリス製剤、テオフィリン製剤、カリウム製剤(注射薬に限る。)、精神神経用剤、糖尿病用剤、膵臓ホルモン剤又は抗HIV薬が投薬又は注射されている患者に対して、これらの薬剤に関し、薬学的管理指導を行った場合に算定する。なお、具体的な対象薬剤については、その一覧を厚生労働省のホームページに掲載している。

(3) 当該保険医療機関の薬剤師は、過去の投薬・注射及び副作用発現状況等を患者又はその家族等から聴取し、当該医療機関及び可能な限り他の医療機関における投薬及び注射に関する基礎的事項を把握する。

(4) 薬剤管理指導料の算定日を診療報酬明細書の摘要欄に記載する。

(5) 当該保険医療機関の薬剤師が患者ごとに作成する薬剤管理指導記録には、次の事項を記載し、最後の記入の日から最低3年間保存する。

患者の氏名、生年月日、性別、入院年月日、退院年月日、診療録の番号、投薬・注射歴、副作用歴、アレルギー歴、薬学的管理指導の内容、患者への指導及び患者からの相談事項、薬剤管理指導等の実施日、記録の作成日及びその他の事項

なお、薬剤管理指導記録を診療録等とともに管理する場合にあっては、上記の記載事項のうち、重複する項目については、別途記録の作成を要しない。また、薬剤管理指導記録に添付が必要な文書等を別途保存することは差し支えないが、この場合にあっては、薬剤管理指導記録と当該文書等を速やかに突合できるような管理体制を整備すること。

(6) 「注2」の麻薬管理指導加算は、当該指導料を算定している患者のうち、麻薬が投与されている患者に対して、投与される麻薬の服用に関する注意事項等に関し、必要な薬学的管理指導を行った場合に算定する。

(7) 薬剤管理指導料を算定している患者に投薬された医薬品について、当該保険医療機関の薬剤師が以下の情報を知ったときは、原則として当該薬剤師は、速やかに当該患者の診療を担う保険医に対し、当該情報を文書により提供するとともに、当該保険医に相談の上、必要に応じ、患者に対する薬学的管理指導を行うものとする。

ア 緊急安全性情報、安全性速報

イ 医薬品・医療機器等安全性情報

(8) 「注2」の麻薬管理指導加算の算定に当たっては、前記の薬剤管理指導記録に少なくとも次の事項についての記載がされていなければならない。

ア 麻薬に係る薬学的管理指導の内容(麻薬の服薬状況、疼痛緩和の状況等)

イ 麻薬に係る患者への指導及び患者からの相談事項

ウ その他麻薬に係る事項

(9) 薬剤管理指導及び麻薬管理指導を行った場合は、必要に応じ、その要点を文書で医師に提供すること。

B008-2 薬剤総合評価調整管理料250点

注1 入院中の患者以外の患者であって、6種類以上の内服薬(特に規定するものを除く。)が処方されていたものについて、当該処方の内容を総合的に評価及び調整し、当該患者に処方する内服薬が2種類以上減少した場合に、月1回に限り所定点数を算定する。

2 処方の内容の調整に当たって、別の保険医療機関又は保険薬局に対して、照会又は情報提供を行った場合、連携管理加算として、50点を所定点数に加算する。ただし、連携管理加算を算定した場合において、区分番号B009に掲げる診療情報提供料(Ⅰ)(当該別の保険医療機関に対して患者の紹介を行った場合に限る。)は同一日には算定できない。

3 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、薬剤総合評価調整管理料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、所定点数に代えて、218点を算定する。

 通知
(1) 薬剤総合評価調整管理料は、内服を開始して4週間以上経過した内服薬が6種類以上処方されている入院中の患者以外の患者に対して、複数の薬剤の投与により期待される効果と副作用の可能性等について、当該患者の病状及び生活状況等に伴う服薬アドヒアランスの変動等について十分に考慮した上で、総合的に評価を行い、処方内容を検討した結果、処方される内服薬が減少した場合について評価したものである。

(2) 薬剤総合評価調整管理料は、当該保険医療機関で処方された内服薬の種類数が2種類以上減少し、その状態が4週間以上継続すると見込まれる場合に算定する。ただし、他の保険医療機関から投薬を受けていた患者については、当該保険医療機関及び当該他の保険医療機関で処方された内服薬を合計した種類数から2種類以上減少した場合については、区分番号「A250」に掲げる薬剤総合評価調整加算と合わせて、1か所の保険医療機関に限り算定できることとする。この場合には当該他の保険医療機関名及び各保険医療機関における調整前後の薬剤の種類数を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。また、保険薬局からの提案を踏まえて、処方内容の評価を行い、処方内容を調整した場合には、その結果について当該保険薬局に情報提供を行う。

(3) 連携管理加算は、処方内容の総合調整に当たって、薬効の類似した処方又は相互作用を有する処方等について、患者が受診する他の保険医療機関又は保険薬局に照会を行った場合及び当該他の保険医療機関等からの情報提供を受けて、処方内容の調整又は評価を行い、その結果について当該他の保険医療機関等に情報提供を行った場合に算定する。

(4) 受診時において当該患者が処方されている内服薬のうち、屯服薬については内服薬の種類数から除外する。また、服用を開始して4週間以内の薬剤については、調整前の内服薬の種類数から除外する。

(5) 当該管理料の算定における内服薬の種類数の計算に当たっては、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤及び液剤については、1銘柄ごとに1種類として計算する。

(6) 医師が内服薬を総合的に評価及び調整するに際しては、「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」(厚生労働省)、「高齢者の医薬品適正使用の指針(各論編(療養環境別))」(厚生労働省)、日本老年医学会の関連ガイドライン(高齢者の安全な薬物療法ガイドライン)等を参考にすること。

(7) 医師が内服薬を調整するに当たっては、評価した内容や調整の要点を診療録に記載する。

(8) 当該保険医療機関で区分番号「A250」の「注2」に掲げる薬剤調整加算又は薬剤総合評価調整管理料を1年以内に算定した場合においては、前回の算定に当たって減少した後の内服薬の種類数から更に2種類以上減少しているときに限り新たに算定することができる。

(9) 「注3」に規定する情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する。

B009 診療情報提供料(Ⅰ)250点

注1 保険医療機関が、診療に基づき、別の保険医療機関での診療の必要を認め、これに対して、患者の同意を得て、診療状況を示す文書を添えて患者の紹介を行った場合に、紹介先保険医療機関ごとに患者1人につき月1回に限り算定する。

2 保険医療機関が、診療に基づき患者の同意を得て、当該患者の居住地を管轄する市町村又は介護保険法第46条第1項に規定する指定居宅介護支援事業者、同法第58条第1項に規定する指定介護予防支援事業者、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第51条の17第1項第1号に規定する指定特定相談支援事業者、児童福祉法第24条の26第1項第1号に規定する指定障害児相談支援事業者等に対して、診療状況を示す文書を添えて、当該患者に係る保健福祉サービスに必要な情報を提供した場合に、患者1人につき月1回に限り算定する。

3 保険医療機関が、診療に基づき保険薬局による在宅患者訪問薬剤管理指導の必要を認め、在宅での療養を行っている患者であって通院が困難なものの同意を得て、当該保険薬局に対して、診療状況を示す文書を添えて、当該患者に係る在宅患者訪問薬剤管理指導に必要な情報を提供した場合に、患者1人につき月1回に限り算定する。

4 保険医療機関が、精神障害者である患者であって、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に規定する障害福祉サービスを行う施設又は福祉ホーム(以下「精神障害者施設」という。)に入所若しくは通所しているもの又は介護老人保健施設に入所しているものの同意を得て、当該精神障害者施設又は介護老人保健施設に対して、診療状況を示す文書を添えて、当該患者の社会復帰の促進に必要な情報を提供した場合に、患者1人につき月1回に限り算定する。

5 保険医療機関が、診療に基づき患者の同意を得て、介護老人保健施設又は介護医療院に対して、診療状況を示す文書を添えて患者の紹介を行った場合に、患者1人につき月1回に限り算定する。

6 保険医療機関が、認知症の状態にある患者について、診断に基づき認知症に関する専門の保険医療機関等での鑑別診断等の必要を認め、当該患者又はその家族等の同意を得て、認知症に関する専門の保険医療機関等に対して診療状況を示す文書を添えて患者の紹介を行った場合に、患者1人につき月1回に限り算定する。

7 保険医療機関が、児童福祉法第6条の2第3項に規定する小児慢性特定疾病医療支援の対象である患者、同法第56条の6第2項に規定する障害児である患者又はアナフィラキシーの既往歴のある患者若しくは食物アレルギー患者について、診療に基づき当該患者又はその家族等の同意を得て、当該患者が通園又は通学する同法第39条第1項に、患者1人につき月1回に限り算定する。規定する保育所又は学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校(大学を除く。)等の学校医等に対して、診療状況を示す文書を添えて、当該患者が学校生活等を送るに当たり必要な情報を提供した場合に

8 保険医療機関が、患者の退院日の属する月又はその翌月に、添付の必要を認め、当該患者の同意を得て、別の保険医療機関、精神障害者施設又は介護老人保健施設若しくは介護医療院に対して、退院後の治療計画、検査結果、画像診断に係る画像情報その他の必要な情報を添付して紹介を行った場合は、200点を所定点数に加算する。

9 区分番号B005-4に掲げるハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)の施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関が、ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)に規定する別に厚生労働大臣が定める状態等の患者の同意を得て、検査結果、画像診断に係る画像情報その他の必要な情報を添付してハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)に規定する別の保険医療機関に対して紹介を行った場合は、ハイリスク妊婦紹介加算として、当該患者の妊娠中1回に限り200点を所定点数に加算する。

10 保険医療機関が、認知症の疑いのある患者について専門医療機関での鑑別診断等の必要を認め、当該患者又はその家族等の同意を得て、当該専門医療機関に対して、診療状況を示す文書を添えて、患者の紹介を行った場合は、認知症専門医療機関紹介加算として、100点を所定点数に加算する。

11 保険医療機関が、認知症の専門医療機関において既に認知症と診断された患者であって入院中の患者以外のものについて症状が増悪した場合に、当該患者又はその家族等の同意を得て、当該専門医療機関に対して、診療状況を示す文書を添えて当該患者の紹介を行った場合は、認知症専門医療機関連携加算として、50点を所定点数に加算する。

12 精神科以外の診療科を標榜する保険医療機関が、入院中の患者以外の患者について、うつ病等の精神障害の疑いによりその診断治療等の必要性を認め、当該患者の同意を得て、精神科を標榜する別の保険医療機関に当該患者が受診する日の予約を行った上で患者の紹介を行った場合は、精神科医連携加算として、200点を所定点数に加算する。

13 保険医療機関が、治療計画に基づいて長期継続的にインターフェロン治療が必要な肝炎の患者であって入院中の患者以外のものの同意を得て、当該保険医療機関と連携して治療を行う肝疾患に関する専門医療機関に対して、治療計画に基づく診療状況を示す文書を添えて当該患者の紹介を行った場合は、肝炎インターフェロン治療連携加算として、50点を所定点数に加算する。

14 保険医療機関が、患者の口腔機能の管理の必要を認め、歯科診療を行う他の保険医療機関に対して、患者又はその家族等の同意を得て、診療情報を示す文書を添えて、当該患者の紹介を行った場合は、歯科医療機関連携加算1として、100点を所定点数に加算する。

15 保険医療機関が、周術期等における口腔機能管理の必要を認め、患者又はその家族等の同意を得て、歯科を標榜する他の保険医療機関に当該患者が受診する日の予約を行った上で当該患者の紹介を行った場合は、歯科医療機関連携加算2として100点を所定点数に加算する。

16 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関が、患者の退院日の属する月又はその翌月に、連携する保険医療機関において区分番号A246の注4に掲げる地域連携診療計画加算を算定して当該連携保険医療機関を退院した患者(あらかじめ共有されている地域連携診療計画に係る入院中の患者以外の患者に限る。)の同意を得て、当該連携保険医療機関に対して、診療状況を示す文書を添えて当該患者の地域連携診療計画に基づく療養に係る必要な情報を提供した場合に、地域連携診療計画加算として、50点を所定点数に加算する。

17 保険医療機関が、患者の同意を得て、当該患者が入院又は入所する保険医療機関又は介護老人保健施設若しくは介護医療院に対して文書で診療情報を提供する際、当該患者に対して定期的に訪問看護を行っている訪問看護ステーションから得た療養に係る情報を添付して紹介を行った場合は、療養情報提供加算として、50点を所定点数に加算する。

18 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関が、患者の紹介を行う際に、検査結果、画像情報、画像診断の所見、投薬内容、注射内容、退院時要約等の診療記録ち主要なものについて、他の保険医療機関に対し、電子的方法により閲覧可能な形式で提供した場合又は電子的に送受される診療情報提供書に添付した場合に、検査・画像情報提供加算として、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。ただし、イについては、注8に規定する加算を算定する場合は算定しない。

イ 退院する患者について、当該患者の退院日の属する月又はその翌月に、必要な情報を提供した場合 200点

ロ 入院中の患者以外の患者について、必要な情報を提供した場合 30点

 通知
(1) 診療情報提供料(Ⅰ)は、医療機関間の有機的連携の強化及び医療機関から保険薬局又は保健・福祉関係機関への診療情報提供機能の評価を目的として設定されたものであり、両者の患者の診療に関する情報を相互に提供することにより、継続的な医療の確保、適切な医療を受けられる機会の増大、医療・社会資源の有効利用を図ろうとするものである。

(2) 保険医療機関が、診療に基づき他の機関での診療の必要性等を認め、患者に説明し、その同意を得て当該機関に対して、診療状況を示す文書を添えて患者の紹介を行った場合に算定する。

(3) 紹介に当たっては、事前に紹介先の機関と調整の上、下記の紹介先機関ごとに定める様式又はこれに準じた様式の文書に必要事項を記載し、患者又は紹介先の機関に交付する。また、交付した文書の写しを診療録に添付するとともに、診療情報の提供先からの当該患者に係る問い合わせに対しては、懇切丁寧に対応するものとする。

ア イ、ウ及びエ以外の場合別紙様式11又は別紙様式11の2

イ 市町村又は指定居宅介護支援事業者等別紙様式12から別紙様式12の4まで

ウ 介護老人保健施設又は介護医療院別紙様式13

エ 保育所等又は幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、高等専門学校若しくは専修学校

別紙様式14の1から別紙様式14の3まで(4)当該情報を提供する保険医療機関と特別の関係にある機関に情報提供が行われた場合や、市町村等が開設主体である保険医療機関が当該市町村等に対して情報提供を行った場合は算定できない。

(5) A保険医療機関には、検査又は画像診断の設備がないため、B保険医療機関(特別の関係にあるものを除く。)に対して、診療状況を示す文書を添えてその実施を依頼した場合には、診療情報提供料(Ⅰ)は算定できる。

(6) (5)の場合において、B保険医療機関が単に検査又は画像診断の設備の提供にとどまる場合には、B保険医療機関においては、診療情報提供料(Ⅰ)、初診料、検査料、画像診断料等は算定できない。なお、この場合、検査料、画像診断料等を算定するA保険医療機関との間で合議の上、費用の精算を行うものとする。

(7) (5)の場合において、B保険医療機関が、検査又は画像診断の判読も含めて依頼を受け、その結果をA保険医療機関に文書により回答した場合には、診療情報提供料(Ⅰ)を算定できる。なお、この場合に、B保険医療機関においては、初診料、検査料、画像診断料等を算定でき、A保険医療機関においては検査料、画像診断料等は算定できない。

(8) 提供される情報の内容が、患者に対して交付された診断書等であって、当該患者より自費を徴収している場合、意見書等であって、意見書の交付について診療報酬又は公費で既に相応の評価が行われている場合には、診療情報提供料(Ⅰ)は算定できない。

(9) 下記のア、イの場合については、患者1人につき月1回に限り、所定点数を算定する。また、いずれの場合も診療情報の提供に当たって交付した文書の写しを診療録に添付する。

ア 区分番号「C001」在宅患者訪問診療料(Ⅰ)又は区分番号「C001-2」在宅患者訪問診療料(Ⅱ)を算定すべき訪問診療を行っている保険医療機関が、患者の同意を得て、診療の日から2週間以内に、当該患者に対して継続して区分番号「C005」在宅患者訪問看護・指導料又は区分番号「C005-1-2」同一建物居住者訪問看護・指導料を算定すべき看護若しくは指導又は区分番号「C006」在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料を算定すべき指導管理を行っている別の保険医療機関に対して、診療日、診療内容、患者の病状、日常生活動作能力等の診療情報を示す文書を添えて、当該患者に係る療養上必要な情報を提供した場合

イ 区分番号「C005」在宅患者訪問看護・指導料又は区分番号「C005-1-2」同一建物居住者訪問看護・指導料を算定すべき看護若しくは指導又は区分番号「C006」在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料を算定すべき指導管理を行っている保険医療機関が、患者の同意を得て、診療の日から2週間以内に、別の保険医療機関に対して、病歴、診療内容、患者の病状等の診療状況を示す文書を添えて、当該患者に係る療養上必要な情報を提供した場合

(10) 診療情報の提供に当たり、レントゲンフィルム等をコピーした場合には、当該レントゲンフィルム等及びコピーに係る費用は当該情報提供料に含まれ、別に算定できない。

(11) 「注2」に掲げる「市町村又は介護保険法第46条第1項に規定する指定居宅介護支援事業者、同法第58条第1項に規定する指定介護予防支援事業者、障害者総合支援法第51条の17第1項第1号に規定する指定特定相談支援事業者、児童福祉法第24条の26第1項第1号に規定する指定障害児相談支援事業者等」とは、当該患者の居住地を管轄する市町村(特別区を含む。以下同じ。)、保健所若しくは精神保健福祉センター、児童相談所、指定居宅介護支援事業者、指定介護予防支援事業者若しくは地域包括支援センター又は指定特定相談支援事業者若しくは指定障害児相談支援事業者をいう(以下「指定居宅介護支援事業者等」という。)。また、「保健福祉サービスに必要な情報」とは、当該患者に係る健康教育、健康相談、機能訓練、訪問指導等の保健サービス又はホームヘルプサービス、ホームケア促進事業、ショートステイ、デイサービス、日常生活用具の給付等の介護保険の居宅サービス若しくは福祉サービスを有効かつ適切に実施するために必要な診療並びに家庭の状況に関する情報をいう。

(12) 「注2」に掲げる「市町村」又は「指定居宅介護支援事業者等」に対する診療情報提供は、入院患者については、退院時に患者の同意を得て退院の日の前後2週間以内の期間に診療情報の提供を行った場合にのみ算定する。ただし、退院前に算定する場合、介護支援等連携指導料を算定した患者については算定できない。また、「市町村」又は「指定居宅介護支援事業者等」に対する診療情報提供においては、自宅に復帰する患者が対象であり、別の保険医療機関、社会福祉施設、介護老人保健施設等に入院若しくは入所する患者又は死亡退院した患者についてその診療情報を市町村又は指定居宅介護支援事業者等に提供しても、区分番号「B009」診療情報提供料(Ⅰ)の算定対象とはならない。

(13) 「注3」については、在宅での療養を行っている疾病、負傷のため通院困難な患者(以下「在宅患者」という。)に対して、適切な在宅医療を確保するため、当該患者の選択する保険薬局の保険薬剤師が、訪問薬剤管理指導を行う場合であって、当該患者又はその看護等に当たる者の同意を得た上で、当該保険薬局に対して処方箋又はその写しに添付して、当該患者の訪問薬剤管理指導に必要な診療情報を提供した場合に算定する。この場合において、交付した文書の他、処方箋の写しを診療録に添付する。

なお、処方箋による訪問薬剤管理指導の依頼のみの場合は診療情報提供料(Ⅰ)は算定できない。

(14) 「注4」については、精神障害者である患者であって、次に掲げる施設に入所している患者又は介護老人保健施設(当該保険医療機関と同一の敷地内にある介護老人保健施設その他これに準ずる介護老人保健施設を除く。「注5」において同じ。)に入所している患者の診療を行っている保険医療機関が、診療の結果に基づき、患者の同意を得て、当該患者が入所しているこれらの施設に対して文書で診療情報を提供した場合に算定する。

ア グループホーム(障害者総合支援法第5条第17項に規定する共同生活援助を行う事業所をいう。)

イ 障害者支援施設(障害者総合支援法第5条第11項に規定する障害者支援施設をいい、日中活動として同条第7項に規定する生活介護を行うものを除く。)

ウ 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行規則(平成18年厚生労働省令第19号)第6条の7第2号に規定する自立訓練(生活訓練)を行う事業所

エ 障害者総合支援法第5条第13項に規定する就労移行支援を行う事業所オ障害者総合支援法第5条第14項に規定する就労継続支援を行う事業所カ障害者総合支援法第5条第28項に規定する福祉ホーム

(15) 「注6」に掲げる「認知症に関する専門の保険医療機関等」とは、「認知症施策等総合支援事業の実施について」(平成26年7月9日老発0709第3号(一部改正、平成27年6月26日老発0626第3号)老健局長通知)に規定されている認知症疾患医療センターであること。

(16) 「注7」に掲げる児童福祉法第6条の2第3項に規定する小児慢性特定疾病医療支援の対象患者又は同法第56条の6第2項に規定する、人工呼吸器を装着している障害児その他の日常生活を営むために医療を要する状態にある障害児である患者については、当該患者が通園又は通学する学校等の学校医等に対して、当該学校等において当該患者(18歳に達する日以後最初の3月31日以前の患者をいう)が生活するに当たり看護職員が実施する診療の補助に係る行為について、学校医等が指導、助言等を行うに当たり必要な診療情報を提供した場合に算定する。

なお、当該患者の診療情報に係る文書を交付する場合にあっては、患者又は家族等を介して当該学校等に交付できるものであること。

(17) 「注7」に掲げるアナフィラキシーの既往歴のある患者若しくは食物アレルギー患者については、保険医療機関が交付する生活管理指導表のアナフィラキシーありに該当する患者若しくは食物アレルギーあり(除去根拠のうち、食物経口負荷試験陽性又は明らかな症状の既往及びIgE抗体等検査結果陽性に該当する者に限る。)に該当する患者であって、当該患者が通園又は通学する学校等の学校医等に対して、当該学校等において当該患者(18歳に達する日以後最初の3月31日以前の患者をいう)が生活するに当たり必要な診療情報や学校生活上の留意点等を記載した生活管理指導表を交付した場合に算定する。

なお、アナフィラキーの既往歴のある患者若しくは食物アレルギー患者に生活管理指導表を交付する場合にあっては、患者又は家族等を介して当該学校等に交付できるものであること。ただし、食物アレルギー患者については、当該学校等からの求めに応じて交付するものであること。

(18) 「注7」に掲げる「学校等」とは、児童福祉法第39条第1項に規定する保育所、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成18年法律第77号)第2条第6項に規定する認定こども園、児童福祉法第6条の3第9項に規定する家庭的保育事業を行う者、同条第10項に規定する小規模保育事業を行う者及び同条第12項に規定する事業所内保育事業を行う者並びに学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、高等専門学校及び同法第124条に規定する専修学校をいう。

(19) 「注7」に掲げる「学校医等」とは、当該学校等の学校医、嘱託医又は当該学校等が医療的ケアについて助言や指導を得るために委嘱する医師をいう。

(20) 「注7」については、当該保険医療機関の主治医と学校医等が同一の場合は算定できない。

(21) 「注8」に掲げる退院患者の紹介に当たっては、心電図、脳波、画像診断の所見等診療上必要な検査結果、画像情報等及び退院後の治療計画等を添付すること。また、添付した写し又はその内容を診療録に添付又は記載すること。なお、算定対象が介護老人保健施設又は介護医療院である場合は、当該加算を算定した患者にあっては、その後6か月間、当該加算は算定できない。

(22) 「注9」の加算は、区分番号「B005―4」ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)が算定されない場合であっても算定できる。

(23) 「注10」に掲げる「専門医療機関」とは、鑑別診断、専門医療相談、合併症対応、医療情報提供等を行うとともに、かかりつけの医師や介護サービス等との調整を行う保険医療機関であること。

(24) 「注11」に規定する認知症専門医療機関連携加算は、区分番号「B005-7」に掲げる認知症専門診断管理料2を算定する専門医療機関において既に認知症と診断された患者が、症状の増悪や療養方針の再検討を要する状態となった場合に、当該専門医療機関に対して、診療状況を示す文書を添えて当該患者の紹介を行った場合に算定する。

(25) 「注12」に規定する精神科医連携加算については、身体症状を訴えて精神科以外の診療科を受診した患者について、当該精神科以外の診療科の医師が、その原因となりうる身体疾患を除外診断した後に、うつ病等の精神疾患を疑い、精神医療の必要性を認め、患者に十分な説明を行い、同意を得て、精神科を標榜する別の保険医療機関の精神科に当該患者が受診する日(紹介した日より1月間以内とし、当該受診日を診療録に記載すること。)について予約を行った上で、患者の紹介を行った場合に算定する。

(26) 「注13」に規定する肝炎インターフェロン治療連携加算は、区分番号「B005-8」に掲げる肝炎インターフェロン治療計画料を算定する専門医療機関において作成された治療計画に基づいて行った診療の状況を示す文書を添えて、当該専門医療機関に対して当該患者の紹介を行った場合に算定する。

(27) 「注14」に規定する歯科医療機関連携加算1は、保険医療機関(歯科診療を行う保険医療機関を除く。)が、歯科を標榜する保険医療機関に対して、当該歯科を標榜する保険医療機関において口腔内の管理が必要であると判断した患者に関する情報提供を、以下のア又はイにより行った場合に算定する。なお、診療録に情報提供を行った歯科医療機関名を記載すること。

ア 歯科を標榜していない病院が、医科点数表第2章第10部手術の第1節第6款、第7款及び第9款に掲げる悪性腫瘍手術(病理診断により悪性腫瘍であることが確認された場合に限る。)又は第8款に掲げる心・脈管系(動脈・静脈を除く。)の手術、人工関節置換術若しくは人工関節再置換術(股関節に対して行うものに限る。)又は造血幹細胞移植の手術を行う患者について、手術前に歯科医師による周術期口腔機能管理の必要性を認め、歯科を標榜する保険医療機関に対して情報提供を行った場合

イ 医科の保険医療機関又は医科歯科併設の保険医療機関の医師が、歯科訪問診療の必要性を認めた患者について、在宅歯科医療を行う、歯科を標榜する保険医療機関に対して情報提供を行った場合

(28) 「注15」に規定する歯科医療機関連携加算2については、(27)のアによる情報提供を行う際に、患者に十分な説明を行い、同意を得て、歯科を標榜する他の保険医療機関に当該患者が受診する日(手術前に必要な歯科診療を行うことができる日とし、当該受診日を診療録に記載すること。)について予約を行った場合に算定する。なお、「注14」に規定する歯科医療機関連携加算1と併せて算定することができる。

(29) 「注16」に規定する地域連携診療計画加算は、あらかじめ地域連携診療計画を共有する連携保険医療機関において、区分番号「A246」の注4に掲げる地域連携診療計画加算を算定して退院した入院中の患者以外の患者について、地域連携診療計画に基づく療養を提供するとともに、患者の同意を得た上で、退院時の患者の状態や在宅復帰後の患者の状況等について、退院の属する月又はその翌月までに当該連携保険医療機関に対して情報提供を行った場合に算定する。

(30) 「注17」に規定する療養情報提供加算は、在宅で療養を行う患者の診療を担う保険医療機関が、当該患者が入院又は入所する他の保険医療機関、介護老人保健施設又は介護医療院(以下この区分において「保険医療機関等」という。)に対し患者の紹介を行う際に、当該患者に訪問看護を行っている訪問看護ステーションから得た訪問看護に係る情報を診療情報提供書に添付し、当該患者の保険医療機関等への入院又は入所後速やかに情報提供を行った場合に算定する。なお、訪問看護ステーションからの情報を添付し保険医療機関等へ診療情報を提供した際は、その旨を当該訪問看護ステーションに共有すること。

(31) 「注18」に規定する検査・画像情報提供加算は、保険医療機関が、患者の紹介を行う際に、検査結果、画像情報、画像診断の所見、投薬内容、注射内容及び退院時要約等の診療記録のうち主要なもの(少なくとも検査結果及び画像情報を含むものに限る。画像診断の所見を含むことが望ましい。また、イについては、平成30年4月以降は、退院時要約を含むものに限る。)について、①医療機関間で電子的に医療情報を共有するネットワークを通じ他の保険医療機関に常時閲覧可能なよう提供した場合、又は②電子的に送受される診療情報提供書に添付した場合に加算する。なお、多数の検査結果及び画像情報等を提供する場合には、どの検査結果及び画像情報等が主要なものであるかを併せて情報提供することが望ましい。

B009-2 電子的診療情報評価料 30点

注 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関が、別の保険医療機関から診療情報提供書の提供を受けた患者に係る検査結果、画像情報、画像診断の所見、投薬内容、注射内容、退院時要約等の診療記録ち主要なものについて、電子的方法により閲覧又は受信し、当該患者の診療に活用した場合に算定する。

 通知
(1) 電子的診療情報評価料は、別の保険医療機関から診療情報提供書の提供を受けた患者について、同時に電子的方法により提供された検査結果、画像情報、画像診断の所見、投薬内容、注射内容及び退院時要約等のうち主要なものを電子的方法により閲覧又は受信し、当該検査結果等を診療に活用することによって、質の高い診療が効率的に行われることを評価するものである。

(2) 保険医療機関が、他の保険医療機関から診療情報提供書の提供を受けた患者について、検査結果、画像情報、画像診断の所見、投薬内容、注射内容及び退院時要約等のうち主要なもの(少なくとも検査結果及び画像情報を含む場合に限る。)を①医療機関間で電子的に医療情報を共有するネットワークを通じ閲覧、又は②電子的に送付された診療情報提供書と併せて受信し、当該検査結果や画像を評価して診療に活用した場合に算定する。その際、検査結果や画像の評価の要点を診療録に記載する。

(3) 電子的診療情報評価料は、提供された情報が当該保険医療機関の依頼に基づくものであった場合は、算定できない。

(4) 検査結果や画像情報の電子的な方法による閲覧等の回数にかかわらず、区分番号「B009」に掲げる診療情報提供料(Ⅰ)を算定する他の保険医療機関からの1回の診療情報提供に対し、1回に限り算定する。

B010 診療情報提供料(Ⅱ) 500点

注 保険医療機関が、治療法の選択等に関して当該保険医療機関以外の医師の意見を求める患者からの要望を受けて、治療計画、検査結果、画像診断に係る画像情報その他の別の医療機関において必要な情報を添付し、診療状況を示す文書を患者に提供することを通じて、患者が当該保険医療機関以外の医師の助言を得るための支援を行った場合に、患者1人につき月1回に限り算定する。

 通知
(1) 診療情報提供料(Ⅱ)は、診療を担う医師以外の医師による助言(セカンド・オピニオン)を得ることを推進するものとして、診療を担う医師がセカンド・オピニオンを求める患者又はその家族からの申し出に基づき、治療計画、検査結果、画像診断に係る画像情報等、他の医師が当該患者の診療方針について助言を行うために必要かつ適切な情報を添付した診療状況を示す文書を患者又はその家族に提供した場合に算定できるものである。なお、入院中の患者に対して当該情報を提供した場合であっても算定できるものである。

(2) 診療情報提供料(Ⅱ)は、患者又はその家族からの申し出に基づき、診療に関する情報を患者に交付し、当該患者又はその家族が診療を担う医師及び当該保険医療機関に所属する医師以外の医師による助言を求めるための支援を行うことを評価したものであり、医師が別の保険医療機関での診療の必要性を認め、患者の同意を得て行う区分番号「B009」診療情報提供料(Ⅰ)を算定すべき診療情報の提供とは明確に区別されるべきものであること。

(3) 診療情報提供料(Ⅱ)を算定すべき診療情報の提供に当たっては、患者又はその家族からの希望があった旨を診療録に記載する。

(4) 助言を受けた患者又はその家族の希望については、その後の治療計画に十分に反映させるものであること。

B010-2 診療情報連携共有料 120点

注1 歯科診療を担う別の保険医療機関からの求めに応じ、患者の同意を得て、検査結果、投薬内容等を文書により提供した場合に、提供する保険医療機関ごとに患者1人につき3月に1回に限り算定する。

2 区分番号B009に掲げる診療情報提供料(Ⅰ)(同一の保険医療機関に対して紹介を行った場合に限る。)を算定した同一月においては、別に算定できない。

 通知
(1) 診療情報連携共有料は、歯科診療を担う別の保険医療機関との間で情報共有することにより、質の高い診療が効率的に行われることを評価するものであり、歯科診療を担う別の保険医療機関からの求めに応じ、患者の同意を得て、当該患者に関する検査結果、投薬内容等の診療情報を提供した場合に、提供する保険医療機関ごとに3月に1回に限り算定する。

(2) 診療情報を提供するに当たっては、次の事項を記載した文書を作成し、患者又は提供する保険医療機関に交付する。また、交付した文書の写しを診療録に添付すること。

ア 患者の氏名、生年月日、連絡先

イ 診療情報の提供先保険医療機関名

ウ 提供する診療情報の内容(検査結果、投薬内容等)

エ 診療情報を提供する保険医療機関名及び担当医師名

(3) 診療情報連携共有料を算定するに当たっては、歯科診療を担う別の保険医療機関と連携を図り、必要に応じて問い合わせに対応できる体制(窓口の設置など)を確保していること。

(4) 同一の患者について、同一の保険医療機関に対して紹介を行い区分番号「B009」診療情報提供料(Ⅰ)を算定した月においては、診療情報連携共有料は別に算定できない。

B011 連携強化診療情報提供料 150点

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関において、別に厚生労働大臣が定める基準を満たす他の保険医療機関から紹介された患者について、当該患者を紹介した他の保険医療機関からの求めに応じ、患者の同意を得て、診療状況を示す文書を提供した場合(区分番号A000に掲げる初診料を算定する日を除く。ただし、当該医療機関に次回受診する日の予約を行った場合はこの限りでない。)に、提供する保険医療機関ごとに患者1人につき月1回に限り算定する。

2 注1に該当しない場合であって、注1に規定する別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす外来機能報告対象病院等(医療法第30条の18の4第1項第2号の規定に基づき、同法第30条の18の2第1項第1号の厚生労働省令で定める外来医療を提供する基幹的な病院又は診療所として都道府県が公表したものに限る。)である保険医療機関において、他の保険医療機関(許可病床の数が200未満の病院又は診療所に限る。)から紹介された患者について、当該患者を紹介した他の保険医療機関からの求めに応じ、患者の同意を得て、診療状況を示す文書を提供した場合(区分番号A000に掲げる初診料を算定する日を除く。ただし、当該医療機関に次回受診する日の予約を行った場合はこの限りではない。)に、提供する保険医療機関ごとに患者1人につき月1回に限り算定する。

3 注1又は注2に該当しない場合であって、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関において、他の保険医療機関から紹介された患者について、当該患者を紹介した他の保険医療機関からの求めに応じ、患者の同意を得て、診療状況を示す文書を提供した場合(区分番号A000に掲げる初診料を算定する日を除く。ただし、当該医療機関に次回受診する日の予約を行った場合はこの限りではない。)に、提供する保険医療機関ごとに患者1人につき月1回に限り算定する。

4 注1から注3までのいずれにも該当しない場合であって、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関において、他の保険医療機関から紹介された難病の患者に対する医療等に関する法律(平成26年法律第50号)第5条第1項に規定する指定難病の患者又はてんかんの患者(当該疾病が疑われる患者を含む。)について、当該患者を紹介した他の保険医療機関からの求めに応じ、患者の同意を得て、診療状況を示す文書を提供した場合(区分番号A000に掲げる初診料を算定する日を除く。ただし、当該保険医療機関に次回受診する日の予約を行った場合はこの限りではない。)に、提供する保険医療機関ごとに患者1人につき月1回に限り算定する。

5 注1から注4までのいずれにも該当しない場合であって、注1に規定する別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関において、他の保険医療機関から紹介された妊娠中の患者について、当該患者を紹介した他の保険医療機関からの求めに応じ、患者の同意を得て、診療状況を示す文書を提供した場合(区分番号 A000に掲げる初診料を算定する日を除く。ただし、当該医療機関に次回受診する日の予約を行った場合はこの限りでない。)に、提供する保険医療機関ごとに患者1人につき3月に1回(別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関において、産科若しくは産婦人科を標榜する保険医療機関から紹介された妊娠中の患者又は産科若しくは産婦人科を標榜する別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関において、他の保険医療機関から紹介された妊娠中の患者について、診療に基づき、頻回の情報提供の必要を認め、当該患者を紹介した他の保険医療機関に情報提供を行った場合にあっては、月1回)に限り算定する。

6 区分番号B009に掲げる診療情報提供料(Ⅰ)(同一の保険医療機関に対して紹介を行った場合に限る。)を算定した月は、別に算定できない。

 通知
(1) 連携強化診療情報提供料は、かかりつけ医機能を有する保険医療機関、外来機能報告対象病院等(医療法第30条の18の4第1項第2号の規定に基づき、同法第30条の18の2第1項第1号の厚生労働省令で定める外来医療を提供する基幹的な病院として都道府県により公表されたものに限る。)又は難病若しくはてんかんに係る専門的な外来医療を提供する保険医療機関又は産科若しくは産婦人科を標榜する保険医療機関等と他の保険医療機関が連携することで、質の高い診療が効率的に行われることを評価するものであり、他の保険医療機関から紹介された患者について、当該患者を紹介した他の保険医療機関等からの求めに応じ、患者の同意を得て、診療状況を示す文書を提供した場合に、患者1人につき提供する保険医療機関ごとに1月に1回又は3月に1回に限り算定する。

(2) 診療状況を示す文書については、次の事項を記載し、患者又は提供する保険医療機関に交付すること。また、交付した文書の写しを診療録に添付すること。

ア 患者の氏名、生年月日、連絡先

イ 診療情報の提供先保険医療機関名

ウ 診療の方針、患者への指導内容、検査結果、投薬内容その他の診療状況の内容

エ 診療情報を提供する保険医療機関名及び担当医師名

(3) 必要に応じて、紹介元の保険医療機関が「注1」に規定する別に厚生労働大臣が定める基準を満たす保険医療機関であるかを確認すること。

(4) 「次回受診する日の予約を行った場合」については、次回受診する日を診療録に記載すること。なお、予約診療を実施していない保険医療機関については、次回受診する日を決めた上で、次回受診する日を診療録に記載していればよい。

(5) 次回受診する日の予約を行った上で、初診時に連携強化診療情報提供料を算定した場合は、次回受診時に予約に基づく診察による特別の料金の徴収はできない。

(6) 「注5」については、3月に1回に限り算定する。ただし、診療に基づき、頻回の情報提供の必要性を認め、当該患者を紹介した他の保険医療機関に情報提供を行った場合に、月1回に限り算定する。

(7) 同一の患者について、同一の保険医療機関に対して紹介を行い区分番号「B009」診療情報提供料(Ⅰ)を算定した保険医療機関においては、区分番号「B009」診療情報提供料(Ⅰ)を算定した月について、当該患者に対して連携強化診療情報提供料は別に算定できない。

(8) 当該情報を提供する保険医療機関と特別の関係にある保険医療機関に情報提供が行われた場合は算定できない。

B011-2 削除

B011-3 薬剤情報提供料 10点

注1 入院中の患者以外の患者に対して、処方した薬剤の名称、用法、用量、効能、効果、副作用及び相互作用に関する主な情報を文書により提供した場合に、月1回に限り(処方の内容に変更があった場合は、その都度)算定する。

2 注1の場合において、処方した薬剤の名称を当該患者の求めに応じて患者の薬剤服用歴等を経時的に記録する手帳(以下単に「手帳」という。)に記載した場合には、手帳記載加算として、3点を所定点数に加算する。

3 保険薬局において調剤を受けるために処方箋を交付した患者については、算定しない。

 通知
(1) 薬剤情報提供料は入院中の患者以外の患者に対して、処方した薬剤の名称(一般名又は商品名)、用法、用量、効能、効果、副作用及び相互作用に関する主な情報を、当該処方に係る全ての薬剤について、文書(薬袋等に記載されている場合も含む。)により提供した場合に月1回に限り所定点数を算定する。

(2) 「注1」に規定する場合において、さらに、当該患者の求めに応じて薬剤服用歴が経時的に管理できる手帳に、処方した薬剤の名称(一般名又は商品名)、保険医療機関名及び処方年月日を記載した場合には、月1回に限り「注2」に規定する手帳記載加算を算定できる。なお、この場合の「手帳」とは、経時的に薬剤の記録が記入でき、かつ次のアからウまでに掲げる事項を記録する欄がある薬剤の記録用の手帳をいう。

ア 患者の氏名、生年月日、連絡先等患者に関する記録

イ 患者のアレルギー歴、副作用歴等薬物療法の基礎となる記録

ウ 患者の主な既往歴等疾病に関する記録

また、所有している手帳を持参しなかった患者に対して薬剤の名称が記載された簡潔な文書(シール等)を交付した場合は、手帳記載加算を算定できない。

(3) やむを得ない理由により、薬剤の名称に関する情報を提供できない場合は、これに代えて薬剤の形状(色、剤形等)に関する情報を提供することにより算定できる。また、効能、効果、副作用及び相互作用に関する情報については患者が理解しやすい表現であることが必要である。

(4) 同一薬剤であっても、投与目的(効能又は効果)が異なる場合には、当該情報を提供すれば薬剤情報提供料を算定できる。また、類似する効能又は効果を有する薬剤への変更の場合にあっても薬剤情報提供料を算定できる。

(5) 処方の内容に変更があった場合については、その都度薬剤情報提供料を算定できる。ただし、薬剤の処方日数のみの変更の場合は、薬剤情報提供料は算定できない。

(6) 複数の診療科を標榜する保険医療機関において、同一日に2以上の診療科で処方された場合であっても、1回のみの算定とする。

(7) 薬剤情報提供料を算定した場合は、薬剤情報を提供した旨を診療録等に記載する。

B011-4 医療機器安全管理料

1 臨床工学技士が配置されている保険医療機関において、生命維持管理装置を用いて治療を行う場合(1月につき) 100点

2 放射線治療機器の保守管理、精度管理等の体制が整えられている保険医療機関において、放射線治療計画を策定する場合(一連につき) 1,100点

注1 1については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、生命維持管理装置を用いて治療を行った場合に、患者1人につき月1回に限り算定する。

2 2については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、放射線治療が必要な患者に対して、放射線治療計画に基づいて治療を行った場合に算定する。

 通知
(1) 医療機器安全管理料を算定する保険医療機関においては、医療機器の安全使用のための職員研修を計画的に実施するとともに、医療機器の保守点検に関する計画の策定、保守点検の適切な実施及び医療機器の安全使用のための情報収集等が適切に行われていること。

(2) 医療機器安全管理料1は、医師の指示の下に、生命維持管理装置の安全管理、保守点検及び安全使用を行う臨床工学技士を配置した保険医療機関を評価したものであり、当該保険医療機関において、生命維持管理装置を用いて治療を行った場合に1月に1回に限り算定する。

(3) 生命維持管理装置とは、人工心肺装置及び補助循環装置、人工呼吸器、血液浄化装置(人工腎臓を除く。)、除細動装置及び閉鎖式保育器をいう。

(4) 医療機器安全管理料2は、医師の指示の下に、放射線治療機器の安全管理、保守点検及び安全使用のための精度管理を行う体制を評価したものであり、当該保険医療機関において、照射計画に基づく放射線治療が行われた場合、一連の照射につき当該照射の初日に1回に限り算定する。

(5) 放射線治療機器とは、高エネルギー放射線治療装置(直線加速器)及びガンマナイフ装置をいう。

B011-5 がんゲノムプロファイリング評価提供料12,000点

注 別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関において、区分番号D006-19に掲げるがんゲノムプロファイリング検査により得られた包括的なゲノムプロファイルの結果について、当該検査結果を医学的に解釈するためのがん薬物療法又は遺伝医学に関する専門的な知識及び技能を有する医師、遺伝カウンセリング技術を有する者等による検討会での検討を経た上で患者に提供し、かつ、治療方針等について文書を用いて当該患者に説明した場合に、患者1人につき1回に限り算定する。

 通知
(1) がんゲノムプロファイリング評価提供料は、固形がん患者について、区分番号D「006-19」がんゲノムプロファイリング検査を行い、得られた包括的なゲノムプロファイルの結果について、当該検査結果を医学的に解釈するための多職種(がん薬物療法に関する専門的な知識及び技能を有する医師、遺伝医学に関する専門的な知識及び技能を有する医師、遺伝カウンセリング技術を有する者等)による検討会(エキスパートパネル)での検討を経た上で患者に提供し、治療方針等について文書を用いて患者に説明した場合に患者1人につき1回に限り算定する。

(2) 当該検査実施時に患者から得られた同意に基づき、当該患者のがんゲノムプロファイルの解析により得られた遺伝子のシークエンスデータ(FASTQ又はBAM)、解析データ(VCF又はXML)及び臨床情報等を、保険医療機関又は検査会社等からがんゲノム情報管理センター(C-CAT)に提出した場合に算定する。ただし、患者から同意が得られなかった場合については、この限りではない。

(3) C-CATへのデータ提出に係る手続きに当たっては、個人情報の保護に係る諸法令を遵守すること。

B012 傷病手当金意見書交付料 100点

注 健康保険法第99条第1項の規定による傷病手当金に係る意見書を交付した場合に算定する。

 通知
(1) 傷病手当金意見書交付料は、医師・歯科医師が労務不能と認め証明した期間ごとにそれぞれ算定できる。

(2) 傷病手当金意見書交付料は、意見書の交付時点において当該被保険者に対し療養の給付を行うべき者に対し請求する。

(3) 傷病手当金を受給できる被保険者が死亡した後に、その遺族等が当該傷病手当金を受給するために意見書の交付を求め、医師・歯科医師が意見書を交付した場合は、当該遺族等に対する療養の給付として請求する。

なお、この場合において、診療報酬明細書の摘要欄にと表示し、また、傷病名欄には、遺族等が他に療養の給付を受けていない場合は意見書の対象となった傷病名を、他に療養の給付を受けている場合は遺族自身の傷病名と意見書の対象となった傷病名の両方を記載する。

(4) 医師・歯科医師が傷病手当金意見書を被保険者に交付した後に、被保険者が当該意見書を紛失し、再度医師・歯科医師が意見書を交付した場合は、最初の傷病手当金意見書交付料のみを算定する。この場合、2度目の意見書の交付に要する費用は、被保険者の負担とする。

(5) 感染症法第37条の2による医療を受けるべき患者に対して、公費負担申請のために必要な診断書の記載を行った場合は、傷病手当金意見書交付料の所定点数の100分の100を、更に被保険者である患者について、この申請手続に協力して保険医療機関が代行した場合は、同じく傷病手当金意見書交付料の所定点数の100分の100を算定できる。なお、感染症法第37条による結核患者の入院に係る感染症法関係の診断書についても所定点数の100分の100を算定できる。

(6) 健康保険法若しくは国民健康保険法(昭和33年法律第192号)に基づく出産育児一時金若しくは出産手当金に係る証明書又は意見書については算定しない。

B013 療養費同意書交付料 100点

注 健康保険法第87条の規定による療養費(柔道整復以外の施術に係るものに限る。)に係る同意書を交付した場合に算定する。

 通知
(1) 療養費同意書交付料は、当該疾病について現に診察している主治の医師(緊急その他やむを得ない場合は主治の医師に限らない。)が、当該診察に基づき、(2)から(4)までの療養費の支給対象に該当すると認めた患者に対し、あん摩・マッサージ・指圧、はり、きゅうの施術に係る同意書又は診断書(以下「同意書等」という。)を交付した場合に算定する。

(2) あん摩・マッサージ・指圧の施術に係る療養費の支給対象となる適応症は、一律にその診断名によることなく筋麻痺・関節拘縮等であって、医療上マッサージを必要とする症例について支給対象とされている。

(3) はり、きゅうの施術に係る療養費の支給対象となる疾病は、慢性病であって医師による適当な治療手段がないものとされており、主として神経痛・リウマチなどであって、類症疾患についてはこれらの疾病と同一範疇と認められる疾病(頸腕症候群・五十肩・腰痛症及び頸椎捻挫後遺症等の慢性的な疼痛を症状とする疾患)に限り支給対象とされているものである。具体的には、神経痛、リウマチ、頸腕症候群、五十肩、腰痛症、頸椎捻挫後遺症について、保険医より同意書の交付を受けて施術を受けた場合は、保険者は医師による適当な治療手段のないものとし療養費の支給対象として差し支えないものとされている。また、神経痛、リウマチ、頸腕症候群、五十肩、腰痛症及び頸椎捻挫後遺症以外の疾病による同意書又は慢性的な疼痛を主症とする6疾病以外の類症疾患について診断書が提出された場合は、記載内容等から医師による適当な治療手段のないものであるか支給要件を保険者が個別に判断し、支給の適否が決定されるものである。なお、これらの疾病については、慢性期に至らないものであっても差し支えないものとされている。

(4) あん摩・マッサージ・指圧及びはり、きゅうについて、保険医療機関に入院中の患者の施術は、当該保険医療機関に往療した場合、患者が施術所に出向いてきた場合のいずれであっても療養費は支給されず、はり、きゅうについて、同一疾病に係る療養の給付(診察、検査及び療養費同意書交付を除く。)との併用は認められていない。

(5) 患者が同意書等により療養費の支給可能な期間(初療又は同意の日から6月。変形徒手矯正術に係るものについては1月)を超えてさらにこれらの施術を受ける必要がある場合において、医師が当該患者に対し同意書等を再度交付する場合にも別に算定できる。ただし、同意書等によらず、医師の同意によった場合には算定できない。

(6) 同意書等を再度交付する場合、前回の交付年月日が月の15日以前の場合は当該月の4ヶ月後の月の末日、月の16日以降の場合は当該月の5ヶ月後の月の末日までの交付については算定できない。ただし、変形徒手矯正術については、前回の交付年月日から起算して1月以内の交付については1回に限り算定できる。

(7) 医師が同意書等を交付した後に、被保険者等が当該同意書等を紛失し、再度医師が同意書等を交付した場合は、最初に同意書等を交付した際にのみ算定できる。この場合において、2度目の同意書等の交付に要する費用は、被保険者の負担とする。

B014 退院時薬剤情報管理指導料 90点

注1 保険医療機関が、患者の入院時に当該患者が服薬中の医薬品等について確認するとともに、当該患者に対して入院中に使用した主な薬剤の名称(副作用が発現した場合については、当該副作用の概要、講じた措置等を含む。)に関して当該患者の手帳に記載した上で、退院に際して当該患者又はその家族等に対して、退院後の薬剤の服用等に関する必要な指導を行った場合に、退院の日に1回に限り算定する。この場合において、同一日に、区分番号B005に掲げる退院時共同指導料2(注1の規定により、入院中の保険医療機関の薬剤師が指導等を行った場合に限る。)は、別に算定できない。

2 保険医療機関が、入院前の内服薬の変更をした患者又は服用を中止した患者について、保険薬局に対して、当該患者又はその家族等の同意を得て、その理由や変更又は中止後の当該患者の状況を文書により提供した場合に、退院時薬剤情報連携加算として、60点を所定点数に加算する。

 通知
(1) 退院時薬剤情報管理指導料は、医薬品の副作用や相互作用、重複投薬を防止するため、患者の入院時に、必要に応じ保険薬局に照会するなどして薬剤服用歴や患者が持参した医薬品等(医薬部外品及びいわゆる健康食品等を含む。)を確認するとともに、入院中に使用した主な薬剤の名称等について、患者の薬剤服用歴が経時的に管理できる手帳(区分番号「B011-3」薬剤情報提供料の(2)に掲げる手帳をいう。以下同じ。)に記載した上で、患者の退院に際して当該患者又はその家族等に対して、退院後の薬剤の服用等に関する必要な指導を行った場合に、退院の日に1回に限り算定する。なお、ここでいう退院とは、第1章第2部通則5に規定する入院期間が通算される入院における退院のことをいい、入院期間が通算される再入院に係る退院日には算定できない。

(2) 入院時に、医薬品の服用状況及び薬剤服用歴を手帳等により確認するとともに、患者が、医薬品等を持参している場合には、当該医薬品等について実際に確認し、その名称等及び確認した結果の要点を診療録等に記載する。

(3) 入院中に使用した薬剤のうち、どの薬剤について手帳に記載するかは、患者の病態や使用する薬剤の種類によるが、少なくとも、退院直前(概ね退院前1週間以内)に使用した薬剤及び入院中に副作用が発現した薬剤については記載する。副作用が発現した薬剤については、投与量、当該副作用の概要、投与継続の有無を含む講じた措置、転帰等について記載する。

(4) 患者の退院に際して、当該患者又はその家族等に、退院後の薬剤の服用等に関する必要な指導(保険医療機関を受診する際や保険薬局に処方箋を提出する際に、手帳を提示する旨の指導を含む。)を行うとともに、退院後の療養を担う保険医療機関での投薬又は保険薬局での調剤に必要な服薬の状況及び投薬上の工夫に関する情報について、手帳に記載すること。なお、指導の要点についても、分かりやすく手帳に記載し、必要に応じて退院時の処方に係る薬剤の情報を文書で提供すること。なお、退院後、在宅療養を必要とする患者であって、手帳にかかりつけ薬剤師の氏名が記載されている場合は、退院後の薬学的管理及び指導に関しかかりつけ薬剤師への相談を促すよう努めること。

また、入院時に当該患者が持参した医薬品の服用状況等について保険薬局から提供を受けた場合には、患者の退院に際して、患者の同意を得たうえで、当該保険薬局に対して当該患者の入院中の使用薬剤や服薬の状況等について情報提供すること。

(5) 手帳を所有している患者については、原則として、退院時までに家族等に持参してもらうこととするが、持参できない場合には、必要な情報が記載された簡潔な文書(シール等)を交付し、所有している手帳に添付するよう、患者に対して指導を行った場合又は新たに手帳を発行した場合でも算定できる。

(6) 退院時薬剤情報管理指導料を算定した場合は、薬剤情報を提供した旨及び提供した情報並びに指導した内容の要点を診療録等に記載する。なお、区分番号「B008」薬剤管理指導料を算定している患者の場合にあっては、薬剤管理指導記録に記載することで差し支えない。

(7) 「注2」に規定する退院時薬剤情報連携加算は、地域における継続的な薬学的管理指導を支援するため、保険医療機関から保険薬局に対して、患者の入院前の処方薬の変更又は中止に関する情報や変更又は中止後の患者の状態等に関する情報を提供することを評価するものである。

(8) 「注2」に規定する退院時薬剤情報連携加算は、退院時薬剤情報管理指導料の算定対象となる患者であって、入院前の処方の内容に変更又は中止の見直しがあったものに対して、患者又はその家族等の同意を得て、退院時に見直しの理由や見直し後の患者の状態等を、患者又はその家族等の選択する保険薬局に対して、文書で情報提供を行った場合に、退院の日に1回に限り算定する。なお、患者1人につき複数の保険薬局に対し情報提供を行った場合においても、1回のみの算定とする。

(9) 保険薬局への情報提供に当たっては、「薬剤管理サマリー」(日本病院薬剤師会)等の様式を参照して情報提供文書を作成し、当該文書を患者若しくはその家族等又は保険薬局に交付する。この場合において交付した文書の写しを診療録等に添付する。

(10) 死亡退院の場合は算定できない。

B015 精神科退院時共同指導料

1 精神科退院時共同指導料1(外来を担う保険医療機関又は在宅療養担当医療機関の場合)

イ 精神科退院時共同指導料(Ⅰ) 1,500点

ロ 精神科退院時共同指導料(Ⅱ) 900点

2 精神科退院時共同指導料2(入院医療を提供する保険医療機関の場合) 700点

注1 1のイについては、精神保健福祉法第29条若しくは第29条の2に規定する入院措置に係る患者、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(平成15年法律第110号)第42条第1項第1号若しくは第61条第1項第1号に規定する同法による入院若しくは同法第42条第1項第2号に規定する同法による通院をしたことがあるもの又は当該入院の期間が1年以上のものに対して、当該患者の外来を担う保険医療機関又は在宅療養担当医療機関であって、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関が、当該患者が入院している他の保険医療機関と共同して、当該患者の同意を得て、退院後の療養上必要な説明及び指導を行った上で、支援計画を作成し、文書により情報提供した場合に、入院中に1回に限り算定する。

2 1のロについては、療養生活環境の整備のため重点的な支援を要する患者に対して、当該患者の外来を担う保険医療機関又は在宅療養担当医療機関であって、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関が、当該患者が入院している他の保険医療機関と共同して、当該患者の同意を得て、退院後の療養上必要な説明及び指導を行った上で、支援計画を作成し、文書により情報提供した場合に、入院中に1回に限り算定する。

3 1について、区分番号A000に掲げる初診料、区分番号A001に掲げる再診料、区分番号A002に掲げる外来診療料、区分番号B002に掲げる開放型病院共同指導料(Ⅰ)、区分番号B004に掲げる退院時共同指導料1、区分番号C000に掲げる往診料、区分番号C001に掲げる在宅患者訪問診療料(Ⅰ)又は区分番号 C001-2に掲げる在宅患者訪問診療料(Ⅱ)は別に算定できない。

4 2については、精神病棟に入院している患者であって、他の保険医療機関において1を算定するものに対して、当該患者が入院している保険医療機関であって、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関が、当該患者の外来を担う保険医療機関又は在宅療養担当医療機関と共同して、当該患者の同意を得て、退院後の療養上必要な説明及び指導を行った上で、支援計画を作成し、文書により情報提供した場合に、入院中に1回に限り算定する。ただし、区分番号B003に掲げる開放型病院共同指導料(Ⅱ)、区分番号B005に掲げる退院時共同指導料2又は区分番号I011に掲げる精神科退院指導料は、別に算定できない。

 通知
(1) 精神科退院時共同指導料1については、他の保険医療機関の精神病棟に入院中の患者であって、(2)又は(3)に定める患者に対して、当該患者の外来又は在宅療養を担う保険医療機関の多職種チームが、入院中の保険医療機関の多職種チームとともに、当該患者の同意を得て、退院後の療養上必要な説明及び指導を共同で行った上で、支援計画を作成し、文書により情報提供した場合に外来又は在宅療養を担う精神科又は心療内科を標榜する保険医療機関において、入院中に1回に限り算定すること。

(2) 「1」の「イ」については、精神病棟に入院中の患者であって、精神保健福祉法第29条又は第29条の2に規定する入院措置に係る患者、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律第42条第1項第1号又は第61条第1項第1号に規定する同法による入院又は同法第42条第1項第2号に規定する同法による通院をしたことがある患者又は当該入院の期間が1年以上の患者(この区分において「措置入院患者等」という。)に対して、当該保険医療機関の多職種チームが、当該患者が入院中の保険医療機関の多職種チームとともに、共同指導を行った場合に算定すること。なお、共同指導を行う当該保険医療機関の多職種チームには、以下のアからウまでの職種がそれぞれ1名以上参加していること。また、必要に応じてエからコまでの職種が参加していること。ただし、アからカまでについては、当該保険医療機関の者に限る。

ア 精神科の担当医

イ 保健師又は看護師(この区分において「看護師等」という。)

ウ 精神保健福祉士

エ 薬剤師

オ 作業療法士

カ 公認心理師

キ 在宅療養担当医療機関の保険医の指示を受けた訪問看護ステーションの看護師等

ク 在宅療養担当医療機関の保険医の指示を受けた訪問看護ステーションの作業療法士

ケ 市町村若しくは都道府県、保健所を設置する市又は特別区等(この区分において「市町村等」という。)の担当者

コ その他の関係職種

(3) 「1」の「ロ」については、「1」の「イ」以外の患者であって、平成28~30年度厚生労働行政調査推進補助金障害者対策総合研究事業において「多職種連携による包括的支援マネジメントに関する研究」の研究班が作成した、別紙様式51に掲げる「包括的支援マネジメント実践ガイド」における「包括的支援マネジメント導入基準」を1つ以上満たした療養生活環境の整備のため重点的な支援を要する患者(この区分において「重点的な支援を要する患者」という。)に対して、当該保険医療機関の多職種チームが、当該患者が入院中の保険医療機関の多職種チームとともに、共同指導を行った場合に算定すること。なお、共同指導を行う当該保険医療機関の多職種チームには、(2)のア又はイ及びウの職種がそれぞれ1名以上参加していること。また、必要に応じてエからコまでの職種が参加していること。ただし、アからカまでについては、当該保険医療機関の者に限る。

(4) 精神科退院時共同指導料2については、精神病棟に入院中の患者であって、措置入院患者等又は重点的な支援を要する患者に対して、入院中の保険医療機関の多職種チームが、当該患者の外来又は在宅療養を担う他の保険医療機関の多職種チームとともに、当該患者の同意を得て、退院後の療養上必要な説明及び指導を共同で行った上で、支援計画を作成し、文書により情報提供した場合に入院医療を担う保険医療機関において、入院中に1回に限り算定すること。

(5) 「2」については、(4)に規定する患者に対して、当該保険医療機関の精神科の医師、看護師等及び精神保健福祉士並びに必要に応じて薬剤師、作業療法士、公認心理師、在宅療養担当医療機関の保険医の指示を受けた訪問看護ステーションの看護師等若しくは作業療法士又は市町村等の担当者等が共同指導を行った場合に算定すること。

(6) 重点的な支援を要する患者に対して共同指導を実施する場合、「包括的支援マネジメント導入基準」のうち該当するものを診療録等に添付又は記載すること。

(7) 共同指導の実施及び支援計画の作成に当たっては、平成28~30年度厚生労働行政調査推進補助金障害者対策総合研究事業において「多職種連携による包括的支援マネジメントに関する研究」の研究班が作成した、「包括的支援マネジメント実践ガイド」を参考にすること。なお、患者又はその家族等に対して提供する文書については、別紙様式51の2「療養生活環境の整備に関する支援計画書」を用いること。また、当該文書の写しを診療録等に添付すること。

(8) 共同指導は、ビデオ通話が可能な機器を用いて実施しても差し支えない。なお、ビデオ通話が可能な機器を用いる場合、患者の個人情報を当該ビデオ通話の画面上で共有する際は、患者の同意を得ていること。また、保険医療機関の電子カルテなどを含む医療情報システムと共通のネットワーク上の端末においてカンファレンスを実施する場合には、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に対応していること。

(9) 精神科退院時共同指導料は、退院後在宅での療養を行う患者が算定の対象となり、他の保険医療機関、社会福祉施設、介護老人保健施設、介護老人福祉施設に入院若しくは入所する患者又は死亡退院した患者については、対象とはならない。

(10) 精神科退院時共同指導料を算定する場合は、診療報酬明細書の摘要欄に、当該指導料の対象となる患者の状態について記載すること。

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